■ 転覆して増殖したら、集約させるのが世の常でしょうか


■オススメ度

 

『THE WITCH/魔女』を観た人(★★★)

サイキックバトルアクションが好きな人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2023.5.29(イオンシネマ京都桂川)


■映画情報

 

原題마녀 Part2 The Other One

情報:2022年、韓国、137分、R15+

ジャンル:「魔女プロジェクト」に非検体を追う組織と、偶然保護することになった家族を描いたサイキック・バトルアクション映画

 

監督&脚本:パク・フンジョン

 

キャスト:

シン・シア/신시아(Ark 1と呼ばれる非検体の少女)

 

パク・ウンビン/박은빈(ギョンヒ:少女を匿う女性)

   (幼少期:ナム・イェアン/남예안

ソン・ユビン/성유빈(デギル:ギョンヒの弟)

   (幼少期:チャン・ジホ/장지호

チャ・スンベ/차순배(パク・ビョン:ギョンヒの叔父)

コン・ミンジュン/공민준(ギョンヒの父)

チャン・ギョミ/장규미(ギョンヒの母)

 

チョ・ミンス/조민수(パク統括:魔女プロジェクトの創始者、ペク博士の双子の妹)

ソ・ウンス/서은수(チョ・ヒョン/隊長:少女排除を任命される「アーク」のエージェント)

ジャスティン・ジョン・ハーヴィ/Justin John Harvey(トム:隊長の腹心)

 

イ・ジョンソク/이종석(チャン:少女の行方を追う「アーク」の責任者)

 

チン・グ/진구(ヨンドゥ:ギョンヒの土地を狙うヤクザ)

チャン・ナムス/장남수(ヨンドゥの部下)

チェ・ドング/최동구(ヨンドゥの部下)

チョン・ジヌ/정진우(ヨンドゥの部下)

ハン・サンギョン/한상경(ヨンドゥの部下)

 

チェ・ウォンビン/채원빈(土偶の女)

ソ・イラ/서이라(土偶の女、ナイフ女)

チョン・ラエル/정라엘(土偶の女、助手席)

キム・ギヘ/김기해(土偶の男)

 

ビョン・ソユン/변서윤(ミヨン:サヌォル・ファッションの社員、社員旅行で拉致される女性)

チャン・ジェヨン/장재영(ミヨンの友人)

シン・ヨンオク/신영옥(ヤン主任:チーム長、ミヨンの上司)

モグ/모그(サヌォル・ファッションの社員)

キム・ミンサン/김민상(サヌォル・ファッションの社員)

キム・ウニョン/김은영(サヌォル・ファッションの女性社員)

 

キム・デフン/김대흥(ヤン主任の部下)

シン・ヒチョル/신희철(ヤン主任の部下)

チョン・ファンウク/정환욱(ヤン主任の部下)

チェ・ユンソン/최윤선(観光バスの運転手)

 

シン・スジョン/신수정(Youtuber)

キム・ウニョン/김은영(Youtuber)

キム・ムソン/김무성(Youtuber)

ファン・ジョンファン/황종환(Youtuber)

コ・イェウン/고예은(Youtuber)

 

キム・ダミ/김다미(ク・ジャユン:少女の姉、前作の主人公)

 


■映画の舞台

 

韓国:

済州島/Jeju-do

https://maps.app.goo.gl/vZpMbhNaiTs69DV2A?g_st=ic

 

ロケ地:

上に同じ

 


■簡単なあらすじ

 

ファッションブランドの社員旅行に参加していたミヨンは、ある集団の思惑によって拉致されてしまう

彼女は誰かの想い人の子どもを授かっていたが、それが何者かに利用されようとしていた

 

それから数十年後、ある研究所に複数のエージェントが乱入し、施設を破壊し、非検体を次々と抹殺していった

誰もが全滅したと思われていたが、その中に一人だけ生き残った少女がいた

少女は雪で埋め尽くされた森林を徒歩で移動し、そして国道にてある車に乗せられる

 

その車は、土地絡みのトラブルで拉致られていたギョンヒを乗せた車で、犯人たちは「車を見られた」と言う理由で少女を誘拐し、始末しようと考えた

 

だが、少女は謎の力を発揮し、犯人グループを薙ぎ倒し、そしてその場に倒れ込んだ

ギョンヒは彼女を確保し、叔父の動物病院へと運び込む

少女は複数の銃弾を浴びていて、頚椎にも銃創が認められていた

 

少女はある研究所の非検体で、それは特別な力を有していた

研究所のパク総括はエージェントのチョ・ヒュン曹長に抹殺命令を下した

 

そんな折、各国にあるラボが何者かによって破壊され、多くの非検体が処分されていた

 

テーマ:人の温もり

裏テーマ:大義の踏襲

 


■ひとこと感想

 

『THE WITCH』シリーズの2作目と言うことは重々承知で、本来ならばアマプラで前作を鑑賞してから参戦する予定でした

でも、仕事の都合でスケジュールがグダグダになり、ブログ執筆に充てている時間までぶっ飛んで、前作を観る時間すらないままに突入することになりました

 

直前にウィキなどでネタバレ上等で「どんな話か」だけを確認し、どうやら「前作の最後に出てきた謎の少女が主人公らしい」と言うことは把握できました

それぐらいの知識で参加を余儀なくされましたが、持ち前の「勝手に物語作る癖」にて、脳内補完を行い、物語の背景はなんとなく察することができました

 

少女をめぐって、研究所内外に3つの部隊がいて、一つがパク総括直轄のヒョン曹長とおちゃらけ外人トム、もう一つがヒョンの元上司の見ているだけスーツ組、そして3つ目は「超能力4人組」と言う感じになっていましたね

 

これらの研究所関係のパワーバランスに巻き込まれたのが、少女を匿うことになったギョンヒ達で、彼女たちもヤクザとトラブルになっていたことがわかります

本作では、この設定の中で「少女が覚醒する経緯」を描いていて、頭の中で聞こえる母らしき人物のテレパシーと、実際にふれることができる人間の温かさと言うものが対比になっていたと思います

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

「魔女」と言うタイトルだったので、勝手に「魔法バトル」ものだと思っていたのですが、どちらかというと「サイキックバトル」になっていましたね

念能力なのか物理攻撃なのかわからない攻撃の応酬で、打撃で彼方までぶっ飛ぶと言う攻防がなされていました

 

物語は、3部作の真ん中っぽい感じになっていて、副題が「The Other One」すなわち「もう一人」と言うものになっていましたね

なので、前作が「一人目の魔女」で、今回が「二人目の魔女」となり、次作で「激突するのか、共通の敵を倒すのか?」と言う感じになっているように思えました

 

少女には名前がなく、便宜上では「Ark 1」と言う番号があてがわれているようですね

研究所を統括する会社の財産ということですが、守ろうとしているのか、隠蔽しようとしているのかの背景は、本作だけでは分かりませんでした

 

ともかくサイキックバトルが観たい人向けで、少女が家族の温かさにふれる中で惨劇が生まれ、それによって開放が起こるというカタルシスがありましたね

 


前作のおさらい

 

前作『THE WITCH/魔女The Witch:Part 1. TheSubverion)』は2018年に韓国で公開された映画で、監督は本作と同じパク・フンジョン監督になっています

前作のサブタイトルは「転覆」という意味になりますね

 

物語は、多数の死者を出した事件勃発後に、謎の研究施設から少女が逃亡するところから始まります

少女はそのまま森を抜けて、ある農場にたどり着き、そこで気を失って倒れてしまいます

夜が明けて、農場主が彼女を発見し保護、それからその娘をジャユンと名付け、育てることになりました

 

10年後、ジャユンは高校生になり、友達もできますが、農業は困窮の極みになっています

お金が払えずに家畜の餌も買えず、そこで友人のミョンヒから「歌手のオーデション番組」を教えてもらいます

彼女の強引な誘いで大会に出場したジャユンは、そこで歌と一緒にある特技を披露することになりました

 

この放送を受けて、彼女を探していた団体が接触を試みます

研究施設で彼女を作ったペク博士率いる特殊部隊と、ペク博士と対立しているミスター・チェの部隊が暗躍し、彼女を研究所に連れてこようとするのですね

そんな中、謎の頭痛が頻繁に起こるようになり、とうとう隠されていた能力が出現することになりました

 

というお話で、後半に怒涛のネタバラシと展開が待っているので、ネタバレなしで鑑賞する方が良いと思います

テイストとしては本作と同じですが、オチは違いますね

何よりも、ネタバレの瞬間のジャユン役のキム・ダミさんの演技が凄かったですね

 

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3作目をプチ予想

 

本シリーズは、全3部作になっていて、「研究施設を転覆させるジャユン」「研究施設から増殖する敵と戦う少女」という流れになっています

次作に関しての発表はまだありませんが、「転覆」が2018年、「増殖」が2022年なので、順調に行けば2026年頃に韓国で公開、日本に入ってくるのは2027年頃になると考えられます

本作のラストでは、ジャユンと行動をともにする少女が描かれていて、「ジャユンは完全体に近い存在」で「少女は完全体」であるという設定があります

なので、ガチバトルをすると少女の方に分があると言えます

 

ジャユンの狡猾さ(悪賢い)というのは前作と今作も変わらないので、少女を敵には回さないと考えられます

最終決戦はアークの責任者チャンとの対決で、これまでは研究施設との戦いでしたが、いわゆる「研究施設を運用している本部(会社)」が二人の抹殺に本腰を入れることになるでしょう

強さのインフラを考えるなら、少女の覚醒データが本社でモニタリングされていて、死んだはずのペク博士が登場するという流れになるのかなと思います

そこでジャユンや少女と戦うことになるのは、彼女たちの母ミヨンになるでしょう

 

また、死体で連れ去られたギョンヒとデギルも再生してメンバーになると思いますが、どっちかしか選べないという設定でしたね

おそらくはデギルを復活させる方を選び、ギョンヒが敵側によって復活する流れになるように思います

なので、「ジャユン&少女&デギル」VS「ミヨン&ギョンヒ&チャン」という構図になるのではないでしょうか

あくまでも素人考えの想像ですが、数年後にどこまで合ってるかを確かめてみたいですね

無事に製作され、日本での公開があることを待ちたいと思います

 


120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

本作のタイトルは「魔女」なのですが、どちらかと言えば「ミュータント」っぽさがあり、念能力と高速移動、破壊的な打撃力、類まれなる生命力というものが合わさっています

前2作ともに「能力の開花」を重点に置いていて、擬似家族的なものがストーリーに組み込まれていました

なので、最後は「本物の血縁」と対峙する流れになり、かつ擬似家族との戦いになっていくのだと考えられます

 

「転覆」「増殖」ともに、特殊能力者を救うのが「農場主」というところが同じで、正体に気付きながらも助けるのは「女性」の方でしたね

その他にも「強いのは女性」という構図になっていて、男は添え物のように従属しているという流れがありました

次作でもその流れは続き、女性が作るヒエラルキー構造の中で「行き場所を探す男性」というのがいて、男性が最高位になれない理由というものも明かされると思います

このあたりは「種」「卵」の関係が強くて、種は卵になれず、卵は種を産めるという生命の構造があるのでしょう

 

本作は、そこまでロジカルに魔女を作り出しているわけではないのですが、研究対象が女性が多いのは「生命の連鎖」というものを念頭に置いていて、世代というものを作り出せるからなのだと思います

その中で「成長による細胞分裂が活発な子ども」というのは、「研究の成果を早く知ることができる存在」なのですね

生命は細胞分裂の鈍化によって死を迎えるので、進化というのは若年層の細胞の中で行われていきます

 

ジャユンも少女も成長としてはピークを迎えているのですが、ミヨンに関しては完全体でありながらも生命のサイクルの繰り返す存在のように思います

自分の体内で成長する細胞を生み出すのが母体なのですが、生命の基本構造としては、それを体外に排出して遺伝子情報を残すことで進化を生み出します

これが自分の体内でできれば、いわゆる「不老不死」の段階に突入するのですね

そして、母体内で細胞の増殖を行うために必要なのがオスの遺伝子であると言えます

 

優秀なオスを生み出し、その種を母体に再注入することで起きる「母胎内核融合」みたいなものが完成すれば、これが本当の完全体なのだと思います

なので、ミヨンとその研究者が考えることは、ジャユンと少女を捕獲し、その遺伝子情報を優秀なオスと掛け合わせ、そしてミヨンに再注入することになるでしょう

それに使われるのがデギルではないかと考えています

色々と考えてみましたが、予想を超える内容になることを期待したいですね

 


■関連リンク

Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://movies.yahoo.co.jp/movie/386125/review/b4ae2e3f-ffa2-4dcd-bde4-866bbbaa514c/

 

公式HP:

https://ark-thewitch.com/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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