■年少日記
Contents
■オススメ度
若者の深刻な悩みを描いた作品に興味がある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2025.6.12(アップリンク京都)
■映画情報
原題:年少日記(子ども時代の日記)、英題:Time Still Turns the Pages(時はページをめくり続ける)
情報:2023年、香港、95分、PG12
ジャンル:無記名の生徒の遺書に想いを馳せる中学校の教師を描いたヒューマンドラマ
監督&脚本:ニック・チェク
キャスト:
ロー・ジャンイップ/盧鎮業(チャン先生/鄭先生:無記名の遺書を発見する中学校の先生)
(若年期:カーティス・ホー/何珀廉)
タイ・ユッキ/戴玉麒(チャン・ヤウジョン/鄭有俊:厳格な家庭で育てられた小学生)
ショーン・ウォン/黃梓樂(チャン・ヤウギッ/鄭有傑:人形遊びが好きな10歳の少年、ヤウジョンの兄弟)
ロナルド・チェン/鄭中基(チャン・フンチェン/鄭自雄:ヤウジョンとヤウギッの父、弁護士)
ローザ・マリア・ベラスコ/韋羅莎(ヘイディ・チェン/チェンライ・ガーヤン/鄭黎嘉欣:ヤウジョンとヤウギッの母)
ハンナ・チャン/陳漢娜(ラム・シュッイー/林雪兒:チャン先生の妻、声優)
(若年期:ナンシー・クワイ/歸綽嶢)
ヘニック・チョウ/周漢寧(ヴィンセント/梵高:チャン先生の生徒)
サブリナ・ン・ピン/吳冰(ウォン・ガーイー/黃家怡:チャン先生の生徒、クラス委員)
ルナ・チャン/邵美君(ハーさん/蝦姐:中学校のソーシャルワーカー)
ジェシカ・チャン/陳苡臻(チャン先生/陳先生:ヤウギッのピアノの先生)
チャン・チャムマン/陳湛文(サイモン/Simon:ヤウギッの2番目のピアノの先生)
レイチェル・レオン/梁雍婷(ゾーイ/Zoey:フンチェンの秘書)
Aloha Lalen Velasco(リナ/菲傭:チャン家のメイド)
セト・ワヒン/司徒華軒(フンチェンの運転手)
シー・ヨンハー/謝永滔(チェー・ウィントゥ:ヤウギッが好きな漫画家)
【ルオフータン中学校/羅福堂中学校】
ローレンス・ラウ/劉國昌(校長)
ジョーイ・レオン/梁祖堯(副校長)
ピーター・ラウ/劉偉鴻(用務員)
ヨン・チュウイー/楊仲堯(売店スタッフ)
シェイ・チャクヴァン/謝趕汎(ライ先生/黎先生:体育の先生)
キース・チャン/陳曉進(チャン先生と話す生徒)
ジョン・ホー/何求(ヴィンセントのいじめっ子)
リー・ティムロン/李添朗(ヴィンセントのいじめっ子)
チャン・ユーティン/陳宇廷(ヴィンセントのいじめっ子)
【セインツ小学校/聖斯小学校】
コイ・マック/麥芷誼(レオン先生/梁先生:ヤウギッの担任の先生)
ローレン・ウォン/王汶彥(クラスメイト)
テリー・ラム/林偉文(校長先生)
チャン・シウイン/陳小燕(職員)
ン・ウェイクエン/吳偉娟(職員)
マイケル・ラウ/劉智堅(職員)
サイモン・ポー/龐浩然(職員)
リー・カイマン/李繼民(職員)
ヨン・シュファイ/楊肇輝(職員)
【その他】
チャン・カムフン/陳甘鳳(文具店の店長)
テレサ・クウォン/鄭珮詩(ヨン校長/楊校長:華沙小学校の校長)
ユク・ウォン/黃育龍(結婚式の写真撮影スタッフ)
モン・チュン/秦詩韻(結婚式の写真撮影スタッフ)
マット・チャウ/周基變(結婚式の写真撮影スタッフ)
アンディ・ワン/汪澤霖(焼売屋の店員)
ラウ・チュンキト/劉俊傑(ミニバスの運転手)
チャン・キンフー/陳健富(屋上の警備員)
ダヴィッド・ユー/余達志(私服警官)
ジョー・チュン/鍾健恒(私服警官)
チェン・フォンジェン/陳鳳珍(喪服を着た親戚)
タム・ヨクユン/譚若欣(喪服を着た親戚)
ラム・ヒュウェイ/林曉蕙(母に似た路上の女性)
マックス・チャン/陳泓(ラムの新しい彼氏)
アニック・チョイ/蔡安妮(チャン先生の新しい彼女)
フー・ホイヤン/傅海欣(看護師)
ジョリオン・チャン/張戩仁(医師)
リー・ホイワー/李海華(レコード室のスタッフ)
【声の出演】
チェスター・マク/麥可立(羅福堂中学校の生徒)
ジョン・ホー/何求(羅福堂中学校の生徒)
アイリス・リュー/廖穎琛(遺言を読む声)
カカ・ウォン/尹嘉裕(遺書を読む声/TVのレポーター)
サム・チュウ/Sam先生(TVのニュースアンカー)
ホリー/肥L(ヤウギッのぬいぐるみの声)
マーティン/馬田(喪服を着た親戚)
コニック/康妮(喪服を着た親戚)
■映画の舞台
香港:モンコック/旺角
https://maps.app.goo.gl/6miEiXxrUV4G8QRn7?g_st=ic
ロケ地:
香港各所
■簡単なあらすじ
香港の都市部に住むチャン先生の学校にて、無記名の遺書が発見された
校長を交えて緊急の会議が行われるものの、副校長はネットで拾ったものだと軽んじ、チャン先生は憤りを覚えた
カウンセラーのハーさんのアドバイスを受けて「信頼できる生徒」に話を聞くことになったチャン先生は、クラス委員長のウォンに話をすることになった
その後も色んな生徒に聞くものの有力な情報は得られないまま、中学校は最後の試験の日々が近づいていた
現在のチャン先生には声優活動をしている妻ラムがいたが、今は仲が冷え切っていて、離婚間近となっていた
そのことは生徒の中にも知れ渡っていて、いじめられていた生徒ヴィンセントのことを気にかけても「先生の方が先でしょ」と言われてしまっていた
チャン先生はその遺書に書かれていた言葉に覚えがあり、押入れの中から昔の日記を見つけ出す
そこには彼らの過去を想起させる出来事が綴られていて、チャン先生は想いを馳せることになった
テーマ:教育の先にある孤独
裏テーマ:直接話すことの意味
■ひとこと感想
年少と言う言葉は関西圏では「少年院」のことを言うのですが、そんな訳はないよなと思いながら鑑賞していました
香港の富裕層が舞台となり、一代で成り上がった父の鬼のようなしごきに耐える小学生を描いていて、中盤であっと驚くサプライズが待っています
キャスト欄を見ただけでもネタバレになりそうなので気を使いましたが、曖昧な表記になっているのはその為だと思っていただければ幸いかと思います
映画は、中学校の先生が生徒の遺書によって過去を思い返すと言うもので、小学校高学年ぐらいの兄弟とその両親が描かれていきます
出来の悪い兄となんでも器用にこなす弟がいて、父は成り上がり弁護士として、努力すれば報われると信じていたりしまう
自分ができたことは子どもにもできると考えている親で、不出来だったら容赦ない体罰が課せられます
妻にも罵声を浴びせるし、本人の前で「クズ」と吐き捨てたりするので筋金入りのように思えました
物語は、遺書の持ち主探しをする中で過去を想起し、自分自身が教師になったきっかけと、離婚に発展しかけている夫婦関係の馴れ初めが描かれていました
妻の高校時代と現在の姿が驚くぐらいに雰囲気が似ていて、一瞬同じ人が演じていたのかなと思ってしまうほどでしたね
チャン先生の高校時代は別人が演じていましたが、あまり似せていないのには意味があったのだと思います
ともかく、「何も知らずに観るのは良い映画」なので、興味のある人は「ネタバレ」は避けたほうが良いと思います
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
映画では、青少年の悩みが描かれていて、小学校の時代からあんなにスパルタなのかと驚いてしまいます
親が金持ちで成り上がった人だと容赦ないと言う感じで、香港(中国)の今を切り取っているように思います
中高生の自殺と小学生の自殺の理由は違うように思えますが、根っこの部分は同じなのですね
チャン先生は器用だったからその道に進むことはなかったのですが、ある種の自己防衛の果てに起きたトラウマのように思えてしまいます
映画は見せ方がとても上手くて、ほとんどの人が「誰が亡くなったのか」を誤認したと思います
その仕掛けが絶妙で、そのネタバラシの後からのチャン先生の独白は、そのまま日記に書かれていく文章の伏線となっていました
原題だと「少年時代の日記」みたいなざっくりとしたものになりますが、英題「Time Still Turns The Page」をじっくりと考えると胸に来ますね
直訳だと「時はページをめくり続ける」となりますが、映画を観た後だと「時間は新しいページへと続いていく」みたいな感じに思えます
チャン先生とラムがどうなったのかはわかりませんが、彼女ならきっと「支える」んじゃないかと思います
また、チャン先生は自分の想いを日記に書いたことで、追体験をしていくことになります
ラストでは、遺書を書いた生徒と話す場面があり、その直前には「メッセージにするか会って話すか」を相手に委ねていましたね
生徒は会って話すことを選ぶのですが、彼がピアノの先生にしてもらったように、そっと肩を寄せて「ぬくもり」を与えるのは印象的なシーンだったと思いました
■孤独に寄り添うと言うこと
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■対話から生まれるぬくもりの正体
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/100364/review/05196026/
公式HP:
https://klockworx.com/nensyonikki
