■修学旅行が晴れ続きだったのは、彼女たちの日頃の行いが良いからなのかもしれません


■オススメ度

 

東京観光映画に興味がある人(★★)

主演のアイドルたちのファンの人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2024.10.30(TOHOシネマズ二条)


■映画情報

 

情報:2024年、日本、87分、G

ジャンル:地方から東京に来た女子高生たちを描いた青春映画

 

監督:熊切和嘉

脚本:福田晶平&土屋亮一

 

キャスト:

正源司陽子(池園優里香:綿密なプランを立てる班長)

 

渡辺莉奈(桐井智紗:アイドルのオーディションを受けたい優里香の班の生徒)

藤嶌果歩(羽川恵:憧れの男子を追いかけたい優里香の班の生徒)

石塚瑶季(説田詩央里:推しキャラグッズを手に入れたい優里香の班の生徒)

小西夏菜実(桝谷綾乃:都会っぽくクールに振る舞う優里香の班の生徒)

 

竹内希来里(辻坂美緒:恵の抜け駆けを阻止するクラスメイト)

 

清水理央(角村若菜:詩央里と同じ目的のクラスメイト、サバサバ系)

宮地すみれ(簗取茜:詩央里と同じ目的のクラスメイト、迷子)

山下葉留花(門林萌絵:詩央里と同じ目的のクラスメイト、整理券紛失)

 

平尾帆夏(花里深雪:綾乃に憧れるクラスメイト)

平岡海月(満武夢華:綾乃の東京時代の友人)

 

八嶋智人(日沼健二:担任の先生)

 

小坂菜緒(有川凛:智紗が憧れるアイドル)

 

真飛聖(五十嵐佳苗:何かと絡んでくるタクシー運転手)

 

島村龍乃介(守谷道宏:恵が接近したいクラスメイト)

大塚萌香(守谷に近づく女子生徒?)

 

真凛(アクの強いカフェ店員)

 


■映画の舞台

 

東京都内

 

ロケ地:

東京都:豊島区

GiGO 池袋3番館

https://maps.app.goo.gl/XUBiaEnhZei3ZeBF9?g_st=ic

 

Fanfantasy+ GiGo池袋3番館

https://maps.app.goo.gl/mk8Aig88RLQzh1yE6?g_st=ic

 

東京都:新宿区

SUBNADE

https://maps.app.goo.gl/rtwG44JehDUL1rni8?g_st=ic

 

東京都:台東区

BELMONT HOTEL

https://maps.app.goo.gl/nGH2SD4sFc4eCVWy8?g_st=ic

 

東京都:港区

PAPRAGALLO

https://maps.app.goo.gl/VD76n4AUw3a8Cvpv9?g_st=ic

 

東京都:墨田区

東京スカイツリー

https://maps.app.goo.gl/7yH8Nu6Arz3ZpG9q8?g_st=ic

 


■簡単なあらすじ

 

地方から修学旅行に来た優里香たちのクラスは、班によって自由行動をすることになった

綿密な計画を立てて「東京の全部を満喫する」と宣言する優里香だったが、班員のみんなにはそれぞれ思惑があった

 

智紗はアイドルのオーディションを受けたくて、恵はクラスメイトの守谷と仲良くなりたいと考えている

詩央里は友だちと一緒に推しキャラの限定品ゲットに走り、東京出身の綾乃は特に行きたい場所もなかった

 

そんな彼女たちは、目当ての店が混雑しているのを良いことに、好きな場所で食事をして、1時間後に集まろうという流れに乗っかってしまう

優里香は真面目にその時間に戻ってくるものの、誰もその場所にはおらず、仕方なく自分一人で計画通りに旅行を続けようと考えるのである

 

テーマ:旅行の楽しさの正体

裏テーマ:体験に必要なもの

 


■ひとこと感想

 

日向坂46の4期生が全員出演するアイドル映画で、地方から東京に修学旅行に来た高校生たちを演じていました

中心になるのは班長を中心とした五人組で、それぞれが行きたい場所に友人や憧れのアイドルがいる、という感じになっています

ともかくアイドル映画なので、キラキラ輝いている彼女たちを愛でる映画となっていました

 

おそらくは当て書きに近い感じで、普段の彼女たちもそのままなのだと思います

気を使うような大御所俳優と絡みまくるということはあまりなく、それぞれのシーンは自由に演技していたのかなと思いました

一部、タクシー運転手さんと絡んだり、カフェの店員に突っ込まれたりはありましたが、憧れの男子を追いかける二人も接触はしないので、ファンに配慮した展開になっているのかな、と感じました

 

物語性がないまま進むのかと思いましたが、後半にはまさかの展開があって、アイドルがアイドルのオーデションを受けるなんていうくだりがありましたね

さすがに不合格にはできないのでという大人の事情などもありましたが、そのあたりは劇場で確かめて頂いたら良いのかなと思います

ともかく、キラキラしてますわ

あまり馴染みがなかったけど、個人的には帽子キャラの辻坂を演じた竹内希来里さんがツボにハマっちゃいましたね

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

本作にネタバレがあるのかは分かりませんが、東京旅行疑似体験としては物足りないと思います

予算の関係なのか、花やしきは休園日だし、その他のお金がかかりそうなところは軒並みスルーしていましたね

時折、日向坂46だと気づいた通行人もいたようで、振り返っている人たちもいました

 

映画は、ある目的を持ったメンバーがチャンスとばかりに散り散りになっていき、班長一人が酷い目に遭うという感じになっています

でも、彼女がいたことで迷子になったメンバーが目的地に行けたりして、いろんな要素をうまく混ぜ合わせていたように思います

 

ED曲がなぜか日向坂46ではなかったのは不思議でしたが、エモいシーンとかでもっと楽曲を使っても良かったと思います

基本的にファンムービーなので、ファンの人以外は観ないと思いますが、青春映画として観るには少し物足りなさを感じるでしょうね

それは、青春時代に起こりがちな負の感情が一切出てこないので、リアリティというものを感じないからのように思いました

とは言え、憧れ男子を奪われて闇堕ちするみたいな展開が必要とは思えず、これくらいでちょうど良いのかな、と思いました

 


修学旅行をどうするか

 

本作は、東京近郊に住む女子高生たちが都心に修学旅行をするという物語で、アイドルグループがまんまクラスメイトを演じるという内容になっていました

おそらくは当て書きのようなキャラ設定で、真面目な班長を筆頭に、そのまま演じればOKという感じに作られているのだと思います

東京に来てやりたいことがバラバラという中で、自由行動に向けての計画を立てていて、隙あらば目的を達成しようと考えていました

 

修学旅行は限られた時間を有意義に使いたくなりますが、土地勘のない人がプランを立てると一気に崩壊寸前になってしまいます

移動距離と交通事情は全く読めないもので、余裕を持っても集団の動きというものを統率することができません

今回は、ハプニングありきでシナリオを作っているので、破綻する前提で無理やりスケジュールを組んでいる流れになっていて、そこから散り散りになったが故に起こるサプライズというものも組み込んでいました

それが意外な効果を生み出して、まとまりのあるシナリオになっていたと思います

 

実際に修学旅行のプランを計画するとすれば、各人のやりたいことを吸い出す必要がありますが、仮のプランを立てておかないと何でもありになってしまって収集がつかなくなります

なので、ルートをあらかじめ設定して、このルートで行きたいところを追加してもらうというような流れになると思います

また、行きたいリストを提示してもらう際には、第1〜第3候補ぐらいまでを優先順位で選んでもらうことになるでしょう

でも、アイドルのオーディションを受けたいというような「秘密にしなかればならない目的」というものを加味することができないので、このような時には「自由時間をどの時間帯で作って欲しいか」というものを挙げてもらうことでカバーできるのではないでしょうか

 


青春映画に必要な要素

 

青春映画といえば、限定的なイベント、感情の昂りなどが必須となっていて、短期間における変化というものが生まれます

個人の成長もさることながら、目的を有する集団の成長なども目まぐるしく、そう言った不可思議な力の存在を知る時期であるといえます

修学旅行を迎えるということは、これから受験などを含めた進路を決めていく時期になります

自分に何ができるのかとか、自分は何をしたいのかが決まっている人もいれば、何も見えていない人もいます

とりあえず、進路を保留するために大学に行くという人もいますが、あまりオススメできない保留であると思います

 

青春時代には無敵に思える時期と、無力に思える時期があって、そのサイクルのどこで進路を選ばなければならないかが問題になってきます

この浮き沈みは個人のリズムとなっていて、同じような挫折を味わっても、資質によって受け止め方が違って来ます

一般の高校に進学していると、大体の自分の得意分野というものがわかっていて、漠然とした将来像が見えてくる時期になっています

映画では、そこまで深刻な心情は描いてはいませんが、そう言った爆弾のようなものを抱えつつ、非日常を楽しもうと考えているように思えました

 

青春には、仲間、恋愛、憧憬、嫉妬などの様々なものが降りかかり、その結末を急ぐ時期のようにも思えます

アイドルになりたい人は時限的な願いになっているし、憧れ男子への告白も時限的なものとなっています

青春時代には区切りというものがあって、それが大人になった途端になくなってしまいます

それゆえに、その区切りに向かって焦ることになるのですが、大人になっても自分で区切りを設定して焦った方が、人生はうまく行くようにも思えて来ます

 

青春映画にとって大事なのは、この区切りをいかにしてドラマチックに演出するかにかかっていると思います

本作では、アイドルのオーディション(既成事実で親を説得)とか、離れ離れになる前に憧れ男子に告白というものがメインになっていて、これを主軸に置くのは正解だったと思います

元東京人の葛藤とか、現地グッズを手に入れたいというだけでは弱いのですが、シリアスに振りすぎると重くなってしまいます

なので、この濃淡を挿入することによって、より「アイドルになりたい智沙」の行動に意味を感じることになり、それが物語の振り幅になっていて、いろんな感情が凝縮できることになったのではないでしょうか

 


120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

本作は、アイドルグループ(日向坂46)がそのまま高校生を演じていましたが、エンディングは別のグループ(Conton Candy)の楽曲になっていました

この手のアイドル映画はほとんどが主演の属するグループが歌唱をすることが多かったので、違うグループ(しかもロックバンド)というのは新鮮だったように思います

この采配になったのは大人の事情もあると思いますが、映画の中の彼女たちはアイドルではないからでしょう

エンドロールにて智紗がアイドルになれたことがわかるのですが、彼女のソロ曲をテーマソングにするということできたと思います

でもそれをしないのは、現実路線を目指していたからなのかもしれません

 

アイドルのダンス&ボーカルを見たいのならコンサートやライブ映像を観れば良いわけで、アイドル役で登場していない映画で見たり聞いたりする意味はあまりないと思います

アイドル映画はタイアップで売ろうと考えている場合が多いですが、本作のように映画の骨子を踏まえた上で別のアーティストを起用するというのはありでしょう

問題は、推している人たちがどう思うかというところで、こればかりは私が推している人ではないので何とも言えません

 

映画のキャスト欄などで所属グループの名前が併記される場合がありますが、このブログでは「そのグループ役で出ている時以外」は役者の名前だけを書いています

何らかのグループがそのまま出演しているのなら個人名ではなくグループ名が正しいと思うし、グループのメンバーが出ていても「グループ出身だから」で出ていることはほとんど無いのですね

なので、この書き分けはきちんと行わないとダメだと思うのですが、グループの中のメンバーが名前で認知されていない問題が出てしまうので必要な人もいるのかなと思ったりします

 

映画のエンドロールでは「知名度の区分け」はできないので、グループに属している人は全員書くみたいな感じになっていますが、個人的にはそれはどうなのかなあと思ってしまいますね

実際には出演者や事務所の意向というものが最優先されると思うのですが、個人活動はグループ活動の延長では無いと思うので、できるだけ書かない方が本人のためには良いのかなと考えています

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/102200/review/04420312/

 

公式HP:

https://gaga.ne.jp/zenbu_of_tokyo/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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