■フェザーズ その家に巣食うもの
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■オススメ度
喪失と回復の物語に興味がある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2026.4.1(MOVIX京都)
■映画情報
原題:The Thing with Feathers(羽根のある怪物)
情報:2025年、イギリス、98分、G
ジャンル:最愛の妻(母)の急逝に直面する家族と、彼らの前に現れる謎の黒鳥を描いたヒューマンドラマ
監督&脚本:ディラン・サザーン
原作:マックス・ポーター『Grief Is the Thing with Feathers(悲しみは羽根をまとって)』
キャスト:
ベネディクト・カンバーバッチ/Benedict Cumberbatch(父/Dad:妻を亡くして息子二人を育てる父、グラフィックコミックの画家)
クレア・カートライト/Claire Cartwright(母/Mum:突然死する妻/母)
リチャード・ボクサル/Richard Boxall(息子、兄)
(5歳時:Charlie Harman)
ヘンリー・ボクサル/Henry Boxall(息子、弟)
(4歳時:Freddie Kirby)
サム・スプルエル/Sam Spruell(ポール/Paul:父親の弟)
Lesley Molony(マルグリット/Margaret:母親の母、息子たちの祖母)
Garry Cooper(キース/Keith:母親の父、息子たちの祖父)
Tim Plester(アンディ/Andy:出版社の担当編集者)
レオ・ビル/Leo Bill(ボーウェン医師/Dr. Bowden:精神科医)
ヴィネット・ロビンソン/Vinette Robinson(アマンダ/Amanda:父親の元カノ)
エリック・ランパール/Eric Lampaert(クロウ/Crow:父親の前に現れるカラスの姿をした謎の存在 )
(声:ヴィッド・シューリス/David Thewlis)
Adam Basil(悪魔/The Demon:クロウを脅かす謎の存在)
(声:Kevin Howarth)
【その他の出演者(登場順)】
Nandi Bhebhe(A先生/Mrs. A:小学校の教師)
Jessie Cave(お悔やみの声をかける生徒の母)
Annie Hall Southern(嫌がる子ども)
Lou Hall Southern(嫌がる子ども)
Dwane Walcott(マーク先生/Mr. Mark:息子の暴力事件を告げる教師)
Matthew John Wright(サイモン・コールリッジ/Simon Coleridge:56番地に住む近隣住民)
Matthew John Wright(ダン・グレイヴス/Dan Graves:パレンシス社から来た担当者を名乗る男)
Steve Paget(訪ねてくる警官)
Rimca Karmakar(「Book Launch」の女性客)
Max Porter(「Book Launch」の男性客)
■映画の舞台
イギリス:
ブリストル/Bristol
https://maps.app.goo.gl/qGbwFAAtxPSShd1f8?g_st=ic
ロケ地:
イギリス:ロンドン&ブリストル
■簡単なあらすじ
イギリスのある家庭にて、幼い息子2人を残した母親が急逝した
夫は突然の出来事に憔悴し、以降は子どもの面倒もひとりで見なければならなくなった
死の悲しみに伏している間もなく、父は母がやってきたであろう子育てを継続することになった
学校にも変わらず通わせようと思うものの、周囲の反応は過剰に見え、気を使う場面も増えてくる
時折、弟のポールに子どもたちの面倒を頼みながら、収入を得るために取り掛かっていた新作を仕上げていく
彼はグラフィックアートのデザイナーとしてコミックを手がけていて、次の作品には黒い鳥が登場する予定だった
ある日のこと、彼らの家に一羽のカラスがやってきた
それは何気無いことのように思われたが、日に日にその存在は強まり、父親は見知らぬ声を聞き始めてしまう
友人たちの励ましの声の中に混じる「私はここにいる」という言葉
そして、いつしか、父親は夢の中で擬人化された黒い鳥の夢を見るようになっていた
テーマ:悲しみの向こう側
裏テーマ:家族を包み温めるもの
■ひとこと感想
「DAD」「CROW」「BOYS」「THE DEMON」と続く4章構造の物語で、「父親目線による現状」では、彼らを取り巻く母亡き後の周囲というものが描かれて行きます
そして「黒鳥(クロウ)」が登場し、彼が擬人化して話しかけてくるパートとなり、やがてクロウは家族の前にも姿を見せるようになります
「BOYS(息子たち)」の章では、一転して「子どもから見た父親」「子どもが理解する母亡き世界」が展開され、最後にはクロウを押そうデーモンが現れて、それによって傷ついたクロウに言葉を掛けるという展開になって行きます
クロウは父親が書いている新作のキャラクターのようでいて、実際にはもともと描くつもりのなかったキャラクターだった事がわかります
偶然倒れてしまったインクをみて着想することになっていて、それが偶然だったのか必然だったのかは何とも言えない感じになっていました
そして、それが擬人化するのですが、多くのパートは父親の妄想世界のように描かれています
おそらくこの一連の「クロウの物語」は最終的に完成する新作そのものであり、それは最愛の妻を亡くした夫による、自分自身を立ち直らせるための知恵だったように感じられます
虚実が入り混じる展開が続きますが、この映画全体が「虚」であるように思え、さらにそれそのものは「実」であるとも言えるのでしょう
恐らくは、喪失を抱えた人間の感覚をアートに落とし込んでいるような感じになっていて、悲しみと絶望の違いというものが生み出したもののようにも思えました
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
本作におけるネタバレ部分は、この物語全体が創作物だった、というところだと思います
作品の導入部分がどこかわかりづらいのですが、恐らくはインクを倒してしまったところからなのでしょう
そこで生まれた「クロウ」に対して、どんな存在であり、どのように喪失を食い荒らして行くのかを描いていると言えます
当初は父親を惑わすものとして存在し、それは喪失に浸らせる時間のように存在しています
それは父親自身を蝕む存在として、彼の身の回りで起こること全てが、彼の感情を突き動かしていく要素となります
母親の代わりをしなければならないという恐怖と、母親だけが感じてきた事が降りかかってきていて、それは彼女がいたからこそ父親の人生が創作に集中できる環境を産んでいたとも言えるのでしょう
そして、クロウは成長し、父親よりも大きな存在になりますが、それは彼自身にも見えるし、亡くなった妻のようにも思えます
そして、精神的に限界点を迎えたとき、このクロウが子どもたちにも見えているのだと思い込むようになります
でも実際にはクロウそのものはおらず、子どもたちも別の方法で喪失と対話していたことがわかります
「BOYS」の章では、子どもたちは母親が亡くなったという実感が湧かず、それは父親が説明を避けていた事が理解を遅くしていることがわかります
そうして、鏡を覗き込みながら、まるでそこにいるかのように語りかけたりもして行きます
そうした子どもたちの異常な行動の果てに現実を直視せざるを得なくなり、やがてはクロウの存在すら共有するようになって行きました
それでも、これらはすべて父親の妄想であり、クロウ自体は虚であるけれども実でもあるというところに結びついているのですね
子どもたちがクロウを認知する事は、母親の喪失そのものを受け入れる過程とも言えるので、そこに相反する感情が存在していたのかな、と感じました
■心の中に生まれるクロウ
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■グリーフプロセス(悲しみの段階)について
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/105414/review/06351577/
公式HP:
