■落下音
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■オススメ度
女性の執着に特化した物語に興味がある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2026.4.7(イオンシネマ京都桂川)
■映画情報
原題:In die Sonne schauen(太陽を見つめる)、英題:Sound of Falling(落下する音=夢中になる瞬間)
情報:2025年、ドイツ、155分、PG12
ジャンル:四世代に渡って描かれる「喪失と夢中」を描いたヒューマンドラマ
監督:マーシャ・シリンスキ
脚本:マーシャ・シリンスキ&ルイーズ・ピーター
キャスト:
ハンナ・ヘクト/Hanna Heckt(アルマ/Alma:同名の少女の死を知る少女、1910年代、五女、7歳)
レア・ドリンダ/Lea Drinda(エリカ/Erika:片足を失った叔父に怯える少女、1940年代/戦後)
レーナ・ウルゼンドフスキー/Lena Urzendowsky(アンゲリカ/Angelika:肌に何かがまとわりつく感覚を持つ少女、1980年代/ドイツ民主共和国時代)
レニ・ガイゼラー/Laeni Geiseler(レンカ/Lenka:自分の存在意義に悩む女性、現代)
【1910年代】
フィリップ・シュナック/Filip Schnack(フリッツ/Fritz:アルマの兄、片足欠損)
グレタ・クラマー/Greta Krämer(リア/Lia:アルマの姉、長女)
ヘレナ・ルアー/Helena Lüer(ゲアティ/Gerti:アルマの姉、次女)
アナスタシア・チェレパハ/Anastasia Cherepakha(ヘッダ/Hedda:アルマの姉、三女)
スザンネ・ベスト/Susanne Wuest(エマ/Emma:アルマの母)
ゴーデ・ベネディクス/Gode Benedix(マックス/Max:アルマの父)
リアーネ・デュスターへフト/Liane Düsterhöft(フリーダ/Frieda:エマの曾祖母)
ルジア・オッペーマンLuzia Oppermann(トゥルーディ/Trudi:フリッツを献身的に介護する女中)
ベーベル・ワルツ/Bärbel Schwarz(ベルタ/Berta:女中)
【1940年代】
マリティン・ロザー/Martin Rother(フリッツ/Fritz:アルマの兄、エリカの叔父の成人期)
【1980年代】
コンスタンティン・リンドホルスト/Konstantin Lindhorst(ウーヴェ/Uwe:アンゲリカの叔父)
フロリアン・ガイセルマン/Florian Geißelmann(ライナー/Rainer:アンゲリカのいとこ、ウーヴェの息子)
クラウディア・ガイスラー=バーディング/Claudia Geisler-Bading(イルム/Irm:エリカの姉、アンゲリカの笑わない母)
アンドレアス・アンク/Andreas Anke(アルバート/Albat:アンゲリカの父、農夫)
【現代】
ゾーイ・ベイヤー/Zoë Baier(ネリー/Nelly:ベルリン出身、レンカの妹)
ルイーゼ・ハイヤー/Luise Heyer(クリスタ/Christa:レンカの母)
リュカ・プリゾ/Lucas Prisor(ハンネス/Hannes:レンカの父、農場主)
ニエル・ガイガー/Ninel Geiger(カヤ/Kaya:川で出会うレンカの隣人の少女)
【その他の出演者】
Pius Lasse Projah(ピーター/Peter:マックスの親戚)
Levi Projahn(ハイン/Hein:マックスの親戚)
Thies Ivar Otto(アーヴィン/Erwin:亡くなった少年)
Jonas Kindt(村の少年)
Mattis Kindt(村の少年)
Levi Projahn(村の少年)
Peter Tiemann(兵士)
Christoph Albrecht(兵士)
Andreas Hänsel(将校)
Dr. Karl-Heinz Dettmer(エマの医師)
Andreas Theek(リアを買う男)
Victor Maria Escalona(写真技師)
Carsten Fischbeck(農場主)
Michael Klemme(農場主)
Wolfgang Witte(農場主)
Philipp Gromeier(農場主)
Denis Bloch(小さな農場主)
Victoria Schünke(メイド)
Ania Bäthge(メイド)
Inga Krefis-Voelkel(メイド)
Mareike Zimmer-opitz(メイド)
Enki Eli-Yahu Anakin Kortz(アンゲリカのいとこ)
Leefke Projahn(アンゲリカのいとこ)
Anni Schilaf(アンゲリカのいとこ)
■映画の舞台
1910年代~1980年代
北ドイツ
アルトマルク地方の農場
https://maps.app.goo.gl/byY129cB8h5ojGPy6?g_st=ic
ロケ地:
ドイツ:ザクセン=アンハルト州
ノイリンゲン/Neulingen
https://maps.app.goo.gl/ZCgWYWtFcnBpkZdT6?g_st=ic
フェルガスト/Vehlgast
https://maps.app.goo.gl/zCPPZXdk527Yrsj36?g_st=ic
■簡単なあらすじ
1910年代のドイツ・アルトマルク地方のとある村では、とある大家族が過ごしていた
曾祖母のフリーダを筆頭に、その孫マックスと妻エマの間には5人の子どもがいて、その末っ子のアルマは家族たちを観察するのが趣味だった
鍵穴から部屋の中を覗いたりする中、とある少年の葬式に参加することになった
そんな折、家族は「亡くなった人のために祈る」という儀式を始めることになり、そこにはアルマの知らない子どもの写真があった
その女の子の名前もアルマと言い、彼女の魂があなたに受け継がれたと言われてしまう
それからアルマは「死んだらどうなるのか」という概念に囚われるようになっていた
それから30年後の同じ場所では、片足を失っていた兄フリッツの姪っ子であるエリカたちが住んでいた
エリカはフリッツに興味を示していて、彼の松葉杖を拝借しては、片足で歩くという奇妙な行動を起こしていた
時は第二次世界大戦の最中、エリカは終戦直後に入水自殺をして亡くなってしまう
それから40年後の同じ場所では、エリカの妹イルムが夫アルバートと家庭を築いていた
2人にはアンゲリカという1人娘がいて、彼女は親戚のウーヴェに興味を持ち、彼の息子ライナーをからかう日々を過ごしていた
彼女はここにとどまることを良しとせず、川を超えて隣国に行きたいと考えていた
それからさらに40年後の現代では、アンゲリカの娘クリスタが夫ハンネスと家庭を築いていた
彼女は隣国から戻ってきた女性で、2人にはレンカとネリーという2人の娘がいた
彼女たちの近くには母親を亡くして父と暮らしている少女カヤがいて、ある日のことレンカはカヤと関わりを持つことになった
そしてカヤを自宅に招待し、一晩を一緒に過ごすことになったのである
テーマ:精神の疲弊
裏テーマ:感情の落とし所
■ひとこと感想
4つの時代に生きる4人の女性が主人公のオムニバスということで、ほぼほぼ一族の系譜を辿るという流れになっていました
それでも、時系列シャッフル系で、切り替わりのポイントがほとんどわからず、気づいたら「あれ?違う時代?」みたいな感じになっていました
手元のメモだと、大まかに22回ほどの時系列変化があり、ワンカットだけで入れ替わるなどもありました
映画の冒頭は、1940年代の片足を亡くしたふりをするエリカが描かれ、この片足を亡くした男は1920年代の家族の長男でした
この家族は5人の子どもがいるのですが、5番目に当たる女の子は7歳のときに亡くなっていて、その子(本人からすれば姉)と同じ名前をつけられた事がわかります
亡き姉と姿が似ていて、亡くなった時と同じ7歳になったことで、目の前に死んだ自分がいるように感じていて、「死ぬとどうなるのか?」という疑問を持ち始めるようになっていました
この時代以外にも「闇を抱えている女性」がメインで描かれていて、それぞれが「どのように落ちるのか」というのを描いて行きます
亡き姉との邂逅で「生から落ちるアルマ」、戦争という時代において行き場所を失ったエリカは本当の意味で「生から落ちる」ことになりました
さらに次の世代のアンゲリカは「祖国から落ちる」ことになり、隣国へと姿を消してしまいます
そして、現代のレンカも「生から落ちる」ということを意識していて、川へ転げ落ちたり、耕運機に轢かれそうになる妄想を抱いたりします
これらの「落ちる瞬間と過程」を描いている作品ではありますが、これだけ時系列が目まぐるしく変わってしまうと、それを意識するだけで終わってしまいます
全体の流れとしては、「アルマが兄フリッツが人生から転落した理由を知る」という物語となっていて、戦争に行かずに住むために母親によって納屋から突き落とされて「労災」として懲役を逃れることになりました
それでも、その後は片足を失ったことで自由に動けず、性的な処理を女中にしてもらうなどの辱めを受けて生きていくことになりました
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
映画のタイトルは原題が「太陽を見つめる」という意味で、英題が「落ちる音」となっていました
邦題はそのまま英題を訳した物ですが、この「Falling」には普段使うような「転落する」「失墜する」という後ろ向きな意味と、「夢中になる」という前向きな意味もあったりします
映画における意味は後者に近く、それぞれの女性が「何に夢中になっているのか」を描いているように思えます
1910年のアルマは「同じ名前を持つ姉の存在を知ること」によって「死という概念」に夢中になって行きます
イメージとしては「取り憑かれている」に近いかもしれません
1940年のエリカはフリッツに興味を示し、何でもお見通しの母親からの離脱を考えていて、その結果「死そのもの」に夢中になり、入水自殺をしてしまいます
1980年のアンゲリカは「性的衝動」に取り憑かれていて、そんな中でいとこのライナーにモーションをかけまくりますがスルーされてしまいます
満たされるものがなくなり、外国へと行ってしまいました
2020年のレンカは「母親を失ったカヤ」と出会うことにより、家族の喪失に対して執着を持つようになり、やがては「自分が家族から消えたらどうなるのか」に取り憑かれるようになっています
これらに向かう過程とその瞬間を切り取っている作品なのですが、時系列が目まぐるしく動くことで主題というものがわかりにくくなっているように思いました
結局のところ「神様の意に反する喪失」の先には「罰がある」という感じで、フリッツの人生を奪ったエマが原因不明の病のようなものでフリッツと同じように歩けなくなってしまいます
因果応報的な部分があるのですが、これらの概念をアルマが理解するというのが骨子になっていて、最終的にアルマは全ての時代の「落ちる(夢中になる)」を覗き見することによって、知らなくては良いことを知る、という流れになっていました
そこまで難解な話ではないのですが、映画の構造として非常にわかりづらく、劇場に入る時に「人物相関図付きのポストカード」が特典のように配られていました
ぶっちゃけると、この図を観ながら出ないと「いつの時代を描いているのかわからない」というぐらいに、場面転換が唐突で激しいものだったように思えました
■時系列シャッフルの意味
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■タイトルが示す未来
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/103738/review/06375514/
公式HP:
https://gaga.ne.jp/rakkaon_NOROSHI/
