■今回もまた、ブラック・マンタは「最大の脅威」の熟成時間を作るための餌だったのですね


■オススメ度

 

シリーズのファンの人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日2024.1.12(イオンシネマ京都桂川)


■映画情報

 

原題:Aquaman and the Lost Kingdom(アクアマンと失われた王国)

情報2023年、アメリカ、124分、G

ジャンル:ある目論見によって蘇った失われし王国との戦いを描いたアクション映画

 

監督ジェームズ・ワン

脚本デビッド・レスリー・ジョンソン=マクゴールドリック

 

↓前作『アクアマン』Amazon Link

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キャスト:

ジェイソン・モモア/Jason Momoa(アーサー・カーリー/アクアマン:アトランティス王国の王)

 

パトリック・ウィルソン/Patrick Wilson(オーム・マリウス/元オーシャンマスター:アーサーの異母弟)

 

アンバー・ハード/Amber Heard(メラ/アンバー・ハードメラ:アーサーの妻、ネレウスの娘)

Tyler Burger&Maddox Cruz-Porter&River Ao Moemoea Green&Nikau Keats Green&Bodhi McCabe&Elliot Oben-Pepra&Lucian Oben-Pepra&Arthur Rowe-Mayer&Noah Rowe-Mayer(アーサー・ジュニア)

 

ニコ-ル・キッドマン/Nicole Kidman(アトランナ:アーサーとオームの母)

テムエラ・モリソン/Temuera Morrison(トム・カーリー:アムネスティ湾で働くアーサーの父)

 

John Rhys-Davies(甲殻王)

Vincent Regan(アトラン:アトランティスの初代の王)

 

ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世/Yahya Abdul-Mateen II(デイビッド・ケイン/ブラック・マンタ:アーサーたちを狙う海賊兼傭兵)

Jani Zhao(スティングレイ:ブラック・マンタの忠実な部下)

ランドール・パーク/Randall Park(ステファン・シン博士:アトランティス発見を夢見る人間の海洋学者、ブラック・マンタの協力者)

ドルフ・ラングレン/Dolph Lundgren(ネレウス王:ゼベルの王、メラの父)

 

Martin Short(キングフィッシュ:海賊の支配者、闇ブローカー)

 

Pilou Asbæk(コーダックス:ネクラス国の幽閉されている統治者、アトランの弟、ブラック・トライデントの創造者)

 

Indya Moore(カーション女史:アトランティスの評議会の指導者)

ナタリア・サフラン/Natalia Safran(評議会のメンバー)

ボディ・マッケイブ/Bodhi McCabe(評議会のメンバー)

エリオット・オーベン=ペプラ/Elliot Oben-Pepra評議会のメンバー)

ルシアン・オーベン=ペプラ/Lucian Oben-Pepra評議会のメンバー)

ノア・ロウ=メイヤー/Arthur Rowe-Mayer評議会のメンバー)

 

Jay McDonald(貨物線の船長)

Samuel Gosrani(傭兵の技術者)

Jay Rincon(科学者)

Jonathan Bremner(オクボットの傭兵)

Jack Waldouck(オクボットの傭兵)

Jonny Vaughton(アトランティスの戦闘機パイロット)

Osian Roberts(アトランティスの戦闘機パイロット)

Grant Huggair(地上の住人)

Julie Chang(レポーター)

Mark Kwak(レポーター)

Sohm Kapila(レポーター)

Ricardo Molina(レポーター)

Dylan Silver(レポーター)

Jon Birkbeck(オームスーツのパフォーマー)

Ingrid Bisu(桟橋のウェイトレス)

Tai Boothe(桟橋の少年)

Liam Edwards(マンタの傭兵)

Katie Margaret Hall(ニューヨーク市民)

Michael Oladele(水兵)

Stephen Samson(マンタの傭兵/ブラインの戦士)

Peter Theobalds(マンタの傭兵/アトランティスの兵士)

 


■映画の舞台

 

海の帝国アトランティス&ネクラス

古代オリカルクム精錬所

海賊の王国「深淵の砦」

 

アメリカ:テキサス州ダラス

アメリカ:メイン州アムネスティ

南極大陸

 

ロケ地:

イギリス:

サンストン・サンズ/Saunton Sands

https://maps.app.goo.gl/47dNuRw9bp5mg6Ld7?g_st=ic

 

ロンドン/London

 

アメリカ:

ハワイ/Hawaii

 

アメリカ:カリフォルニア州

ロサンゼルス/Los Anngels

 

アメリカ:カリフォルニア州

マリブ/Malibu

https://maps.app.goo.gl/m9z8V4NVEBforqVn7?g_st=ic

 


■簡単なあらすじ

 

前作にて、アトランティス王となったアーサーは、メラと結婚し、アーサー・ジュニアを授かっていた

アーサーはジュニアにメロメロで、王としての公務を疎ましく思っていた

 

その頃、南極大陸では、アトランティスを探そうとシン博士とブラックマンタことデイビッドがともに探索していた

二人は海底に王国を見つけ、デイビッドはそこで古代の武器ブラック・トライデントを手にした

ブラック・トライデントにふれたデイビッドは封印されたメッセージを受け取り、さらに特別な力を手に入れることになった

 

それから5ヶ月後、地球は異常気象に見舞われ、記録的な温度上昇が続いていた

その頃、デイビッドとシン博士は海底王国で見つけた戦艦に乗って、アトランティスを目指していた

そこには「オリカルクム」という物質があり、それによってデイビッドはスーツの修復を目論んでいた

アトランティスは接近するデイビッド達と交戦状態に入り、その戦闘の中メラが負傷してしまうのである

 

テーマ:王として

裏テーマ:兄弟の絆

 


■ひとこと感想

 

前作の記憶はほぼ消失した状態で鑑賞

さすがに何も覚えていないとキツい内容になっていました

劇中で大体説明されるので補完できますが、予習しておいた方が良いのは間違いないと思います

 

映画は、環境問題が登場し、謎の昆虫食推しがあるのですが、マジで虫は無理なので、もう見返すことはないと思います

また、結構映像の速度が速くて思った以上にチカチカするので、中段あたりの席の方が良いと思います

 

物語は、前作で戦いあった兄と弟が共闘するというベタなもので、共通の敵が現れたために休戦している感じになっています

アクションシーンが満載で、いろんな場所に行って、いろんな敵と遭遇しますが、回り道ばかりなので話が全く進んでいきませんでした

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

アクアマンを憎む敵が巨大な邪悪な力に支配されるというもので、ピンチになれば助けが来るを延々と繰り返していましたね

前作でも思ったことですが、アーサーの母親がアトランナというのはビジュアル的に無理に思えてしまいます

姉というよりも、妹に見えてしまいます

物語は、伝説の国の扉を開けてしまったことで厄災が起こるというものですが、ラストの「復活しかけで倒す」というのはとても興醒めに思えます

 

そこに至るまでの無駄な部分を排除して、コーデックスとバトルをする方がまともな流れになるように思えるのですね

地上と海底の関係も取り沙汰されますが、気候変動を無理やりぶっ込んでいる感じがありました

あとは、虫ですかね

さすがにこればかりはダメな人にはキツすぎる内容になっています

 

Gをアレするラストのおまけ映像などがトラウマレベルのものだと思うので、この悪趣味な展開が肌に合わずに辛いシーンが多かったですね

アーサーが子育てを地上でしているのも微妙で、そこは海底で育ててやれよと思ってしまうのですが、たぶん理由があったのだと思います(完全に忘れていますが)

 


資源国としての外交

 

オリカルクムという物質がどのような恩恵をもたらすのかはよくわかりませんが、イメージとしては万能なエネルギー資源ということになると思います

アトランティスはそれを多く保有している国として、自国内で全てを賄えるだけの国力があり、同時に外交的には保守的な国だったように思えます

前作以降、地上界をよく思っていない層が大多数で、中間にいるアーサーとしては、評議会の攻撃的な態度に呆れ果てているように思えました

最終的には、友好国としてニューヨークで演説をしているシーンがありますが、本作はそこまで外交問題に特化した内容ではなかったように思います

 

ブラック・マンタというアトランティスと地上国両方の敵がいるのですが、彼の目的はあくまでもアーサー個人を倒したいというものでした

アクアマンを倒すためにスーツを治す必要があり、そのために精錬所を襲ったりしていますが、彼が地上国に影響を与えたとか、支配しようと考えているということはありません

彼のその行動力をコーダックスが利用する形になっていて、彼は自分を封印したアトラン王への復讐というものを誓っていました

 

復活を果たそうと暗躍するコーダックスは、ブラック・トライデントにて相手を操り、その罠にハマる人々を止める戦いが主流となっています

このコーダックスも地上国のことはそこまで執着しておらず、戦いの余波として地上国が影響を受けているという程度に留まっていたように思います

地上の危機は、いわば海底国同士の諍いの影響によるもので、それが全世界に波及しつつあるという国際情勢を産んでいます

実際の地上国同士の紛争よりもはるかに大きなエネルギーを持っていたために影響が甚大なのですが、結局のところ、同族内の痴話喧嘩に巻き込まれているという構図は変わらないので、アーサーが有効的な態度を取ったとしても、地上国としての脅威は残されたままという感じになっていました

 


勝手にスクリプトドクター

 

本作は、これまでの王道路線をそのまま踏襲しているようなシナリオで、メインはアーサーとオームの仲直り、みたいなところがありました

強大な敵が現れたことによる休戦協定からの一時的同盟のようなものですが、最終的にオームは姿を消さなければならないという結びになっています

これまでの行動の結果が身を隠すという行動を生み出すものの、王国の危機を助けたことで恩赦にならないのは微妙な感じになっていましたね

 

この他にも、ブラック・マンタは単に欲望を利用されただけの存在で、ラスボスへの取っ掛かりでしかありませんでしたね

そして、そのラスボスであるコーダックスは「復活する前に殺される」という、ここからが絶望と逆転の見せ場ですやんというところで終わっているのは残念だったと思います

本作は、ラスボスは弱すぎる問題に直面していて、そのカタルシスがほとんど感じられません

界隈の小物を倒しても得られるものはなく、いっそのこと、コーダックスが復活して、世界の半分がなくなるぐらいの破壊と絶望感を描いた方がマシだったように思いました

 

そして、その絶望に対してアトランティスとその他の海底王国が共闘し、さらに地上国も一時的な同盟を組んで一緒に戦う

そうした戦いを経て、アーサーたちが勝利し、それによって地上国と有効的な関係を築くというラストの方がしっくりきます

地上国としては、最大の脅威に晒されているわけではなく、気候変動などの自然的な要因が害悪をもたらしているぐらいの認識しかありません

そのあたりをクリアにすることで、地上国としての敵認定がどのように移り変わっていくのかも描く必要があります

 

地上国としての脅威を感じ、事情を知らない国々は起こっていることに対する措置を取ることになります

この流れで起こることは、ブラック・マンタと戦っているアーサーを地上国が攻撃することだと思います

アーサーは友好的でいたいと思いつつも、アトランティスは地上国の攻撃によって反抗的な態度を硬化させていく

そうした中でコーダックスという新たな脅威が生まれ、それと戦っているアーサーを見ることで、地上国は彼が地球を守ろうとしているリーダーではないだろかと思い始める

そうした下地があってこそ、ラストのスピーチが活きてくるのではないでしょうか

 


120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

本作は、前作の続編になっていて、鑑賞していることが前提で話が進んでいます

前作が5年前なので、予習しないと記憶には残っていないので、脳内補完で補える部分はほとんどなかったように思います

前作では、アーサーの父が地上に打ち上げられたアトランナを助けて、その後、アーサーが生まれるという導入になっていました

アトランナは連れ戻され、アーサーは父に育てられ、そして武術の鍛錬を受けて、立派な大人になりました

 

その頃のアトランティスは異父弟のオームが支配している状態で、海の生物を乱獲する地上国に対して戦争を仕掛けようと考えている段階でした

そして、オームは7つの海を支配し、オーシャンマスターになろうと目論んでいます

その後、アーサーはメラを通じて、海底王国の陰謀を知り、オームの暴走を止めるための戦いに巻き込まれることになります

この陰謀を止めようとする時に邪魔をするのがブラック・マンタとなったデイビッドで、そこで無駄な戦いをしている間にオームは勢力を広げるという構図になっていました

 

本作も、真の敵コーダックスの暗躍が根底にある中で、ブラック・マンタが操られて邪魔をするという構図になっていて、やってることはほとんど同じという感じになっていましたね

前作はオームとの最終決戦があったので盛り上がりがありましたが、今回はそれがないのであっさりと終わってしまった感じがしました

前作では、オームを倒し、伝説のトライデントを手にしたアーサーが真の王として認められるというものがありましたが、今回は地上国がアーサーをどう評価するかというのが軸になっているので、共通の敵というものが明確になっていないのは意味を為していないように思えます

 

地上国としては、いきなりテクノロジーの進んだ海底王国が出現した状態になっていて、彼らはたまたま地上国と友好的なスタンスだった、に過ぎません

宇宙人襲来したけど、ラッキーなことに友好的だったというものに過ぎず、これで大団円になる方がどうかしているように思えます

それが地上人と海底人のハーフがいたからという理由になっていますが、今回の映画でどれだけの地上人がアーサーのルーツについて理解したのかは分かりません

アトランティスが存在したことに感無量なシン博士は演説に感動していますが、他の地上人が彼らをどう捉えているかというのはスルーされていましたね

この辺りがしっくりする結びになった方が、感動的な出会いになったのかな、と思いました

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/94459/review/03352061/

 

公式HP:

https://wwws.warnerbros.co.jp/aquaman/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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