■シリーズ転換の予兆になったのかな、と勝手に妄想してみました


■オススメ度

 

シリーズのファンの人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2024.10.3(MOVIX京都)


■映画情報

 

情報:2024年、日本、112分、G

ジャンル:リゾート地で殺し合いに巻き込まれる殺し屋を描いたアクション映画

 

監督&脚本:阪元裕吾

 

キャスト:

髙石あかり(杉本ちさと:殺し屋協会所属の殺し屋)

伊澤紗織(深川まひろ:ちさとの相棒)

 

池松壮亮(冬村かえで:史上最強の殺し屋)

 

水石亜飛夢(田坂守:掃除屋)

中井友望(宮内茉奈:掃除屋)

飛永翼(須佐野:ちさととまひろのエージェント、今回は声のみ)

 

前田敦子(入鹿みなみ:ちさととまひろの先輩の殺し屋)

大谷主水(七瀬りく:みなみの相棒)

 

かいばしら(松浦剛:かえでの150番目のターゲット)

カルマ(広川勉:かえでの仲介人)

 

Mr.バニー(ファーム農場長)

木部哲(笠松輝:ファームの殺し屋)

高畑祐史(ファームの殺し屋?)

 

清水優弥(ハンカチ少年)

曵原一帆(かくれんぼ少年)

 

長岡大喜(かえでのターゲット)

立山よしみ(露店のおばさん?)

 


■映画の舞台

 

宮崎県:宮崎市

 

ロケ地:

宮崎県:宮崎市

ひろき家

https://maps.app.goo.gl/sYYnxS3kb65PEXYB9?g_st=ic

 

宮崎情報ビジネス医療専門学校

https://maps.app.goo.gl/nGZjwfied4JfsJcf8?g_st=ic

 

宮崎サザンビューティー専門学校

https://maps.app.goo.gl/9XMbLjgpbkJkbFpf6?g_st=ic

 

AOSHIMA BEACH PARK

https://maps.app.goo.gl/S9gHrinvSBcDLLhv5?g_st=ic

 

宮交ポタニックガーデン青島

https://maps.app.goo.gl/RCr4q7EvkxH5qCbG9?g_st=ic

 

焼肉万力

https://maps.app.goo.gl/WRWPK4BcVdHA5eJJ8?g_st=ic

 

フェニックス・シーガイア・リゾート

https://maps.app.goo.gl/PwT9fmJBrU8ReebH9?g_st=ic

 

珈琲専門店 ウルワシ 一ツ葉店

https://maps.app.goo.gl/SH5NjhFF27uNVeCA7?g_st=ic

 


■簡単なあらすじ

 

宮崎に出張していた殺し屋協会の殺し屋のちさととまひろは、さっさと仕事を片付けて、宮崎を満喫したいと考えていた

その最中、ちさとは今日がまひろの誕生日であることを思い出し、何も用意していないことに焦り出していた

 

仕事の時間になり、現場に向かうものの、彼女らのターゲットに銃を突きつけている男と鉢合わせになる

男にとってターゲットは「150番目」で、殺しの依頼がブッキングしていたことがわかった

 

男と戦闘状態に入った二人だったが、相手は手練れの殺し屋で、二人でも太刀打ちできない相手だった

男にもターゲットにも逃げられた二人だったが、そこに殺し屋協会の先輩に当たるみなみとその相棒りくがやってきた

協会の顔に泥を塗ったとやじられ、今後はこの4人で男を追うことになったのである

 

テーマ:殺し屋としての矜持

裏テーマ:戦いと施し

 


■ひとこと感想

 

シリーズ3作目で、本作のドキュメンタリーも控えている作品

ゆるーい会話とバッチバチのアクションが売りの本作で、今回の敵は史上最強と呼ばれる殺し屋になっていました

 

殺しがバッティングしたことで戦うことになりますが、その能力差は歴然のように思えます

彼にも背景があることにはありますが、ほぼ一匹狼のようなものでしたね

炎上したために関わった150人を殺すという依頼があって、その依頼と別の依頼が舞い込んでいたということになります

 

映画は、前半の初見時のアクションと、後半の決戦で見どころがあるという内容で、今回はみなみも交えたゆるふわトークが全開となっていました

メタ的な言葉遊びも健在で、このあたりのゆるさを楽しめるならOKかなあと思いました

とは言え、やはりシリーズを見ておいた方が細部の笑いが通じるように思います

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

最強の殺し屋と生き残りを賭けて戦うというもので、命令が出るまではお互いに殺すところまではいかないというふうになっていました

後半になって、協会の面目を保つためにかえではターゲットとなり、そこで殺しが始まり、その報復としてかえで側も臨戦体制に入っていきます

 

映画は、殺しの順番などが律儀に守られていて、それぞれに殺しの哲学のようなものがありました

特に、かえでにはノートにぎっしりと詰め込まれたものがあって、パンフレットにもその解説がされていましたね

 

物語性はさほどありませんが、ゆるふわトークとアクションで突っ走る作品なので、このテイストが好きな人向けという感じになっていました

個人的にはアクションよりもゆるふわトークの方が好きなので、そっちのシーンの方が楽しめました

特にちさととみなみのいがみ合いは見どころ十分で、いつまでも見ていたいなあと思わせてくれました

 


アクション映画に必要なもの

 

本作は、二人の女性のバディが主人公となり、自分たちを狙うもしくは協会が定めるターゲットと戦うというアクション映画になっています

彼女たちの脇を固めるのが掃除屋の二人と、エージェントの須佐野なのですが、今回は須佐野は声だけの登場になっていました

最強の殺し屋が登場して、二人で戦うことになるのですが、相手が強ければ強いほど、ちさととまひろの凄さが際立つシリーズなのですね

当初からダンスっぽいアクションになっているのですが、相手の身体能力が高くないと、その見せ方もシンプルなものになってしまいます

 

ちさととまひろの戦闘スタイルは違っていて、グラウンドの戦いになるのはまひろの方になっています

彼女のアクションが本作のメインになっていて、ちさとがダメージを喰らうと、まひろのボルテージが上がるという連鎖式になっていました

これは色んなアクション映画でも必要とされる「ひと段階上に上るためのトリガー」のようなもので、それぞれが何かしらのトリガーを持っています

まひろの場合は、ちさとの危機と「強い奴と戦ったらアドレナリンが上がる」という少年漫画の鉄則のようなキャラになっていたと思います

 

人を殺したことがないのでわかりませんが、そのマインドに切り替わるためのエピソードがあるというのは、映画を含めた物語全般の鉄則のようなものなのですね

そのトリガーが発動して本気モードになるというシーンがあって、それが爽快感に繋がっていきます

その際に「感情移入できるだけのキャラづくり」というものが必要になっていて、本作の場合だと「ちさとのピンチがまひろのトリガー」なので、この二人の関係性というものが重要になってきます

そこをしっかりと描くことで、この二人なんか良いなというマインドになって、さらにそこからちさとがピンチになってしまう

観客はまひろ頼んだぞというモードに入って、そこからまひろが難敵に逆転勝ちをする

これがアクション映画の醍醐味であって、本作はその要素を忠実に守っているので、一定数のファンが付いているシリーズに成長したのだと感じました

 


勝手にスクリプトドクター

 

とは言え、アクションシーンは良いと思うものの、物語の面では少々退屈なところがありました

ちさととまひろをどうやってかえでと戦わせるかという前半があるのですが、ターゲットが被ったことで鉢合わせをしてしまうという導入になっています

ちさととまひろは「宮崎観光ついでの殺し」で、かえでにとっては「節目の100人目」という「殺しに対する重さの違い」というものがありました

これは、そのまま二人の殺しに対する哲学にも繋がっていて、ちさととまひろは「そのそも普通の女の子である」という前提があるのですね

なので、仕事の一環として殺しがあるということになっていて、かえでが考える「殺しが人生」というものとは一線を画するものがありました

 

映画で欠落していると思ったのは、かえでが二人の軽さに対する憤りのようなもので、自分の100人目を汚されたことに対する怒りが少ないように思えます

とは言え、かえでに二人を殺める理由は希薄で、100人目を邪魔されたから殺そうとはならないのですね

でも、かえでのマシーン的な感情を考えると、自動ロックオンのような感じで標的にしても良かったのかなと感じました

かえでが人を殺しているシーンはそこまで描写されていませんが、彼も依頼があれば老若男女問わずというタイプだと思うので、スイッチが入れば容赦ないと思えます

なので、ちさととまひろ側に正式な命令が降りる前に、かえでの方から襲ってくるというものがあっても良かったのかなと感じました

 

映画の構造的には、まひろとかえでは同質の存在で、ちさとに出会わなかったまろ=かえでという構図になっています

それを考えると、まひろにとってのちさとは「かえでにならなかった最も大きな理由」であり、そこに映っているのは「本質的には変わらないもの」だったのでしょう

ちさとがいたから、まひろはかえでにはならなかったという部分があって、それにまひろが気づくかどうかも物語の肝だったように思います

映画では、それに気づいて、まひろが一層ちさとを愛でるという感じにはなっていないように思えました

なので、ちさととしては意味がわからないけど、これまで以上にまひろが懐いているというエピソードがあって、彼女はかえでと自分との違いに気づいているというものを描いても良かったのかな、と感じました

 


120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

映画は、生涯イチの難敵に出会ったちさととまひろを描いているのですが、いわゆる「もしもの世界」だったようにも思えました

映画ではそこまで深く言及されていないようで、殺しをしているかえでを見て「まひろは何を思うのか」みたいなところは重すぎて割愛されています

これまではお気楽女の子たちのお仕事映画だったのですが、本作はその路線を残しつつも、殺すとは一体何なのかという哲学っぽさというものもあったように思います

いわゆる「殺しと日常の切り替えをどうやって成し得るのか」というものがあって、映画的には「まひろにはちさとがいるから女の子に戻れるんだ」という感じになっていました

 

このシリーズでは「殺し」はものすごく軽く扱われていて、死体処理もギャグに使われていて、そんな中で「殺しに哲学を持っている重い男」というものが登場しました

かなり異質な存在で、それが映画に緊張感をもたらしてはいるのですが、かえでと出会ったことによって、ちさととまひろにどのような変化が生まれたのか、というのはあまり表現されていないように思います

最終的にはいつもの女の子たちに戻っていくのですが、かえでが与える影響はまひろをさらに「重い殺しの世界」につれて行ってしまうもののように思えました

 

今後のシリーズでどのようになっていくのかはわかりませんが、かえでに精神的に侵食されたまひろが暴走するという物語が生まれるのかもしれません

そうなった時、ちさととしてはいつもと違うまひろを発見することになり、戸惑いも生まれてくるでしょう

このように、精神的なダメージの重積というものを描いていくシリーズになるとは思えませんが、これまでのようなお気楽殺人ゲームだと描くものがなくなってくるので、暴走する系のエピソードはあっても良いように思います

それでも、ちさとの存在が偉大で、彼女によってまひろが戻ってくる、というストーリーになれば、それはそれでファンが観たいものになるのかなと感じました

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/100466/review/04325651/

 

公式HP:

https://babywalkure-nicedays.com/sp/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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