■愛を耕すひと
Contents
■オススメ度
史実ベースの愛憎劇が好きな人(★★★)
権力者に刃向かう映画が好きな人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2025.2.19(MOVIX京都)
■映画情報
原題:Bastarden(私生児)、英題:The Promised Land(約束の地)
情報:2023年、デンマーク&ドイツ・スウェーデン、127分、G
ジャンル:王領地の開拓を志願する退役軍人と近隣地主との争いを描いたヒューマンドラマ
監督:ニコライ・アーセル
脚本:アナス・トマス・イェンセン&ニコライ・アーセル
原作:イダ・ジェッセン/Ida Jessen『Kaptajnen og Ann Barbara(2022年)』
キャスト:
マッツ・ミケルセン/Mads Mikkelsen(ルドヴィ・ケーレン/Ludvig Kahlen:ドイツ軍将校、大尉、退役軍人)
シモン・ベネンビヤーグ/Simon Bennebjerg(フレデリック・デ・シンケル/Frederik De Schinkel:地主、ハルド荘園の地方判事)
Thomas W. Gabrielsson(ボンドー/Bondo:フレデリックの執事)
Olaf Højgaard(プライスラー/Preisler:シンケルの手下)
アマンダ・コリン/Amanda Collin(アン・バーバラ/Ann Barbara:ヨハネスの妻、フレデリックの元使用人)
Morten Hee Andersen(ヨハネス・エリクソン/Johannes Eriksen:フレデリックの年季奉仕農奴の農民)
メリナ・ハグバーグ/Melina Hagberg(アンマイ・ムス/Anmai Mus:盗みを働くタタール人の少女)
(15歳時:Laura Bilgrau Eskild-Jensen)
クリスティン・クヤトゥ・ソープ/Kristine Kujath Thorp(エレル・ヘレン/Edel Helene:シンケルの婚約者、いとこ)
グスタフ・エイン/Gustav Lindh(アントン・エクルンド/Anton Eklund:土地の聖職者、牧師)
Jacob Lohmann(トラポー/Trappaud:ルドヴィの友人の貴族)
Søren Malling(パウリ/Paulli:デンマーク王国の宰相)
Lasse Steen(ウルドリッチ/Uldrich:財務省の役人)
Morten Burian(ラウェンフェルト/Lauenfeldt:財務省の役人)
Magnus Krepper(ヘクター/Hector:タタール人集団のリーダー)
Nikol Kouklová(ヘクターの妻らしきタタール人女性)
Jan Jankovský(タタール人)
Josef Berousek(タタール人)
Nanna Koppel(リーセ/Lise:フレデリックのお気に入りの使用人)
Anna Filippa Hjarne(アン/Anne:投げ落とされるシンケル家の使用人)
Lise Risom Olsen(クリスティン/Kirstin:危険を知らせるシンケル家の使用人)
Karel Hermánek Jr.(シンケル家の使用人)
Kristián Cerník(シンケル家の護衛)
Hans Christian Lundgren(カスパール/Kaspar:ルドヴィの家に訪れるジプシー)
Felix Kramer(ブライズラー/Balzer:ドイツ人入植者のリーダー)
Arved Friese(クラウス/Claus:ドイツ人入植者)
Martin Feifel(クレイン/Klein:ドイツ人入植者)
Patricia Slauf(クリステル/Kristel:子どもを抱く若いドイツ人入植者)
Morten Buus(ギター弾きの入植者)
Jirí Konvalinka(ロマー/Rømer:ルーヴィに始末される囚人)
Zdenek Brüna(囚人)
Zdenek Dvoracek(囚人)
Martin Navrátil(囚人)
Adam Pengsawang(囚人)
Tomás Tobola(囚人)
Finn Nielsen(フレデリックと対立する地主)
Michael Brostrup(労働者)
Joen Højerslev(御者)
Ivo Hanel(軍人)
Rasmus Bøgsted Nielsen(ルーヴィの「王の家」で働くジプシー)
Stephen Weese(デンマーク王フレゼリク5世の声)
■映画の舞台
1755年、
デンマーク:
コペンハーゲン
ユトランド半島
ロケ地:
チェコ:
プラハ/Prague
https://maps.app.goo.gl/tvwqDaBYwH9bNUkL8
デンマーク:西ユトランド地方
ヒェル・ヘデ/Hjerl Hede
https://maps.app.goo.gl/qwjhuachCjaiMeBk9
■簡単なあらすじ
1755年、デンマークの軍隊で活躍したルドヴィ大尉は、わずかな年金を貰いながらの生活を余儀なくされていた
ルドヴィは王が兼ねてから進めていたユトランド半島のヒース開拓に興味を示しており、単身でその開拓に着手しようと考えた
財務省に掛け合うものの、パウリ宰相は相手にせずに追い返そうとする
そこでルドヴィは、自身の年金を注ぎ込むと言い、成功したら爵位が欲しいと条件をつけた
王の希望に沿うためにルドヴィを派遣することが決まり、ドイツ経由で手に入れたジャガイモの種芋を友人のトラポーから受け取った
ルドヴィは地元の牧師アントンから、近くの領主から逃げてきた小作人夫婦のアン・バーバラとヨハネスを紹介してもらい、作業を進めることになった
そんな折、倉庫に侵入しては何かを盗んでいく少女を見つける
その少女はタタール人のアンマイ・ムスという少女で、両親に売られて今の集団にいるという
そこでルドヴィはタタール人を雇おうと考えるものの、それは法律で禁止されていた
そして、そんな動きをに近隣の荘園を管轄するフレデリックに知られてしまう
彼はアンとヨハネスを非道にこき使ってきた人物であり、王領地であるにも関わらず、土地の所有権を主張し始めるのである
テーマ:人生を輝かせるもの
裏テーマ:暴君に対するけじめ
■ひとこと感想
不毛な土地を開拓するというぐらいしか知らなかったのですが、どうやら史実ベースの物語で、ルドヴィもシンケルも実在の人物だとされています
18世紀のデンマークでは、北方にあたるユトランド半島はヒースと呼ばれる「平坦な荒地」を持て余していました
それを開拓することを当時のデンマーク王。フレゼリク5世は考えていたのですが、なかなか思うようには進んでいませんでした
そんな中、退役軍人のルドヴィが「爵位」を得るために開拓を行うという物語になっていて、そこで荘園から逃げてきた小作人とその妻を雇うことになります
当時は小作人は領主の持ち物のような扱いで、逃げたら処罰することは法律で定められていました
それによって、ヨハネスが亡くなってしまい、そこからルドヴィとアン、タタール人のアンマイとの奇妙な家族構成が始まっていきます
タタール人は「南方の民」と呼ばれていますが、実際にはトルコ系やモンゴル系の民族で、デンマークの南方の地域から流入していました
彼らの宗派はイスラム教スンニ派であり、デンマークはキリスト教(プロテスタント)なので、宗教的な不寛容というものもあったと思います
途中でドイツから入植者が訪れますが、彼らもキリスト教徒なので、タタール人との相性は悪かったと言えるのでしょう
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
本作は、地元の有力者との諍いの中で、擬似的な家族が生まれていく様子を描いていきます
それでも、ルドヴィには王に捧げるために動いているという名目があり、その目的にためにその家族を捨てなければならないという場面に遭遇します
そこで彼はどのような決断を下すのかというところが命題になっていて、その選択が後半の劇的なシークエンスへとつながっていきました
映画では、とにかく不毛な地を少しずつ耕していく様子が描かれ、わずかな土地にじゃがいもを根付かせる苦労が描かれていきます
土を選ばないと言っても霜には弱いので、雪が降る土地では気を使わなければなりません
来年の春に結果を残すためには、この冬を何とか乗り切らなければならないのですが、その苦境はルドヴィの決断によってもたらされている神に与えられた試練のように思えてしまいます
土地の争いは難癖のようなものですが、権力者が足場を揺るがされているという状況が暴挙をさらに増幅させていきます
いわゆる恐怖政治に突入するのですが、それが却って温度差を広げる結果につながっていました
ラストでは、ルドヴィの元から姿を消したはずのアンが積年の恨みを晴らす展開を迎えますが、殺してもなお殺しきれないという憎悪が噴出していましたね
腹を刺した後に、トドメとして切り落とすシーンは強烈なインパクトがあったと思います
■ルドヴィはどんな人なのか?
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■愛情が育むもの
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/99901/review/04792576/
公式HP:
https://happinet-phantom.com/ai-tagayasu/