■どうやってあの曲が生まれたのかを描くことは、やっぱり蛇足すぎるのかも知れませんね


■オススメ度

 

ピアノ映画が好きな人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2024.6.28(イオンシネマ京都桂川)


■映画情報

 

情報:2024年、日本、114分、G

ジャンル:ピアノを辞めようと思っている学生が不思議な女学生に出会う様子を描いた恋愛映画

 

監督:河合勇人

脚本:松田沙也

原作:ジェイ・チョウ『不能説的・秘密(2007年))

Amazon Link(字幕版)→ https://amzn.to/460PoaZ

 

キャスト:(わかった分だけ)

京本大我(樋口湊人:ピアノを辞めようと考えている音大生)

   (幼少期:市村碧斗

   (幼少期:瀬名柊誠、スチール)

古川琴音(内藤雪乃:旧校舎でピアノを弾く音大生)

   (幼少期:佐野柚葉、3歳時)

   (幼少期:宮本さら、スチール)

 

横田真悠(浅野ひかり:湊人の幼馴染の音大生)

 

三浦獠太(棚橋順也:湊人の友人、バンドマン)

坂口涼太郎(広瀬慎之介:湊人の友人、バンドマン)

實成悠介(門倉:湊人とピアノ対決をする天才)

 

皆川猿時(山本修治:音大の教授)

イアン・ムーア(渡英先の音楽教授)

 

西田尚美(内藤敦子:雪乃の母)

 

尾美としのり(樋口透:湊人の父、カフェ経営者)

 

橘花征四郎(音大生)

三木理沙子(音大生)

深山奈優(音大生)

 

池田和樹(バンドのベース)

稲村星(バンドのギター)

橘春軌(バンドのドラム)

 

溝口奈菜(クラスメイト?)

浜田野乃華(クラスメイト?)

鈴木亜里紗(西田美樹:クラスメイト)

 

 


■映画の舞台

 

日本のどこかの地方都市

 

ロケ地:

長野県:松本市

あがたの森公園

https://maps.app.goo.gl/dkWv3f5mfGuT7xDH9?g_st=ic

 

静岡県:静岡市

静岡県立大学

https://maps.app.goo.gl/LCDhF8L24ZQDrKDUA?g_st=ic

 

東京都:国立市

国立音楽大学

https://maps.app.goo.gl/hzrhZE67BxY9Hooi9?g_st=ic

 

埼玉県:深谷市

深谷鹿鳴館

https://maps.app.goo.gl/6ZpreB3GW1Xm5n3N7?g_st=ic

 

山梨県:南都留郡

河口湖円形ホール

https://maps.app.goo.gl/ZfKjgNYomGYNfgZB7?g_st=ic

 

茨城県:坂東市

坂東市民音楽ホール

https://maps.app.goo.gl/BCX5jv4Gk7trJY4D9?g_st=ic

 


■簡単なあらすじ

 

イギリスから帰国した湊人は、ある決意を持って、残りの大学生活を過ごそうと考えていた

悪友の棚橋と広瀬はいつものノリで絡み、幼馴染のひかりは何かと世話を焼いてきた

 

ある日、どこからともなく聞こえてきた音を追って旧校舎に向かうと、その一室にて見知らぬ女学生が知らない曲を弾いていた

湊人は彼女に曲名を聞くもののはぐらかされてしまい、「これが運命の出会いなら再会できるよ」と言い残して彼女はどこかへと消えていった

 

数日後、旧校舎のベンチで休んでいると、そこに彼女はやってきた

ようやく名前を聞くことができ、彼女は雪乃という名前で、同じ音大生であることがわかった

それから二人は距離を近づけ始めるのだが、彼のことが好きなひかりは自分を避けていく湊人のことが気になって仕方がなかった

そしてある日、湊人がよく出かける旧校舎に出かけ、そこで見知らぬ女性・雪乃に出会うことになったのである

 

テーマ:運命がつなぐ連弾

裏テーマ:秘密が生み出す力

 


■ひとこと感想

 

リメイク作品であることは知っていますが、リメイク元を観たことあるかどうかと言えば、ほぼ記憶にありません

年代的にも映画にどっぷりハマっていた時期でもないので、観ていないのだと思います

 

映画は、元ネタをどれだけ改変したかとかはわかりませんが、ある秘密をもつ雪乃と出会う「ピアノを辞めようとしている青年」という構図を楽しむ映画なのだと思います

いわゆるラブストーリーで、彼女の持っている秘密はあらかた察することができる感じになっていましたね

ファンタジーだと言ってしまえばそれまでですが、神様の粋な計らいだと思えばそれで良いのかもしれません

 

それにしても綺麗な楽曲が多かったですね

ピアノシーンとかはもろにボディダブルでしたが、楽曲のもつ力強さというものは感じられたように思います

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

映画は、どうしてこうなったかはわからないけれどという感じの物語で、確かに二人の間にはある一定の時間を過ごしたという確信のようなものが残っていた、という内容になっていました

20年という時を経て、神様のいたずらで会うことができた二人なのですが、存命してたら親子ほどの歳の差だなとか、余計なことを考えてはダメな映画なのだと思います

 

イギリスでボッコボコになって逃げて帰ってきた青年が、好きになった人のためにピアノを再開するのですが、幼馴染がかなり可哀想なことになっていましたね

これまでどんなアプローチをしてきたのかはわかりませんが、「昨日はごめんね」で元に戻るとか、よくわからん関係になっていました

 

物語は、時を超えた悲恋ということになりますが、最後の時にイケメンに出会えた雪乃はラッキーだったということになるのかもしれません

そして、彼女は贈ったトイピアノが彼にピアノの道を選ばせたのだとしたら、この因果は起こるべくして起こったということになるのかな、と感じました

 


リメイク元はどんなお話?

 

本作のリメイク元は、2007年に公開された『不能説的・秘密(邦題:言えない秘密)』という作品でした

監督はジェイ・チョウ、脚本はジェイ・チョウとトー・チーロンによって作られています

物語は、ピアノを勉強するために父が教師をしてい芸術学校に転校してくるシャンルン(ジェイ・チョウ)という青年が主人公となっています

そんな彼が、取り壊しが近い旧校舎にて、神秘的なメロディを奏でるシャオユー(グイ・ルンメイ)という女性と出逢います

 

シャオルンが曲名を聞くと、「それは言えない秘密よ」と言われてしまいます

その後、二人は交流を重ね、二人の境遇が近いこともあって、心を通わせていきます

ある日、シャオルンはピアノ王子と呼ばれるユーハオに挑戦状を叩きつけます

シャオルンがユーハオに認められて、ある楽譜を手に入れることになり、それをシャオユーに渡します

そして、二人は恋人の関係になり、幸せな日々を重ねていく、という内容になっています

 

本作には、シャオルンを慕う女生徒チンイー(アリス・ツォン)も登場し、三角関係になったりもします

シャオユーには秘密があるというのも同じですが、そこはネタバレになるので控えておきます

印象としては、かなり改変が入っているというものなので、本作を見た後のその違いを楽しむのも良いのかな、と思いました

 


勝手にスクリプトドクター

 

本作は、旧校舎にて謎の美女と出会って恋に落ちるというもので、その楽曲は過去の雪乃が残したものになっていました

彼女は、過去のあの場所であの楽曲を弾くことで湊人に会えるのですが、それも最初に見た人にだけ見えるという設定になっています

それゆえに「最初に出会うのが湊人でなければならない」というルールが彼女に生まれ、それがあの歩数(108=楽譜のテンポ)ということになっていました

 

旧校舎から目を閉じて歩いて、その先に湊人がいるのですが、この設定が後半になって唐突に出てきたように思います

そもそも湊人があの場所に来るというのも習慣ではなく、たまたま立ち寄って雪乃の楽曲を聴いたからであり、彼が来るとしたら、あの教室に直接来ると思います

そこに雪乃がいなくてがっかりして帰るというのを繰り返すと思いますが、あの場所で音楽が聞こえてから教室に向かうというのは、最初の1日だけにあるものだったように思いました

雪乃がどの段階で湊人のことを知り、そして恋心が芽生えたのかはわかりませんが、彼女目線だと「いつもあの場所で黄昏ている青年がいる」という認知が始まり、そこから彼を振り向かせるために曲を奏でる、という感じになってしまいます

でも、それだと逆のことが起きているので、設定としてはおかしくなってしまうのですね

 

曲を弾いて、未来にやってきて、そこで湊人に会うという流れの中で、最初に会った人にだけ、その日はずっと見えるという設定が結構曖昧に思えます

相手の背中を見ただけでダメなのか、目が合えばダメなのかというところがはっきりしていないので、後者であれば「湊人に会うまで目を逸らし続ければ良い」ということになってしまいます

このあたりの感覚を思えば、ピアノを弾いて湊人が来る時間というものに共通点を見つけ出し、徐々にその時間に弾くようになる、という流れの方が自然のように思えます

それでも、来ない日が増えて、彼女が外の世界に出る事になって、そこで彼に会うためのルールというものが生まれてくるのでしょう

 

雪乃と会った人は彼女のことを覚えているという設定になっているので、ひかりは一度会ったから知っているけど、棚橋と広瀬は会ったこともないので知らないということになります

それ自体は良いと思うのですが、三角関係を強調するのならば、見えたその日からは「最初に会っていなくても条件さえ整えば見える」という設定を加味しても良かったかも知れません

そうなると、雪乃の誰にも見られない努力というのは無駄になるのですが、誰よりも湊人を見ているひかりなので、彼女目線で湊人のおかしな言動が繰り返されるうちに、「見えないはずの雪乃が見える」というものが起こっても良かったのかな、と感じました

 


120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

本作は、イギリス留学に行って打ちのめされた青年が日本で再起を図るというものではありますが、彼自身が映画の中で成長したのかどうかはわかりません

旧校舎で出会った女性と恋に落ち、実は彼女はすでに亡くなっていることを知るという悲恋になっていて、それで終わっているところが微妙だなあと思いました

彼自身の中にあった葛藤が完全に払拭されたとも思えず、雪乃との日々によって、ピアノに対して前向きになったのかもなんとも言えない感じになっていました

雪乃の家に行くことで、幼少期に大事にしていたピアノの意味がわかりますが、そこから先がもっと明確な方が良かったのかな、と個人的には思ってしまいました

 

あの楽曲は今後どのように弾かれ続けていくのかはわかりませんが、神様が雪乃に与えたギフトなのでしょう

それを思うと、別の人がそれを弾いても同じことが起こらないようにも思えます

それぐらい特別な力があって、弾く人によって効果が違うというのも良いと思います

いっそのこと、湊人が弾くと過去に戻って、幼少期の自分の世界に行くとかでも面白かったかも知れません

そこには病魔に苦しむ雪乃がいて、でも湊人はタイムスリップはしたけれど、少年の姿になっている

そう言ったカラクリまで描いていくと尺が足りないと思うのですが、湊人がその曲を弾いたことで起こることを描いても良かったのかな、と感じました

 

おそらくは何も起こらないというのが正解で、雪乃の強い残留思念がその力を呼び起こしたと考えられるので、並大抵のことでは同じことが起こらないでしょう

それで良いと思える一方で、楽譜の持つ力とか、誰が作曲したのかというネタバレがあっても良かったように思います

それをロマンチックに考えるなら、湊人が作曲したものが何らかの力によって過去の雪乃に届いた、というパターンで、それが「悲しみに打ちひしがれた湊人が書いたもの」というのが、一番しっくり来るのかな、と感じました

かなりの蛇足設定なので、読み流してくださいねえ

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/99787/review/03979739/

 

公式HP:

https://gaga.ne.jp/IenaiHimitsu/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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