■奇麗な、悪


■オススメ度

 

一人芝居の映画に興味がある人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2025.2.24(イオンシネマ京都桂川)


■映画情報

 

情報:2024年、日本、76分、G

ジャンル:過去に因縁を持つ女がかつての診療所にて独白を行う様子を描いたヒューマンドラマ

 

監督&脚本:奥山和由

原作:中村文則『火(『銃』に収録)』

 

Amazon Link(原作)→ https://amzn.to/4iczu1P

 

キャスト:

瀧内公美(謎の洋館に入る女)

 


■映画の舞台

 

日本のどこかにある洋館(元精神科診療所)

 

ロケ地:

神奈川県:横浜市

山手十番館

https://maps.app.goo.gl/eiuc8S9cjZWi7Ef77?g_st=ic

 

フレンチ懐石 此のみち

https://maps.app.goo.gl/sxMnJVcj3AFaLkBm7?g_st=ic

 


■簡単なあらすじ

 

ある洋館に、一人の女性が入っていく

そこはすでに閉鎖されているところだったが、中はキレイに整理されていて、オルゴール式の人形が佇んでいた

女はソファに腰をかけ、「まずは火の話から始めましょうか」と言って、かつて精神科医に話したことを話し始めた

 

その後、女は小児性愛だったRとの関係、Rを見捨てて結婚をしたことなどを話していく

さらに、結婚生活で起こったことや、夫の父との顛末まで話し始めた

 

女は、罪悪感よりも好奇心が先立ちながら、自分の中にある悪を欲望で覆い隠し、さらなる悪へと昇華させてきたことを語った

そして、離婚後に始めた売春の話から、彼女の背負う業と本質についての語りへと移っていくのである

 

テーマ:悪と欲

裏テーマ:自分を満たすものの正体

 


■ひとこと感想

 

瀧内公美が一人語りをすると言う映画で、雑踏以外には誰も出てこない映画となっていました

語る内容はほぼアブノーマルなものばかりで、徐々にその質が悪質に思える方向へと向かいます

とは言っても、彼女なりの処世術と言うところがあって、そう言ったヤバい男を引き寄せる何かを持っていたのだと思います

 

映画は、この語る女性にリアリティを感じるかと言うところが命題で、キャスティングは正解だったと思います

艶があって、男を引き寄せそうでいて、奥が見えないと言うキャラなのですが、さらに語りに抑揚があって、説得力を持たせると言うのは大変なことだったでしょう

 

物語性はないものの、次々と出てくるクズ男の話は面白かったですね

その人物が想像できそうな感じになっていて、特にTの描写は多かったので、何人かの俳優さんを思い浮かべてしまいました

ひょっとしたら、演じた人の中にも「想定される人物」と言うものがいたのかな、と思いました

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

本作は、何度か映像化されている作品で、「火をつけた女」が延々と過去を語ると言うシチュエーションになっています

そこで異常な男性遍歴が語られるのですが、女以上にヤバい相手が登場すると言う感じになっていましたね

未成年に手を出すやつとか、暴力を無評で行うとかあって、最終的にはそれらを包括しつつ快楽に落とし込んでいくように描かれています

 

ワンカットのように思えますが、実際にはかなりのカットを組み合わせていて、おそらく意図的だと思いますが「髪を下ろしている時と下ろしていない時を語りの中に混ぜる」という手法を取っていました

髪を解くシーンもきちんとありますが、それ以前にも髪を解いていたり、かと思えば結っていたりを繰り返していました

この意図までは組み込めませんでしたが、おそらくは語りの中にある「嘘」と言うものを表していたのかな、と感じました

 

映画でも、後半になって「嘘ですよ」と言いますが、実際にはほとんどのことが本当のことで、それに真実味を持たせるために嘘を敢えて混ぜているのだと思います

どれが嘘かどうかは問題ではなく、おそらくは人生に絶望した女が、死ぬ前にかつて治療を受けた病院に立ち寄ったのだと思います

そこで自分に起きたことを話し、それでも自分は生きていても良い人間なのかを考えたかった

その答えは意外なところにあって、それが医師の机にある「患者に宛てた出せなかった手紙」なのだと思います

 

映画では、後藤又兵衛の「真実」という絵画が何度も登場しますが、そこにいる画家が医師もしくはこれまでの男で、被写体の裸婦が女だと見立てているのでしょう

全てを見透かしているように思えても、女は巧妙に自分を隠していて、画家自身が自分の描いた絵の中に取り込まれていたりします

この構図を考えると、かつての精神科医も女の世界に取り込まれた男の一人であり、それがあの手紙を書くに至ったのかな、と感じました

 


■髪結のカットの秘密

ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください

 


■女が混ぜた嘘の正体

ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください

 


■120分で人生を少しだけ良くするヒント

ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/102786/review/04811454/

 

公式HP:

https://kireina-aku.com/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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