■オカルトブームのさなかでこの映画を観たら、腰が抜けるほどびびったでしょうねえ
Contents
■オススメ度
一風変わったオカルトホラー映画が好きな人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2024.10.10(MOVIX京都)
■映画情報
原題:Late Night with the Devil(悪魔と夜ふかし)
情報:2023年、アメリカ、89分、 PG12
ジャンル:トークショーで起きたオカルト現象を描くホラー映画
監督&脚本:コリン・ケアンズ&キャメロン・ケアンズ
キャスト:
デビッド・ダストマルチャン/David Dastmalchian(ジャック・デルロイ/Jack Delroy:「ナイト・アウルズ・ウィズ・ジャック・デルロイ」の司会者)
ローラ・ゴードン/Laura Gordon(ジャン・ロス=ミッチェル/June Ross-Mitchell:超常心理学者、「Convasation with the Devil」の作者)
イングリッド・トレイ/Ingrid Torelli(リリー/Lilly:悪魔に取りつかれている女性、集団自殺の生き残り)
(若年期:Scarlett Varga)
(幼少期:Pearl Grammenos)
イアン・ブリス/Ian Bliss(カーマイケル・ヘイグ/Carmichael Haig:元マジシャンの非超常現象主義者)
フェイザル・バジ/Fayssal Bazzi(クリストゥ/Christou:自称霊能力者の霊媒師)
リース・アウテーリ/Rhys Auteri(ガス・マコーネル/Gus McConnell:ジャックのアシスタント)
Georgina Haig(マデリン・パイパー/Madeleine Piper:ジャックの妻、女優)
【番組制作】
Josh Quong Tart(レオ・フィッシュ/Leo Fiske:番組のプロデューサー)
Christopher Kirby(フィル/Phil:番組のディレクター)
Gaby Seow(サミー/Sammy:メイク係)
Michael Ironside(番組のナレーターの声)
Declan Fay(「Cue Card(カンペ)」係)
Milena Berhane(制作アシスタント)
Leah Wilbraham(制作アシスタント)
Chase Kauffman(舞台係)
Miranda Bloom(舞台係)
Mitchell Brotz(舞台係)
Caspian DezFouli(カメラオペレーター)
Rod Lara(カメラオペレーター)
Adam Batt(タイムキーパー)
【観客】
Paula Arundell(ダイアン/Diane:観客席の女性)
Tamala Shelton(キャロル/Carol:観客席の女性)
John Leary(バリー/Barry:観客席の男性)
Isabel Stewart(観客)
Jessirose Streker(観客)
Gonul Tuncel(観客)
【会社の上層部】
John O’May(ウォーカー・ベッドフォード/Walker Bedford:番組の出資者、UBCの会長)
Raoul Salter(マーケティング担当の副部長)
Janine Lum(副部長の妻)
【出演者】
Elise Jansen(洞窟コントの出演者)
Clare Chihambakwe(ステイシー/Stacey;騒がしい出演者)
Steven Kwon(客席の骸骨男)
Nicole Chapman(クレオ・ジェームズ/Cleo James:出番のないジャズシンガー)
Imaan Hadchiti(フランク・クーリー/Frank Khoury:番組のゲスト出演者、小人症の男)
Amelie Mendoza(クリストゥのアシスタント)
Grace Cummings(ペギー・ディケイ/Peggy Decay:?)
Andre Switzer(ルー/Lou:?)
Jason Marion(オーソン/Orson:?)
Farhad Zaiwala(スプーン曲げ、カーマイケルのアーカイブ)
Jarrad Pidoto(軍医、カーマイケルのアーカイブ)
Paddy Shiels(ベトナムの退役軍人、カーマイケルのアーカイブ)
Aya Cairnes(空中浮遊する女)
Gerasimos Grammenos(FBI捜査官)
Déborrah Moogy Morgan(フランス人ディレクター)
【Annointed Grove(ザ・グローブ)】
Steve Mouzakis(シャンドル・ディアボ/Szandor D’Abo:集団自殺カルトの教祖)
Tiare Skeats(偶像)
Sarah Lorey(糸車の女)
Rik Brown
Anna van Guens
Arkie Simpson-Purdon
Daisy Anderson
Joel Anderson
Miles Brown
Scott Purdon
Quincy Simpson-Purdon
Jason Rout
Jeff Schwisow
Michael McArthur
【「The UBC Show Band」のメンバー】
Andrew Swann
Benjamin L. Gillespie
Bruce Sandell
Dai Jones
Daniel Mougerman
Eamon McNelis
Robert Glaesmann
Stephen Grant
Stephen Purcell
■映画の舞台
1977年、
アメリカ:ニューヨーク州
ニューヨーク
ロケ地:
オーストラリア:ヴィクトリア州
メルボルン/Melbourne
■簡単なあらすじ
1977年、人気司会者のジャック・デルロイは「ナイトオウル」という番組でトップに肉薄する勢いを持っていた
妻のマデリンも懸命に夫を支え、もう少しで天下を取れそうなところで足踏みをしてしまう
そんな彼には、カルト教団「ザ・グローブ」との関係が噂され、そして彼の転機となった最後の番組のフィルムがどこからともなく見つかった
そのフィルムには、本番の映像と舞台裏が一緒に映っているもので、再起を賭けたジャックが「オカルト特集」を組んでいたものだった
「奇跡の人」と呼ばれていたクリストゥ、元マジシャンのカーマイケル、そして超心理学研究者で作家のジューン・ロスらがゲストとして呼ばれていた
クリストゥは現場にいる霊を感知し、それが客席の誰かと縁があるものだとして、その本人しか知らないことを言い当てていく
カーマイケルはそんなものはまやかしとばかりに「科学的に証明できる」と豪語し、クリストゥの行ったことを解説して見せた
だが、そんな折、クリストゥの体に異変が起きて倒れてしまい、救急車で運び出されてしまう
そして、最後のゲスト、ジューン・ロスの出番になるのだが、彼女は著書のモデルとなっているリリーという少女をスタジオに連れてきていた
リリーは悪魔と対話ができるというもので、それを番組内で披露しようと考えていたのである
テーマ:幻影を見せるもの
裏テーマ:許されざる契約
■ひとこと感想
70年代の深夜トーク番組の「曰く付きのテープが見つかった」という内容で、番組進行の約1時間がリアルタイムで進行していく流れになっていました
CM休憩中の慌ただしい打ち合わせとか、想定外のことが起こって慌てふためく様子などがリアルでしたね
映画は、オカルト検証番組のようでいて、本物が来てしまうという流れになっていますが、ラストの解釈をどう捉えるかという感じになっていますね
見たまんまのようにも思えますが、全体的にフェイクっぽさというものもあるので、全てが嘘でしたという世界線も無きにしも非ずという印象があります
物語性は特になく、目の前で起こっていることを眺めるという感じになっていますが、心臓の弱い人は注意が必要なシーンが多いように思います
フェイクとしても作り込むのは大変な案件で、実際に起こった出来事の記録にも見えるところは秀逸だなあと思いました
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
本作のネタバレといえば、結局本当だったのはどこまで?というラインですが、おそらくは「ジャックの記憶に残っていたもの」という解釈で良いのかな、と思いました
基本的には4:3の映像ですが、時折16:9になっていて、この部分は現実で起こったことなのかなと思いました
番組が低調だったので悪魔と契約したら祟られたという内容なのですが、それら全てがフェイクという見方もできますね
現実のシーンが「実はグローブの儀式だけ」というところもあって、あの儀式によって「成功した未来を妄想したけど」という感じにも見えなくはありません
最後が悲劇的なのは、ジャックの妄想の中に理性と罪悪感が混じったからであり、それが自分を破滅させるエンドを導いたのかな、と感じました
ともあれ、なかなか凝ったつくりの映像になっていて、時間の感覚がそのままなので、本当に番組を観客席から見ているような感覚になりますね
ホラー映画ファンなら避けては通れない道であるように思います
■ファウンド・フッテージについて
映画は、ファウンド・フッテージ(Found Footage)という映画技法で撮られていて、これは「作品の全て、もしくは大部分を登場人物が撮影したフィルム、またはビデオ録画であるかのように見せる映画技法」のことを言います
本作の場合は、発見された1本のテープということになっていて、それも編集される前の現場を映した映像ということになっていました
それゆえに、番組の舞台裏などもそのままリアルタイムに映されていましたね
番組は生放送なので、舞台裏が映っている時はCMが流れるというタイムラインになっていて、それを加味した段取りが組まれていました
この手の手法はで作られた映画といえば、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』『パラノーマル・アクティビティ』『クローバーフィールド』などがありますね
一人称視点で状況を追っていくのが上記の作品の特徴で、本作のような丸々1本出てきましたみたいな手法はなかなか珍しいと思います
本作のような作品は「擬似ドキュメンタリー」「モキュメンタリー」という特徴を取っていて、今回の場合はお蔵入りになった編集前の生放送ビデオというものになっています
撮っている段階では、リアルタイムに目の前に展開されたもので、入念な段取りのもとに作られているので、一人称視点で状況を追っていくものとは一線を画しています
いわゆる「映ってはいけないものが映ってしまった」というもので、今回の場合はホストによる出演者の殺人シーンがそれに該当します
でも、映画では、そこに「ジャック視点で見えたもの」というものが挿入されていて、それがホラー要素に磨きをかけていたと言えるのではないでしょうか
完全にお蔵入りしたただのビデオだと、ジャック視点の幻視はなく、単に何かにとち狂って出演者を刺しまくっている映像だけが残っていることになります
そのままの映像を観た方がシュールではありますが、なんの前触れもなくジャックがいきなり人を刺し出すし、何も見えていないのに出演者の胴体が真っ二つみたいな映像があったりするのですね
それを平静な状態でカメラを回している方が怖かったりしますが、そこは定点カメラのスイッチ切らずにカメラマンだけ逃げたということにしとけばOKなのでしょう
映画の後に番組のエンドロールが流れたかまでは覚えていませんが、タイムライン通りにそれらが流れたとしたら、その作業をしていた人のハートは鉄の塊でできていたのかもしれません
■どこまでがリアルなのだろうか
映画は、実際に撮られた映像にジャックの視点が絡んでいて、それでひとつの作品になっています
なので、実際に起こった現象を解説する形になっていて、教団との関係に関してもジャックを捕捉する内容になっていました
冒頭にて、ジャックと妻の関係性が描かれ、それによって彼自身が背水の陣にいることがわかります
その再起を賭けた大勝負がこの番組だったのですが、それが悪魔との契約によって、とんでもない方向に向かうことになりました
リアルかフェイクかという括りだと「全部フェイク」なのですが、それを言ったらおしまいだと思います
なので、映画内におけるリアルとフェイクの境界線はどこにあったのかを探ることとしましょう
わかりやすいのは、番組の進行に関するものは全てリアルで、映画内の超常現象由来の惨劇はフェイクであると考えられます
奇跡の人クリストゥのパートでは、ミニー以外の対話はすべてフェイクでしょう
それは、ミニーの時の反応と、それ以外の反応には明らかな違いがあったからなのですね
彼の能力と言うものは半分は本物で、それは霊体の受容体としては本物で、そこから先の「推理」のようなものはでっち上げに近いのだと思います
それに対するリリーの能力はどうやらガチのようで、クリストゥの受容体能力を有しつつ「翻訳」ができる存在となっていました
それゆえにクリストゥが呼び寄せたミニーがその場に居座ることになり、リリーを媒体として翻訳されることになります
リリーがミニーから得たものは「怒り」「嫉妬」のようなもので、それはジャックの教団との絡みが原因となっています
ジャックは作家のジューンと恋人関係にあり、それをミニーが知ったことで何かを呼び起こしたのでしょう
ミニーは地縛霊のような属性があって、ジューンがあの場所に来るまでは知られなかった可能性があります
ジャックは自分の番組のためにジューンとリリーを利用していて、その同質の行為というものがミニーの怒りにふれたように思えました
彼女はジャックに入り込み、そして彼の脳内を支配して恐怖の映像を見せていきます
それによって気がふれたジャックが「恐怖」とリリーを刺し殺したのでしょう
ミニーがリリーを殺したのは、自分を現世に呼ばないでほしいというものと、リリー自身の能力と教団が関係しているからだと考えられます
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
本作は、1974年頃を描いていて、ちょうどこの頃にアメリカのオカルトブームというものがやってきていました
1969年8月9日の未明に映画監督のロマン・ポランスキーの妻シャロン・テートが妊娠中でもありながら狂信的なカルト信者に刺されて殺されるという「シャロン・テート事件」がありました
実行犯の一人であるテックス・ワトソンは「俺が悪魔だ。悪魔がなすべきことをするために来た」と言ったとされています
犯人グループはマンソンファミリーと呼ばれ、チャールズ・マンソンという人物がとある牧場に人を集め、「黒人によって白人が撲滅される」とか、「悪魔崇拝や秘密結社、白魔術結社と交流があった」とされていて、この事件が報じられて以降、悪魔の存在やオカルト的な考え方が広がるようになりました
また映画では、『ハロウィン』『13日の金曜日』『エルム街の悪夢』などが作られ、『エクソシスト(1973年)』もこの時期に上映されていました
社会の背景にオカルトブームがあり、その検証などが行われる中で、リアルタイムでオカルトショーをするというのは斬新な企画だったと思います
映画内でカーマイケルとジャックがオカルト談義を交わしますが、これには元ネタがあって、ドン・レーン(Don Lane)の『ドン・レーン・ショー(The Don Lane Show)』という番組でジェームス・ランディ(James Randi)と懐疑的な討論をしたというものがありました
ちなみに、このジェームズ・ランディは「100万ドルの超常現象チャレンジ」というものを実際に行っていて、超常現象を科学的に証明できる人に賞金を支払っていました
また、ユリ・ゲラーと法廷論争を起こしていたこともあり、その他にもいろんなところで揉め倒していた人物とされています
この手の番組をリアルタイムで観ていた人には懐かしい映像とネタに驚いたと思います
さすがに日本では放映されていないのですが、Youtubeで映像が上がっていたりしますね
合法かわからないので貼り付けませんが、「The Don Lane Show James Randi」で検索すると、懐かし映像などが上がっていますね
文字起こし機能で英文表示させて、それをグーグルレンズで翻訳するとなんとなく雰囲気がわかるのではないでしょうか
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/101477/review/04353303/
公式HP:
