■ナースコール


■オススメ度

 

逼迫する医療業界を体感したい人(★★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2026.3.12(アップリンク京都)


■映画情報

 

原題:Heldin(英雄)、英題:Late Shift(夜勤)

情報:2025年、スイス&ドイツ、92分、G

ジャンル:人手不足の外科病棟の一夜を描いたスリラー映画)

 

監督&脚本:ペトラ・フォルテ

着想元:マデリン・カルベラージュ/Madeline Calvelage『Unser Beruf Isi Nicht Das Problem-Es Sind Die Umstände(問題は職業ではなく環境)』

 

キャスト:

レオニー・ベネシュ/Leonie Benesch(フロリア・リンド/Floria Lind:西側廊下担当の当直看護師)

 

ソニア・リーゼン/Sonja Riesen(ベア・シュミット/Bea Schmid:東側廊下の当直看護師)

 

アリレザ・バイラム/Alireza Bayram(ジャン・シャリフ/Jan Sharif:フロリアに引き継ぐ日勤の看護師)

 

セルマ・ジャマール・アルディーン/Selma Jamal Aldin(アメリア・アフシャール/Amelie Afshar:看護学生)

 

マルゲリータ・ショッホ/Margherita Schoch(クーンさん/Frau Kuhn:1号室、認知症患者)

マヤ・タナー/Maja Tanner(コザットさん/Frau Cosatto:1号室、音楽で気遣い)

 

エバ・フレドホルム/Eva Fredholm(ビルギンさん/Frau Bilgin:2号室、食道がん転移)

Onur Kurtulmus(ビルギンさんの息子/Sohn Frau Bilgin)

Ali Kandas(ナビル・ビルギン/Nabil Bilgin:ビルギンさんの息子)

Mustafa Kuzucu(べキル・ビルギン/Bekir Bilgin:ビルギンさんの息子)

ドミニク・レンディ/Dominique Lendi(フライさん/Frau Frei:2号室、ヘビースモーカー、アルコール依存症)

 

ウルス・ビーラー/Urs Bihler(ロイさん/Herr Leu:3号室、大腸がん確定も未告知、飼い犬が心配の老人)

ハインツ・ヴィスリング/Heinz Wyssling(シュナイダーさん/Herr Schneider:3号室、寝たきりの老人)

ドリス・シェーファー/Doris Schefer(シュナイダーさんの娘/Pascale Schneider)

 

アンドレアス・ボイトラー/Andreas Beutler(フンガービュラーさん/Herr Hungerbühler:4号室、鼠径ヘルニアのオペ予定)

Aline Beetschen(エヴリン・ビューラー/Evelyn Bühler:フンガービュラーさんの妻)

エレミヤ・チュン/Jeremia Chung(ソンさん/Herr Song:4号室、急性虫垂炎オペ後の患者、痛み止めでアレルギーあり)

 

エリザベス・ロッリ/Elisabeth Roll(ラウバーさん/Frau Lauber:5号室、抗生剤の点滴待ち)

ラーレ・ヤバシュ/Lale Yavas(モリーナさん/Frau Morina:5号室、腫瘍委員会に疑問符)

Ayhan Sahin(モリーナさんの夫)

Oliver Baer(モリーナさんの息子)

Sofie Baer(モリーナさんの娘)

 

リドバン・ムラッティ/Ridvan Murati(オスマニさん/Herr Osmani:6号室、胆のうオペの患者)

アルバーナ・アガイ/Albana Agaj(オスマニさんの妻)

ユルバン・ギゲムデ/Urbain Guiguemde(「ナナ」ンワチュクさん/Herr Nwachukwu (Nana):6号室、イレウスのオペ後の患者)

 

ユルク・プリュス/Jürg Plüss(セヴェリンさん/Herr Severin:7号特別室、膵がんの患者)

 

アンナ=カタリーナ・ミュラー/Anna-Katharina Müller(レオニー/Stationsärztin Leonie:病棟当直医)

 

Nicole Bachmann(シュトローベル医師/Frau Dr. Strobel:ロイの主治医)

 

【その他の出演者】

Jasmin Mattei(クラウディア・バッハ/Claudia Bach:看護師長)

Carter Jace(バスの幽霊/Gast)

 

Fredy Kuttipurathu(麻酔科医/Arzt)

Pema Shitsetsang(女医/Ärztin)

Carole Steiger(回復室の看護師/Pflegende  Aufwachraum)

Manuel Herwig(移送室の看護師/Pflegender Umbettraum)

Aline Beetschen(看護スタッフ/Pflegepersonal)

Jennifer Fähndrich(看護スタッフ/Pflegepersonal)

Jasmin Mattei(看護スタッフ/Pflegepersonal)

Dominique Lüdi(看護スタッフ/Pflegepersonal)

 


■映画の舞台

 

スイスのどこかにある人手不足の病院

 

ロケ地:

スイス:チューリッヒ州

バーゼル=ラント

バーゼルラント州立病院/Cantonal Hospital Baselland

https://maps.app.goo.gl/PUHaC8ucCy6LYnYb6?g_st=ic

 

キルヒベルク/Kichberg

https://maps.app.goo.gl/7G1qUwJYTprd8vUXA?g_st=ic

 


■簡単なあらすじ

 

スイスのとある州立病院の外科病棟に勤務するフロリアは、本来なら3人体制で迎えるはずの夜をベアと二人だけで回さざるを得なかった

西側廊下の7部屋13人を受け持つフロリアは、新規で入ってきた患者や、長く入院生活を送っている患者たちとの時間を大切にしながら、少しでも質の高い医療を提供しようと心がけていた

 

彼女が受け持つ患者の中には、当日予定のオペ後患者もいれば、これから緊急オペを行う患者もいる

さらに検査の結果を待っている人もいれば、主治医から呼ばれて病状説明を待つ家族もいた

そして、他の病棟が埋まっていることもあって、その夜の救急患者の受け入れもしなくてはならなかった

 

さらにその夜は看護師長が不在で看護学生の指導も行わなければならないし、欠勤を埋めるための方策も行えない

そんな中、フロリアは懸命にひとつずつ確実にこなしていくものの、やがては物理的かつ精神的な限界点に近づいてしまうのである

 

テーマ:義務と権利

裏テーマ:限界の先で起こること

 


■ひとこと感想

 

一応は医療従事者の端くれで、救急も担当しているので、仕事との境目がなくなってしまうほどリアルに感じました

フロリアを演じたレオニー・ベネシュは本当の看護師ではないかというぐらいに全ての作業が事細かに再現さて、患者側の演技も強烈で、さらに患者家族の憤りなども色濃く反映されていました

90分の中でここまで連鎖的にトラブルが発生するということは稀ですが、それでも重なる時は重なるという感じで、どうして同じタイミングでそれが起こるのか、ということはしばしば体感するものでした

 

映画では、かなり誇張されているように見えますが、実際にはかなり穏やかに描かれている方で、地域によっては問題患者はさらに行動が荒いし、患者家族も敵対的な詰め寄りかたをする人もいます

ある意味、究極のマルチタスクを完遂した瞬間の爽快感というものはあるし、それができなかった時に起こる「内なる怒り」というものも生まれます

そんな中で、ストレスを発散する場所というものが職場にはないので、それがさらに追い込まれていく要因になったりします

 

パンフレットには各病室の患者さんの説明があるので助かりますが、映画の構成としても、引き継ぎで患者情報の共有を行うなど、かなり洗練されていたなあと思いました

レビューを書くために鑑賞中にメモを取っているのですが、わずか2分足らずで12人の申し送りをしていましたね

医療用語に慣れているのでスラスラと理解できましたが、日本語で病名を書くとめっちゃ長いんですよね

なので、自分のメモなどを見返すと「急性虫垂炎術後の患者」などは「Ape Ope Pt」みたいな殴り書きになっていましたねえ

疑いを「S/O」と書いてしまうのも職業病なのかもしれません

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

本作にネタバレがあるのかは分かりませんが、まあまあ起こる出来事が凝縮された濃密すぎる1日を追体験する感じになっていましたね

基本的に夜勤の救急事務なので、そこまで多忙ということはないのですが、稀に「わずか10分で救急車が3台同時に搬入」みたいなこともあり、それが「3日前から腰が痛かった」「今朝から発熱」「突然倒れた」と「なぜこれが今重なるの~」と思ってしまうようなことが実際には起きています

さらに、そこに電話連絡もなしで急患が飛び込んできたり、さらに患者が脱走したとか、ナースコールを押しても来ないので代表電話にかけてくるとか、挙句の果てには自分の家族に電話して、家族から電話がかかって来て怒られる、みたいなことも同時に起こります

 

静かだったのにトイレに行った瞬間に救急電話が鳴るとか、カップラーメンに湯を注いだら患者が来るとか、色んなあるあるというものが映画にならないけどたくさんあります

また、「今日は落ち着いてるね」という禁句を言い残していくスタッフには殺意を覚えますし、落ち着いた後に「今日は暇なん?」とか言われると青筋が立つなんてことも起こります

悪気のないものが重なるというのがデフォルトなのですが、1日に1回はマルチタスクで対応できない瞬間というのは意外と多いのではないでしょうか

 

映画では、ほぼ完璧にこなしていくフロリアがいて、できるだけ患者さんとの時間を取ろうとしています

それが患者の癒しにもなれば、彼女の力の源になるわけで、そう言ったものの積み重ねによって、フロリアのような優秀な看護師が育つとも言えます

それでも、神様の仕打ちはなかなか強烈なもので、「頑張った末に起こしてしまったことに対して、自責している最中に次のトラブルというものが起こる」のですね

 

この業務を行える人はある意味特殊能力を持っている人で、それをいかにして手放さないかというのが社会の命題のように思います

それは賃金とかだけではなく、やはり仕事に対する敬意とか、他人ごとも自分ごとと考えられる社会の風潮が必要なのでしょう

誰もが身勝手に自分だけのことを考えると、結局は細分化されたルールが生まれ、そのために自分に与えられる時間というものが狭まっていきます

そう言った意味において、医療のみならず、人と人が接する職場には、お互いを称え合える空気感というものが必要なんじゃないかな、と感じました

 


■医療リソースの逼迫

ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください

 


■二極化の果てに起こる不条理

ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください

 


■120分で人生を少しだけ良くするヒント

ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/105278/review/06276542/

 

公式HP:

https://nursecall-movie.com/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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