■現在地を見誤らせることができれば、自分の居場所は特定されないように思います


■オススメ度

 

シリーズのファンの人(★★★★)

トム様のファンの人(★★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2023.4.21(MOVIX京都 ドルビーシネマ


■映画情報

 

原題:Mission: Impossible – Dead Reckoning Part One

情報:2023年、アメリカ、164分、G

ジャンル:世界を支配する「それ」を巡って繰り返される争奪戦を描いたアクション映画

 

監督:クリストファー・マッカリー

脚本:クリストファー・マッカリー&エリック・ジェンドレセン

原作:ブルース・ゲラー

 

キャスト:

トム・クルーズ/Tom Cruise(イーサン・ハント:「それ」の確保を命じられるIMFのエージェント)

ヘイリー・アトウェル/Hayley Atwell(グレース:「それ」をうっかり盗んでしまうプロの泥棒)

 

ビング・レイムス/Ving Rhames(ルーサー・スティッケル:IMFのプログラマー)

サイモン・ペッグ/Simon Pegg(ベンジー・ダン:IMFの技術担当)

 

レベッカ・ファーガソン/Rebecca Ferguson(イルサ・ファウスト:MI6のエージェント、イーサンの恋人)

 

バネッサ・カービー/Vanessa Kirby(ホワイト・ウィドウ/アラナ:ブラック・マーケットの支配者)

Frederick Schmit(ゾーラ:アラナの弟)

 

イーサイ・モラレス/Esai Morales(ガブリエル:「それ」の秘密を知る謎の男)

ポム・クレメンティエフ/Pom Klementieff(パリス:ガブリエルに仕えるフランスの殺し屋)

 

マリエラ・ガリガ/Mariela Garriga(マリー:イーサンの元カノ、回想)

 

ヘンリー・ツェーニー/Henry Czerny(ユージーン・キットリッジ:IMFの長官、イーサンに「それ」奪還の命令を下す男)

ケイリー・エルウィズ/Cary Elwes(デンリンガー:国家情報局の長官)

Charles Parnell(NRO、国家偵察局の局長)

Rob Delaney(JSOC:特殊部隊のトップ)

Indira Varma (DIA:国家情報院のトップ)

Mark Gatiss(NSA:国家安全保障局のトップ)

Marcello Walton(遅れてくる副官)

Brian Law(副官)

Lincoln Conway(副官)

 

シェー・ウィガム/Shea Whigham(ジャスパー・ブリッジス:イーサンを追うCIA)

Greg Tarzan Davis(ドガ・ミツィポリ:ジャスパーの相棒)

 

【潜水艦:セヴァストポリ号】

Marcin Dorocinski(艦長)

Ivan Ivashkin(副艦長)

Zachary Baharov(甲板員)

Adrian Bouchet(魚雷担当)

Sam Barrett(操舵手)

Louis Vaughan(ソナー担当チーフ)

Jean Kartal(ソナー担当)

Os Leanse(ソナー担当)

Luke J I Smith(主任)

Nikolaos Brahimllari(潜水士)

Matt Malecki(船尾機士官)

Damian Rozanek(調理室の船員)

Antonio Bustorff(船員)

Ioachim Ciobanu(船員)

Michael Kosterin(船員)

Sergej Lopouchanski(船員)

Lopouchanski(船員)

Robert Luckay(船員)

Jadran Malkovich(船員)

Mikhail Safronov(船員)

 

【空港関連】

Christopher Sciueref(「それ」のバイヤー)

Andrea Scarduzio(イーサンと間違えられる男)

Barnaby Kay(グレースの予期せぬ協力者)

Gloria Obianyo(オスプレイのエージェント)

Alex Brock(オスプレイのエージェント)

Kaye Dinauto(チケット係)

Dana Blacklake(外国のエージェント)

Arevinth V Sarma(外国のエージェント)

Doroteya Toleva(外国のエージェント)

Lucia Tong(外国のエージェント)

Hersha Verity(外国のエージェント)

Yennis Cheung(空港の小売店の店主)

 

【その他】

Laura Vörtler(バウンティ・ハンター)

Faycal Attougui(バウンティ・ハンター)

Gaetano Bruno(スペッツィ:治安判事)

Marco Sincini(判事のアシスタント)

 


■映画の舞台

 

ベーリング海:アリューシャン海崖

オランダ:アムステルダム

アラビア砂漠(イェメン国境付近)

アラブ首長国連邦:アブダビ国際空港

イタリア:ベネツィア

 

ロケ地:

ノルウェー:ヘルセットコペン

Helsetkopen, Møre og Romsdal, Norway

https://maps.app.goo.gl/7gzray2JjYJ662iu7?g_st=ic

 

Hellesylt/ヘレシルト

https://maps.app.goo.gl/EjqX88iqm7vRypzR9?g_st=ic

 

 

Åndalsnes/オンダールスネス

https://maps.app.goo.gl/xQnqNqKHipZeqpUGA?g_st=ic

 

イギリス:ダービーシャー

Stoney Middleton/ストーニー・ミドルトン

https://maps.app.goo.gl/Y3xrrCjHQfZDi1u49?g_st=ic

 

イギリス・バーニンガム

Grand Central/グランドセントラル

https://maps.app.goo.gl/jcVr8fHzP8ZUBCgY9?g_st=ic

 


■簡単なあらすじ

 

実現不可能なミッションを請け負う「IMF」のメンバー、イーサン・ハントは長官のキトリッジから「Entity」と呼ばれる鍵のようなものを探すように命令を受ける

「Entity」は2つの鍵を合わせた立体鍵で、その二つが合わさると世界を滅ぼすだけの力を得られるという

 

イーサンが向かったのは、鍵の一つを持っているとされる元MI6のイルサで、イーサンは彼女を探すためにアラビア砂漠へと向かった

イルサと合流を果たしたイーサンは鍵を回収し、その後諜報機関が集まる会合に潜入を果たした

そこでは「Entity(日本語訳=それ)」という学習型AIについての危険性が話し合われていて、「それ」はデジタルシステムを妨害し、世界のあらゆる場所に侵入するウイルスのような存在だった

 

「Entity」はすでにロシアの原潜を沈めた実績を持ち、その学習能力は人智を超える速度で発達している

この話を聞いたイーサンは鍵を探し出して「Entity」を破壊しようと目論む

だが、その思惑は知れ渡り、各方面から追っ手が迫ることになったのである

 

テーマ:大義と選択

裏テーマ:ポケットの中の安全

 


■ひとこと感想

 

シリーズは大体観ていますが、ほとんど記憶に残っていないというのが本音で、マリーが出てきた時は「誰だったっけ」と一瞬考えてしまいました

イルサに関してもうろ覚えで、巻き込まれて非業を迎える役割だったかなあとか、余計なことを考えていましたね

スケジュールが合ってドルシネで鑑賞になりましたが、下手な吹替を我慢できるなら、4DXの方が楽しめそうな気がします

 

映画は、メインのダイブの撮影風景が予告扱いでガンガン流れていたので、それを超える映像がないのは残念でした

予告編も見せすぎていて、物語が単純なので「どうなるかほぼわかる」という感じになっていました

映像はアクション控えめ、カーチェイス多めという感じで、コミカルな演出が結構多かったように思います

それを楽しめるかどうがですが、スクーターなぎ倒しのシーンで笑わずにはいられないと思います

 

物語は、もうちょっと頑張ってほしいという感じに思えて、鍵をそのままポケットに入れて盗まれるの繰り返しで、人類滅亡系のアイテムの雑さに驚いてしまいます

争奪戦で落ちて、誰かが踏んだらどうするんだろうと思っていましたし、「Entity」の中身を確認せずに鍵壊してもよかったんじゃないだろうかと、これまた余計なことを考えてしまいした

 

とは言え、字幕で「それ」は語彙量の無さが露呈していて、「それっと言えばITじゃね」とこれまた余計なことを考えるハメになっていました

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

ポケットに無防備に入れた鍵を奪い合うという、ハイテクなのかローテクなのかわからない世界で、ガイガーカウンターで見つからないケースに入れるということもありません

世界を牛耳れるアイテムなのに扱いが結構雑で、何回も地面に落ちていましたが、壊れていないのか心配になってしまいますね

もしかしたら、ようやく鍵が手に入ったのに「壊れていた」という流れになってしまうのかな、と期待してしまいますね

 

たくさんの人物がモブのように登場しますが、結局のところ、イーサンを追うのがCIA二人組とガブリエルとパリスしかいなくて、アラナ&ゾーラも空気になっていましたね

イルサが退場して、グレースがヒロイン枠に収まっているのですが、イーサンを信じるまでが長くて、場をかき乱すだけのキャラになっていたのは微妙でした

 

続きは2024年の公開予定になっていて、「Entity」をどうやって止めるかという話になりそうですね

ちょっと地味な感じもしますが、「Entity」がいろんなものを動かして、飛行機とかミサイルとかが飛んでくるのでしょうか

派手にするためにどうするのかを期待して、1年間待つとしましょう

 


学習型AIとクラウド世界

 

本作は、もう既に古典となりつつある設定になっていて、学習型AIがクラウド世界にいて、それが人間を動かしているという感じになっています

前編なので全容解明されていませんが、敵であるガブリエルは「Eneityの予測の中で行動している」というようなことを話していました

鍵は物理キーになっていて、組み合わせると効力を発揮するもので、びっくりするぐらい「本体のみをポケットに入れる」ということを誰もが行なっています

世界を揺るがすアイテムだけど、誰も壊れることを気にしていないのですね

 

学習型AIは最近のトレンドですが、ようやく一般化されるレベルになった(個人で使えるようになった)感じですね

2017年に「DeepMind」というAIが登場し、この走りとなるAIがプロの囲碁棋士に勝つというニュースが話題になりました

AIの学習には段階があって、「機械学習(Machine Learning)」「深層学習(Deep Learning)」というものがあります

「機械学習」は膨大なデータから規則性や関連性を見つけ出して、判断や予測を行うという手法になります

この場合は、人間が何かしらの特徴を指定する必要があります

 

これに対して、「深層学習」は機械学習を発展されたもので、「人間の脳神経回路を基板にした多層構造のアルゴリズム」と呼ばれる「ディープ・ニュートラル・ネットワーク」というものを用います

これによって、「AIに特徴を考えさせる」ことができるようになり、自分で学習を始めていくのですね

精度を高めるために大量のデータが必要で、そのデータに偏りがあると学習自体も偏っていくという特徴があります

 

ちなみに、囲碁を極めるといったAIを「特化型AI」と呼び、作業や領域を限定しないAIを「汎用型AI」と呼びます

汎用型は、自立して行動するAIなので、映画に登場する「Entity」は汎用型AIになると言えます

「Entity」は地球上のすべてのデータにアクセスできるのですが、それを処理するための特別なPCもしくはそれに相当するものが必要になってきます

「Eneity」の場合は、そのプログラムに対する自己防衛のためにクラウドにいるという状況になっていて、それは学習した末の行動のように思えてきます

物理的などこかのデーターベースに集中させると危険であるというのは通常の認識なので、あの鍵が散在したプログラムにシナプスを構成することができるのかも知れません

そうすることで、ネットワークに散らばっている「Entity」に同質かつ同等の命令を送ることができるのではないでしょうか

 


PART TWOを適当予想

 

映画は、前後半に分かれていて、今回が「Part ONE」ということになっています

次作は「鍵の意味と効能」について明かされるパートになり、いよいよ本当の黒幕との戦いになると想像できます

スタッフ&キャストは続投で、ロケ地はイギリス、マルタ共和国、南アフリカ、ノルウェーなどが判明しています

公開予定は、2024年6月28日になっています

 

本作では、「得体の知れない何か」をひたすら奪い合うという展開になっていて、イーサンはおろかIMF、ひいてはCIAも何を追いかけているかわからない、という設定になっています

後半がどんな展開になるかは現時点ではほぼ不明ですね

なので、素人予想で適当なことを書いていきますので、暇ならお付き合いくださいませ

 

Part 2でサブタイトルが変わらないということは、推測航法という言葉が示すものが継続されることになります

これは現在地が不明で、ある程度の予測の元に動いているイーサンの状況を表しているので、後半になるとその規模が大きくなると予測できます

最大値は地球全体で、その事実をどれだけの人が認知するかが鍵になります

世界規模でそれが認知されれば、パニックになりますが、その脅威というものは説明できません

なので、秘密裏なミッションが継続され、大衆の知らぬ間にイーサンたちが動くという流れはそのままでしょう

 

鍵がどのような使われ方をするかですが、冒頭でチラチラ映っていた謎の扉の登場になるのでしょう

あれがどこにあるかは明確ではなく、ロシアの潜水艦内はミスリードだと思います

「Entity」が自らの隠し場所を探すとしたら、地球上で一番安全な場所を探すでしょう

「Entity」は既にクラウドの中に潜んでいますが、命令を発するプログラムはどこかに隠れています

 

この場所探しが前半で、中盤で特定するもののフェイクという王道路線は外さないでしょう

プログラムが逃げる先が「物理的に到達困難な場所」と考えられるので、意外とペンタゴンの中にいる、みたいな展開になるかも知れません

黒幕はキトリッジが最有力で、動機は権力の秘密裏の拡大、その行動に気づいた裏切り者が鍵を持ち出したという構図になるのかなと思います

このあたりのミスリードとなるのは、イーサンが変装していたキトリッジの秘書がスパイで、それが東側と通じているというものでしょう

 

映画は「現在地がわかる」という結末に向かうと思いますが、その現在地が示す意味というものが転覆する展開を迎えると思います

現在地とは世界の勢力地図で、鍵によって転覆がなされますが、一番チープな展開は「AIが世界を支配する系」でしょう

さすがにこの方向性だと総スカンだと思うのでやらないと思いますが、今更ロシアだ中国だというのも前時代的に思えます

現在地は国境を示しているとも考えられるので、その境界線の無効化というものが起こるとすれば、全てを飲み込むこと(いわゆる◯番目の州)という方向に向かうのかなと思います

それを目論むのは、やはりアメリカの中枢にいる人物になるのがわかりやすい落とし所なのかなと感じました

 

まあ、100%外れることを期待して、1年間を待つとしましょう

 


120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

本作は、シリーズを観ていなくてもわかる反面、チームプレイよりもイーサンの単独プレイへの比重が大きかったように思います

空港のくだりは分断を狙ったのでしょうが、その後の列車ダイブなどはアドバイスしているだけだったり、ベンジーとルーサーの活躍があまりなかったように思えます

ヒロイン枠もイルサからグレースにチェンジしていますが、印象が強いのが敵役のアラナとパリスだったりするので、後半でまさかのグレースOUT、パリスINみたいなことになっても驚きません

 

映画は、追いかけるものの価値や内容がわからないという少し斜め上の展開になっていて、それでも「命を賭けて探さないとダメだ」と言い聞かせられる妙なマインドがあります

通常、それがどんな脅威かを知ってこそミッションに力が入ると思うのですが、本作の場合は正体不明の合体する鍵しか分かっておらず、その行動理由がとても不思議なものに思えました

この行動に至る理由は、おそらくは直感的なもので、冒頭のロシアの原潜問題が過剰に伝わっているように思えます

正体不明の何かが撃沈させたというニュースが各国を巡るのですが、鍵が何かわからないのに、その脅威だけが一人歩きしているのは不思議な感じがしますね

なんとなく、この鍵探しには裏があって、推測をミスリードしようとしているように思えます

 

鍵は物理的で、AIは概念的な感じになっていて、クラウドに逃げたプログラムを物理的に探すのは無理だと思います

なので、探しやすそうな物理的な鍵を最優先して、それが概念的なAIを捉える何かであると錯覚しているのですね

これは、「Entity」が囮魚雷を撃っているような感じになっていて、それによって「Entity」はさらに奥深くに逃げていくのだと思います

 

概念的なものを展開することが目的だった!となると、まんま『パト2』になってしまいますが、なんとなくその雰囲気が既にあるのですね

実は何一つ世界を破壊することのできないAIが、人間の私利私欲を利用して「自滅させる」という展開は、未来を推測できない愚かさを囲い込んでいるように思えます

そういった展開になると、物凄くわかりにくい物語になるのですが、実際には「撮りたいシーン」をつなげるシナリオ構築なので、そんな入り組んだ話にはならないように思えます

とにかく、人間がたどり着けない世界に行くのがイーサンですが、あくまでも物理的に到達可能な領域に留まると思います

そうなると、宇宙か深海しかなくなるのですが、ロシアの原潜関連が放置されているので、とりあえず深海には行くのではないでしょうか

そのあとは、どこかの国でカーチェイス、一番高い山に登るとか、南極に行くなどの極端な展開になると思います

宇宙に行けば凄いことですが、さすがに来年公開だと時間がなさすぎて無理だと思います

 


■関連リンク

Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://movies.yahoo.co.jp/movie/383065/review/c90c81c7-7ea7-413e-bfdd-e1c4b9b8758e/

 

公式HP:

https://missionimpossible.jp/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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