■名無し


■オススメ度

 

狂気系の佐藤二朗を観たい人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2026.5.22(イオンシネマ久御山)


■映画情報

 

情報:2026年、日本、81分、PG12

ジャンル:見えない凶器を振るう犯人を追うスリラー映画

 

監督:城定秀夫

脚本:佐藤二朗&城定秀夫

原作:佐藤二朗&永田諒『名無し』

 

キャスト:

佐藤二朗(山田太郎:連続殺人犯)

   (少年時代:和彦

 

MEGUMI(山田花子:太郎と一緒に暮らしてきた少女)

   (少女時代:小柴みら

 

丸山隆平(照夫:太郎の名付け親、巡査)

嶋田鉄太(アツシ:照夫の息子)

 

佐々木蔵之介(国枝亨司:事件を追う所轄の刑事)

 

夙川アトム(徳井太一:国枝の同僚刑事)

望月歩(若杉俊一:若手刑事)

久保勝史(松崎拓也:国枝の相棒刑事)

東宮綾音(中条都子:国枝の部下の女刑事)

大高洋夫(西条三郎:国枝の同期、鑑識)

 

しおつかこうへい(榊原良樹:警察庁の担当官)

 

久松信美(照夫の同僚、巡査)

 

今藤洋子(末森裕子:児童養護施設「ひいらぎ」の保育士)

 

川面千晶(財前美菜:ファミレスの勧誘女)

瓜生和成(ファミレスの店員)

長屋弥来(金子:コンビニ店員)

矢作マサル

兒玉宣勝

但馬智

朝香(ファミレスの被害者)

 

日向子(ファミレスの客)

藤本育穂(ファミレスの客)

織野友貴(DIYのカップル)

佐野泰臣(DIYのカップル)

畑中惟吹

若草

秋山加奈(ぬいぐるみの少女)

さが果居

蓮池晄士(園の少年)

伊藤麻実子(ひいらぎ園の保育士)

松嶋健太(園の被害者、出店)

佐渡山順久

荒川浩平(園の被害者、ビール)

 

埼玉ルミナス吹奏楽団

 


■映画の舞台

 

関東圏某所

 

ロケ地:

埼玉県:飯能市

飯能銀座商店街

https://maps.app.goo.gl/8hCu74dG6J7sdBPJ6?g_st=ic

 

柿沼商店

https://maps.app.goo.gl/YSUEmTrAgy48Hvuh6?g_st=ic

 

ヤマザキYショップ南飯能店

https://maps.app.goo.gl/PJkxbU6jmBr4p85W9?g_st=ic

 

旧ひのでの森幼稚園(現:はじめのいっぽこども園)

https://maps.app.goo.gl/rc1gCxc6mN34Cd1E9?g_st=ic

 


■簡単なあらすじ

 

とある街に住む中年男は、幼少期に親切な警官に保護され、施設に入ることになった

彼は見知らぬ女の子を保護していて、彼自身の右手はコードで縛られていた

その理由は少女しか知らず、彼女は「右手を使わないで」とうわごとのように呟いていた

 

施設に入った後も警官とその息子と交流を続けていたが、ある日のこと、その右手を使わざるを得ない事態が起こってしまう

そして、その日を境に少年は少女と共に行方をくらまし、ずっと陽の光を浴びることなく過ごしてきた

だが、その生活も破綻を迎え、男は女と別れたのち、ある出来事をきっかけとして豹変してしまう

 

そして、その悪意は具現化し、あるファミレスでの連続殺人へと発展していく

その捜査にあたることになった刑事たちは防犯カメラに写っていたものを見て驚愕する

どう見ても鋭利な刃物で刺されていて、その瞬間が映っているのにも関わらず、凶器らしきものは見えなかったのである

 

テーマ:悪意の先にある衝動

裏テーマ:始末の付け方

 


■ひとこと感想

 

持っている武器が見えなくて、それで人を殺しまくる系かと思っていましたが、なかなか強烈な展開になっていましたね

手に持っていると他の人には見えないのですが、生物にふれると死んでしまうようで、そこには「個別の名前」を認識する必要があるという『デスノート』的な設定があったと思います

山田太郎の子ども時代の俳優がなかなか強烈で、佐藤二朗よりも存在感がありましたね

 

映画では、無差別殺人を繰り返す理由を紐解くという構成で、事件を担当する刑事は理屈では説明できないものと戦うことになりました

それでも、警察側のコンタクトは杜撰の一言で、無能な警察庁の偉いさんが出てきて無駄なことをさせられるというお約束の展開もありました

太郎と花子がどのようにして出会ったのかとか、花子はどうして太郎の力を知っているのかなど色々とわからないところはありますが、それが物語の質に影響を及ぼすとは思えません

あくまでも、このような能力を持って生まれた人間が人間らしく生きることができるのかという命題があって、それが歪んだからこそ起きた悲劇であると言えるのでしょう

 

物語としては、太郎の絶望がなかなか強烈で、ラストにあるサプライズが登場します

この解釈は分かれると思いますが、理屈で考えるとひとつしかないようにも思えます

結局のところ、人間らしく生きるためには、それを信じて支えてくれる人は必要で、それでも太郎はその人の温もりに心を委ねられないもどかしさというものがあったのではないでしょうか

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

映画のラストでは、太郎の幼少期と同じ配役の少年が登場し、彼は「実は秘密裏に産んでいた花子の子ども」であると考えられます

彼が物理的な死を受けるためには少年は幻ではダメなので、実在したということになるのでしょう

太郎とその少年が出会うことを避けたかったと考えた花子は、彼を施設に預けたことになると思うのですが、それは彼に能力が遺伝したことを知ったから、のように思えます

 

花子としては、普通の子どもが生まれれば良かったと思いますが、それは叶うことがなく、手放さざるを得なかったのでしょう

そして、太郎に「産んでいない」と嘘をつくことになり、それが暴動の引き金となってしまいました

あの状態(妊娠最終段階)で堕ろすのはほぼ不可能で、流産したのなら辻褄が合うのでしょう

でも、花子は明確に「堕した」と言っていたので、学のない太郎を騙すことができたのだと言えます

 

彼がその能力を授かった理由はわかりませんが、彼らに名前がなかったことが関係しているのかもしれません

実際には産んだ人はいると思いますが、太郎の能力はそう言った人々を殺めてしまったと考えられます

でも、赤子の時からだと育つこともできないので、後天的に与えられたもののように思います

それがなぜ起きたのかはわかりませんが、名前もつけられずに捨てられたという事実が起きていることが起因していると考え、その憎悪というものは「名無し」という状態を特別なものにしているのだと考えられます

 


120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

名前を知っていると殺してしまうという能力で、映画内では「パンジー」という名前を知ったことで枯れてしまうし、犬の名前を知ったことで殺してしまいます

それでも、花子にふれても彼女が死なないのは、その名前が本当の名前ではないからでしょう

花子に子どもを奪われて衝動的に彼女を殺すことになりましたが、その死に方は犬や警官が死んだ時のようなものではなく、撲殺したという感じに描かれていました

 

ファミレスでの殺人を機に太郎は人を殺しまくりますが、その対象はほぼ無差別だったと言えます

それでも、冒頭の勧誘女に関しては意図的にこの女を選んだという感じがしましたね

それは彼女が祈ったからであり、神の存在を信じていない太郎ゆえの行動のようにも見えました

そして、ひとつの殺人が彼に快楽を与え、そこから先は目の前にいるから殺すという別の資質が開花したようにも思えます

 

刑事の片桐は実は警官の息子だったのですが、子ども時代の3人が「どうやってそう成長するの?」というぐらいにイメージとは違った育ち方をしていましたね

意図的なものだと思いますが、そこはアツシ=片桐と思われないように考えてのものでしょう

あの理屈っぽい子どもが片桐になるイメージはなく、現場を見られた太郎が彼を殺さなかった理由もわかりません

このあたりの説明があった方が良いとは思いますが、描き方を間違えると蛇足にしか見えないので、謎のままで良かったのかもしれません

全てがすっきりとしないとダメな人にはキツい映画ではありますが、説明のつかないものの中で生きているのが人間でもあるので、そう言ったものをどのように「断定できるか」で生き方というのも変わってくるのでしょう

その断定法が片桐の「こいつはクソだ」で終わらせて良いのかは何とも言えないのですが、それぐらい短絡的なものの方が世の中がよく見えるのかな、と思いました

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/104852/review/06542621/

 

公式HP:

https://774movie.jp/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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