■人はなぜラブレターを書くのか


■オススメ度

 

実話ベースの物語に興味がある人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2026.4.17(MOVIX京都)


■映画情報

 

情報:2026年、日本、122分、G

ジャンル:脱線事故によって未来を奪われた青年と彼に恋をしていた女性を綴ったヒューマンドラマ

 

監督&脚本:石井裕也

 

キャスト:

綾瀬はるか(寺田ナズナ/小野ナズナ:24年前の想い人に手紙を書く女性、定食屋「あほうどり」の店主)

   (学生時代:當真あみ

細田佳央太(富久信介:プロボクサーを目指す青年、麻布高校の3年生)

 

妻夫木聡(寺田良一:ナズナの夫)

西川愛莉(寺田舞:ナズナの娘、14歳)

 

村井美和(小野和子:ナズナの母)

仲吉玲亜(紗理奈:ナズナの親友)

 

原日出子(富久晴子:信介の母)

佐藤浩市(富久隆治:信介の父)

 

音尾琢真(大橋秀行:ボクシングジムの会長)

菅田将暉(川嶋勝重:信介の先輩ボクサー)

 

富田望生(木崎加世:食堂の店員)

笠原秀幸(ナズナの主治医)

 

津田寛治(鉄道会社の営業部長)

結城貴史(鉄道会社の社員)

 

渡辺光(徳山昌守:川嶋の対戦相手)

木幡竜(信介のセコンド、高校)

杉田雷鱗(信介の対戦相手、高校)

松浦慎一郎(対戦相手のセコンド)

 

戸田昌宏(痴漢するリーマン)

 

【その他の出演者】

前田勝

竹内穂織(信介の親友)

小林櫂人

原田琥之佑(加藤弘嗣:舞の想い人、クラスメイト)

栗原颯人(ボクシングジムのボクサー)

小原澤遼典(ボクシングジムのボクサー)

井澤徹(ニュースを伝えるナズナのクラスメイト)

竹田茂生(担任の先生?)

森野創介(食堂のお客さん、少年)

小松夢生(食堂のお客さん、少年)

ビニー・マーチン(世界戦のレフリー)

冨樫光明(リングアナ)

松原暢宏

高橋淳一

野中順太

曽根崎武吉(高校選手権のレフリー)

山口温志

小林研二

 


■映画の舞台

 

2024年、

千葉県:香取市

 

2000年、

神奈川県:横浜市

 

ロケ地:

千葉県:香取市

十二橋駅

https://maps.app.goo.gl/DuMWJGStDgDJUcjd9?g_st=ic

 

神奈川県:横浜市

大橋ボクシングジム

https://maps.app.goo.gl/1JW5s544yHzWXKHc9

 

千葉県:印西市

居方食堂(内観)

https://maps.app.goo.gl/GCR4fKj7woqotDYT8

 

千葉県:香取市

珈琲遅歩庵いのう(外観)

https://maps.app.goo.gl/EJJNPTGgMyPkyxDe8

 

茨木健:神栖市

神栖市息栖神社

https://maps.app.goo.gl/XEkDrqBchj5uyp1s9

 

千葉県:市川市

学校法人 和洋学園

https://maps.app.goo.gl/gjLjggR2N2C22QNj6

 

東京都:足立区

NOGUCHI ボクシングジム

https://maps.app.goo.gl/bGAq5wdYCpfboSgv7

 


■簡単なあらすじ

 

2024年某日、食堂「あほうどり」を経営しているナズナは、夫・良介と、中学2年生になる娘・舞と3人で暮らしていた

畑で採れた野菜を使ったりとこだわりを見せていたが、それはとても重労働で、良介はナズナの体を気遣っていた

店では大きなおにぎりをサービスで振る舞うのが通例となっていて、常連客で賑わいを見せていた

 

ある日のこと、定期検診のために病院を訪れたナズナは、主治医からあることを告げられる

それを夫に話すものの、舞にはどうしても伝えられなかった

そんな折、ふと中学生の頃に書いたラブレターのことを思い出したナズナは、かつての想い人に手紙を書いてしまう

だが、それを出そうとポストの前に行ったものの気後れしてしまい、結局は出すことはできなかった

 

24年前、ナズナは大人しくて人とあまり接するのが苦手な少女だった

彼女はいつも7時18分発の地下鉄に乗っていて、その車両にはいつも名も知らぬ青年が乗っていた

お互い会話を交わすこともなかったが、ある日、痴漢に遭ったナズナを彼が助けた

無言のまま差し出されたハンカチを受け取ったナズナは、それを返すときにラブレターを渡そうと思っていた

だが、勇気を出せないまま、時間だけが過ぎ去っていったのである

 

テーマ:語り継がれるもの

裏テーマ:受け継がれる想い

 


■ひとこと感想

 

実際の出来事に着想を得た物語で、プロボクサーを目指していた息子の死後24年経ってから、見知らぬ女性からの手紙を受け取ったというエピソードがありました

それが時の話題となり、再現ドラマなども作られたようで、本作はその事実を基にして、女性側の物語をフィクションとして構築しています

なので、実際に起きたことと虚構が混じっている内容となっていて、テーマも映画独自のものが構築されているように思います

 

映画は、「そのとき」に向かって集束していく感じに描かれていて、予告編などを全く見ずに鑑賞できれば幸運だと思います

映画館で流れる予告はほぼネタバレみたいな感じになっていて、ここまで見せてしまうと、映画をどう締めるのかに苦労してしまうでしょう

やや群像劇のように描かれていて、実質的にはナズナが主人公ではあるものの、彼女の人生に影響を受けた人はたくさんいるし、ナズナ自身も色んな人からたくさんの影響を受けてきたと思います

 

映画は、恋愛映画のように思えますが、実質的にはヒューマンドラマだと言えます

それぞれの人生が色んなところで繋がって、そしてそれは思いもしないところから繋がりが生まれていく

信介の両親からすれば、思い出に対する色が少し変わったように思え、その起点となった原因をどう捉えるかはそれぞれだと思います

映画のタイトルは「なぜ人はラブレターを書くのか」という疑問形ではありますが、その答えは映画を観て、自分の中で構築して行くもののように思います

「ふと思い立ったので」は正解にように思えますし、「理由などない」というのも正解のように感じられますね

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

映画は、実際に起きた脱線事故と、その被害者の元に24年後に見知らぬ人から手紙が届いたという実話がベースになっています

監督自身も投函者とコンタクトを取れたようですが、映画に関してはオリジナルの内容となっているそうです

ある意味、ナズナという架空の人物を作り、その背景を構築して歴史を作るということになっていて、ナズナはどうして24年後に手紙を書くことになって、それが彼の元に届くことになったのだろうということに対して、想像力を働かせたひとつの解答例のようにも思います

実際のナズナさんのモデルの人が末期癌との闘病の中で「これをお墓には持っていけない」と思ったのかは分からないし、そもそも病気かどうかもわかりません

なので、この物語には監督のパーソナルな部分が乗っかっていて、それは現実とはかけ離れていたのかも知れません

 

実話の部分(信介と川嶋のエピソード)と並行して虚構である物語を並行させることは、ある種の賭けのようなものでしょう

もともと悲劇的な別れがあったところに、どんな悲劇を重ねても、現実には敵いません

それでも、あえて虚構を走らせることで、人生というものが思いがけないところでぶつかり合って、そしてあるべき形に集束して行くというのはテーマとしてはアリだと思いました

 

モデルの人がこの映画を観たらどう思うかは彼女自身の心の中にだけ残り続けると思いますが、それはそれで良いのでしょう

人は前向きになるために何かしらの指針が必要で、映画では「はじめに夢ありき」という言葉が紡がれていました

登場人物は「成したいことを見つけた人ばかり」なので、それが見つからない人には苦しい映画かも知れません

それでも、キャラクターたちがどうしてその行動を起こして行くのかを観ていくと、自然と自分の周囲にあるものが違って見えると思います

目の前に何が見えるのか

そこに紙と鉛筆があるならば、何かを書き始めても良いのではないでしょうか

 


120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

映画は、虚実が微妙に入り混じる中で、ある種のメッセージが浸透するように描かれていました

それこそが映画制作の原点とも言える「はじめに夢ありき」出あると考えられます

その夢というのは「自信が感じたものを大衆化する」という意味合いがあり、それをどのように伝えるかは千差万別なのだと思います

なので、違う人が同じような感動を得たとしても、そして表現方法が映画だったとしても、全く同じものは生まれないのだと言えます

 

もし私が、脱線事故から24年後に手紙が届いたというエピソードを知ったらどう感じただろうか

これは現実にあったエピソードではありますが、事故をリアルに感じられる人がどれほどいるかはわかりません

でも、このケースのように、想いを伝えられないまま、何らかの理由で再会が叶わなくなった人もたくさんいるでしょう

そうした別れがあって、それでも伝えたい何かは「自分自身の存在証明ではなく、自分だけが知っているかも知れない想い人の存在証明だった」のだと思います

 

映画では、ナズナは余命わずかな人物で、それでも前向きに生きて行こうと考えていました

病気のことを明るく伝えようと考える彼女は、「生きていることの重み」というものを誰よりも感じています

それが誰かの死であるというのが残酷なのですが、こう言ったことが起きないと人は真摯に向き合えない存在であることも確かだと思います

映画では、自分自身が生きた証をどのように残すかよりも、どのように残っているのかを描いていて、ナズナの中で残ったものはあの時に自分に差し伸べられた想いと勇気、そして無念だっとと言えます

そんなナズナを見て、夫も娘も行動を起こすのですが、その方向性が真逆なのも面白いところでしたね

やはりナズナの子は舞なんだと思わせる部分があって、それこそがしっかりと背中を見て育ってきた証だったのかな、と感じました

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/105195/review/06404203/

 

公式HP:

https://loveletter.toho-movie.jp/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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