■一番のハンサムは母親なのかもしれません


■オススメ度

 

ファミリーコメディが好きな人(★★★)

TVシリーズを見てきた人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2024.6.27(MOVIX京都)


■映画情報

 

情報:2024年、日本、119分、G

ジャンル:三姉妹に翻弄される父を描いたファミリードラマ

 

監督&脚本:山口雅俊

原作:伊藤理沙『おいピータン!』『おいおいピータン!』

Amazon Link(原作漫画『おいピータン!』1巻 Kindle版)→ https://amzn.to/3RJoxKt

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キャスト:

吉田鋼太郎(伊藤源太郎:厳格な父)

 

木南晴夏(伊藤由香:伊藤家の長女)

 

佐久間由衣(伊藤里香:伊藤家の次女)

   (幼少期:河野凪桜

 

武田玲奈(伊藤美香:伊藤家の三女)

 

MEGUMI(伊藤千鶴:伊藤家の母)

 

宮世琉弥(ぶう/井川たかお:伊藤家の幼馴染)

   (幼少期:谷山浩太郎

六角精児(井川幹九郎:たかおの父、源太郎のいとこ、和菓子屋)

松下由樹(井川京子:たかおの母)

 

【由香関連】

日向丈(多田:上司)

紗都希(サエ:同僚)

持田加奈子(和美:同僚)

矢吹百花(晶:同僚)

島村苑香(人生ドピークのアベさん、由香の同僚)

 

浜野謙太(大森利夫:由香の元恋人)

太田莉菜(渡辺:大森の同僚、食友)

樫屋篤紀(川嶋:大森の部下)

 

【里香関連】

藤原竜也(原さん/原優雅:同僚、想い人)

広瀬未花(原さんの妻)

中村靖日(小浦:先輩)

ふせえり(橋本:上司)

山中聡(楠山:会社の社長)

 

【美香関連】

須藤蓮(ユウジ:美香の婚約者、漫画家)

 

野波麻帆(シイナ:29歳に見られたい先輩)

高山瑠子(ケイコ:同僚)

村中暖奈(クミ:同僚)

白石優愛(ユミ:同僚)

栗原沙也加(同僚)

飛鳥まい(同僚)

 

菅井知美(美香の友人/宇宙人の声)

水谷彩咲(美香の友人/宇宙人の声)

 

高杉真宙(大倉学:美香の元婚約者)

 

【源太郎関連】

アナンダ・ジェイコブズ(ナンシー:源太郎が京都案内する女性)

ドン・ジョンソン(長官、ナンシーの夫)

 

浅川梨奈(美緒:源太郎が気になる女)

白戸達也(美緒の新しい彼氏)

 

結城モエ(喜多:源太郎の部下)

西本銀次郎(品川:源太郎の部下)

日中泰景(部下)

一ノ瀬竜(部下)

米盛有彩(部下)

 

【イケイケチーム関連】

野村周平(イサオ:イケイケチームのリーダー)

内藤秀一郎(スグル:チームの幹部)

百瀬朔

竹内佐織

香川沙耶

長崎百華

輿儀ケイラ

川田明日未

兼清萌々香

三原羽花

宮瀬隼

澤田大樹

ナディーン・K

ジェイ・タカ

うらら

鈴木南那佳

 

【スウィッチplus】

春海四方(二葉亭あなご:ゲスト)

朝見心(都山ヤク:ゲスト)

山岡竜弘(小田ヤスシ:ゲスト)

渋江謙二(プロデューサー)

小田島卓生(MC)

浦口史帆(MC)

ダニエル・Ma(街頭インタビュー)

竹井ゆず(街頭インタビュー)

ティア(街頭インタビュー)

藤田あずさ(街頭インタビュー)

児玉拓郎(局長)

 

【その他】

光宗薫(よく当たる占い師)

 

藤田朋子(ミチル:うるさい隣人)

中尾明慶(カマタ:由香の留守電にメッセージを残す謎の男)

 

渡部秀(傘を振る男)

三井善忠(中華料理店の店主)

宮尾俊太郎(キスする男)

伊勢志摩(スーパーの店員)

BOB(お尻をさわる男)

 

光藤えり(雑貨店の店員)

高橋聖那(新入社員)

湯山セイキ(秘書)

中野剛(名刺を欲しがる男)

仲野隆毅(京都の店主)

浜田隆広(京都の店主)

奥村由香里(京都の店主)

高家裕子(塩芳軒の客)

福原正義(京都の夫婦)

円藤さや(京都の夫婦)

松本ししまる(バーのマスター)

藤枝喜輝(お兄さん)

うえきみゆ(ユウジの担当編集)

桜田聖子(郵便局員)

山田帆風(喫茶店の店員)

もりりょう(喫茶店の客)

松坂早苗(犬と散歩する女性)

しょうへい&ひすい(アザラシ)

アルマ&クレオ(散歩する犬)

 


■映画の舞台

 

都内某所&京都市東山区

 

ロケ地:

京都市:東山区

瓢箪屋

https://maps.app.goo.gl/a8rQhofhYL7n7wcu8?g_st=ic

 

雲の茶 清水三年坂店

https://maps.app.goo.gl/Uu2hu4G5yM9XLWT19?g_st=ic

 

伊藤軒/SOU SOU 清水店

https://maps.app.goo.gl/pUWh2iGctC2uZ1Ca8?g_st=ic

 

東京都:千代田区

喫茶店さぼうる

https://maps.app.goo.gl/DPvZeVog5Tb9BRqz8?g_st=ic

 

いせ源

https://maps.app.goo.gl/U4gcdhEGRyoq4zkc9?g_st=ic

 

東京都:板橋区

レストラン フットレスト

https://maps.app.goo.gl/BY7g2tkvi2tr5xhU7?g_st=ic

 

茨城県:茨城郡

アクアワールド

https://maps.app.goo.gl/gBzYwBjBATcvZgsS9?g_st=ic

 

東京都:府中市

三宝食堂

https://maps.app.goo.gl/FmbiuNiBWTWd7J476?g_st=ic

 

東京都:台東区

浅草 一文

https://maps.app.goo.gl/TFGPZuhVbCvni2iQ8?g_st=ic

 

ニコノマニマニ(文房具屋)

東京都:国立市

https://maps.app.goo.gl/embao2UMC6HXg4Hz6?g_st=ic

 


■簡単なあらすじ

 

都内に住む伊藤一家は、父・源太郎を中心として、時には一緒に食卓を囲む仲の良い家族だった

長女・由香は恋人を別れて独り身、次女の里香は結婚している男性を好きになり、三女の美香は冴えない漫画家と同棲をしていた

 

ある日、いとこの和菓子屋が人手不足になり、里香は彼らの手伝いにいくことになった

意中の原から距離を置くことを決めての旅だったが、そこには幼馴染のぶうことたかおがいた

ぶうにとっては里香は初恋の相手だったが、その想いは今も燻り続けている

 

そんな折、美香はイケイケな若者グループからアプローチをかけられ、そのリーダーの男から告白を受けてしまう

タイプでもなく、断ろうとするものの、男はしつこく舞台設定を変えようとしてきた

そして、その動きが父・源太郎の耳に入ってしまうのである

 

テーマ:人として生きること

裏テーマ:父親の役割

 


■ひとこと感想

 

テレビドラマの続きと知らずに、勢いでパンフレットを買ってしまったので参戦

予告編の雰囲気も良く、面白そうだとは思ったのですが、流石にドラマ未視聴だと厳しいところが多かったですね

得意の脳内補完をするものの、この三人を産んだ母にしては若すぎないかとか、色んなことを考えてしまいました

 

映画は、ドラマからどのように派生したのかわかりませんが、人生にとっての幸せとは何かを三姉妹が学ぶという感じになっています

おそらくはテレビの定番であろう父親の説教シーンなどもあって、てっきりハンサムは三姉妹に近づく男だと思っていましたが、どうやら父のことを指すようでしたね

 

そこらへんも含めて、全く知らない世界観でしたが、それでもクスクスと笑えるシーンは多かったように思います

時間があれば、ドラマ版を見ても良いかな、ぐらいには思える出来になっていたと思います

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

予告編で大体どうなるかわかる感じの内容でしたが、サプライズというものはないタイプの映画でしたね

三姉妹にはそれぞれなんとなく続きそうな相手というものがいますが、誰もが何かが欠けている感じになっていました

 

物語のメインは次女と幼馴染の関係で、サブが三女の恋バナのようでした

長女はおそらくいつもあんな感じに危ない独り言が出てしまうタイプなのでしょうね

脇を固めるキャラも濃いのが多すぎて、長女の元カレの食友は良いキャラでしたねえ

 

映画は、ドラマ版を見ている方が確実に楽しめる内容で、どことなく伊藤理佐っぽさを感じる内容になっていました

他の作品よりもエロが少ないのは、本作の特徴なのでしょうか

『おするばんエビちゅ』のイメージが強いので、おとなしめの作風になっているのか、ちょっと抜いているのかどっちなんだろうと、思ってしまいました

 


父親の存在

 

本作では、少し時代遅れの価値観を持った父が登場し、それが当たり前になっている家庭というものが描かれていました

かと言って、父親が全ての権限を握っているという封建的なものではなく、道徳的観念における精神的な支柱の役割があったように思います

そうしたマインドは娘たちに受け継がれているように思えますが、実際には母親が取っている距離感を絶妙に受け継いでいるのでしょう

 

父の存在が家庭内でどうなるかというのは、ぶっちゃけると母親がどう規定するかにかかっています

父親が不在の時に「母親が子どもたちに伝えること」というのは重要なもので、母親が父親をどのような目線で見ているかとか、どのような信頼関係を持っているのかなどが隠していても伝わると言えます

母親が父親を「表では支えても裏ではバカにしている」ということだったら、子どもたちは同じように「表裏ある父と娘の関係」というものを構築することになるのですね

なので、父親としては、母親にどのように思われているかということが結構重要な指針になっていると言えます

 

この家族の場合は、そこまで表裏があるとは言いませんが、どちらかと言えば説教は聞き流すという感じになっていましたね

それが同じように娘三人にも伝わっていて、さらに「聞かされた回数」によって、娘たちの自衛の仕方が変わっているように思います

母親に一番近い反応を示すのが長女で、姉たちの反応を見て、完全スルーになっているのが三女でしたね

彼女の場合は、ほぼ何かのマスコットキャラのような存在認知になっていて、一番冷めているのかな、と感じました

 


人生における幸福とは

 

父親が幸福論を語るほど滑稽なものはありませんが、人生の中でどうしても必要に思えることというものはあります

両親の関係性を見て、子どもたちは結婚というものがどういうものかと知るのですが、そこに憧憬が入るかどうかは別の話のように思えてきます

娘たちはまだ家庭を持つという段階に至っていませんが、それぞれは否定的ではなかったと考えられます

三人はそれぞれの家庭づくりのために男性を選んでいきますが、その趣味はあまり良いものとは思えないように作られていました

 

長女の相手はデリカシーのない男性で、これは父親のある側面を誇張した感じになっています

自意識過剰で、趣向を突き詰める性格で、これが悪い方に出ている人物のように見えます

次女の相手は社会的な秘匿を有するものですが、彼女は自分に向けられた好意に疎いという部分がありました

この関係性は、おそらくは両親の馴れ初めに近い印象があるのかな、と思います(テレビシリーズを見ていないので想像ではありますが)

三女の相手は恋愛よりも習慣化したダメ男との生活になっていて、付き合いだしてから豹変する男性の典型的なもののようにも見えます

これも、もしかしたら、両親の歴史に関係してくるのかもしれません

 

それぞれは、一風変わった男性を選んでいるのですが、意外なほどに父親の男性的な意味に影響を受けていると思います

そんな中でも、父親が考える幸福論を体現できるかどうかという判定基準があって、それと自分自身の精神的な余力というものが噛み合うかどうか、というところがポイントのように思います

長女の場合は、男が抱える自画自賛渇望を受け入れられるかというものだし、次女の場合は恋愛の社会認知の必要性を試しているように見えるし、三女の場合は経済的なものを恋愛脳で乗り越えられるか、というものがありました

それぞれは「支える」ことが必須のような関係性になっていて、その中でも母親として自由でいられるかが問われているように思えます

そして、それを成功させたのが、彼女たちの母親だったというふうに捉えられなくもないように思いました

 


120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

本作は、やはりドラマを観ていることが前提の作品で、内容の理解ができないことはないものの、それぞれのエピソードから醸し出される家庭内哲学とか幸福論というものが映画だけでは伝わっていないように思います

と言うのも、数時間覗き見しただけでわかる家庭の内面などと言うものはなく、それぞれのキャラクターを中心に据えた物語を全部見ていくことで、どのようなパワーバランスが起こっているかとか、家庭内の暗黙知というものが見えてくるのだと言えます

そう言った意味において、映画が始まる前の段階の「家庭の内情」を知らないまま観るのと、それらをもっと知った上で観るのとでは、理解力に差が出てしまうのだと考えられます

 

個人的には「テレビの続きは見ない」と決めているのですが、その理由は「これまでのエピソードで語られてきた個性をベースにしているから」というものがあって、これを理解せずに観ても、本質的な面白さを感じられないと思うのですね

映画はコメディタッチで、それぞれのキャラクターに特徴があるので瞬時に飲み込めるようにはできていますが、脳内補完できる部分は限られているでしょう

なので、その部分が抜けたまま、鑑賞を終えるのは少し勿体ない気がしてしまいます

 

今後、この物語がテレビで続くのかはわかりませんが、ある種の国民的な番組になれる可能性は秘めているように思えます

季節ごとに起こるドタバタを風刺しつつ、家庭内の関係性の流動を見守ることになると思うのですが、それでも娘三人が嫁ぐまで、という気がしないでもありません

本作は、家族の物語ではありますが、適齢期を迎えて、それぞれの家族を持ち始める娘たちの物語でもあるのですね

なので、物語の終着点があるとしたら、それが綺麗に終わるのが目標になるのかな、と感じました

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/101127/review/03976896/

 

公式HP:

https://www.oihandsome.com/movie/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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