■俺ではない炎上
Contents
■オススメ度
ネットのリテラシー系映画が好きな人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2025.9.27(イオンシネマ久御山)
■映画情報
情報:2025年、日本、125分、G
ジャンル:ネット上で殺人犯に仕立て上げられた中年を描いたスリラー映画
監督:山田篤宏
脚本:林民夫
原作:浅倉秋成『俺ではない炎上』(双葉文庫)
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キャスト:
阿部寛(山縣泰介:大帝ハウスの営業部長)
芦田愛菜(砂倉紗英:事件を追う女子大生)
藤原大祐(住吉初羽馬:最初のリツイートをする大学生)
長尾謙杜(青江拓哉:シーケンLIVEの社員)
三宅弘城(堀健比古:事件を追う刑事)
橋本淳(六浦信也:事件を言う刑事)
板倉俊之(野井大輔:大帝ハウスの社員)
浜野謙太(塩見亮:大帝ハウスの社員)
美保純(マチ子:スナック「しずく」のママ)
夏川結衣(山縣芙由子:泰介の妻)
田島令子(山下静子:茉由子の母)
丸山明紗(山縣夏実:泰介の娘)
味元耀大(えばたん:夏実の同級生)
信太昌之(大帝ハウスの所長、泰介の上司)
川瀬陽太(取り調べの刑事)
大岩世奈(瀬野:住吉の友人)
Kaito(住吉のサークル仲間)
一ツ松勇宇吏(住吉のサークル仲間)
浅見静江(カメラを向ける運転手)
安部夏音(ファミレスの若者)
今野太貴(ファミレスの若者)
天野旭陽(自宅に押しかける若者)
山下一翔(自宅に押しかける若者)
角之倉彰太(?)
阿部一輝(?)
片山幸人(巡査)
安福毅(巡査)
上村愛香(レポーター)
画大(県警本部長)
中津川拓(?)
渡辺郁也(車を発見する警官)
山本侑平(?)
大塚玲央奈(SNSの発信者)
義江和也(ドンキン:迷惑系Youtuber)
小泉智雅(?)
鳴海心斗(大柄の男)
石川大樹(?)
越川みつお(リーマン?)
高野光希(?)
仲野元子(道路を渡る老婆)
田中あいみ(声の出演)
神保佳乃(被害者、写真)
■映画の舞台
大善市(架空)
ロケ地:
静岡県:浜松市
春華堂
https://maps.app.goo.gl/pgZ9qRySeNNNhxU36?g_st=ic
可美公園
https://maps.app.goo.gl/3jMfvw4i2B5oFEfn9?g_st=ic
浜松アリーナ
https://maps.app.goo.gl/JHwQWhfqC5f2oLQS9?g_st=ic
浜松城公園
https://maps.app.goo.gl/K8vVo3MCTfmBfN7n6?g_st=ic
フラワーショップINAGAKI
https://maps.app.goo.gl/JfqSLJBdRcgsRmaAA?g_st=ic
静岡県:湖西市
大橋屋つり具センター
https://maps.app.goo.gl/jYrR545KJGLJN7PS7?g_st=ic
■簡単なあらすじ
大帝ハウスの営業部長の山縣泰介は、部下の野井と共に取引先のシーケンLIVEの社員・青江と共にトランクハウスの下見に来ていた
泰介はトランクの強度などを確かめた上で、販促用のパンフレットのコピーのダメ出しをしてしまう
青江は戸惑いながらも彼の意見を受け入れ、その日は終わりを告げた
泰介が野井と共にファミレスで食事をしていると、突然別の席の若者が写真を撮り始める
さらに駐車場にて車に乗った女にまで写真を撮られる始末で、何が起こっているかわからないまま、社に戻ることになった
戻った先から社員に変な視線を浴びせられ、さらに所長に呼び出されてしまう
所長は世間を賑わせている「死体写真をアップロードした投稿」を泰介に見せる
そして、そのアカウントが泰介のものではないかと言うのである
泰介は身に覚えがなく潔白を訴えるものの、取り敢えず自宅待機を命じられた
自宅に戻ると、家の前で写真を撮っている若者グループなどもいて、泰介は仕方なく警察を呼ぶことになった
世間では、泰介が女子高生殺人事件の犯人だと決めつけて炎上し、過去の投稿から泰介の会社や家などが特定されていた
さらにネットではバズり倒し、捜査本部も彼の家族、社員たちに事情聴取を始めてしまう
泰介はビジネスホテルを渡り悪く生活を余儀なくされてしまう
そして、夜になって自宅に戻ると、今後はポストの中に物置の鍵が入っていた
泰介は気になってそこを開けると、その中にはゴミ袋に入れられた死体が押し込められていたのである
テーマ:不確実な正義の執行
裏テーマ:謝れない風潮
■ひとこと感想
ネットで殺人事件の犯人にされてしまうと言うありそうなネタで、それがどうして起きたのかを描いているミステリーのような構成になっています
泰介はアカウントを作った覚えがないのに投稿されていて、それができたのは家族しかいなかったりもします
でも、そのアカウントは10年前くらいに作成されたもので、ここ数日でいきなり殺人事件絡みの投稿がアップロードされるようになっていました
身に覚えのないアカウント、それが乗っ取られたかのように思える内容で、主人公はネットに関しては疎いと言う設定になっています
映画では、「自分は悪くない」と言う言葉がたくさん登場する作品となっていて、身に覚えのないものに対して謝らないと言うのはもちろんですが、自分に非があっても謝らない人々が登場します
何か事件が起これば「これまでに思ったこともないような本音」などがネット上に溢れるのですが、これら全てが誹謗中傷の嵐となっていました
全部開示すれば裁判で勝てそうな内容ばかりで、そう言ったネットリテラシーの低さというものも描かれていました
映画としては、イマドキだなあという内容ですが、もう少し考えて動けよと思ってしまう部分もありました
ネットに疎くても、警官に対する態度とか、いろんなところに災いの種があったりします
犯人も、拡散した人も謝れない人ですが、泰介家族ですら「謝る」というところに行くまでに多くのものを失わないとダメという感じになっていましたね
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
自分に起こる出来事に「全く因果はない」ということはなくて、おそらく「完全なるなりすましで殺人現場の写真をネットにアップする」というのはないと思います
なので、アカウント乗っ取りには理由があって、それが犯人サイドの倫理観と善悪感で動いていることになります
それを読み切るのは難しいと思いますが、理解できないからと言って、思考を停止するのは良くないと思います
映画では、泰介が「自分は悪くない」というスタンスで相手に意見を言うとスタンスがあって、そこに来ただけの営業マンにパンフレットのことであれこれ言ったりします
それに対する反応をみて「今どきの若者は」と断罪するのも微妙なのですね
彼自身がそのパンフレットを手掛けていたのなら意見を伝えることも重要でしょうが、おそらくは「私に言われましても」と言う反応になっていました
会社の代表として別の企業と相対するという意識がないと言えばそれまでなのですが、そこまで行き届いた社員管理ができている会社の方が稀のように思います
物語は、実は娘の幼少期にあった出来事の延長線上という部分があって、少年は娘から聞かされた物置小屋への躾というものに強烈な嫌悪感を持っていました
それがずっと燻っていたのかはわかりませんが、自分は「正しい人間になろう」と決めて、そうやって生きてきたのだと思います
投稿をリツイートした大学生も同じようなマインドで、「これは悪いことだから、正すために突き止めて拡散しよう」というマインドになっていて、意識が高いというよりは、自分オンリーな部分で物事を決めつけていたりします
その議論はある意味「結論ありき」のようなもので、その結論を補完するために「有益な意見だけを積み上げるだけ」になっているのが現在を風刺しているようにも思えました
■謝罪の文化
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■正義を補足する情報
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/103291/review/05613067/
公式HP:
https://movies.shochiku.co.jp/oredehanai-enjo/