■このジャンルチェンジを許容できる人なら、どんな映画でも楽しめそうな予感がしますね


■オススメ度

 

コメディホラーが好きな人(★★★)

純粋なホラーが好きな人(やめとこう)

 


■公式予告編

鑑賞日:2023.10.23(イオンシネマ京都桂川)


■映画情報

 

情報:2023年、日本、86分、G

ジャンル:ある島の民宿にて奇怪な風習に遭遇する大学生たちを描いたホラーコメディ

 

監督:永江二朗

脚本:宮本武史

原作:日向麦(投稿者、2009年)

 

キャスト:

伊原六花(内田桜:引っ込み思案の女子大生)

藤原大祐(真中聡:桜の幼馴染の同窓生)

秋田汐梨(華村希美:桜の幼馴染)

 

松浦祐也(岩崎公太:旅館で働くフリーター)

坪内守(八代健介:バイト先の旅館の経営者、料理人)

佐伯日菜子(八代真樹子:健介の妻)

 

梶原善(佐々木六朗:島の住職)

 

やなしまみほ(ひょっとしたら中の人?)

 

伊原木隆太(?)

黒田志音(矢代の息子、少年時代)

希咲うみ(佐々木の娘、少女時代)

ルーク(旅館の客、夫)

濱田華(旅館の客、妻?)

大岩主哉(島の住人)

有賀とういちろう(島の住人)

浦宗航(島の住人?)

織田彩未(島の高校生)

寺島弘樹(島の高校生)

鳴海壱成(?)

中田凱仁(島の中学生)

藤岡紗丞(島の中学生)

淺岡和花(島の中学生)

坂本宝愛(島の中学生)

安倉柚羽(こっち見てくる島の中学生の幽霊)

黒川瑛斗(スーパーに出てくる少年の幽霊)

村上優衣(島の少女の幽霊)

白井孝誠(島の少年の幽霊)

紀伊凛香(島の少女の幽霊)

奈波希弦(島の少女の幽霊)

伊達萌々香(島の少女の幽霊)

澤井さと子(島の少女の幽霊)

山口瑛巧(島の少年の幽霊)

道本成美(佐々木の娘、青年期?)

坪井楓侑(八代の息子、青年期?)

玲唯(?)

 


■映画の舞台

 

日本のとある孤島

砒石島

 

ロケ地:

岡山県:笠岡市

白石島

https://maps.app.goo.gl/GaAXv46q3GagRRXX9?g_st=ic

 

華大樹(八代屋)

https://maps.app.goo.gl/u1rii1KZRzaPNy1EA?g_st=ic

 

弘法山開龍寺

https://maps.app.goo.gl/DgHUiXgRBcAYKvdy7?g_st=ic

 

あまのストア

https://maps.app.goo.gl/MWbUiqag2oPgnZZj9?g_st=ic

 

弁天島(対岸にある孤島)

https://maps.app.goo.gl/6y59Gq56riP5bKo38?g_st=ic

 


■簡単なあらすじ

 

大学生の桜と聡、希美の3人は、休みを利用してリゾート地でバイトをしようと考えていた

彼女たちが向かったのは「砒石島」という島で、そこにある「八代屋」という民宿で働くことになった

民宿は矢代夫婦とフリーターの岩崎で営業していたが、店主の健介が足を怪我したことによって人手が必要になっていたのである

 

桜たちは不慣れながらも馴染みだし、岩崎を含めた4人で肝試しをすることになった

それは民宿には隠し扉があって、夜な夜な女将さんが食べ物を届けている部屋があるというものだった

 

桜と聡、希美と岩崎でペアになって向かうものの、寸前になって怖くなった桜を制して、聡は1人でその場所へと向かってしまう

聡は何かを見た後、反対側に向かって何かを咀嚼していたが、彼はその時に起こったことを全て覚えていなかった

だが、その日を境に、聡はみんなに見えないものが見えるようになってしまったのである

 

テーマ:子を想う執念

裏テーマ:救いを得る方法

 


■ひとこと感想

 

ネット掲示板の元ネタは知りませんが、雑食系なので、評価も気にせずに参戦

鑑賞後に「評価真っ二つやな」と思いましたが、案の定でしたね

純粋なホラー映画ではないので、それを期待していた人は総スカン、面白いものを見たかった人には好評という感じになっています

 

映画は、リゾート地のバイト先がヤバかったというもので、夫婦が揃って不気味な雰囲気を醸し出していましたね

胡散臭い住職が実は使える人でしたが、その能力がまさかそのように使われるとは!という感じになっています

 

ネタバレになるので詳細は書きませんが、本作は「伊原六花の演技」が評価を底上げしていて、安定感のある俳優が脇を固めている作品になります

元ネタを知らなくても大丈夫な映画ですが、本当に「純正ホラーではない」ので、そこらへんだけ注意して参戦していただいたら面白いものが観れたと思えるのではないでしょうか

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

映画は、ネット掲示板「ホラーテラー」と「2ちゃんねる」に投稿されたもので、それにオカルトスレの「八尺様」が加味されたものになっています

八尺様は240cmの身長の女性の妖怪で、田舎に出没しては、白いワンピース姿で子どもを連れ去るというものですね

 

物語は、もじもじカップルをくっつけようとする希美に岩崎が惚れるなど、軽い恋愛要素が入っていて、後半の「入れ替わり」は最早コメディのノリになっています

この際の住職が憑依した桜の演技が抜群で、その後のカッコイイ活躍につながっていました

また、希美に憑依した岩崎のオネエ演技も面白くて、このあたりで脱落した人が多いのかなと思います

 

映画は、純粋なホラーではなく、一つのエンタメ作品として捉える方が良く、ホラー部分の完成度は低めになっています

音でビックリ、いきなり登場でびっくりの2パターンしかなく、ラストのオチだけが本当の意味でのホラーになっていましたね

キャスト情報を見ていたら「やなしまみほ」の名前があったのですが、どこに出ていたのかわかりませんでしたね

180cmの高身長の方なので、八尺様の中の人なのかなあと勝手に解釈しています(間違ってたらごめん)

 


元ネタについて

 

本作に登場する「リゾートバイト」とは、2010年頃に2chに書き込まれた怪談で、語り手とその友人の男子大学生3人組が、夏休みを利用してリゾート地でアルバイトをするという物語です

民宿は夫婦と女性3人の従業員で切り盛りされていて、2階立てなのに1階の屋内には上がる場所がありません

その後、普通に仕事をしていた彼らは、夕方頃にお盆に乗せて2階に上がっていることに気づきます

2階に誰かがいるのではと思った3人は、そこから2階へと踏み込んでしまいます

 

「八尺様」の方は、「2メートルほどある白いワンピースを着た大女」のことで、奇妙な声を発しながら街を歩いている、というものです

主人公がそのことを祖父母に話すと、あれは「魅入った人間を取り殺してしまう化け物」だと聞かされます

八尺様から逃れるために、お札と盛り塩に護られた部屋で一晩過ごすことになる、という物語になっています

 

「八尺様」が取り殺すのは、気に入った男で特に子どもが狙われやすいとされていて、「ぽぽぽ」といった不気味な笑いかたをするとのこと

こちらは色んな階段に顔を出す存在で、今回はとの特性を活かして登場しているのだと思います

どちらも「まとめ記事」などを探すと出てくるので、時間のある人はトライしても良いのではないでしょうか

 


コメディ&ホラーの融合について

 

本作は、前半がホラーで後半がコメディという映画になっていて、この構成を良しとするかどうかで評価が分かれています

好意的な人は「面白ければジャンルチェンジはOK」というスタイルで、批判的な人は「ホラー映画を見たかったのに違うものを見せられた」というものが多いように思います

ホラーは非日常的な恐怖を体感するもので、コメディは展開されている事柄の面白さを眺めるものになっているので、体験という意味でも真逆に思えます

主人公たちの恐怖を追体験していたら、いきなり俯瞰的に出来事のおかしさを見ることになる

このシフトチェンジを面白いと思えるかどうかなのだと思います

 

個人的には、全体として面白ければOKのタイプでしが、追体験から俯瞰にシフトチェンジを起こさなければOKだと思います

その点において、本作は追体験よりは「誰かの恐怖」を最初から俯瞰しているので、そのまま「俯瞰的にコメディを見る」というのは大丈夫のように思えました

大学生でリゾートバイトをして、同じような体験をした人なら「体験が重なる」かもしれませんが、本作のような出来事は誰にでも起こることではないので、感情移入ができても追体験になることはないのではないでしょうか

 

問題は、恐怖体験を望んでいて別の感情を有することになったことで、この混乱を許容できるかは何とも言えないところがあります

映画体験としての面白さと、恐怖体験で得られる満足感というものは違うので、この落差に感情がついていくかどうかが問題のなのだと思います

これに関しては、個々が映画に何を求めていたのかというところに帰属するので製作陣もコントロールはできません

かと言って、酷評そのものが映画の質と関連づけられるものではないと考えます

 


120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

本作は、後半のコメディに思える部分を真のホラー要素にやろうと思えばできたと思います

八尺様に関する演出とか、それ自身の作り込みをもっと恐怖に仕立て上げることはできたでしょう

それをしなかった理由はわかりませんが、ラストに「いやミス」的な要素を用意していたので、笑いと安堵の中に「恐怖を落とし込みたかった」のではないかと想像します

このオチはサラッとしているので、意味がわからず退場した人もいたかもしれません

 

とは言え、あまりしっかり描くとじわじわとは来ないもので、矢代夫妻の息子と住職の娘のワンショット、刺身を食べられるかどうかと、友人・希美の表情で十分なのだと思います

おそらくは岩崎もグルで、彼らを2階に上げるためのきっかけ作りを任されていたのでしょう

これまでに何度も失敗しているのは、そもそも「適したカップル」がアルバイトに来るということ自体がハードルが高いのですね

また、カップルを陥れるために第三者の存在が必要で、「奇異的な出来事になっていることを認知させる」という意味があります

これによって渦中のカップルはさらに精神状態が不安定になり、最後の憑依儀式へと向かうことになります

 

もし、カップルだけで遭遇したとしても、怪しい村の儀式に能動的に参加できたかは分かりません

希美の存在は、「かつての自分を知っている人物」としての効果があり、それがカップルが元の世界に戻りたいと思わせることに繋がります

儀式に入れば、あとは憑依先を変更させれば良いので、2人の魂の入れ物があればOKなのですね

 

映画は、このあたりの計画と設定が綿密に作り込まれているので、キャラの動き自体に不自然さを感じさせません

終わってみれば、全ては伏線だったというものですが、渦中の人物の行動には嘘がないのですね

それを考えると、2人をこの島に引き入れてしまった希美は、本当の意味で悪魔だったということになるのかもしれません

おそらく彼女は自分のことを責めると思うのですが、その先に岩崎が役に立つのかは分かりません

でも、彼女の性格だと島を巻き込んで何とかさせようと行動するでしょうし、あるいは2人を貶めた罰を与えることになるかもしれません

そう言った意味において、希美が八尺様化してしまう未来も微レ存なのかなと、しょうもないことを考えてしまいますね

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

Yahoo!検索の映画レビューはこちらをクリック

 

公式HP:

https://resortbeit.com/

アバター

投稿者 Hiroshi_Takata

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA