■驚きに満ちた子ども時代は、無謀に思える冒険にこそ価値があるのかもしれません


■オススメ度

 

子どもたちの冒険活劇が好きな人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2024.10.28(アップリンク京都)


■映画情報

 

原題:Riddle of Fire(炎の謎)

情報:2023年、アメリカ、113分、PG12

ジャンル:悪ガキ三人組が謎の組織と関わる様子を描いた青春映画

 

監督&脚本:ウェストン・ラズーリ

 

キャスト:

チャーリー・ストーパー/Charlie Stover(ヘイゼル・アデル/Hazel A’Dale:ジョディの兄、悪ガキ三人組「不死身のワニ団」)

スカイラー・ピーターズ/Skyler Peters(ジョディ・アデル/Jodie A’Dale:ヘイゼルの弟)

フィービー・フェロ/Phoebe Ferro(アリス/Alice:ハゼルとアデルの友人)

 

ローレライ・オリヴィア・モート/Lorelei Olivia Mote(ペタル・ホーリーホック/Petal Hollyhock:アンナ=フレヤの娘)

 

リオ・ティプトン/Lio Tipton(アンナ=フレヤ・ホーリーホック/Anna-Freya Hollyhock:魔法の剣一味のボス)

チャールズ・ハルフォード/Charles Halford(ウッディ・バスタード/ジョン・レッドライ/John Redrye:卵を横取りする男、アンナの仲間)

アンドレア・ブラウン/Andrea Browne(ケルズ・ホーリーホック/Kels Hollyhock:アンナの双子の妹)

レイチェル・ブラウン/Rachel Browne(サッズ・ホーリーホック/Suds Hollyhock:アンナの双子の妹)

ウェストン・ラズーリ/Weston Razooli(マーティー・ホーリーホック/Marty Hollyhock:アンナの弟)

 

Danielle Hoetmer(ジュリー・アデル/Julie A’Dale:アデルとハゼルの母)

 

Chuck Marra(ピート/Otomo Pete:オートモの倉庫番の男)

Colleen Baum(セリア/Celia:風邪ひいて休んでいるパン屋の店員)

Jason K. Wixom(悪ガキ三人組を追うホームセンターの店員)

 

Abigail Sakari(「Otomo Angel」の音声)

 

Lonzo Liggins(ネフ/Neff:巡査)

Kent Richards(ルーカス/Lucas:巡査)

 

Austin Archer(チップ/Chip=デイナ・トロバトーレ/ Dana Troubadour:クラブの男)

Sho Kuniyuki(タッカー・ミゾグチ/Tucker Mizoguchi:チップの仲間)

Kili Maile(カルアクサ・デストロイヤー/Kal’Axa the Destroyer:チップの仲間)

Xayne Alexander Christensen(ザイン・ザ・フォーチュン/Xayne the Fortunate:チップの仲間)

 

Sohrab Mirmont(DJ マーツ/DJ März:クラブのDJ)

 

【クラブ「Hall of Fortunes」の客】

Hans Wiener

Alivia Matchett

Bryan Bernardi

Meadow Alexander

Joseph D. Christensen

Travis Hunte

Joseph Amundsen

Randall Whitemore

Justin Banz Ayla Stone

Kate Lyn Whitaker

Matt Van Dersteen

Karra Melody White

Joseph Christensen

Rodrigo Grijalva

 

【マーケットの客】

Shane B. Hunsaker

Danny Greenhalg

Stephanie Morris

Olivia Von Hagen

 


■映画の舞台

 

アメリカ:ワイオミング州

リボン

https://maps.app.goo.gl/tFjxDFcp8EXbFB8D7?g_st=ic

 

ロケ地:

アメリカ:ユタ州

パークシティ

https://maps.app.goo.gl/EjYyQRi2EaNyoTV79?g_st=ic

 


■簡単なあらすじ

 

アメリカ・ワイオミング州の山奥の村リボンに住んでいる少女ペタルは、風変わりな母親アンナ=フレヤとその仲間たちと過ごしていた

彼らは森の奥であるものを捕獲することを目的として潜伏していたが、ペタルは自由気ままに森で遊んでいた

 

そんな村には「不死身のワニ団」を名乗る悪ガキ三人組ヘイゼル、ジョディ、アリスがいて、彼らは町にあるホームセンターの倉庫に忍び込んで「Otomo Angel」というゲーム機を盗んでいた

いざ、家のテレビで遊ぼうと思ったところ、母ジュリーはテレビにパスワードを設定して使うことができなかった

 

ヘイゼルは母にテレビを使えるようにしてもらおうと懇願すると、母はブルベリーパイを買ってきたら2時間だけ許すと言った

そこで3人は町のパン屋に向かうものの、パイを作っている職人セリアは風邪で休んでいるという

そして、セリアの家に行くものの、彼女もまた無理難題を押し付けてきた

 

三人組はセリアからパイのレシピを得るために色々と策を講じ、ようやくそれを手に入れることができた

だが、パイの材料である卵を見知らぬ男に先に買われてしまい、三人は男を追って、森の中へと向かう事になったのである

 

テーマ:青春の行き当たりばったり

裏テーマ:瓢箪から駒

 


■ひとこと感想

 

かなり古い作品なのかなと思っていましたが、劇中ではスマホが登場するし、結構ハイテクだし、と時代設定がよくわからない場所になっていました

テレビは昔ながらのものですが、ゲーム機は最新のものに見えるし、と言った感じで、レトロとハイテクが入り混じった不思議な世界観になっていましt

 

映画は、盗みを働く子どもたちを描き、その先で「さらにヤバそうな大人たちと関わることになる」というものでしたね

いわゆる「大人の知らないところで子どもたちが冒険をする」というもので、そこでのトラブルが彼らを成長させる、という内容になっています

 

少女ペタルのモノローグから始まり、アンナ=フレヤの「魔法の剣一味」というよくわからない軍団の登場などがありました

アンナは呪文のようなものを使って手下(おそらく双子の妹と弟)をコントロールできるようで、その能力は娘のペタルにも受け継がれているようでした

催眠術か何かのようですが、彼らの背景にはもっとヤバいものが隠されていましたね

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

悪ガキ三人組がゲームのために盗みを繰り返すというもので、倫理的にはアウトの案件のように思います

アルコールのようなものを飲んでベロベロになったりするので、映倫区分はPG12となっていましたね

 

映像はかなり古めで、何かのリバイバル上映か何かだと思っていましたが、2023年に制作されていたのは驚きました

時代設定もかなり現代寄りで、彼らの持っているスマホはスキャンもできる最新式でしたね

それでいて、登場する車などはレトロだったりするので、奇妙な世界観になっていたように思いました

 

映画は、悪ガキたちの1日を描いていて、そこで遭遇するどこか間抜けな大人たちとの攻防になっていましたね

アンナが使う魔法のようなものは本物かはわかりませんが、いわゆる催眠術の類なのでしょう

彼らの真の目的と、実は「⚪︎⚪︎だった」というオチは面白いものでした

ヘイゼルの何気ない一言に気づいた警官グッジョブ!という感じで、展開が最後まで読めそうで読めないところも良かったと思います

 


子ども時代の無鉄砲

 

本作は、悪ガキたちが危ない大人と遭遇するという物語で、ある目的のためにはどんな危険も厭わない子どもたちが描かれていました

発端はゲームをしたいとというものですが、いきなり倉庫に盗みに入るし、卵を奪われただけで森の奥深くの怪しい場所に行ったりもします

目的以外のものが見えなくなっているのですが、これはこの時期にはよくあることのように思います

欲望に従順で、それを達成するための労力は厭わないという感じになっています

 

子ども時代を覚えている人だと、自分自身がいかに無謀な時期を過ごしていたかを思い出すでしょう

一歩間違えれば死んでいたかもという思い出も無きにしもあらずで、個人的な体験だと、電車のレールの下の空間に入って下から電車を見る、なんてことをした経験があります

地元の単線(一車両)の路面電車で、家の近くの線路を歩いている(これだけでアウトですが)と、入れそうなくぼみを見つけたのですね

そこで、何を考えていたかわからないけど、そのくぼみの中に入って、下から電車を見るということを実際にやってしまいました

その時には何も起こらなかったのだけど、今思うと大事故になっていたかもしれないし、自分もこの世にいなかったかもしれない出来事のように思います

 

なぜこのような無謀なことができるのかはわからないのですが、当初は「リスクについて考えない(考えてもわからない)」という感覚があったのだと思います

いたずらなどもその一例で、怒られることによって、ひとつずつ「ダメなこと」というのを覚えていきます

でも、私の体験のように「これはヤバイのでは?」と感覚に思えることは、その後しなくなるのですね

とは言え、実際には「下から電車を見ても何の感動もなかったから」だと思うので、あの体験で何かしらの感情が湧いていたら、繰り返していたのかなと思わざるを得ないところがあります

 


経験は子どもを成長させるか?

 

子どもの喜怒哀楽は体験によって強化されていきますが、今の時代だと「体験よりも情報が先に入る」ので、世代間ギャップというものが生まれてしまうように感じます

生き物を飼うことで命の尊さを知るという機会があっても、今では「ネット上で情報は拾えて、体験したような気になれる」という感じになっています

これまでは自分の体験以外のことは知ることができなくても、今では何でもありの時代なのですね

かつて、アダルトな情報もビニ本などでしか手に入りませんでしたが、今では小学生が無修正動画を見れるという時代になっています

 

子どもは体験によって成長をしますが、それがインプットだけになるとどうなるのでしょうか

バーチャル体験のようなこともできる今となっては、誰かの目線を自分の目線に置き換えて、体験したふうに思えることがあります

実際には映像に映っていない部分に多くの情報があるのですが、そこに登場する配信者の反応は「見えないものを包括している」のですね

なので、見えない部分があっても、見えている情報から自分の感情にトレースすることで学んでいると言えなくもないのかな、と言えます

 

実際には、一度くらいはやってみる方が良いと思いますが、何をやるにしても「3ヶ月ぐらいの体験(短期的なものだと3日)」は必要だと思うのですね

個人的には、習い事なども色々としてきましたが、1日やっただけでは適性があるかどうかもわかりません

でも、そう言った持続的に続ける意味があるものとは違ったものは、一度の体験が全てを網羅するとも言えます

この映画でも、悪ガキ3人組にとってはかけがえのない時間であり、そこから多くのことを学んでいると思います

 

子どもは勝手に成長するものですが、幼少期の体験の多さは、のちの人生に大きな影響をもたらします

それを踏まえると、ある程度の裕福さは必要で、他の子どもたちが体験したこと以上のものを体験させられる環境は有利だと思います

でも、体験させただけで反芻しないのは意味がなくて、その体験から何を得たのかを家族間で共有する必要はあると思います

お金や機会だけを与えても子どもは成長せず、その体験からどんな質のものを子どもは学ぶのかを両親は知る必要があるのですね

そして、その感情に対するレスポンスに両親が参加することで、今後どのような体験をさせたら良いのかが理解できるのではないでしょうか

 


120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

本作は、ある目的のために行動する悪ガキ3人を描いていて、その先に遭遇したのは怪しげなファミリーとなっていました

密猟をしていることでお縄となりますが、それ以外のカルト的なことは逮捕案件にはなりません

アンナ=フレアの魔術によって操られている人々がいて、彼女の能力が何なのかは明確には語られません

おそらくは心理学を悪用したものだと思いますが、あくまでも子ども目線のヤバい大人たちというふうに描かれていました

 

悪ガキ3人組は欲望に従順で、アンナ=フレアの娘ペタルも自由な存在でした

魔法の剣一味はアンナ=フレアの言いなりなので、対称的な構図になっていると言えます

自分の行動を抑制される人たちと、抑制があるけれど、それを打破しようとする子どもたちという関係性ですね

また、ペタルには母の能力が備わっていて、結局は悪ガキグループに属することになりました

 

現実的には母親が逮捕された少女は施設に行くと思いますが、この世界ではそんな現実的なことは起こりません

ペタルは人の心を懐柔することができるので、まるで最初から居たかのような関係として馴染んでいきます

ヘイゼルの家では、母ジュリーさえ何とかすればOKな感じで、彼女は今は病気の身なので正常な判断ができていません

いつも遊びに来ているアリスのような子どもだと思っているので、その後も問題なく過ごしていくのでしょうか

もう少しペタルが大人になって、アリスとの対立構造ができる頃になると、動きが見えると思うのですが、年齢差を考えるとそんなことも起きないのだと思います

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/100565/review/04414459/

 

公式HP:

https://klockworx.com/littlewonders

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投稿者 Hiroshi_Takata

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