■ロザリー
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■オススメ度
多様性を描く映画に興味がある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2025.5.6(アップリンク京都)
■映画情報
原題:Rosalie
情報:2023年、フランス&ベルギー、115分、PG12
ジャンル:多毛症を隠して結婚した女性と夫の関係を描いた伝記映画
監督:ステファニー・ディ・ジュースト
脚本:サンドリーヌ・ル・クストュメル
キャスト:
ナディア・テレスキウィッツ/Nadia Tereszkiewicz(ロザリー・ドゥリュック/Rosalie Deluc:髭を生やしている秘密を抱える女性、先天性多毛症、モデルはクレマンティーヌ・ドレ/Clémentine Delait)
ブノワ・マジメル/Benoît Magimel(アベル・ドゥリュック/Abel Deluc:ロザリーの夫、秘密を知らないカフェのオーナー、モデルはポール・ドゥレ/Paul Delait)
バンジャマン・ビオレ/Benjamin Biolay(バルスラン/Barcelin:村のリーダー、工場長)
Belén Cubilla(バルスラン夫人/Mme Barcelin:バルスランの妻)
Margot Capdevert(バルスランの娘)
Lana Laine(バルスランの娘)
ギュスタヴ・ケルヴェン/Gustave Kervern(ポール/Paul:ロザリーの父)
アンナ・ビオレ/Anna Biolay(ジャンヌ/Jeanne:修道院のシスター)
Peri Bourgogne(オギュスティーヌ/Augustine:孤児院の女の子)
Aurélia Petit(孤児院の院長)
ギョーム・グイ/Guillaume Gouix(ピエール/Pierre:アベルの友人、ロザリーを敵視)
Eugène Marcuse(ジャン/Jean:アベルの友人)
Juliette Armanet(クロティルデ/Clothilde:アベルのお気に入りの売春婦)
Serge Bozon(ロザリーを撮る写真家)
Lucas Englander(カミリウス/Camilius:カフェの客、妄想の語り手)
Lou-Linh Guy(カミリウスの友人)
Camille Lopez(ジャンヌの妹)
Julien Drion(教会の牧師)
Laurent Dassault(クリーニング店の職工長)
Frédéric Sauzay(医師)
Jérémie Bergerac(司祭)
Aminthe Audiard(ロザリーにハサミを突きつける女)
Tengi Pensec(パイプ奏者)
Romane Bach(仮面の女)
Morgane de Vargas(売春婦)
Marine Gay(売春婦)
Victoria Amador(フラメンコを踊る少女)
Anthony Zahn(ジプシーの音楽隊)
Miliano Hernandez(ジプシーの音楽隊)
Steven Fougères(ジプシーの音楽隊)
Antonio Claveria(ジプシーの音楽隊)
Honorine Fhlor(絵を描いて渡す女の子)
Laëtitia Thyssen(村の若者)
Solenne Desprez(合唱団)
Aurélie Barbelin-Meyer(合唱団)
Sacha Hatala(合唱団)
Blandine Staskiewicz(合唱団)
Thibault Givaja(合唱団)
Jérôme Desprez(合唱団)
Christophe Lizère(合唱団)
David Postel(合唱団)
■映画の舞台
1870年代、
フランス:ブルターニュ地方
タオン=レ=ヴォージュ/Thaon-les-Vosges
https://maps.app.goo.gl/wuUarGRZ7fgo7KDXA?g_st=ic
ロケ地:
フランス:モルビアン
レ・フォンジュ・デ・サル/Les Forges des Salles(工業団地)
https://maps.app.goo.gl/i4d4BJ9k5Xvv8uu27?g_st=ic
シャトー・ドゥ・ロズヴィリオウ/Château De Rosvilliou(孤児院)
https://maps.app.goo.gl/H1BdGYdeXGjgqsSC7?g_st=ic
シャトー・ド・ケリオット/Château de Kériolet(バルセロナ城の内部)
https://maps.app.goo.gl/1o4SCgyZh5ojRBq5A?g_st=ic
ビユージー・レゾー/Bieuzy-les-Eaux
https://maps.app.goo.gl/3s6vqXES3sN8UQBs8?g_st=ic
ル・ファウエ/Le Faouët
https://maps.app.goo.gl/QVYVVgFCimnWm3r18?g_st=ic
■簡単なあらすじ
1870年代のフランス・ブルターニュ地方には、生まれながらに多毛症で悩んでいるロザリーがいた
父ポールは身支度を整えさせていたが、背中や足の裏など、様々なところに生えた毛はどうしようもなかった
ある日、持参金目的の男アベルと結婚することになったロザリーは、多毛症を隠して結婚を果たすことになった
アベルに気づかれないまま初夜を迎えたロザリーだったが、肌けた服の隙間から男のような胸毛を見つけてしまう
騙されたと思ったアベルはロザリーを突き放すものの、彼女は帰るあてもなく、彼の友人たちの前で堂々と妻だと名乗った
アベルは村の工場経営者バルスランに金を借りていて、持参金でそれを補填しようとしたが足りなかった
アベルはカフェを経営していたが、工場主は従業員が飲むことを嫌がっていたために客足は芳しくなかった
そこでロザリーは、自分の多毛症を見せ物にすることで客を集めようと考える
だが、それを見た人々は気味悪がるようになり、村に不幸が舞い込むと思い込み始めていたのである
テーマ:多様性の生き様
裏テーマ:家族の許容
■ひとこと感想
実在の人物をベースにした物語で、プロマイドまで残っている有名な人を扱っています
いわゆる先天的多毛症で、それを見せ物として客を引こうと考えていました
それでも、夫としては複雑な心境で、抱こうにも勃たないみたいなことが起きてしまいます
友人のピエールからも「こんな女が好みなのか」と言われてしまうのですが、愛とか以前に人としてどうなのかというところにキレていましたね
でも、その遺恨がさらなる悲劇を招くことになりました
ロザリーとしては、自分らしく生きることを選んではいますが、それだけで満たされないものがたくさんあります
彼女は母親になりたがっているし、女としての幸せも欲しい
でも、男性の思う女性像からかけ離れている部分があって、寛容できるような時代でもなかったのだと思います
現代的な価値観だとそこまで奇異には見られませんが、そもそも髭を整えることもなく人前に出るということもないので、髭のあるなし以前のようにも思えてしまいます
ロザリーはアベルに捨てられると居場所がなくなるので、それゆえに何とかして彼の役に立とうと考えます
ある種の共闘的な関係があって、ロザリーがアベルの立場になって考えるというところには至っていないのだと思いました
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
ほぼほぼ出オチのような映画で、時代性を考えると迫害やむなしという感じでしたが、意外なほどに友好的で、一部の恥をかかされた人々が反発するという感じに描かれていました
アベルの気持ちもわからなくもないし、ロザリーが身勝手すぎるようにも思います
特に際どいプロマイド写真はやりすぎで、自ら見せ物になる意味はないように思えます
映画は、多様性を描こうとしているのですが、それを許容するためには段階があるように描かれていました
ピエールが敵視する人物の筆頭格のように描かれていますが、彼はロザリーの見た目以上にバカにされたことに恨みを持っているように見えます
人前で恥をかかされたということもあるし、恩人が理解不能な人間と結婚しているということにも抵抗があったでしょう
美的感覚というものはそれぞれだと思いますが、そういったものの寛容の前に人間性が問われるように思えます
身勝手な行動の結果が報いとなっている側面もあり、かと言って静かに生きていけば良いとは言いません
人は自分が生きていく上でうまく立ち回ろうとする生き物ですが、ロザリーの行動は反発を招くだけのように見えます
心の奥底にある葛藤からの自傷行為であるとかは他人は知るよしもなく、そう言った面を見せれば良いというものでもないでしょう
自由に生きていくということと我儘に振る舞うというものには決定的に違う部分があって、ロザリーにそれがわかっていたのかは微妙だなあと感じました
■クレマンティーヌ・ドレについて
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■自由に生きる代償
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/103191/review/05068917/
公式HP: