■何を残したかで、その人となりがわかるのはすごいことだと思います


■オススメ度

 

中山晋平の人生に興味がある人(★★★)

流行歌の歴史を知りたい人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2025.1.15(TOHOシネマズ二条)




■映画情報

 

情報:2025年、日本、127分、G

ジャンル:中山晋平の人生を振り返る伝記映画

 

監督:神山征二郎

脚本:加藤正人&神山征二郎



 

キャスト:

中村橋之助中山晋平:旅楽団に魅せられた音楽家)

   (10歳時:戸井田竜空

志田未来(江南敏子/中山敏子:晋平の妻)

 

鳴海竜明(中山卯郎:晋平の養子、5歳時)

   (青年期:志村魁?

鎌田久遠(中山梶子:晋平の養女、6歳時)

   (12歳時:井上栞那

土屋貴子(中山ぞう:晋平の母)

林与一(山田本家当主、ぞうの父)

 

緒形直人島村抱月:早稲田大学教授、演出家)

高橋由美子(島村市子:抱月の妻)

加藤小百合(島村春子:抱月の娘、幼少期)

   (少女期:上田帆乃佳

 

染谷俊之沢田正二郎:大衆演劇の人気役者)

吉本実憂松井須磨子:看板女優、抱月の愛人)

 

渡辺大西條八十:『東京行進曲』の作詞家、晋平の友人)

三浦貴大野口雨情:『枯れ芒』『シャボン玉』の作詞家、「赤い鳥」活動、晋平の友人)

 

真由子佐藤千夜子:晋平の楽曲を歌う歌手)

中越典子新橋喜代三:鹿児島の売れっ子芸者歌手)

 

酒井美紀幸田延子:東京音楽学院のピアノの先生)

 

辰巳琢郎東儀鉄笛:雅楽家、抱月の友人、晋平の音楽理論の師匠)

川崎麻世坪内逍遥:小説家、劇作家、抱月の師匠)

 

尾美としのり(岡庄五:日本ビクターの文藝部長)

 

宮崎卓真古賀政男:新進気鋭の作曲家)

 

岸本加世子(ナレーション)

 

吉田将基(中山哲造:晋平の弟)

村尾俊明(中山明孝:晋平の兄)

太田美穂(?)

本多正憲(?)

 

大和田獏(千束小学校の校長)

 

池上リョヲマ(劇団員)

細貝光司(劇団員)

 

高木勝也(映画会社の広報)

荒川守(?)

 

原田朱(三輪先生:小学校の先生)

花園直道時雨音羽:作詞家)

板倉佳司(小学校に同行する案内役)

茨城ヲデル(御者)

 

ひらがかんいち(音楽学校の教授)

小野哲平(音楽学校の教授)

福田勝弘(宴席の地元の役人?)

鼓太郎(鹿児島市長)

 

榊原舞小唄勝太郎:「東京音頭」歌唱)

松坂ゆうき三島一声:「東京音頭」歌唱)

松原健之鳥取春陽:演歌師、「船頭小唄」歌唱)

石原まさし藤原義江:若き歌手)

 

中澤きみ子(ヴァイオリンの先生)

丸山和敏(敏子の主治医)

 

オオエベン(?)

小林知美(雨の少年の母)

水野琉叶(雨の中の少年)

 

小安央十和(小学校の生徒)

 

新田舜(子役)

上田怜歩那(子役)

平優心(子役)

山田忠輝(子役)

 

西崎櫻枝(鹿児島の踊り子)

三吉(?)

小林佑心(?)

 

岩瀬あんな(汽車の乗客)

徳山漱介(通行人?)

安仁屋舜(通行人?)

Masako.H(?)

坪井直美(?)

中村シユン(?)

 


■映画の舞台

 

長野県:信州

東京:東京音楽学院

鹿児島

 

ロケ地:

東京都:台東区

旧東京音楽学校奏楽堂

https://maps.app.goo.gl/ccKcPrVZsgFFPekSA?g_st=ic

 

岐阜県:中津川市

かしも明治座

https://maps.app.goo.gl/QSmb36hYSdotbgY68?g_st=ic

 

岐阜県:恵那市

日本大正村

https://maps.app.goo.gl/LkPyGdQELSbfqCBp9?g_st=ic

 

長野県:上田市

百余亭

https://maps.app.goo.gl/iMLxvd66BWn7zbF47?g_st=ic

 

上松や

https://maps.app.goo.gl/FENqtGwsgGQVtdjb6?g_st=ic

 

上田招魂神社

https://maps.app.goo.gl/y84UBCqTpHpJWKCEA?g_st=ic

 

のみくい処 幸村

https://maps.app.goo.gl/LSe2YhwzsRfWnFReA?g_st=ic

 

長野県:下高井郡

ますや旅館

https://maps.app.goo.gl/NRDx5UbeZss5Tb4o7?g_st=ic




■簡単なあらすじ

 

明治38年、東京音楽学校入学を目指して上京してきた晋平は、早稲田で教鞭を執る演出家・島村抱月の書生として働くことになった

抱月の原稿を清書しつつ、彼の妻子の面倒を見ることになった晋平は、少ない時間でピアノの練習をすることになった

だが、技量は一向に追いついて来ず、落第になりそうになったが、幸田先生だけは彼の才能を見抜き、なんとか卒業させたいと踏ん張った

 

晴れて東京音楽学院の卒業生となった晋平は、東京の千束小学校で教鞭を執ることになった

その頃、豊月は女優・松井須磨子との不倫が発覚し、離婚して大学を辞めることになった

抱月は文芸座を立ち上げて、須磨子とともに演劇活動に入った

彼はロシア文学を日本風にアレンジしたいと考え、日本独特の歌を心平に依頼することになった

 

晋平が作った「カチューシャの女」は大きな話題を呼び、その後も豊月の依頼を受けて作曲を手掛けていく

そんな折、晋平に縁談の話が出て、彼は江南敏子とお見合いをすることになったのである

 

テーマ:大衆と流行

裏テーマ:才能を信じる心

 


■ひとこと感想

 

おそらく知っているんだろうなあと思いつつ、何の事前知識も入れないまま参戦

映画内で登場した楽曲は世代が違うとは言え、全部耳馴染みのあるものでしたね

さすがに生まれる前の大作曲家なので、親の親の世代を彩った楽曲たちなんだと思いました

それでも知っているというのは凄いことなんだなあと思います

 

映画は、晋平のほぼ全生を描き、10歳で音楽に魅了された頃から、音楽で成功し、時代の波に飲まれるところまで描いていました

さすがにダイジェスト感がないと言えば嘘になりますが、全く知らない人でもおおよその出来事がわかるという感じになっています

とは言え、大正から昭和初期にかけての大まかな出来事を知らないと全くついていけないかもしれません

 

映画は、晋平の友人である西條八十の回顧録のようなテイストで始まり、後期では「東京行進曲」から「東京音頭」あたりでガッツリと絡んでいましたね

その後、晋平を脅かす若手の古賀政男が登場し、時代の移り変わりというものが体感できるように描かれていたと思います

 




↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

本作は伝記映画なのでネタバレというのはありませんが、晋平を中心とした流行歌の歴史というものがわかりやすく作られていると思います

「シャボン玉」「船頭小唄」「東京行進曲」「東京音頭」あたりの楽曲を知っていると、その制作過程がわかるので胸熱だと思います

 

映画は、童謡、唱歌、流行歌から、映画の主題歌、舞台の挿入歌などを多数手掛けていて、生涯で2000曲というのは凄いことだと思います

生活様式が徐々に変わっていき、口髭を蓄えるようになった頃から妻の健康状態が悪くなっていきます

その頃に出会った新橋喜代三に心を奪われますが、師匠の二の舞にならなかったのはうまくやり過ごしたのでしょうか(Wikiには愛人って書かれてるからバレてたのかな?)

「知り合いと会う」で察する妻と、晋平が嘘を最期まで突き通すところはギリギリのラインになっていたように思います

 

物語としては歴史を準えている感じなので淡白ですが、ともかく歌とともに育ったんだなあということはよくわかりますね

たくさんの人物に愛されながらも、自分を変えることを厭わなかったのですが、それでも時代の流れには逆らえないという感じになっていました

良き師匠と家族に恵まれたので、それが創作を支えてきたように思います

才能を支える人にもスポットライトが当たっていたことは素敵なことだなあと感じました

 


中山晋平について

 

中山晋平は、1887年に長野県の貧しい農家に生まれ、幼少期から音楽に興味を持っていました

高等小学校を卒業した後は、小学校の代用教員などを務めていました

1910年になって東京音楽学校(現在の東京藝術大学)に入り、何とか卒業することとなります

その後、山田耕作、西条八十、北原白秋たちと作品を作り始めました

 

童謡、唱歌などを作曲し、「シャボン玉」「てるてる坊主」などが有名な作品となっています

その後、1914年に島村抱月と共に「カチューシャの唄」を作り、これが日本初の「流行歌」となりました

日本の近代大衆音楽の礎を築いた作曲家とされていて、これらの半生はほぼ映画で描かれていました

 

彼の作風は家庭環境などが反映されていると考えられ、地元を大切にしていたとされています

お酒や囲碁を嗜んで、親しみやすい人柄だったと言われていて、庶民的な感じで、みんなから「晋平さん」と呼ばれる人でした

子どもと接する機会が多く、そこから創作のヒントを得ていたと言われていて、そういった生活感というものが作品に落とし込まれているのだと思います

 

交流関係としては、女優の松井須磨子との関係が一番に上がりますが、これは「カチューシャの唄」のヒットによるものでした

須磨子は島村抱月の愛人で、彼が自殺した後に後追いしたとされていて、この出来事に晋平はかなりのショックを受けたと伝えられています

その他には、西条八十と「東京行進曲」を手がけたり、野口雨情と共に「赤い靴」「シャボン玉」などを制作し、この2人は「日本の童謡の黄金コンビ」と呼ばれるほどの関係でした

ライバル関係にあったのが山田耕筰であり、彼は「芸術音楽」の道を目指していました

それでも晋平は「大衆に寄り添う歌」を追求していて、お互いにその存在を強く意識したとされています

 


時代に愛される理由

 

本作では、時代に愛された作曲家としての中山晋平を描き、その創作の根幹には近隣の人に愛された人柄だったこと、自身の求めるものが明確だったということが描かれていました

多くの人に才能を認められ、そして化学反応を起こしたことで、奇跡的な音楽か人生というものを歩んでいました

 

一般的に「曲が時代に愛される要素」としては、「テーマが普遍的である」「シンプルで印象的」「歌詞(言葉)の強さ」「革新性」「歌い手の存在感」などがありますが、「時代とシンクロする」とか「世代を超えて継承される何か」というものも大事だと思います

日本の流行歌も時代を象徴するものが多く、近年のJポップなどはタイアップの歴史でもありました

このタイアップと言うのは「15秒のCMで存在感を出す」と言うもので、これがキャッチーなメロディを生む源泉となっています

さらにドラマのタイアップの場合では、ドラマの補足になるようなテーマソングが愛され、ドラマの感動をそのまま凝縮したものとなっています

 

その後に訪れたカラオケブームでは、「誰もが歌いやすい曲」と言うものが流行り始め、そのブームが飽和した頃に「少し練習しないと歌えない曲」と言うものが流行り始めます

カラオケブームの時にはイントロは少し長めになっていて、これは楽曲が始まってから歌う人が準備するまでの時間を作っていたりします

それが難易度勝負になってくると、イントロはほとんどなくなり、いきなり高音域のサビから始まると言う楽曲構成になっていきます

そんな中でも「この人だから歌える」という楽曲も登場し、その歌い手のカラーというものが時代を彩っていくことになりました

 

中山晋平の楽曲では、庶民感覚に寄り添った旋律があって、日本の童謡や民謡の延長線上にあるような口ずさみやすいものがありました

シンプルで覚えやすく、詩人が作った詞との調和も見られています

言葉を音に乗せるのが上手い作曲家だったのですが、時代性として「大正デモクラシー」の後の昭和初期ということもあって、第一次世界大戦の復興などを反映した楽曲も多く手がけています

沈んだ時代と這い上がる時代で楽曲が変化(船頭小唄→東京音頭)していったように、民衆の代弁者だった側面が強かったように思えました

 


120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

現在では中山晋平の時代とは音楽に対する扱いがかなり変わっていると言えます

それはサブスク時代に突入したこともあるのですが、CD天国だった時代に存在した「アルバム」という概念は今ではほとんどないと思います

それはB面がなくなったように、楽曲が個別で購入できるようになった配信の時代から始まっていました

 

大学時代には9cmシングル(縦に長いやつ)があって、FM放送などで気になった楽曲を根こそぎ買っていましたが、今ではサブスクで好きな楽曲をプレイリストに入れるという感じになっています

個人的にはdヒッツを使っていて、月に10曲ほど新しい楽曲をリストに入れられるというサービスになっていて、今では1200曲近くがそのリストに入っていたりします

個別にプレイリストを作れたりしますが、基本的には新しいところから何度も聴くという感じで、10曲の中から半分くらいカラオケで歌えれば良い、というスタンスで聴いていたりします

通勤の関係で、週に3度ほど1時間近くバイクに乗るのですが、その時にヘルメットに内蔵したヘッドセットで聴いている感じですね

1曲5分換算だと、60分で12曲ほどになりますが、それを週に3回も聴いていれば大体は覚えて歌えるようになったりします

 

今後も音楽に関してはサブスク一強の時代になると考えられ、指示されるアーティストとそうではないアーティストの差というのはますます広がっていくと思います

それぞれのアーティストがそれぞれの強みを活かして楽曲を制作していますが、今の時代性としては「どのように聴いてもらうのか」というところに特化しないと厳しい時代なのですね

自分の楽曲をベースとなるコンテンツに合わせるのか、それともファンを獲得するベースを探すのかによると思いますが、そういったところをセルフプロデュースできる人が最強なのだと言えます

それでも、時代を象徴するような楽曲が生まれるかは別の問題であると言えます

 

かつて、有線放送が主流だった頃、街には音楽が溢れていました

ほとんどのお店で有線もしくはFM&AMが流れていて、それで新しい楽曲を知る機会も増えてきました

でも、権利の関係からコストが大幅にアップするようになって、さらに「聞きたくな音楽=雑音」と認識する層も増えたことによって、さらにアーティストと大衆の間に乖離が生まれています

逆に個別のつながりは強くなりつつあるのですが、爆発的なものというものが生まれにくいとも言えます

 

これまではTVなどで放送されて一気に広まったものも、今ではSNSでバズるかどうかとなっていて、そのバズりも「界隈のみ」となっています

国民的な楽曲というものは死語に近いのですが、それも時代の表れのように思います

今後も同じような状況が続くかはわかりませんが、当面はこの流れのままで、その流れに沿ったアーティストの時代が続くのではないか、と考えています

 




■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/102441/review/04670409/

 

公式HP:

https://shinpei-movie.com/



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投稿者 Hiroshi_Takata

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