■婚前の同棲期間ということで良いのかわからない生活ですが、そういうしきたりと流した方が良さそうですねえ


■オススメ度

 

目黒蓮さんのファンの人(★★★)

原作ファンの人(やめといた方が無難)

 


■公式予告編

鑑賞日:2023.3.21(TOHOシネマズ二条)


■映画情報

 

情報2023年、日本、115分、G

ジャンル:冷酷無比と噂される軍人の元に嫁いだ訳あり血筋の新妻を描いたファンタジー&アクション&ロマンス映画

 

監督塚原あゆみ

脚本菅野友恵

原作:顎木あくみ『わたしの幸せな結婚』(富士見L文庫 / KADOKAWA刊)

 

キャスト:

目黒蓮久堂清霞:久堂家の当主、陸軍対異特殊部隊隊長)

今田美桜斎森美世:清霞の元に嫁ぐ斎森家の長女)

 

【久堂家】

山本未來ゆり江久堂家の通いのお手伝い、清霞の育ての親)

 

【簿刃家】

渡邊圭祐鶴木新:鶴木家の御曹司、鶴木貿易の社長)

火野正平簿刃義浪:新の祖父)

土屋太鳳簿刃澄美/斎森澄美:美世の実母)

 

斎森家】

高橋努斎森真一:美世の父、斎森家の当主)

髙石あかり斎森香耶:美世の異母妹)

山口紗弥加斎森香乃子:美世の継母)

小林涼子花:斎森家の元使用人)

 

【辰石家】

平山祐介辰石実:辰石家当主で、幸次の父)

小越勇輝辰石幸次:美世と香耶の幼なじみで、香耶の婚約者)

 

【帝室】

大西流星堯人:第3皇子、次期帝候補)

石橋蓮司帝:帝都の最高権力者)

尾上右近枢木忠則:帝の専属医師)

 

陸軍・対異特殊部隊】

前田旺志郎五道佳斗:清霞直属の部下、お調子物)

佐藤新望月東弥:火の異能を持つ新米隊員、メガネくん)

西垣匠岡部秀太:氷の異能を持つ部隊員、妻子自慢)

松島庄汰宮田建祐:風の異能を持つ部隊員)

髙橋大翔澤村晋平:物体を操る異能を持つ部隊員)

浜田学須藤嗣治:陸軍部隊本部長、清霞の上司)

 

【その他】

珠城りょう桂子:呉服店「すずしま屋」の店主)

津田健次郎(賀茂村紀夫:宮内省長官)

 


■映画の舞台

 

異能者が異形と戦う世界(イメージは近代の日本)

 

ロケ地:

三重県:桑名市

六華苑

https://maps.app.goo.gl/xoRcW7LEgGKx7yEu6?g_st=ic

 

三重県:津市

専修寺

https://maps.app.goo.gl/jrZAwTCjaPbJjZy76?g_st=ic

 

京都府:京都市伏見区

聖母女学院 本館

https://maps.app.goo.gl/8HNDM6atYFK2AoNq8?g_st=ic

 

京都府:京都市下京区

きんせ旅館

https://maps.app.goo.gl/uA4LTKahENuVSHbTA?g_st=ic

 

京都府:舞鶴市

舞鶴赤れんがパーク

https://maps.app.goo.gl/sJ5zG6wCfwRBWX2f8?g_st=ic

 

滋賀県:近江市

五個荘近江商人屋敷 藤井彦四郎邸

https://maps.app.goo.gl/4CHA55Lj4kok3pbM9?g_st=ic

 

滋賀県:大津市

延暦寺

https://maps.app.goo.gl/xfYChvWgx6gLDS2H9?g_st=ic

 

滋賀院門跡

https://maps.app.goo.gl/K4F6QHHr4Y2WvmzY9?g_st=ic

 

三重県:桑名市

レストラン Rocca

https://maps.app.goo.gl/UYDehRBD1rXpumn7A?g_st=ic

 


■簡単なあらすじ

 

異能者の家系で生まれ育った斎森美世は、自身に異能がないことで虐げられ、継母、異母妹から使用人のように虐げられて生きてきた

美世の父・真一は家の権力を増幅させるために、美世を政略結婚させることを決める

 

相手は帝都を守る陸軍対異特殊部隊の隊長・久堂清霞だった

清霞は冷酷無比で知られ、嫁いだ女はすぐに逃げ出してしまう偏屈として有名だった

 

帝都では、絶対的支配者・帝が病に伏し、次代を第3王子の堯人が継ぐことになっていた

帝には「天啓」と呼ばれる異能があり、未来を予知する能力を備えていた

帝は、帝都に危機が訪れていると告げ、街には「異形」と呼ばれる成仏できずに死んだ異能者たちの影が迫っていた

 

テーマ:血縁と陰謀

裏テーマ:結婚に必要な覚悟

 


■ひとこと感想

 

原作は未読、予告編の「ハガレンっぽさ」が気になって鑑賞

目黒蓮さんのファンがこぞって押し寄せてえらいことになりそうだったので、サクッとパンフだけ先買いするということになりました

 

内容はおそらく日本の近代っぽい場所を舞台にした能力者バトルですが、原作の主人公は新妻・美世のようですね

今回は目黒蓮さんを主役にして改変が加えられ、それが原作ファンの怒りを買っている「いつもの展開」が外野で起こっている映画になっています

 

物語は、帝都に蔓延る陰謀ということで、現政権を転覆させたい輩による暗躍が仄めかされていますが、本編ではその正体までは辿りつきません

あくまでも、美世の覚醒がメインになっていて、エンドロール後の映像を見る限り、続編は必ずある(興行的に失敗したら知らんけど)という流れになっていましたね

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

ネタバレというのがどの範囲を指すのか微妙ですが、物語はどう見ても「能力あるはずの美世」を描いていて、その覚醒がどのようにして起きるのかという流れを汲んでいます

前半は美世の背景を説明するパートになっていて、中盤から婚前生活、後半は帝都における決戦という流れになっています

 

原作を読んでいないと世界観は分かりづらいのですが、一応「冒頭のナレーション」で説明はされています

とは言え、思いっきり聞き取りにくいので、併記されている字幕を読むより他はありません

この説明が結構早口だったのですが、「超能力者(異能者)が権力を持つ世界で、その力が家系ごとに違う」という認識でOKだと思います

また、戦う相手が「異形」と呼ばれる「異能を持って成仏できなかったもの」みたいな感じになっていましたね

 

今回は「敵」という敵は出てこず、異形が放たれて「感染していく」という「内紛ゾンビパターン」のような戦いになっていました

おそらくは結界みたいなもので建物を覆って、そこでは異能は使えずに肉弾戦を繰り広げている、という感じでしょうか

ラストは美世の隠された能力の覚醒によって、異形に取り憑かれた隊員たちから「異形だけを切り捨てることができる」という理解不能な感じで戦いに勝利しているように見えました

 


世界観をざっくりと

 

私は原作未読だったので、世界観は想像力で補完することになりましたが、専門用語が意外と多いので、ある程度は知っておいた方が楽しめると思います

 

【妖(あやかし)】

この国において「恐怖心が生み出す鬼」と同義になる「妖」は「鬼と合わせて『異形』と呼ばれる」のですが、パンフの解説によると、正体不明の怪奇現象と言うふうにまとめられています

 

【異形(いぎょう)】

妖と鬼が具現化したもので、人や獣の姿として現れます

映画内ではラストで美世の能力によって可視化された特殊部隊の中に隠れていたもの、と言う認識になるのかなと思います

 

【見鬼の才(けんきのさい)】

異形を見分けられる能力のこと

パンフによれば、科学技術の発展によって、怪奇現象が解明されつつあり、人々が恐るものが少なくなったために、異形が発生することが少なくなった、とされています

 

【異能(いのう)】

異形を倒すことができる能力のことで、この世界では「家系によって異能の系統がある」という設定になっています

その家系に生まれた子どもは、5歳の時に「見鬼の才」を開花させるのですが、稀に異能がない子どもがいるとされています

映画では、冒頭部分の美世は「異能がないと自分も養母、異母妹も思い込んでいた」となっています

 

【式(しき)】

鳥の形をした盗聴器みたいなもの

 

【夢見の才(ゆめみのさい)】

薄刃家の女性のみが有する異能のこと

あらゆる人間の眠りの中に入り込んで、夢を操ることができる能力で、夢の中で過去・現在・未来のすべてを見ることができます

帝がもつ「天啓(てんけい=予知能力みたいなもの)」を凌ぐ能力として恐れられ、美世の異能は「母が封印していたもの」と言うことが後半によってわかります

映画では、美世の能力の暴走によって、特殊部隊の中にいた妖が彼らの中から引き剥がされた、と言う感じに描かれています

 

【奥津城(おくつき)】

異能者たちの墓のことで、異能を悪用してきた異能者は死んでも強い力を有するために「成仏できない場合」は封印していると言う設定になっています

映画では、この奥津城に封じられていた異能を解放し、世に放つ黒幕として、帝の専属医師・枢木という存在がありました

でも、そのさらに奥にいる者は登場せず、それらを放った理由に関しては言及されていません

 

この世界では、不可思議な現象によって生じた「妖・鬼」を退治する役目をもつ異能者がいて、それらの歴史の中で「目的を持った黒幕」が、清霞と美世を結婚させないために暗躍したように描かれていましたね

それが最終目的なのかはわかりませんが、清霞と美世の結びつきを脅威と捉えている何者かがいる、という感じになっています

 


改変で起こったこと

 

原作では、主人公は美世ということで、彼女のシンデレラ・ストーリーという感じになっています

映画では、清霞が主人公で、帝都で起こる異変に対して戦うというポジションになっていました

物語は、美世の覚醒によって、何もできなかった清霞を救うという流れを汲んでいて、主人公を変えても起こっている物語には変更はないように思えます

それゆえに、清霞の無能感というものが強調される結果になっていました

 

いわゆる「ジャニーズを主演に添える」というもので、通常ならば「王子様キャラ」が女の子を守るというものになりがちですが、本作では「女の子が男を守る」という感じになってしまいます

美世の覚醒のために「清霞」が必要で、2人の絆が深まるほどに、美世の覚悟というものが生まれるという流れになっていました

この改変が原作ファンには不評のようですね

原作未読の状態だと、「一風変わった少女漫画だなあ」という感じになりますが、このような感想が生まれることすら、ファンの怒りを買っているように思えます

 

本作だけではわからないのですが、おそらくは「美世の覚醒」によって、帝都を救う存在になり、その中で「夫婦共闘」というバディものに展開するのかな、と勝手に想像しています

美世の覚醒は暴走に近いので、それをコントロールするために清霞がいるのでしょうか

清霞の前ではお淑やか、でも一度怒らせると大変なことになる

こんな感じの物語だとしたら、弱い男子が相手(男子の中では最強クラスだけど)というのも合っているのかもしれませんね

 

個人的にはそこまで無茶な改変とは思いませんでしたが、ジャニーズが主演で「守られる役を演じる」というのは時代が変わったのだなあと思わざるを得ません

 


120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

映画はエレメントを使うシーンがまんま「既存の特殊能力作品」のような世界なのですが、この手の能力者の戦いは似たような感じになるのは否めません

本作は原作が小説なので、文章表現で能力発動を描いていますが、ビジュアライズされることになったのは、メディアミックスとしてコミカライズが発売された8ヶ月後になります

この段階で映画化の話はあったようですが、映画の能力表現はメディアミックスを前提として作者と出版社が紡いできたものになるのかなと思います

 

原作の段階で作画と分かれている作品は多くありますが、本作の場合は後追いでビジュアルが付随することになっていて、作り手も大変だったと思います

何せ、原作者の頭の中で完成されたものがあって、それを実体化させるというのは、同じ脳内で構築されて絵になったものとは一線を画します

その差異がどれくらいのものかはわかりませんが、本作の場合は「作者の脳内」と「読者の脳内」でそれぞれ描かれてきたものという前提があって、このハードルは思った以上に高いものなのですね

ビジュアライズは小説の答えになってしまう恐れがあり、それが最大の難敵であると思います

 

これが漫画が原作だと、そこに描かれている具現化されたキャラをそのままトレース&似た人を探すということができます

でも、文章を読んだイメージには個人差があるのですね

本作はそのメディアミックスの一環にある作品で、夏頃にはコミカライズから派生したアニメシリーズが始まります

このアニメ版では、今度は「実写映画でできた声のイメージ」との戦いになり、それはそれで大変だろうことは想像に難くありません

実写のキャストがそのまま声優をするという展開にはならない(現時点での主要キャストは全員違う)ので、これまたひと騒動ありそうですね

基本的には別物と考えるのが精神衛生上良いのですが、そうならないのが外野の声だったりします

もし、コミカライズに作風が寄るとしたら、もっとコミカルなものになるのかなと思っています

 

映画は、結構なガチバトルになっていたので、アニメ版のアクションシーンがどうなるのかは楽しみですね

視聴可能な機会があれば、1話くらいはトライしてみたいと思います(でもネトフリなんだよねえ)

 


■関連リンク

Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://movies.yahoo.co.jp/movie/382601/review/aaeff96c-d804-4bac-9b2b-4d43a914288c/

 

公式HP:

https://watakon-movie.jp/

アバター

投稿者 Hiroshi_Takata

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA