■TATAMI


■オススメ度

 

スポーツと政治の関係について関心がある人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2025.3.5(イオンシネマ久御山)


■映画情報

 

原題:تاتامی(畳)、英題:Tatami(畳)

情報:2023年、ジョージア&アメリカ、105分、G

ジャンル:イスラエル選手との対戦の可能性によって棄権を迫られる柔道選手を描いたスリラー映画

 

監督:ガイ・ナッティヴ&ザーラ・アミール

脚本:ガイ・ナティッヴ&エルハム・エルファニ

 

キャスト:

アリエンヌ・マンディ/Arienne Mandi(レイラ・ホセイニ/Leila Hosseini:イラン人柔道家、モデルはサイード・モラエイ)

ザーラ・アミール・エブラヒミ/Zar Amir Ebrahimi(マリヤム・ガンバリ/Maryam Ghanbari:イランの柔道代表の監督、元柔道家)

 

ジェイミー・ライ・ニューマン/Jaime Ray Newman(ステイシー・トラヴィス/Stacey Travis:世界柔道連盟の職員)

ナディーン・マーシャル/Nadine Marshall(ジャン・クレア・アブリエル/Jean Claire Abriel:世界柔道連盟の理事、トリビシ大会の運営責任者)

 

リル・カッツ/Lir Katz(シャニ・ラヴィ/Shani Lavi:イスラエルの代表選手、レイラの友人)

 

アッシュ・ゴルデー/Ash Goldeh(ナデル・ホセイニ/Nader Hosseini:レイラの夫)

メフディ・バジェスタニ/Mehdi Bajestani(アマル・ホセイニ/Amar Hosseini:レイラの息子)

 

ヴァレリウ・アンドリウツァ/Valeriu Andriuta(ヴラド/Vlad:大会の医師)

 

エルハム・エルファニ/Elham Erfani(イラン代表のアシスタントコーチ)

 

Farima Habashizadehasl(ジャスティナ/Justina:レイラの友人)

 

AryaA Hassanzadeh Bibalan(サデギ/Sadeghi:イランの大臣)

Ali Nazarian(レザ・タヘリ/Reza Taheri:イラン柔道協会の会長)

Sina Parvaneh(アジジ/Azizi:イランの外交官)

Nima Mohoammad(アミール/Amir:試合を監視する男)

Shahab Ashitari(イラン人のファンを装う男)

 

Mariam Giorgoiani(アリサベッタ/Alisabetta:?)

Tarehool Ghazizadeh(ソラヤ/Soraya:?)

 

Nino Tsiklauri(コバチ/E. Kovac:1回戦の対戦相手、ハンガリー代表)

Indira Silagadze(ゴティエ/C. Gauthier:2回戦の対戦相手、フランス代表)

Mari Makharashv(フォルティエ/A. Fortier:3回戦の対戦相手、カナダ代表)

Tetaiana Levytska-Shukvani(フェルナンデス/P. Fernandes:4回戦の対戦相手、ブラジル代表の前回王者)

Gvantsa Mtchedlishvili(シュミット/S. Schmid:5回戦の対戦相手、ドイツ代表)

Julieta Rodonaia(カピナゼ/T. Kapanadze:準決勝の対戦相手、ジョージア代表)

 

Ina Kaldani(M. Esposito:柔道選手)

Gvansta Gvaramadze(Z. Percin:柔道選手)

Natalia Kipshidze(M. Cardinale:柔道選手)

NonaN Merabishivili(M. Ashraf:柔道選手)

Mora Bigdeli(Z. Pouresmaeli:柔道選手)

Sofia Kakabadze(A. Kariko:柔道選手)

Anna Khosrvi(Mina Kathesari:柔道選手)

 

Anozori Kalaijashvili(ウォームアップエリアの職員)

Ghazal Heshmatiazar(イランの医療班)

Ali Dhyaa Abaas(WJA CCTVのオペレーター)

Yina Tin Kharshiladze(WJAの幹部)

Levani Lashkhi(WJAのセキュリティガード)

Ketevan Talakhadze(WJAの事務員)

Maia Taruahvili(審判)

Irakli Lomidze(審判)

Ludmila Peradze(審判)

Ia Zguladze(審判)

Moammad Bahrami(イランの覆面捜査官)

Hossein Zolghadribalsini(イランの覆面捜査官)

Zahra Shrifnejad(イランの覆面捜査官)

Rusudani Kupatadze(東京の審判)

Salome Makishvili(柔道選手)

Tea Sukhitashvli(柔道選手)

Lia Rogaya(柔道選手)

Mariam Mazanashvili(柔道選手)

Ani Motsikulashvili(柔道選手)

Nino Martiashivili(柔道選手)

 

ニール・アダムス/Neil Adams(本人役、大会実況)

クロエ・コーエン・ヴィカーズ/Chloe Cowen Vickers(本人役、大会解説)

Kim Hicks(本人役、PAのアナウンサー)

 


■映画の舞台

 

2019年(着想元の大会:グランプリ・フフホト、内モンゴル自治区)

ジョージア:トリビシ

世界柔道選手権

 

ロケ地:

ジョージア:トリビシ

 


■簡単なあらすじ

 

イランの柔道家レイラは、国内王者となり、ジョージアのトリビシで行われる世界選手権に出場することになった

代表の監督を務めるのは、国民的英雄でもあるマルヤム・ガンバリで、彼女は世界王者目前で、怪我のために引退を余儀なくされていた

 

レイラには夫ナデルがいて、彼との間に幼い息子アミルを授かっていた

ナデルたちは友人のジャスティナの家で試合を観戦することになり、レイラはその応援を胸に試合に臨むことになった

試合には友人のイスラエル選手シャニ・ラヴィもいて、対戦することを非常に楽しみにしていた

 

下馬評を覆すかのように勝ち上がるレイラだったが、2回戦を勝ち上がったところで、ガンバリ監督の元に一本の電話が入った

それはイランの柔道協会の会長タヘリからのもので、その内容は「イスラエルの選手との試合を避けるために棄権しろ」というものだった

 

テーマ:スポーツと政治

裏テーマ:内包されるパレスチナ問題

 


■ひとこと感想

 

実話ベースということですが、モデルの柔道家は男子選手で、かなりの改変が加わっています

大会が行われたのは2019年の内モンゴル自治区でのもので、この時の試合に参加したサイード・モラエイという選手が、不可解な敗戦をしたことから物議が醸されていました

大会終了後、イラン当局から「イスラエル人との試合をするな」というものがあり、それによって棄権するようにという命令が降ったとされています

最終的には3位で終了し、その後亡命することになり、最終的にはアゼルバイジャンの国籍を取得していて、ドイツの難民選手団に入ることになりました

 

映画は、この実話をベースにしていて、ほぼフィクションというテイストで紡がれています

ただのスポーツ映画だと思っていたら、国家総動員の妨害工作に遭っていたというもので、内容はスリラー映画に近いものでした

 

スポーツ映画としての面白さよりも、サスペンステイストの方が見応えがある作品で、どうなってしまうのかハラハラしてしまいます

この内容を一方的に観るとイラン最低となるのですが、実際には根深い問題があります

それが「イスラエル・ボイコット」というもので、中東戦争の影響によって、イスラエルの選手とは試合をしないというものでした

これが国家の指針のようになっていた部分があり、それに反することが問題視されるという部分もあったとされています

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

イスラエルの選手と戦いそうになるから棄権しろという一文で「イスラエル・ボイコット」を想起できる人向けの映画ではありますが、その問題の根深さと選手自身のスポーツに対する熱意というものが天秤にかけられる内容になっていました

選手としては全力でプレイして、国家や家族のために戦っていますが、一方で国の代表として戦っていることもあり、国家がイスラエルに対する姿勢を見せていることから反イラクにも見えてしまう側面があります

ここで、死んでもイスラエル選手に負けるな!とならないところが不思議に思いますが、国の代表同士が戦うという舞台で、イスラエルを国として認めるかという根本の問題になっっていきます

 

映画の内容だと、スポーツの世界に政治を持ち込むなという印象を持ちますが、イランが抱える問題を加味すると、違った見方になってしまうことがわかります

国の方針に従ってわざと負けるということはスポーツを侮辱することにもつながるのですが、それを国家が強要するのかどうかは別問題のように思います

国の代表として出る以上、国民の総意としての行動が求められるのですが、イスラエル・ボイコット自体を国民が支持しているのかは何とも言えないのですね

世界大会に出たら優勝して欲しいと思うことと、イスラエルと戦いそうになったら試合を避けるためにわざと負けろというのは一致はしないように感じます

 

ここまで問題がこじれていると、そもそも大会に出ない方が良いのではと思ってしまうのですが、イスラエルを国として認めているところもあればそうではないところもあって、一筋縄では行かないところがあります

それでも、試合の主催者が出場を認めている以上、国家戦略を最優先させるのならば、イスラエルの選手が出る大会には最初から出ないということを徹底した方が良いと思うのですね

でも、そうなるとイランのスポーツ産業は立ち行かなくなると思うのですが、可能性があるから八百長をするという方がスポーツに対して失礼な部分があると思います

 


■モデルについてあれこれ

ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください

 


■難民選手団について

ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください

 


■120分で人生を少しだけ良くするヒント

ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/100332/review/04844695/

 

公式HP:

https://mimosafilms.com/tatami/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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