■もしかして、ビースト覚醒というのは、プライムの本性が出るという意味だったのかもしれません


■オススメ度

 

シリーズのファンの人(★★★)

でっかいロボットが好きな人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日2023.8.4(MOVIX京都 ドルビーシネマ 3D


■映画情報

 

原題:Transformers: Rise of the Beasts(トランスフォーマー:野獣の目覚め)

情報2023年、アメリカ、127分、G

ジャンル:惑星を飲み込むほどの脅威に立ち向かうロボット&人間を描いたファンタジーアクション映画

 

監督スティーブン・ケイブル・Jr

脚本ジョビー・ハロルド&ダニエル・メテイヤー&ジョシュ・ピーターズ&エリック・ホーバー&ジョン・ホーバー

 

キャスト:

アンソニー・ラモス/Anthony Ramos(ノア・ディアス:ブルックリン在住の元軍用電子機器の専門家)

ドミニク・フィッシュバック/Dominique Fishback(エレーナ・ウォレス:博物館のインターン、研究者になるのが夢)

 

ルナ・ローレン・ヴェレス/Luna Lauren Vélez(ブレアンナ・ディアス:ノアの母)

ディーン・スコット・バスケス/Dean Scott Vazquez(クリス・ディアス:ノアの弟、鎌状赤血球症罹患者)

 

トービー・ヌウィグウェ/Tobe Nwigwe(リーク:ノアの悪友)

サラ・スタイルズ/Sarah Stiles(ジリアン・ロビンソン:エレナの手柄を奪う上司、博物館職員)

レニ・パーカー/Leni Parker(グリーン女史:治療費を催促する病院の管理者)

エイダン・ディヴァイン/Aidan Devine(ビショップ:ノアが面接を受ける警備会社の責任者)

 

【オートボット】

ピーター・カレン/Peter Cullen(オプティマスプライム:地球に身を潜めているレジスタンスのリーダー、FLAセミトラック)

ピート・デヴィンソン/Pete Davidson(ミラージュ:オートボットの変幻自在のスパイ、ノアと仲良くなる)

ライザ・コッシー/Liza Koshy(アーシー:オートボットのスナイパー、ドゥカティ916バイク)

ジョン・ディマジオ/John Di Maggio(ストラトスフィア:オートボットの航空兵、フェアチャイルドC-119)

クリスト・フェルナンデス/Cristo Fernández(ホイールジャック:オートボットの科学者&整備士、フォルクスワーゲン)

音声合成(バンブルビー:オートボットの偵察兵、シボレーカマロ)

 

【マクシマル】

デヴィッド・ソボロフ/David Sobolov(エンプリンク:マキシマルのリーダー、マウンテンゴリラ)

ロン・パールマン/Ron Perlman(オプティマスプライマル:マクシマルのリーダー、ニシローランドゴリラ)

ミシェル・ヨー/Michelle Yeoh(エアレイザー:マキシマルの戦士、ハヤブサ)

デヴィッド・ソボロフ/David Sobolov(ライノックス:マキシマルコマンドー、シロサイ)

トンガイ・チリサ/Tongayi Chirisa(チーター:マキシマルの戦士)

 

【テラーコン】

ピーター・ディンクレイジ/Peter Dinklage(スカージ:ユニクロンの忠実な部下、テラーコンのリーダー、ピータービルト359)

デヴィッド・ソボロフ/David Sobolov(バトルトラップ:テラーコンの戦士、GMC、Tpokick C7000 レッカー車)

ミカエラ・ジェイ・ロドリゲス/Michaela Jaé Rodriguez(ナイトバード、テラーコンの戦士、日産スカイラインGT-R R33)

コルマン・ドミンゴ/Colman Domingo(ユニクロン:テラーコンのリーダー、惑星を喰らう絶対的君主)

音声合成(スイープ:テロコンの軍隊、フリーザー&ノボコイン)

音声合成(スコープノクス:ロボットサソリの軍隊)

 

【ペルー:アマル族】

ルーカス・ワランカ/Lucas Huarancca(アマル:マクシマルズを助ける部族の長)

Amiel Cayo(アマルの息子)

Santusa Cupita(アマルの妻)

Yesenia Iquillay(アマルの祖母)

Sumac T’ika(アマルの孫)

Josue Sallo(アマルの孫)

Melissa Alvarez(アマルの小さい娘)

Gloria Cusi(アマルの親族)

 

【その他】 

マイケル・ケリー/Michael Kelly(バーク捜査官)

レスリー・スタール/Lesley Stahl(本人役)

 

【吹き替え版】

中島健人(ノア・ディアス)

仲里依紗(エレーナ・ウォレス)

玄田哲章(オプティマスプライム)

藤森慎吾(ミラージュ)

ファイルーズあい(アーシー)

武内駿輔(ホイルジャック)

チョー(ストラスフィア)

子安武人(オプティマスプライマル)

本田貴子(エアレイザー)

高木渉(チーター)

大塚明夫(エイプリンク)

飛田展男(スカージ)

柚木涼香(ナイトバード)

三宅健太(バトルトラップ)

山路和弘(ユニクロン)

 


■映画の舞台

 

1994年、

アメリカ:ニューヨーク州

ブルックリン

 

ペルー:マチュピチュ

https://maps.app.goo.gl/c77AkLDghePzjuRQA?g_st=ic

 

ロケ地:

アメリカ:ロサンゼルス

 

ペルー:マチュピチュ

 

ペルー:クスコ

https://maps.app.goo.gl/Sjo6Qty57YSSetaq5?g_st=ic

 

ペルー:タラポト

https://maps.app.goo.gl/uocd1AaopXWbCXrp9?g_st=ic

 

ペルー:サンマルティン

https://maps.app.goo.gl/9obfwTPV2FZRzYTVA?g_st=ic

 


■簡単なあらすじ

 

太古の昔、銀河系から遥か彼方の惑星では、ユニクロンによる侵略が起きていて、対抗するマクシマルのリーダー・エイプリンクは、オプティマスプライマルたちにトランスワープ・キーを託して犠牲になった

 

それから長い年月が過ぎた地球では、弟クリスの治療費のために働き口を探しているノアがいたが、どこも雇ってももらえず、悪友リークの甘い話に誘われてしまう

それは、高級ホテルの駐車場にずっと停まっているポルシェを盗み出すことで、ノアは金のために実行犯になることを決意する

 

一方その頃、博物館ではインターンのエレーナが「ハヤブサの形をした謎のオーパーツ」の研究に勤しんでいた

それを調べていると、外殻のようなものが剥がれ落ち、中からは不思議な光を放つ物体が入っていた

それが、マクシマルたちが守ってきたトランスワープ・キーだったのである

 

テーマ:一人の力とみんなの力

裏テーマ:リーダーの資質

 


■ひとこと感想

 

アニメ時代の『トランスフォーマー』からの生粋のファンで、『ビーストウォーズ』に関しては年齢もあってスルーした世代でしたが、胸熱の展開が続いていきます

古代の遺跡から謎のオーパーツが見つかり、それによって地球にピンチが訪れます

身を隠していたオートボットもそのエネルギーを感知し、それぞれが目的にためにキーを奪い合う展開になっていました

 

映画は、CGアクションをどう楽しむかという内容だったので、迷わずにドルビー3Dの最前列で鑑賞

爆音と機械音、チョイスされるゴキゲンなナンバーで大満足の2時間でしたね

なお、物語はうーんという感じですが、端折り過ぎている部分があるのかなと思います

 

キーをどうするか問題とリーダーとはどうあるべきかという難題が降りかかり、オートボット代表VS人類の代表が運命を凌ぎ合うという展開になっていましたね

ある意味、ノアがリーダーになるための第一歩を歩み出したという感じで、人間側の主人公の誕生譚のようにも思えます

物語は予定調和でオチまで見えてしまう系ですが、映像を楽しめればそれでOKなのかなと思いました

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

『バンブルビー』の前日譚に相当する内容(思いっきりリブートですが)で、新シリーズの幕開けという感じになっていました

共通の敵がいるのに「二兎を追う」ことで事態を悪化させてしまうという流れで、このあたりのシナリオはかなり低年齢向けに作られていました

疑問を感じることが大人への第一歩という感じで、疑問を抱かずに素直に観られる時代に戻りたくもなってしまいます

 

映画は、迫力の映像と音響を楽しむ映画で、わかりやすい英雄譚をなぞっている感じになっています

共闘しているはずなのに目的が違ったりして、それが事態を悪化させながら、それぞれが追い込まれて戦意を失ってしまいます

そんな状況を変えるのが病弱の弟という設定になっていて、これまたかなりベタな展開になっていましたね

 

結局のところ、故郷に帰るよりもユニクロンを封じ込めるという感じになっていて、犠牲者も出るけど謎のパワーで生き返るというようなシーンも多くあります

ゴリゴリの伏線を張りまくっているのでブレがありませんが、先が読めるので後半の戦闘シーンまでは退屈に思えるかもしれません

それでも、そこをくぐり抜けた先で、大迫力の戦いを堪能することができます

そこまで、何とか頑張ろうという感じの映画になっていますね

 


リーダーとは何か?

 

本作には、4人のリーダーが登場します

オートボットを率いるオプティマス・プライム、マクシマルを率いるエイプリンク、世界を滅ぼそうとするユニクロン、そして即席チームのリーダとなるノアの4人です

ノアは人間代表というわけではなく、単に巻き込まれた末に決断を下す人物ですが、人間&オートボット&マクシマルのチームにおいて、プライムよりもリーダー性を発揮しています

プライムのリーダーの資質はプライマルに心配される程のもので、それがノアとの共闘の中で育っていくように描かれています

 

リーダーの資質には様々なものがありますが、最終的には「決断力」というものがウエイトを占めるのだと考えられます

様々な意見を汲み取りながら、組織にとっての最良の選択をするというもので、そのためには「目的の共有」というものが必要になっています

本作では、プライムとノアの間で目的が重なっておらず、マクシマルにはリーダーがいません

なので、プライムとノアのシーソーゲームにマクシマルは巻き込まれていることになります

そして、このバランスが崩れているために、スカージに出し抜かれることになってしまいました

 

このような物語の場合、往々にして、敵側のリーダーは明確な目的を有し、その命令伝達系統は確立されています

それゆえに強固で打ち破るのが難しく、主人公側は様々な目論見と個人的な感情によって、右往左往し、犠牲を払いながら団結していくという流れになりがちだと思います

犠牲になるのはバンブルビーとエアレイザーで、バンブルビーは早すぎる退場から「復活するんだろうなあ」というのは読めてしまいます

でも、エアレイザーの方が復活できない理由は映画では描かれていないので、『トランスフォーマー』の世界観ルールを知らないと意味不明な感じになっています

一応は、「壊れてもいいけど、錆びたらダメ」らしいのですが、映画を見る限りは「敵側に侵食されて、精神が破壊されたらアウト」のように見えてしまいます

 

結局のところ、リーダーの判断が甘いために犠牲が出るというテンプレートがあって、それによって「切羽詰まって団結」というありきたりな内容になっています

故郷に帰る術を無くすことを恐れるプライムですが、その未練が判断を鈍らせているのですね

でも、大局を掴めていないというのが最大の原因で、ノアの方が危機管理能力には長けていて、リーダー向きのような感じがしました

 


勝手にスクリプトドクター

 

本作は、ビーストも登場する映画なのですが、基本的に群像劇のような感じになっていて、物語の主軸というものがはっきりしていません

物語の核となるのは、ユニクロンの侵略で、それをどう止めるかというのもメインになっておらず、トランスワープ・キー探しをしているのが前半のパートになっていました

冒頭でマクシマルの惑星の顛末が描かれていましたが、その後彼らが地球に来たシーンもなければ、エアレイザーとプライマルが別行動に出ていた経緯も一切ありません

このあたりの物語導入の前提説明がなく、それよりも人間パートを重視していたので、前半のテンポは思った以上に悪かったりします

 

映画のプロローグはマクシマルの惑星脱出なので、第一幕は古代の地球に彼らが到着するシーンになります

その場所の一つがニューヨークの博物館なので、古代のニューヨークのある場所に宇宙船が飛来して、そこから数千年以上のニューヨークの変化をCGで描きながら、ノア(あるいはエレーナ)の日常にバトンタッチするという流れが必要になります

物語の主人公はノアなので、彼の日常の中で「博物館の警備員の面接に来るけど断られる」というシークエンスを挿入し、その時にエレーナとの接近もしくは出会いを描くことで唐突感というものが減ります

 

ノアの働き口が無い問題はあまり意味がなく、そのまま博物館で働いていてもOKで、やりたいことがあるけどクリスの治療費の捻出のために警備員をしているでもOKでしょう

そこから、ミラージュとの出会いがあり、博物館への侵入を試みることになるので、博物館に全く行ったことが無い人物に侵入させるよりは難易度が落ちます

ノアは博物館への入り方がわからないのですが、作戦の際は堂々と正面から入ることになっていて、そりゃ無茶だろうと思っていました

人間パートはノアとエレーナに分かれているので、それぞれを別に描く必要があるのですが、どちらもテンプレっぽい背景しか無い割には長めになっているのが難点かなと思います

 

物語のメインはマクシマルたちがオートボットたちと出会うというもので、本作ではオートボット側がいつ地球に来たのかは描かれていません(前作までとはリブートのようなので、設定の継続は無いと考えます)

時代設定としては、マクシマルの方が先に地球に来ていて、そのあとオートボットが来るのですが、マクシマルたちがプライムを尊敬する戦いというものが何かはわからないのですね

地球に来たプライムたちが何らかの戦いをしていて、その勝利を知っているということなのだと思いますが、その規模もわからなければ、マクシマルたちが守ろうとしているトランスワープ・キーの存亡に関わる事態だったのかもわかりません

マクシマルたちがプライムが来た時点でどのような状態だったのかは、映画を見る限りは「ペルーにすでに生息している」というものなので、マクシマルの視点を主体にするならば、プライムたちの来訪時を描いていく必要はあります

本作では、そのあたりはザックリと削られているので、リブート元から想像してね、というかなり無茶なシナリオになっていました

 

物語としては王道のテンプレなので、予定調和ではあるものの、この流れを無理に変える意味は無いと思います

でも、最終決戦において、いきなりトランスフォームするマクシマルのシーンはもう少し丁寧に描いてもよかったと思います

新シリーズはマクシマルとオートボットが共闘する流れになるのかなと思いましたが、最後はマクシマルはペルーでそのまま生活を続けるようだし、瞬間的に手を組んだだけ、みたいな感じになっています

これで良いのかは分かりませんが、映画だけだと「今回だけ」みたいに見えるのは、あまり良いシナリオとは言えないのでは無いでしょうか

 


120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

個人的には初期のテレビアニメからのファンで、実写化に関しては全部観ています

本シリーズの醍醐味は変形シーンで、当初のシリーズでは変形シーンだけでチケット代の元が取れるという感じですが、徐々におざなりな感じになっています

今回はリブートでもあるし、ビーストも登場するので期待していましたが、彼らの変身シーンがちょこっとだけと言うのはかなり不満でしたね

もっと、「え? そうやって変形すんの?」と驚けるようなシーンで見せ場を作って欲しかったと思います

 

オートボットを含むトランスフォーマーが変形しているのは、地球で隠れるための擬態で、都会にいるオートボットは乗り物に変形しています

同じような理由でマクシマルたちも動物の姿をしているのかと思いましたが、母星でもあのまんまでしたね

母星は彼らの住処だとしたら、彼らが変形する理由って何なんでしょう

地球に来て、ジャングルだから動物に擬態しているというのは理解できても、母星でもそのままなので、それが本来の姿ということになります

となると、マクシマルの変形は「戦闘モードに入る」ということになるので、オートボットの変形とは意味が違うことになります

 

彼らが別の種族なのか、実はルーツが同じなのかは今後語られると思うのですが、整合性を考えるのなら、プライムたちと同じ惑星に住んでいて、地球以外の生命のいる星に移住したということになるでしょう

そこでの環境適応や擬態によって今の形になっていて、地球に来たときも「自分たちの擬態に近い場所」を選んだ結果、ペルーに行き着いたのかなとも考えられます

彼らが地球に来たのははるか昔のことで、その時には現代のような車両は無いので、動物に擬態すること自体はおかしいとは思えません

 

このあたりのマクシマルの過去はこれから描かれると思うのですが、ロボット側の主役はプライムで変わらないと思うので、戦いのたびに「マクシマルの生活も脅かされるから」という理由で駆けつけることになるのかもしれません

このあたりは次回以降に持ち越されますが、ポストクレジットにあるように、次作は『G.I.ジョー』絡みなのですね

なので、より一層ビーストの出番がなくなってしまうのでは無いかと思うので、少しばかり複雑な感じになってしまいます

 


■関連リンク

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公式HP:

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投稿者 Hiroshi_Takata

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