■真珠(Margret)から生まれたのが、征服(Damian)と夜(Layla)というのは、ホラーっぽくて面白いですね
Contents
■オススメ度
シリーズのファンの人(★★★)
悪魔が怖い人(★★)
■公式予告編
鑑賞日:2024.4.5(イオンシネマ京都桂川)
■映画情報
原題:The First Omen
情報:2024年、アメリカ、118分、PG12
ジャンル:アメリカからローマに来た修道女が奇妙な出来事に襲われる様子を描いたホラー映画
監督:アルカシャ・スティーヴンソン
脚本:ティム・スミス&アルカシャ・スティーヴンソン&キース・トーマス
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キャスト:
ネル・タイガー・フリー/Nell Tiger Free(マーガレット・ダイノ:アメリカからローマに来る修道女)
ラルフ・アイネソン/Ralph Ineson(ブレナン神父:マーガレットに警告する神父)
ソニア・ブラガ/Sonia Braga(シルヴァ:ヴィッツァデリ修道院の院長)
(若年期:Milena Bozic)
マリア・カバレロ/Maria Caballero(ルス:ルームメイトの修道女)
Ishtar Currie-Wilson(シスター・アンジェリカ:カタリーナと仲のいい修道女)
Nicole Sorace(カタリーナ・スキアンナ:修道院の年長の少女)
ビル・ナイ/Bill Nighy(ローレンス:マーガレットをローマに連れてきた枢機卿)
タウフィーク・バルホーム/Tawfeek Barhom(ガブリエル:若き神父)
Charles Dance(ハリス神父:ブレナンを突き放す老神父)
Anton Alexander(スピレット:過去に因縁を持つ神父)
Michelangelo Dalisi(ルカ:修道院の運転手)
Dora Romano(シスター・ロマノ:修道女)
Federica Santoro(煙草を吸う修道女)
Donatella Bartoli(修道女)
Marial Bajma-Riva(修道女)
Dobrila Stojnic(泣き喚く修道女)
Ljiljana Zujic(残酷な修道女)
Eva Ras(怒り狂う修道女)
Andrea Arcangeli(パオロ:バーのナンパ男)
Guido Quaglione(アルフォンゾ:パオロの連れ)
Mia McGovern Zaini(ベアトリス:少女)
Charita Cecamore(赤毛の少女)
Eugenia Delbue(修道院で出産する妊婦)
Nicola Garofalo(産科医)
Mario Opinato(医師)
Sylvia Panacione(看護師)
Daniela Barra(看護師)
Alessandra Fallucchi(看護師)
Rachel Hurd-Wood(キャサリン・ソーン:ダミアンを育てることになる女性)
Marcello Paesano(クラブのウェイター)
Giacomo Henri Dossi(博物館の警備員)
Alberto Tierrez(司祭)
Miodrag Rakocevic(影)
Andjelko Pavloviç&James Swanton(ジャッカルの中の人)
Ema Nastic&Mina Knezevic(生まれてくる女の子)
Lana Stanojevic&Mateja Nesovic(ライラ:生まれてくる女の子)
Borislav Bogosavac(足場作業員)
Dejan Dragosavac(足場作業員)
Darko Corovic(足場作業員)
Strahinja Despic(足場作業員)
■映画の舞台
イタリア:ローマ
ヴィッツァデリ修道院
ロケ地:
イタリア:
ビデルボ/Viterbo
https://maps.app.goo.gl/Fvu8iGjB9vE1CJNn8?g_st=ic
イタリア:ローマ
Villa Parisi
https://maps.app.goo.gl/LsoBnwgmki4TyPNy7?g_st=ic
■簡単なあらすじ
アメリカからイタリアのローマにやってきた修道女見習いのマーガレットは、懇意にしてくれるローレンス枢機卿の計らいで、ヴィッツァデリ修道院に入ることになった
ルームメイトには、同じく実習生のルスがいて、彼女は正式な修道女になる前に、人生を満喫したいと考えていた
ルスに連れられて行ったクラブにて、パオロと言う男性と出会ったマーガレットだったが、突如気を失ってしまい、気づけばベッドの上だった
ルスは連れて帰るのは大変だったと言うものの、それ以上は言及しない
修道院では、出産に困っている人の手助けをしていて、孤児たちの面倒も見ている
そんな中、素行の悪さから「悪い子の部屋」に入れられるカタリーナと言う少女は不思議な絵を描き、マーガレットは彼女を気にかけていく
だが、修道院長のシルヴァは「彼女とは関わらないように」と強く念を押すのである
そんな折、カタリーナと仲の良かったシスター・アンジェリカが全身を炎で焼き、頭身自殺をしてしまうのである
テーマ:凝縮された悪意
裏テーマ:すべては掌の上
■ひとこと感想
初代『オーメン』は生まれて直後ぐらいなので鑑賞することもなく、聞き伝えて「怖いホラーがある」と言うのを知っているぐらいでした
オーメンといえば「666」で、この数字が悪魔の数字として有名なのも知っていますが、詳しいことは知りません
そんな中、いきなり古典の前日譚が映画化になると言うことで、事前知識ほぼゼロの状態で鑑賞することになりました
どれぐらい怖いのかなあと最前列で身構えていましたが、事のほか怖さを感じず、ややグロいと言う印象しか残らさなったですね
物語としては、訳あり修道女が実はと言う内容で、本作では「誰がダミアンを生むことになったのか」と言うのを引っ張っていたように思えます
途中まではカタリーナのように思えてきますが、と言うミスリードもありつつ、最後は『エイリアン』みたいな感じになっていたと思います
初代ファンとして、あれはOKなのかどうなのか、ちょっと気になってしまいますねえ
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
久しぶりに大画面のほとんどにモザイクがかかると言う内容になっていて、出産シーンで肝心な部分を完全に隠していたのはびっくりしました
あのアングルにこだわった理由は分かりませんが、日本以外だとモザイクがないのかもしれません
でも、あのシーンを見たら、今後セックスできなくなるんじゃないだろうか、と思ってしまいましたね
映画は、往年の名作の前日譚と言うことで、初代のシリーズを知らなくても問題ないと思います
ダミアンがどのようにして生まれたのかとか、誰が産んだのかと言うのが本作の骨子で、いくつかの候補を前半で散りばめていましたね
でも、それをミステリーにする要素はほとんどなかったように思えました
物語は、ある曰くつきの修道院の過去から続く因縁があって、その時が来たのでマーガレットが呼ばれたと言う感じになっています
ローレンスが「我が娘」と言ったいたのですが、あれはそのまま「親子」と受け取っていいのか悩んでしまいましたね
また、ラストでは「ダミアン」がある人物のもとに届けられる(すり替え)のですが、その相手が初代へと続くと言う感じになっていました
この辺りは初代を見ていなくても、なんとなくわかる感じになっていて、さらに「ダミアンと名付けられた」と誰にでもわかるように説明していたのは何とも言えない空気感になっていましたね
誰が見てもわかるやんと言う感じで、蛇足すぎて噴きそうになってしまいました
■そもそもダミアンとは何か
ダミアンは『オーメン』シリーズの男の子の名前で、悪魔の子どもという意味合いが強いキャラクターとなっています
ダミアン(Damien)の語源はギリシャ語の「ダミアノス」で、意味は「飼い慣らす」「征服する」という意味があります
ギリシャの豊穣の女神デメテルに含まれる形容詞「ダミア」と関連づいているとも言われています
シチリアの聖人ダミアノス(Damiano)という人物がいて、彼は「医学の聖人」として、コスマス(Cosmas)という双子の兄弟がいました
この二人は共に医師であり、ディオレクティアス帝の帝国下にて殉教した第一世代の一人とされています
彼らは治療と引き換えに金銭や物品を望まなかったため、アナルギュロイ(Ἀνάργυροι=お金なし、無報酬で医療を行う者の意)というあだ名で呼ばれていました
様々な伝説がありますが、「兄弟、双子、医者」というワードは漏れなく付随し、「癒し」と「奇跡」を行ってきたとされています
『オーメン』のキャラのイメージが強いのですが、実際には聖人の名前なので、ニュアンスがかなり違いますね
初代のキャラとしてのダミアン・ソーンは、反キリストとして生み出されたものでした
本作では、彼が生まれるまでの経緯を紐解く流れになっていて、前半は「誰が母親なのか」という伏線を張っていたように思います
マーガレットは「巻き込まれる側」というテイストで描かれ、そこにはカルリータと呼ばれるそれっぽい女性が登場していました
実際には、マーガレット自身が「悪魔の子ども」を産むためにあの場所に呼ばれていて、ローレンス枢機卿は「娘」と呼んでいました
実子なのかは分かりませんが、彼の計画のために産み出されたものであることは間違い無いのだと思います
■「666」について
ダミアンが生まれたのが6月6日朝6時となっていて、その後孤児として、駐英アメリカ大使ロバート・ソーンの養子となっています
映画のラストにその妻キャサリンが登場し、ダミアンを受け取っているシーンが描かれていました
この「666」が不吉な数字とされている所以は、キリスト教の新約聖書の黙示録の第13章にて、「獣の数」と呼ばれているところだとされています
新約聖書のテクストゥス・レセプトゥスの写本では、黙示録の中で「人の数」という暗号として扱われてきましたが、現代の大衆文化では「反キリスト」「悪魔のシンボル」として認識されています
特に終末論者、反キリスト教のサブカルチャーで広く流布されていて、これに言及する参考文献はたくさんあります
この他には、「666」はソロモンが毎年集めたお金の数であるとか、戻ってきたバビロン捕囚の子孫の数であるとか、ローマ皇帝ネロの暗号である、と言ったものまでたくさんあります
「666」が怖いのは、(Hexakosioihexekontahexaphobie=ヘキサコシオイヘクセコンタヘキフォビア)と呼ばれるのですが、これはギリシャ語でそのまま「数字666への恐怖」という意味で、このような言葉まで作り出しているのですね
ちなみに、「旧約聖書の666番目の単語は「אֵ֖ת」(エト)で、「あなた」という意味があり創世記1章2節に登場」「新約聖書の666番目の単語は「καὶ」(カイ)で、「そして」を意味し、マタイ2章10節に登場」するのだそうです
また、「「אֵ֖ת」という単語は、ヘブライ語旧約聖書に約 12,570 回出現」し、「「καὶ」という言葉は、ギリシャ語新約聖書に約 9,190 回登場する」のだそうです
何か見つかるかなと思ってChat GPTに聞いてみましたが、何もありませんでした
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
本作は、シリーズものの前日譚ということで、最近のブームに乗っかっている部分があります
新しいネタが提供できないこともありますが、コンテンツの量が異常に増えて、しかも新しいものを生み出す余地というものがほとんどなくなっています
その為か、すでにファンが根付いていて、派生を作りやすい古典を焼き直すという傾向が生まれています
『オーメン』に関しては、すでにキャラが出来上がっていて、その前日譚を作ることで、パラレルワールドの分岐点を作ることになりました
本作のラストでは、ダミアンが無事に誕生し、彼には妹ライラがいることがわかります(IMDBのキャスト情報には「Baby Layla」と書かれています)
このライラという言葉の語源は「アラビア語の「ليلى」で、意味は「(大陰暦月末の真っ暗な)夜」という意味があります
双子の女の子も不穏な意味を持った名前になっていますが、映画の中では名前は明言されていませんでしたね
今後のシリーズ化を見据えてシークレットで名前を決めているのでしょうが、エンドロールに載せたらダメやんと思ってしまいました
ちなみにダミアンの方は「新生児」「乳幼児」表記で、映画で名前が出ているのに「ダミアン」となっていないのは不思議でしたね
そこは隠すのに、こっちは隠さないのかい!と思わず突っ込んでしまいました
そこまで観ている人は少ないと思いますが、映画のエンドロールの並びにはいくつかの法則があるので、それを知っておくと「あのキャラ演じたのは誰?」と疑問に対して「アテ」というものがわかるようになります
本作の場合は「In Credit Order(クレジットの順に)」という並びで、主演級が一通り登場した後は「出てきた順番」に並んでいきます
これとは逆で、「In Order Of Appearance(登場順に)」というものがありますが、こちらは主演とか関係なく「出てきた順番」に並んでいます
IMDBのキャスト欄にもこの表記があるので参考にしてみてくださいね
ちなみにIMDBには「Credit」にないキャストも載っていることがあるので、そちらも参考になると思います
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/101121/review/03683290/
公式HP:
https://www.20thcenturystudios.jp/movies/omen-1st