■犯罪との距離感を作りつつ、解決を身近にする難しさと言うものがサイバー犯罪にはあると思います


■オススメ度

 

シリーズのファンの人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2024.9.30(MOVIX京都)


■映画情報

 

原題:범죄도시4(犯罪都市4)、The Roundup:Punishment(一斉検挙:懲罰)

情報:2024年、韓国、109分、PG12

ジャンル:ソウル広域警察隊の活躍を描いたアクション映画

 

監督:ホ・ミョンヘン

脚本:オ・ソンホ

 

キャスト:

マ・ドンソク/마동석(マ・ソクト:ソウル公式警察庁、広域捜査隊の刑事)

 

キム・ムヨル/김무열(ペク・チャンギ: 元韓国特殊部隊の隊員、フィリピンに潜伏しているチンピラ)

 

イ・ドンフィ/이동휘(チャン・ドンチョル:韓国のIT企業「QMホールディングス」のCEO)

 

パク・ジファン/박지환(チャン・イス:チャイニーズマフィア「イス組」の元組長、ソクトの使いっ走り)

 

【ソウル地方警察広域捜査隊】

イ・ボムス/이범수(チャン・テス: 広域捜査隊の隊長、ソクトの上司)

キム・ミンジェ/김민재(キム・マンジェ:広域捜査隊の刑事、ソクトの右腕)

イ・ジフン/이지훈(ヤン・ジョンス:広域捜査隊のベテラン刑事)

キム・ドガン/김도건(チョン・デビッド:最年少の刑事)

 

チョン・インギ/정인기(イ・サンギョ:ソウル警察の次長)

クォン・イルヨン/권일용(ソウル警視庁の長官)

 

パク・ホギョン/박보경(ジン・ヨンホ:国立科学研究院のソウル研究所の所長)

 

【ソウル地方警察庁サイバー捜査班】

イ・ジュビン/이주빈(ハン・ジス:若手の女性刑事、主任)

キム・シンビ/김신비(カン・ナムス: 若手の男性刑事)

 

【チャン・イス関連】

イム・ソア/임서아(チャン・イスのガールフレンド)

メーガン/Megan(チャン・イスのガールフレンド)

イ・ハンソル/이한솔(部下)

ホン・サンウ/홍상우(部下)

 

【皇帝カジノ関連】

キム・ジフン/김지훈(チョ・ジフン:皇帝カジノの代表、チャンギの右腕)

アン・ソンボン/안성봉(ジェイソン:チャンギの傭兵)

リュ・ジフン/류지훈(イ社長:皇帝カジノの管理人)

ペ・ジェウォン/배재원(チェ・ユソン:古着仕入れ業者の社長、資金洗浄係)

ジョン・ウク/정기욱(カジノの従業員)

 

【韓国のマフィア】

ヒョン・ボンシク/현봉식(クォン・テウン:QMホールディングスと取引をする裏社会のボス)

キム・ミュンギ/김명기(コ・ジェヒョク代表: コインの話を持ちかける金融ヤクザ)

 

キム・ヨンウン/김영웅(アン社長:縄張り争いをするソウルのカジノ経営者、ソクトの友人)

クァク・ジャヒョン/곽자형(セン社長:縄張り争いをするソウルのカジノ経営者、ソクトの友人)

 

【その他】

ペク・スンファン/백승환(チェ・ソンジェ:事件の被害者、ソフト開発者)

ペ・ヘソン/배해선(パク・ソンジュ:ソンジェの母)

 

キム・スジン/김수진(キム・ジンスク:ソクトの先輩の妻、焼肉屋さん)

イム・ソユル/임소율(ソユル: ジンスクの娘、小学生)

 

チョン・ソホ/정서호(コイン審査官)

ニコ・アントニオ/Nico Antonio(フィリピン警察)

 

キム・ホジュン/김호준(セールスマン)

チョ・ジンチョル/조진결(病院の刑事)

チョ・ジンヒョン/조진형(支援刑事)

ぺ・ジョハ/백종학(支援刑事)

チェ・ヒョンド/최현도(支援刑事)

カン・ジュンソク/강준석(接見室の刑事)

チョン・ユジン/정유정(交通警察)

キム・ソンムル/김선물(探偵)

ギ・ドビャル/길도별(密売人)

ジュ・ソギン/주석인(密売人)

パク・グンヒョン/박근형(密売人)

イ・サンジン/이상진(麻薬密売組織の黄色い髪の男)

ヒ・ソンジン/희송진(麻薬犯)

カン・ジョンヨン/강전영(麻薬犯)

チョン・ソンヨン/정지영(葬儀屋)

コ・ソジョン고서정(葬儀屋)

カン・シンチョン/강신청(投資家)

キム・ヒョングク/김형국(投資家)

ジュ・ミジン/주미진(客室乗務員)

ギ・アヒ/기아희(記者)

キム・シヨン/김시영(ニュースアンカー)

ミン・ヒョギョン/민효경(ホテルの清掃員)

パク・ヒョンジン/박현진(ディーラー)

カン・ジヨン/강지연(ディーラー)

ジ・ジアン지지안(ディーラー)

ウ・ジヨン/우지영(回収業者)

キム・イェソ/김예소리(回収業者)

 


■映画の舞台

 

韓国:ソウル

 

ロケ地:

韓国:ソウル

 


■簡単なあらすじ

 

韓国のソウルでは、広域捜査隊のソクトが睨みを効かせていて、事あるごとに強靭な肉体を駆使して、犯人を鎮圧していた

彼の日常は街のいざこざを解決するというもので、チーム長のテス兄貴、右腕的存在のマンジェ、ベテランのジョンス、新人のデビッドたちで事件に挑んでいた

 

一方その頃、フィリピンにて、チョ・ソンジュという青年の遺体が見つかる

その遺体を解剖すると、ナイフのようなもので刺殺され、さらに20キロ以上も体重が減っていることがわかった

ソンジュはネットカジノなどの元になるプログラムを開発した人物で、それを受けて、ソウルのサイバー捜査隊のハン・ジスとカン・ナムスも事件に加わることになった

 

ソクトは情報屋を通じて、「オンラインカジノに手を出して失敗した男の情報」を掴む

それは、かねてより使いっ走りのような存在になっていた、元チャイニーズマフィアのチャン・イスだった

イスが捜査に協力するようになり、オンラインカジノの実態がわかってくる

そんな折、「皇帝カジノ」と呼ばれる独占的に儲けているカジノを見つけることに成功したのである

 

テーマ:仁義と約束

裏テーマ:殺さない程度に殴り倒すこと

 


■ひとこと感想

 

シリーズをずっと観てきたので、結構早いペースで最新作が上映になったなあと思っていました

どうやら続編も制作に入っているようで、5~7作目までは視野に入っているようですね

今回もソクトが暴れるのを堪能するという内容で、どんな敵をどのように倒すのか、というのが本筋になっていたと思います

 

今回は、サイバー犯罪が相手ということで、その専門家が登場する流れになっていましたが、最後の乱闘には絡んできませんでしたね

紅一点が実はめっちゃ強いとかはなくて、サイバー課はその業務に徹していて、いつの間にか、いつのもメンバーがはっちゃける内容になっていました

 

ほぼ主人公級のイスが面白くて、バッジの流れは腹を抱えてしまいましたね

FDAの意味を知らなくても、それが警察のものではないことは誰にでもわかったりします

この流れにツッコミを入れずに静観しているハン・ジスの表情にツボってしまいました

また、カジノ潜入捜査でも良い味を出していたように思います

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

基本的に悪党が登場してコテンパンにやっつけるという内容で、その爽快感を楽しむシリーズとなっています

今回の敵は元特殊部隊のナイフ使いですが、ナイフがなければただの人みたいな感じになっていました

この手の無双ものは「どこまでピンチになるか」とか、「どれだけ不利な状況を跳ね返すのか」が焦点になるのですが、相手が不利な状態という、なんとも微妙な感じになっていました

 

シリーズ4作目なので、これまでに登場したキャラがところ狭しと登場するので、さすがに観ておいた方が良い案件であると思います

縄張り争いの二人はどっちでも良いのですが、イスとの関係については必須案件でしょう

それでも、劇中内で「過去に痛い目にあった人物」ということはわかるのと、かなり頭が悪いけど金儲けはうまいことは察することができるので問題ないのかもしれません

 

映画は、オンラインカジノの闇という感じに描かれていて、フィリピンで奴隷のようにプログラマーを監禁している様子が描かれます

24時間不眠不休のような管理体制になっていて、そのうちの一人が逃げたことで事件化しているという感じになっています

最終的には警察がカジノを作っておびき寄せることになっていますが、お金はちゃんと返したのか気になってしまいますね

 


無双系アクションの醍醐味

 

本作は、いわゆる感全懲悪系、主人公無双映画で、ソクトがいかにして犯罪者を懲らしめるか、というシリーズになっています

基本的にはコメディ映画で、細かいところを気にしたら負けの映画になっていて、相手が非道で「殺ってよし」というものになっています

犯罪者にも背景があって、みたいな泥試合になると爽快感が生まれないので、とことん非道である、というものが求められます

本作では、懲らしめる相手はペク・チャンギというチンピラで、実際にはドンチョルに良いように使われていた兵隊という立ち位置になっていました

 

チャンギはナイフ使いで、それを持っている時はめっちゃ強いのですが、それを無くすと凄みが消えてしまうキャラでした

なので、相手の有利な場所や展開などを用意して、それをソクトが打ち破るというものが必要になります

今回描かれる犯罪はサイバー犯罪で、その犯罪自体を何とかするというよりは、逃げるチョンギを捕まえて制裁を下すというのがメインになっていました

本来はサイバー犯罪に対しても何らかの報復が必要なのですが、ソクトはその方面には疎いので、そのあたりの対策とか進行には関われないキャラとなっています

 

チャンギは雇われ傭兵から成り上がるというよりは、あまりにも安くこき使われていることに辟易としていて、最終的に駒で終わること良しとしません

雇用主から金を奪って逃げるというのが関の山で、彼自身もサイバー犯罪に関してはそこまで精通しているキャラではありませんでした

オンラインカジノの販路拡大のための道具だったので、言い換えると「サイバー犯罪が舞台である必要もない」のですね

単なる普通のカジノの用心棒でも成立する話になっていて、ソクトの見せ場とは別のところに話の本筋がある設定になっていました

 

本来は、ソクトが犯罪を抑止するという意味合いも込めた暴れ方をする必要があるので、チャンギを倒して終わりでは暴れ方が足りないと思います

最終決戦も飛行機内というもので、チャンギはナイフを持ち込めない不利な状況になっていて、アクションも通路で行うためにこじんまりとしたものになっていました

鉄拳制裁という側面ではラストバトルがしょぼく感じられ、ソクトが有利な場所での戦いになっているのが減点材料でしょう

相手が有利な場所で戦ってこそ、というものがあるので、このあたりはシナリオの問題のように思えてしまいます

 


勝手にスクリプトドクター

 

本作はサイバー犯罪がメインになっていて、ソクトがパソコンをいじってそれを止めるというシーンなどは描かれず、専門家が加わるという内容になっています

ここで登場したのがハン・ジスとカン・ナムスの若手コンビで、ジスに関してはイスとのおとり捜査に登場するので見せ場はあったと思います

ソクトとの絡みが少なくて残念なのですが、今回のシナリオで彼女を有意義に使うならば、チャンギに捕まって人質になってしまうというパターンでしょう

それによって、ソクトの戦力が削がれることになり、より実力差が均衡しているように仕向けることができます

 

また、サイバー犯罪とは最後まで無縁というのも勿体無くて、その犯罪の撲滅と絡めるなら、相手の本拠地のサーバールームで戦うというのが良かったように思います

若干迷路のような、鏡の部屋のような感じにもなり、そこで「なりふり構わず暴れる」ということになって、サーバーにチャンギを投げつけてぶっ壊していくのですね

このシーンがのちにコミカルパートに繋がっていくのですが、戦っている最中は「ソクトもチャンギもその部屋の重要性を知らない(理解していない)」ので、助けられたジスが呆気に取られながら、証拠もぶっ飛んでしまう様子を眺めることになります

犯人を逮捕したのはいいけど、後で怒られるというのがデフォなのですが、今回は民間の飛行機の損害賠償が出るというもので終わっているのは微妙で、犯罪捜査の邪魔をしてしまっていたという方がお灸を据えられる純度が高くなるのですね

でも、怒られている内容のほとんどの意味がわかっておらず、ソクト的には何を言ってるんだレベルで聞く耳持たずに反省しているフリをする、という展開になると思います

 

また、ジスからパソコンの使い方を1から教わるみたいなパートがあっても面白くて、結局は投げ出してしまうものの、スマホのオンラインゲームにハマるというアホな展開でも良かったでしょう

画面上のお金が減ってソクトがどのような反応を見せるのかはわかりませんが、彼自身が日常でどこまでオンラインにふれているのかをコメディパートで描いた方がわかりやすいのですね

オンライン決済をどう使いこなすとか、ウェブマネーや電子マネーにどこまで精通しているのかとか、このあたりを前半のパートで描いておいた方が良かったと思います

その上で、自分の知らない間にいろんなことが変わっていることを知り、ちょっとだけ勉強するけど投げ出す、みたいなシーンがあっても良かったでしょう

あくまでも、サイバー犯罪とソクトをどこまで絡ませるかが重要なので、オンラインカジノを実際にプレイするとか、スマホゲームに苛立ってスマホを壊すみたいな、わかりやすい演出があっても良かったのかな、と思いました

 


120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

本作は、マ・ドンソクが無双するのを観る系の映画で、かつチャン・イスという使い勝手の良いコメディ役がいるというシリーズです

シリーズを通じて定番の流れがあって、それが回を追うごとにキャラが増えてくるという内容になっています

基本的にはソウルの広域捜査隊のメンバーで、そこでのゴタゴタがあって、かつて捕まえた敵が徐々に手下になっていきます

冒頭で「その辺のチンピラをボコる」というシーンがあって、それをやりすぎて課長や次長に怒られるのはデフォになっています

 

そんな中、巨大組織と戦うことになって、かなりの手練れが登場して、ソクトが苦戦するという流れになって、そこで広域捜査隊のどっちかが重傷を負ってしまうのですね

これがソクトに火をつけることになって、暴れてもOKという言い訳を作っていきます

ここまでがテンプレになっているので、シリーズの面白さは「いかにしてソクトにピンチを作るのか」にかかっているのですね

今回はサイバー犯罪に疎いという弱点を示しているのですが、それが大暴れとリンクしないところが問題で、かつ最終決戦の相手はサイバー犯罪者ではないというネックがありました

 

サイバー犯罪を起こす者は暴力的ではなく、頭が回るやつほど自分では手を汚さない傾向があります

さらに、サイバー犯罪は「犯罪を認知するための資質(知能)」というものが必要になっていて、何が行われていて、どんな被害が出ているのかがわからなければなりません

今回は、何か行われているけど、実質的な被害がどのように出ているのかをソクトは理解していないのですね

なので、捜査の動機としては「殺されたプログラマーの母親との約束」というところに落ち着いていました

 

ソクト目線での解決と言うものはなされたのですが、犯罪者を撲滅すると言う点では物足りなくて、フィリピンに非合法のオンラインカジノを作った連中に対する捜査は終結していません

あくまでも、使いっ走りで終わったチャンギがブチ切れて殺したと言う流れになっていて、それについてはチャンギの罪が増えたようにはなっていないのですね

なので、その辺りも加味しつつ、ソクト流の「わからないのでサーバーぶっ壊しました」みたいな、ビジュアルで魅せる方法もあるのかなと思いました

もっとも、それによってサイバー捜査が行き詰まる可能性が高く、それで怒られると言うのがソクトらしいのかな、と思いました

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/101908/review/04314483/

 

公式HP:

https://happinet-phantom.com/hanzaitoshi4/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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