■東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 –運命–
Contents
■オススメ度
原作ファンの人(★★★)
前作を観た人(★★★)
演者のファンの人(★★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2023.4.21(イオンシネマ京都桂川)
■映画情報
情報:2023年、日本、90分、G
ジャンル:恋人の死を止めるためにタイムリープを繰り返す青年を描いたラブロマンス&ヤンキー映画
監督:英勉
脚本:高橋泉
原作:和久井健『東京卍リベンジャーズ』
キャスト:
北村匠海(花垣武道/タケミチ:恋人ヒナを救うためにタイムリープを繰り返す青年)
吉沢亮(佐野万次郎/マイキー:東京卍會の総長)
山田裕貴(龍宮寺堅/ドラケン:東京卍會の副総長)
今田美桜(橘日向/ヒナタ:事故死するタケミチの彼女)
杉野遥亮(橘直人/ナオト:ヒナタの弟、タケミチのタイムリープの鍵)
鈴木伸之(清水将貴/キヨマサ:参番隊隊員→前回で破門、ぼったくりバーの店主)
眞栄田郷敦(三ツ谷隆/インパルス:弐番隊隊長)
永山絢斗(場地圭介:芭琉覇羅に移る元壱番隊隊長)
村上虹郎(羽宮一虎:芭琉覇羅に移っている元東京卍會の創設者の1人)
清水尋也(半間:芭琉覇羅のNo2)
田中偉登(チョメ:芭琉覇羅の一員)
今村謙斗(チョンボ:芭琉覇羅の一員)
山口大地(丁次:芭琉覇羅の一員)
堀丞(冨永:芭琉覇羅の一員?)
高杉真宙(松野千冬/ゴキ:壱番隊副隊長)
塚家一希(林田春樹/パーちん:参番隊隊長)
長田拓郎(濱田忠臣:東京卍會参番隊副隊長)
間宮祥太朗(キサキ:メビウスから東京卍會に移ってきた男)
磯村勇斗(千堂敦/アッくん:溝中五人衆)
田川隼嗣(山本タクヤ:溝中五人衆)
髙橋里恩(鈴木マコト:溝中五人衆)
藤堂日向(山岸一司:溝中五人衆)
■映画の舞台
東京のどこか
ロケ地:
東京都:大田区
大坊本行寺
https://maps.app.goo.gl/F978s2dYKAJpw9Zd8?g_st=ic
東京都:北区
滝野川稲荷湯
https://maps.app.goo.gl/As1dxJjjeeErvdAJ6?g_st=ic
■簡単なあらすじ
前作にて、キヨマサを止めてドラケンを助け出したタケミチは、大人になったヒナとドライブデートをすることになった
ぎこちない中、2人の思い出の湾岸に来た2人だったが、その場所でタケミチがヒナを振ったと言われ動揺してしまう
トイレから戻ったタケミチがヒナを探していると、彼女の乗った車にアッくんが運転する車が激突して炎上してしまう
助けに行こうとするものの、事故で大怪我を負ったヒナはタケミチを車外へ突き飛ばし、そして車ごと炎上して死んでしまった
タケミチはヒナの弟・ナオトとともに「変えられなかった運命」に抗うために、死刑囚となっていたドラケンに会うことになった
そして、彼から東京卍會がおかしくなっていった経緯を聞く
だが、そこにはタケミチの覚えのない男・キサキの存在が浮上する
そこでタケミチは、東京卍會のトップになって、運命を変えようと抗うのであった
テーマ:変えられない運命
裏テーマ:暗躍の先にある真意
■ひとこと感想
前作で一件落着とはいかないことは知っていましたが、原作未読なので「どこに向かうかわからない物語」にワクワクしてしまいますね
でも、「血のハロウィン編」は二部作になっていて、思いっきり「次回に続く」という感じに終わっていました
公開が6月末ですか
もう少し早く観たいですね
映画は、タイムリープして運命を変えようとするタケミチを描き、今度は「東京卍會のトップになろう」という無茶なミッションにチャレンジします
過去に戻ったタケミチの前に立ちはだかるのが、前作の敵・メビウスから東京卍會に合流することになったキサキで、現代パートでもインテリヤクザのような風貌で暗躍するタイプになっていました
そのキサキの東京卍會入りを阻止したいタケミチはマイキーと約束を交わすのですが、本作では東京卍會が真っ二つに割れた経緯を紐解いていきます
芭琉覇羅と東京卍會の決戦を前にした前哨戦になりますが、週刊誌のような見事な「引き」にうまいこと引っ張るなあと思ってしまいました
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
タイムリープもので何度もトライするパターンとは違って、今回は「ひとつのミッション」に特化するかたちになっています
それを前後編で描くという内容になってて、前半にあたる本作は「前回のおさらい込みで90分」になっていました
なので、タイムリープなどの説明をうまくこなせれば、150分ぐらいでまとめられたのかもしれません
本作も、次作の公開が6月30日と約2ヶ月の間が開くのですが、この間隔がもう少し詰まってほしいいうのが率直な感想ですね
映画は、タイムリープと記憶の関係性の中で、タケミチにフラッシュバックが起こる展開を迎えます
それが後半で描かれるマイキーのある行動になっていて、その映像だけがフラッシュバックする意味が後半になって明かされるのだと思います
物語は「これからだ!」みたいなところで終わっているので、単体では評価しづらい作品になっていますね
■タイプリープとフラッシュバック
映画の中でタケミチにフラッシュバックが訪れ、それはマイキーが血まみれになっているものでした
タイムリープを繰り返すタケミチは、ヒナを助けるために様々なミッションをこなしますが、これまでの描写で「知らない世界線を想起する」というのはなかったように思います
これは、タケミチのステージがひとつ上がったことを示唆していて、彼の想う理想の世界に近づいている証拠なのかもしれません
タイムリープは記憶を有したまま戻るのですが、それは「経験した世界の記憶だけ」なのですね
なので、これから起こること(=別の世界線で起きたこと)を思い出すということはあり得ないと言えます
これが起こっているということは、これまでにタケミチが生きてきた世界線とヒナが生きている世界線が近づいているのと同時に、その世界線でのタケミチの存在理由が少しずつ見えてきていることの予兆のように思えました
原作未読なので、この後の展開を知らないのですが、想像するには「タケミチの東京卍會内での存在理由が強くなる」のだと思います
映画の前半で描かれている「東京卍會のトップになる」という戯言へのステップが上がったということで、マイキーが芭琉覇羅のトップになっているという状況を覆す存在になるのかもしれません
あるいは、タケミチが東京卍會の有力者になったことで伝承が起き、東京卍會の掟から逸れたマイキーがタケミチに座を譲って、芭琉覇羅のトップになってしまうというストーリーも考えられます
このあたりの答え合わせは2ヶ月後にできるのですが、なんとか原作を読むのを堪えて、映画でどのように展開するのかを見届けたいと思います
■前後半の分離について
映画は、前後半の二部作になっていて、これまでとは違って「ひとつのミッション」を描くように構成されています
おそらくは、後半の「決戦」で何度もタイムリープするとは考えられません(失敗を繰り返す系)
映画の後半で刑務所のドラケンと会うシーンがあるのですが、このシーンは「ミッションに行き詰まったのでヒントを探しにきた」ということになるのだと思います
本作は90分の作品なのですが、エンドロールと冒頭のおさらいを抜くと80分くらいの作品になっています
ドラマだと2話分、アニメだと4話分ぐらいのスケールなので、映画としては短めの印象を持ちました
後半のスケールはまだ発表されていませんが、あっても120分ぐらいでしょう(96分ということが判明しました)
分割を選択したのは、合わせると180分を超えてくるからだと推測されるので、70分+80分のスケールなら、精査して130分の一本勝負ができたと考えられます
前後編に関しては『仕掛人・藤枝梅安』でもやっていましたが、その作品の場合は明確に「江戸編・京都編」に分かれて、前後半は別の物語になっていました
でも、本作は「思いっきり続きます」という内容で、「え、そこで終わるの?」という感覚を拭えません
この手法は連続ドラマの手法なのですが、ドラマだと最長でも1週間後に放送なのですね
なので、続きが2ヶ月後というのは、年4回刊行の雑誌みたいな感覚に近く、さすがに長すぎると言わざるを得ません
公開時期を考えると、「運命編」はGWにぶつかるので、そこでの集客をそのまま「決戦編」に繋げないといけません
そうなると、どう考えても5月中旬がベストなのですね
今回は6月末ということで、梅雨の時期に入るし、内容を覚えてられる期間でもないので、微妙な間隔になってしまっているように思えます
このスケジューリングがどう出るかはわかりませんが、昨今のエンタメの時間感覚を考えると、興収を良くする方向には向かないと思います
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
本作は、どう考えても高校生には見えない人たちが演じているにも関わらず、それを忘れさせる何かがあります
ヤンキーの世界自体が高校生っぽくないとも思いますが、かと言って大の大人がやることではありません
暴力でてっぺんを争う世界はヤクザの世界でも古い価値観で、ケンカの強さが伝説になっているのは子どもか漫画の中の世界だけだと思います
この映画がそれでも魅力的に思えるのは、演者の確かな力量とストーリー展開のうまさにあるのだと思います
緩急の使い方がうまく、ずっと殺伐をしているわけではありませんし、コミカルパートが上手い具合に緩衝材の役割を示しながら、そこから次のステップに移る際には緊張感を纏わせていくのですね
この手法が機能的に使われていると思いました
おそらく後編の前半部分はこのような緩衝材ありきで進むと思いますが、決戦に入ってからは息をつく間もないというスピーディーな展開になると予測できます
そこでフラッシュバックの正体がわかると思うのですが、このフラッシュバック自体は前半のタケミチの迷いや焦りを生む道具になるのでしょう
その答えが出ないままハロウィン当日になって、巻き込まれる中で「その時が来る」と予測します
その流れの中で、タケミチは何ができるのか?という命題があって、そこから次のストーリーに展開するための「仮初の勝利」というものが訪れるのではないでしょうか
原作を読んでいないと「既読の人とは違った視点であれこれ言うことができる」という強みがあります
既読組がこのブログを読んだら「何を言ってるんだ、こいつは」レベルなんだと思いますが、それもまた一興ということでしょう
演者はどんどん歳を重ねていくので、もっとスピーディーに次作以降の企画を進行して欲しいですね
原作は全31巻の長編なので、アニメだと絵は変わりませんが、実写だと色々と不都合が出てきます
それを考えると「決戦編」も急いで欲しかったと言えます
ある程度数字は見込めると思うので、アニメ編に追いついても良いぐらいの疾走感で構想を練って欲しいと思いました
■関連リンク
Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://movies.yahoo.co.jp/movie/384249/review/c6514c8f-5224-4a0b-9d6f-97851f217319/
公式HP: