■なぜ「アンダーニンジャ」なのかを描くことで、全体の構成を再構築することができたのかもしれません


■オススメ度

 

福田雄一監督テイストが大丈夫な人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2024.1.25(イオンシネマ京都桂川)




■映画情報

 

情報:2025年、日本、123分、G

ジャンル:暇を持て余す忍者が高校潜入ミッションを言い渡されるアクション映画

 

監督&脚本:福田雄一

原作:花澤健吾『アンダーニンジャ(講談社)』

 

Amazon Link(原作)→ https://amzn.to/4h0yVbj



 

キャスト:

山﨑賢人(雲隠九郎:忍者組織「NIN」の末端忍者)

浜辺美波(野口彩花:騒動に巻き込まれる講談高校の生徒)

 

間宮祥太朗(加藤:「NIN」のエリート忍者)

白石麻衣(鈴木:「NIN」の凄腕くの一、小説の編集者)

宮世琉弥(蜂谷紫洋:「NIN」のトップの孫)

 

岡山天音(猿田:「NIN」から脱獄した抜け忍)

 

山本千尋(山田美月:講談高校の生徒、マドンナ的存在のあざと女子)

坂口涼太郎(瑛太:野口の幼馴染、講談高校の生徒)

長谷川忍(クラスの担任)

 

平田満(講談高校の主事)

 

木南晴夏(川戸愛:九郎のアパートの住人)

ムロツヨシ(大野:九郎のアパートの住人、冴えないサラリーマン)

 

佐藤二朗(吉田昭和:売れない歴史小説家)

 

前原滉(小津:「NIN」の秘密兵器「遁」の管理者)

森日菜美(小津のアシスタント)

 

山時聡真(東:瑛太をいじめる生徒)

柾木玲弥(野呂地:東の連れ)

 

野内まる(佐藤:写真好きのクラスメイト)

小倉史也(トイレの男子生徒)

 

野添義弘(教頭先生)

 

映美くらら(彩花の母)

佐藤正和(彩花の父)

 

村岡希美(コンビニ店員)

 

Nihi(アレクセイ:鈴木を襲う忍者)

 

Derrick Dover(冒頭の軍人)

Jourdan Alexandre(冒頭の軍人)

Kai E,(冒頭の軍人)

 

金子伸哉(?)

鎌倉太郎(小説のネタを提供する忍者)

野村啓介(小説のネタを提供する忍者)

山本泰弘(小説のネタを提供する忍者)

保坂聡(?)

佐野瑞樹(ニュースのアナウンサー)

松崎涼佳(ニュースのアナウンサー)

 

津田健次郎(UNの忍者の声)

 

山根綺(NIN本部の幹部の声)

平井啓三(NIN本部の幹部の声)

大槻丈一郎(NIN本部の幹部の声)

半田裕典(NIN本部の幹部の声)

 


■映画の舞台

 

日本のどこか

練魔区:講談高校

 

ロケ地:

栃木県:宇都宮市

大谷資料館

https://maps.app.goo.gl/pdyP32xMbYDTiv7QA?g_st=ic

 

栃木県:足利市

旧足利西高校

https://maps.app.goo.gl/ktVKtPhg4gWYCeEu7?g_st=ic

 

埼玉県:春日部市




■簡単なあらすじ

 

太平洋戦争後のGHQの方策によって絶滅したと思われた忍者は、その後も潜伏し、数々の暗躍を行なってきた

今では「NIN」という組織が忍者を統治していたが、末端の下忍には仕事がなく、暇を持て余していた

 

ある日のこと、下忍の雲隠九郎の元に中忍の加藤から司令が入った

それは、講談高校に対抗組織の「UN」が潜伏しているというもので、その実情を調べることが任務となっていた

 

九郎は用意された制服と、姿を暗ます用のパーカーを着て高校へと潜入する

だが、そこには主事と呼ばれる学校を支配している男がいて、彼は「NIN」でも「UN」でもない謎の存在だった

 

九郎は普通の高校生活を送りながら、親しくなった生徒の彩花や瑛太から、様々なことを聞いていく

そして、学校の地下に謎の施設があることが判明する

 

一方その頃、抜け忍の猿田は戦いの場所を求めていた

「UN」の忍びから戦う場所を提供された猿田は、講談高校に忍びこみ、無差別に生徒を殺していくのである

 

テーマ:忍者はいるよ

裏テーマ:自己犠牲

 


■ひとこと感想

 

原作は未読、アニメも観ていない状況で、また山﨑賢人のアクション映画なのかと思いながら観に行きました

監督が福田雄一で、ムロツヨシと佐藤二朗が出演していたので寒いシーンがあるのは読めていましたが、相変わらず内輪受けに留まっていたように思います

このテイストが受け入れられないと、流石にしんどいのかな、と思いました

 

映画は、高校に潜入する中で、暗躍する組織を見つけるというもので、科学と忍術が合体している内容になっていました

設定は斬新なのですが、日常系なのか本格アクションなのかわからない感じで、どっちつかずのようにも思えてしまいます

おそらく続編ありきだとは思いますが、思いっきりコケて、計画自体がなくなりそうに思えてしまいますね

 

日常系のゆるふわな感じはかなりクドく、さらに本編とほとんど絡まない小説家のくだりも長かったですね

彼のナレーションから入るので、小説家が書く物語というテイストですが、本編は現在進行形となっていました

原作にある設定だと思いますが、いっそのことナレーションだけで登場しないという改変でも良かったのかな、と感じました

 




↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

NINという組織と、抜け忍を寄せ集めたUNという組織があって、映画のタイトルは敵の組織の名前になっていました

なんで敵の組織がタイトルなのかは映画では分かりませんが、原作だと明かされているのかもしれません

もしかしたら、NINが腐敗していて、それを正すための「正義の忍者部隊だった」みたいな感じなのかもしれません

 

映画は、いつもの福田雄一テイストで、かなりクドいギャグシーンが連発します

かなり単純化された笑いに特化していて、延々と続ければ笑いが起こるという特徴を利用していました

なので、時間経過で笑いに変わらない人からすれば、かなり辛い時間になってしまうのではないかと思いました

 

物語は至ってシンプルで、潜入先で敵の本来の目的がわかるというもので、ラストでは十郎なる人物が登場していました

おそらくは九郎と同じような存在で、実はある目的のために作られたクローンのように思えてしまいます

実際にはどうなのかは知りませんが、続きがあれば判明していくものだと思います

 

ともかくCGがCGで、アクションはそこまで激しくないという印象でしたね

クオリティはそこまで高くないので、4DXなどで補完した方が楽しめるのでしょう

もっとも4DXの追加料金を払うには日常パートが不要で、いっそのことガチのアクション系に改変しても良かったように思えました

 


忍者とは何か

 

映画に登場する「忍者」は荒唐無稽に思えますが、もともとの忍者も“見えない場所で日本を支えていた存在”だったとされています

では、実際の忍者とはどんな人々だったのでしょうか

 

忍者の存在は、9世紀頃から確認されていて、敵地に侵入して情報を集めたり、火を放ったりする間者、乱破、透波と呼ばれていました

これらが戦国時代に体系化され、「忍術」と呼ばれる技術体系を持った集団へと発展いていきます

元々は、スパイ、工作員、実務者と言う立ち位置であったとされています

 

16世紀頃の戦国時代後期には、伊賀と甲賀と言う忍者の集団が登場します

これらは織田信長、武田信玄、上杉謙信、伊達政宗などの大名たちに敵国の情報などを探って知らせると言う役割を担っていきました

 

忍者の任務としては、「間者(スパイ)活動」「謀略・撹乱(偽の情報を流して混乱させる)」「火攻め、夜襲」「護衛・伝令」「変装・潜入」などがありました

これらの実務を支える上で「忍術」と呼ばれる技術が培われていきます

史料『万川集海(1976年、藤林保武著)』によると、「歩法・潜入法(静かに移動する技術)」「登攀術・水泳術(壁や堀を越える)」「隠形術(姿を隠す、気配を消す)」「火術・薬術(火薬や煙を使った撹乱)」「変装・人心掌握術(人間観察、心理操作)」「天文・地理の知識(天候や方角を読む)」などの忍術が紹介されています

これらは「現代における情報戦や特殊部隊の訓練」のようなもので、身体能力はもとより「観察力と判断力」が重視されていたと言われています

 

その後、江戸時代に入ると戦乱が終わり、忍者の多くは姿を消していきます

それでも幕府は、一部の忍者を「隠密」として雇い、江戸の治安維持や諸藩の監視、海外情報収集などに遣わせていきます

これらの代表的なものが「徳川幕府隠密」「柳生忍者」などと呼ばれている人々でした

現在の忍者像は『南総里見八犬伝』『甲賀三郎物語』などの小説、明治以降の創作物によって「超能力を有する集団」として描かれてきました

また、漫画などでも題材に挙げられ、『忍者ハットリくん』『ナルト』などのような作品が生まれることになりました

 


勝手にスクリプトドクター

 

映画「アンダーニンジャ」では、仕事のない忍者が描かれ、それが来るべき危機に際して暗躍する、と言うコンセプトで物語が動いていきます

一般社会からは見えない存在が国を動かしていると言うもので、それをコメディ色が強めで描いていくことになりました

福田雄一監督作品なのでクドイのは承知していましたが、戦いの規模と日常パートのコミカルさの温度差がかなりありましたね

これが賛否両論な感じで、真面目な路線だった方が緊迫感とか緊張感を描けていたように思います

 

群像劇ではなく九郎の目線で描かれる本作は、彼自身のアイデンティティの変化などにフォーカスを与えているようでいて、中盤以降はそのあたりはそっちのけの状態になっていました

戦いの規模が増し、他の忍者たちへのフォーカスも行われていくのですが、九郎不在のシーンが思ったより多くなっていきます

結果として、背景が語り足りないキャラが多くなっていて、散漫な感じになっていたように思いました

 

さらに、映画のタイトルが「アンダーニンジャ」と言う「敵側の組織の名前」になっていることに対する描写などは一切なかったりします

MINと言う組織が正義のように描かれていますが、それなのにタイトルが敵側(=悪)となっていて、その説明不足が原作未読だと意味がわからなくなってしまいます

これに関しては「続編でわかる」と言うテイストだと思いますが、その回収を見込んだ上での展開(企画も含めて)が必要だったように思えました

 

本作は、小説家が語ると言う構成になっていて、ネタに困った男が身近で起こったことを描写している、と言うことになっています

彼自身が「アンダーニンジャ」と言うタイトルを付けたのかはわかりませんが、構成的にはこの小説家がつけたものとして見るのが筋でしょう

なので、小説家自身が一連の内容から「敵陣営をタイトルに据える」と言うロジックを展開しないとダメなんだと思います

彼自身は結末を知らない状態で書き進めていて、ある程度まとまった段階でタイトルをつけることになるのだと思いますが、映画の終わりまでにそこに気づかないと、この構成にする意味はないように感じられました

 


120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

本作は、いつもの福田雄一テイストの延長線上で、この手の映画の主演をやりまくっている山﨑賢人が中心になっていました

真新しさと言うものはほぼなくて、思った通りの内容で、思った通りの演出になっている部分がありました

原作は未読なのでこのテイストに合う作品なのかはわかりませんが、それを引き合いに出しても意味がないように思います

あくまでも、映画単体として面白いかどうかと言うところが問題であり、これに関しては「テイストが合う人はOK」と言うことなんだと思います

 

個人的にはこのテイストは嫌いではないのですが、ちょっとやりすぎな部分を感じていて、前半の日常パートが「苦痛」に感じるくらいでした

本編が「対決」であることはわかっているので、それに対する必要なパートだと良いのですが、ほぼほぼ無意味に近いと思います

特に、本作の構成要素となっている小説家の語りに関しては、丸ごとなかった方が良かったのではないでしょうか

これによって、タイトルのおかしさなども出てくるし、そもそも一般人である彼が知り得ない情報が多すぎて、これら全てが彼の妄想というのもどうかと思います

なので、普通にアクションものとして、日常パートは緩急をつけるために程よく散りばめる程度、で良かったと思います

 

続編が作られるかどうかはわかりませんが、タイトルの性質上「主人公サイドの善行は悪行だった」となるのがデフォルトだと思いますが、そうなるかどうかはわかりません

アンダーニンジャ(UN)の暗躍によって日本がどうなっていくのかとか、彼らがそれを行う理念などが提示されてから物語は動いていくのでしょう

そう言った意味において、本作は「序章の序章」でもあるので、これで終わりだと残念な感じがしますね

その敗因は色々とありますが、3部作ぐらいの想定で描くという企画を通せない現状だと、綱渡りをするしかないのは辛いところでしょう

それを考えると、この綱渡りはあまりにも危険な賭けだったように思いました

 




■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/102362/review/04702615/

 

公式HP:

https://underninja-mv.com/



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投稿者 Hiroshi_Takata

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