■店を出すのが夢だったのに、工場にすり替わっているのはなぜ?


■オススメ度

 

童話的な物語が好きな人(★★★)

ティモシー・シャラメを堪能したい人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日2023.12.8(イオンシネマ久御山)


■映画情報

 

原題:Wonka

情報2023年、アメリカ、116分、G

ジャンル:夢を禁じられた街でチョコレートショップを開く夢を持つ青年を描いたファンタジー映画

 

監督ポール・キング

脚本サイモン・ファーナビー&ポール・キング

キャラクター創造ロアンド・ダール

 

キャスト:

ティモシー・シャラメ/Timothée Chalamet(ウィリー・ウォンカ:母との約束を胸に上京するチョコレート職人)

   (幼少期:Colin O‘Brien

 

オリヴィア・コールマン/Olivia Colman(ミセス・スクラビット:ウォンカが罠にハマる宿屋の女主人)

トム・デイビス/Tom Davis(ブリッチャー:スクラビットの協力者)

 

ヒュー・グラント/Hugh Grant(ウンパルンパ:ウォンカからチョコを盗もうとする小さな紳士)

Ben Howard(ウンパルンパのガード)

Muzz Khan(ウンパルンパのガード)

 

サリー・ホーキンス/Sally Hawkins(ウィリーの母)

 

パターソン・ジョセフ/Paterson Joseph(スラグワース:街を牛耳るチョコ同盟のリーダー)

 

キーガン=マイケル・キー/Keegan-Michael Key(買収されている警察署長)

Kobana Holabrook-Smith(アファブル:ウォンカを注意する巡査)

ローワン・アトキンソン/Rowan Atkinson(ジュリアス・クランチ:フラグワースのチョコ中毒の神父)

 

マシュー・ベイントン/Mathew Baynton(フィックルグーバー:スラグワースの腰巾着)

マット・ルーカス/Matt Lucas(プロドノーズ:スラグワースの腰巾着)

Freya Parker(ミス・ボンボン:スラグワースの秘書)

 

サイモン・ファーナビー/Simon Farnaby(バジル・ボンド:恋人と生き別れた警官)

Ellie White(グウェニー:鍵の門番、バジルの恋人)

 

ジム・カーター/Jim Carter(アバカス・クランチ:秘密を知って追い出された会計士)

Susie Fairfax(アバカスの妻)

Macie Blake(アバカスの娘、4歳)

Ellie Blake(アバカスの娘、8歳)

 

キャラー・レイン/Calah Lane(ケイラ・レーン・ヌードル:捨てられてスクラビットにこき使われている孤児)

ラキー・ザクラル/Rakhee Thakrar(ロッティー・ベル:喋りすぎる電話交換手)

ナターシャ・ロスウェル/Natasha Rothwell(パイパー・ベンズ:囚われている配管職人)

リッチ・フルチャー/Rich Fulcher(ラリー・チャックリーワース:寒い冗談しか言えないコメディアン)

Alison Pargeter(ウェンディ:ラリーの妻)

 

Murray McArthur(船長:コックス)

Gustave Die(船のエンジニア)

Paul G.Raymond(ブランデル:地図売り)

Bertie Caplan(ボブ:靴磨きの少年)

Isy Suttie(果物売り)

Matilda Tucker(若い母)

Rufus Jones(ジェンキンス:?)

Simon Farnaby(警備員)

Charlotte Ritchie(バーバラ:プロポーズを断る女)

Phil Wang(コリン:プロポーズに失敗する男)

Bleu Woodward(ウェイトレス)

Robyn Rose(列車の女性客)

Millie O‘Connell(列車の女性客)

Ian Bartholomew(城の老人)

Sophie Winkleman伯爵夫人)

Lola Shepelev(少女)

Michael Abubakar(オレンジヘアーの客)

Justin Edwards(グリーンの肌の客)

Marina Bye(緑の髭の客)

Tim Fitzhigham(深夜船の船長)

Jane Bertish(フォン・シュマイケルハマー:吟遊詩人)

Dominic Coleman(ドノヴァン:?)

Tracy Ifeachor(ドロシー・スミス:ウンパルンパへのチョコを託される人)

 

【日本語吹替版】

花村想太(ウィリー・ウォンカ)

Lynn(幼少期のウィリー・ウォンカ)

セントチヒロ・チッチ(ヌードル)

岸祐二(スラグワース)

関智一(プロドノーズ)

竹内駿輔(フィクルグルーバー)

本田貴子(ウィリーの母)

長田庄平(警察署長)

松尾駿(神父)

平林剛(アバカス)

松本梨香(スクラビット)

石井康嗣(ブリーチャー)

山本高広(ラリー)

森久保祥太郎(アファブル巡査)

斉藤貴美子(パイパー)

早見沙織(ロッティー)

松平健(ウンパルンパ)

増子敦貴(コリン)

 


■映画の舞台

 

夢を見ることを禁じられた街

 

ロケ地:

イギリス:サマセット

バース/Bath

https://maps.app.goo.gl/Xd1NjSRBHbxT7tfS7?g_st=ic

 

イギリス:ハートフォードシャー

ワットフォード/Watford

https://maps.app.goo.gl/ya5HbbRQZZF2qqYn8?g_st=ic

 

イギリス:オックスフォードシャー

オックスフォード/Oxford

https://maps.app.goo.gl/ozCwfnbs7QDVJrAu5?g_st=ic

 

イギリス:セント・オルバンズ

ベリラリウム・パーク/Verulamium Park

https://maps.app.goo.gl/1hzcpiUKcsvbD6Lu6?g_st=ic

 

イギリス:ドゥーセット

ライム・レジス/Lyme Regis

https://maps.app.goo.gl/8X2oMC8AgPbd9gaN7?g_st=ic

 

アビー・ミル・レーン/Abbey Mill Lane

https://maps.app.goo.gl/f6t4zaz9aqTtum488?g_st=ic

 

イギリス:バークシャー

メイプドラム/Mapledurham

https://maps.app.goo.gl/vZQRRXWd2Pkco6yy8?g_st=ic

 


■簡単なあらすじ

 

母との約束を胸に、チョコレート職人のウィリー・ウォンカは海を渡ってきた

目的地の「グルメ・ガレリア」には世界最高の料理が揃っていて、そこで店を出すことが彼の夢だった

 

町に着いたウォンカは、店の前で余興を始め、宙に浮く魔法がかかったチョコを作り出す

だが、「グルメ・ガレリア」のチョコ同盟のスラグワースは、「チョコレートはシンプルでなければならない」と失格の烙印を押してしまう

また、この街でチョコを売ることは禁止されていて、余興で得た金も没収されてしまう

 

そんな彼を見かねたブリッチャーは「良い宿がある」と言って、スクラビットの宿へと連れてきた

そこは1日1銀貨で泊まれる宿だったが、奇妙な契約書になっていた

使用人のヌードルの忠告も聞かずに契約したウォンカは、翌日法外な金を請求されて、地下の洗濯倉庫へと送り込まれてしまう

 

そこには、ウォンカと同じように騙された人々が強制労働させられていて、1日1銀貨の返済では数十年もそこに閉じ込められることになってしまうのである

そこでウォンカは、ヌードルの助けを借りて、洗濯物に紛れて外に出て、借金を返すために余興を繰り広げることになったのである

 

テーマ:正しい夢の叶え方

裏テーマ:孤独の限界

 


■ひとこと感想

 

前作『チャーリーとチョコレート工場』の記憶はほぼなく、見返す暇もないまま突入

続編だけど「過去譚」になるので、今後はティモシー版のチャーリーとチョコレート工場を作るのかなと思ってしまいました

 

映画は、母との約束を果たそうとある街に来るところから始まり、苦難の連続と仲間の獲得、そして成功へと言う「童話のような流れ」になっていました

チョコと魔法の組み合わせによって人々を魅了していくのですが、街ではカルテルのようなものに牛耳られていて、新規参入は悉く潰されてしまうところでした

 

しかも、悪人慣れしていないウォンカはすぐに人に騙されてしまい、さらに窮地へと追い込まれていきます

でも、その割には「自由に行き来できる」のと、命までも取られないだろうと言う安心感が物足りなさになっているのも事実だと思います

 

前作やシリーズを観ていなくてもほぼ問題なしのですが、面白いかと言われれば微妙な感じもしますね

ともかくもファンシー&ファンタジーの世界観を夢見ているような子どもたちにはウケが良いのかなと思いました

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

映画は「店をオープンさせるのが夢」みたいな感じで進みますが、いきなり工場を作り出して、何か大きなものを見落としていたのかなと困惑してしまいました

そこまでの道のりが大変なのに、最後は魔法でほぼ5分ぐらいで工場ができてしまうのも微妙な感じでしたね

取ってつけたような感じになっていて、「便利すぎて有能な魔法がある」のに窮地に陥ってしまうのは意味がわかりません

 

ヌードルとの関係は恋愛に発展することもなく、単なる友人と言う感じになっていますが、これはこれで良いのでしょう

ちょっと年齢差がありすぎるので、このキャスティングの段階で「恋愛は対象外」にしていたのだと思います

 

映画は、カラフルなビジュアルと楽しい魔法を堪能する映画で、ツッコミを入れてはいけない映画になっています

チョコ同盟の作るチョコには「毒」が混じっているとまで言われていましたが、それで死人が出ると言うこともなかったりします

 

あくまでも就学前の「サンタさんを純粋に信じている年代向けだった」のかなと思います

個人的にはウンパルンパの曲とキャラは好きでしたが、思いっきり合成になっているところがOKなのかはなんとも言えない感じになっていましたね

 


そもそも夢とは何か

 

本作は、母との約束と胸いっぱいの夢を抱えたウォンカが「グルメ・ガレリア」を訪れるところから始まります

彼の夢は「チョコレート・ショップ」を開き、自分の作ったチコレートを食べてもらうことと、店を開けば母と会えると思っていることでした

「グルメ・カレリア」は料理人の集まる街で、そこで店を開くことはステータスにもつながっていきます

 

彼にとっての夢は明確で、でもその街では夢見ることが禁止されています

それも変な話で、そこで商売をしている人たちは「夢を叶えている人たち」のはずなので、おかしなことになっているのですが、それに対するツッコミはありません

でも、それは街を牛耳るチョコ同盟が仕掛けた罠であり、既得権益を守るために新規参入を阻止していることが暴露されます

 

夢というのは、叶えるものでありますが、同時に維持していくものでもあります

チョコ同盟の初心もウォンカと同じようなものだと思いますが、夢がお金になると、その維持というものにしがみつくことになります

夢が与えてくれた地位、富、名誉などは、当初は望んでいなかったものでしょう

 

その3要素がないほどに夢は叶いやすく、そして成功とともに囚われの罠になりやすいとも言えます

夢は麻薬ではありますが、人生を豊かにするには純粋さを失ってはダメなのですね

また、その夢が自発的かどうかは問わず、心が欲するほどの夢というのは、魂レベルで求めている何かがあると言えるのでしょう

 


夢の実現に必要なもの

 

本作にてウォンカは夢を叶えますが、彼が成功した要因は「仲間を作ること」でした

これは母の言葉でもありますが、夢というのは1人で見れても、叶えるには多くの人の力が必要になってきます

映画では、困難を打ち勝つために力を結集しますが、それによって絆が深まって、夢を叶えるに至るというふうに結ばれていました

 

映画では、工場を作るところで終わり、そこで働く人が地下の洗濯工場の面々という感じになっていて、これはどの世界線にも繋がらない独自のものであるように思えます

おそらくは、これからティモシー・シャラメ版のウォンカのシリーズを始めるという感じになっていますね

本作が誰かの夢なのかは分かりませんが、それが花開くかどうかも、多くの人の支えというものが必要になってくると言えます

 

夢が継続するということは、その夢で派生する付加価値を求める人がいるということになります

そして、その夢を続けるには、付加価値を高め続ける必要があります

チョコ同盟にはその技術がなく、薬物依存のような方法を取ることで需要を得ていました

チョコ好きの要人を抱え込み、新規参入を拒む状況を作り出すことで、安定した地位を手に入れようとするのですが、このような保守的な動きというのは革新的な動きに打ち破られる傾向があります

それぐらい「夢の力」というものは、多くのものを打ち破っていく熱量を帯びていると言えるのではないでしょうか

 


120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

本作は、完全に子ども向けの作品になっていて、世界観の作り込み、ビジュアルなども「お菓子の国が大好きな世代向け」になっていました

ウォンカの夢もそこまで大人びたものではなく、現実的なアプローチは一切しません

グルメ・ガレリアに来て、なんでこの街に空き店舗があるんだとか、空き店舗の前で露店するのはダメだろとか、携帯でチョコ作れるなら店舗いらんやろ、などとツッコむ大人向けではありません

 

個人的には、寓話としても中身がないし、夢を叶えるとか、母親に会いたいとか、精神年齢かなり低めの主人公で、契約書の字が読めないのでサインする割には、その契約は適当にあしらうなど、意味のわからない展開が多かったですね

契約を破っても何か罰があるわけでもなく、洗濯物に紛れて派手なことをしてもバレないし、それがバレて連帯責任になるということもありません

キャラは個性的で多彩で、彼らの力を借りて陰謀を暴露するという流れは良くても、当初の夢が店を開くことだったのに、ラストは工場を作ることになったりと、色々と雑だなあと思ってしまいました

 

工場を作るところまではテンプレだとしても、店舗で売る分のチョコレートを作るには「工場が大きすぎる」し、そもそも「店舗内で作るのが先でしょ」と思わざるを得ません

なので、物語の骨子を作る時点で、「夢はチョコショップを作ること」だとしたら、それが果たせたところできちんと終わるべきでしょう

工場を作るのは派手で夢いっぱいのものだと思いますが、このエンディングにするならば「初めからチョコレート工場を作る」という夢にした方がまとまりがあったように思えました

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

Yahoo!検索の映画レビューはこちらをクリック

 

公式HP:

https://wwws.warnerbros.co.jp/wonka/index.html

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投稿者 Hiroshi_Takata

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