■ゆきてかへらぬ


■オススメ度

 

中原中也に興味がある人(★★★)

長谷川泰子に興味がある人(★★★)

小林秀雄に興味がある人(★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2025.2.21(イオンシネマ久御山)


■映画情報

 

情報:2025年、日本、128分、G

ジャンル:駆け出し女優を巡る詩人と文芸評論家の顛末を描いた恋愛映画

 

監督:根岸吉太郎

脚本:田中陽造

 

キャスト:

広瀬すず長谷川泰子:駆け出し女優、20歳)

   (幼少期:浅田芭路

木戸大聖中原中也:不世出の天才詩人、17歳)

岡田将生小林秀雄:文芸評論家、中原の親友)

 

田中俊介富永太郎:中原の親友、詩人)

 

トータス松本(鷹野叔:ヴァイオリニスト、音楽家)

瀧内公美(長谷川イシ:泰子の母)

 

草刈民代(スター女優)

 

カトウシンスケ(辰野:東京大学の教授)

 

藤間爽子(中原孝子:中也の妻)

 

柄本佑(公園で休む勤め人)

 

小槙まこ(姫様役の女優?)

山岡一(殿様役の俳優?)

 

関幸治(路上のゴロツキ)

平岡亮(路上のゴロツキ)

田中美登里(下宿先の女主人)

 

笠松伴助(マキノ撮影所の衣装係)

原田麻由(マキノプロダクションの事務)

BOB(清水:映画監督)

稲葉友(モノクロの映画俳優)

夏梅茜(モノクロ映画女優)

片岡一郎(モノクロ映画の活動弁士)

 

横路博(ダンスパーティの客?)

花ヶ前浩一(屋台船の客?)

川島潤哉(?)

名村辰(東京の助監督?)

市川理矩(?)

針原滋(京都の映画監督?)

瓜生和成(?)

 


■映画の舞台

 

1924年、

日本:京都

日本:東京

 

ロケ地:

東京都:練馬区

東映東京撮影所

https://maps.app.goo.gl/Et9jzSHannGk831o6?g_st=ic

 

栃木県:日光市

日光江戸村

https://maps.app.goo.gl/aFrTCAxoD7RWRLLAA?g_st=ic

 

神奈川県:鎌倉市

浄智寺

https://maps.app.goo.gl/SLNfQ3bR5UKPsn3VA?g_st=ic

 

兵庫県:神戸市

神戸迎賓館

https://maps.app.goo.gl/Qa75EQa6CwE4EgKt9?g_st=ic

 


■簡単なあらすじ

 

1924年(大正13年)のこと、京都に来ていた駆け出し女優の長谷川泰子と詩人の中原中也は同棲を始めるものの、中原は頑なに手を出さなかった

泰子は映画の仕事を始め、それを収入に充てていく

中原は何で稼いでいるのかはわからなかったが、贅沢をして、泰子から簡単に金を借りていく

スター女優との折り合いも悪くなり、泰子はそんな生活に嫌気を指し始めていた

そんな折、中原は泰子を襲い、大人の関係を持つことになった

 

その後、中原を訪ねて、友人の冨永がやってきた

彼は器用に裁縫などをこなし、文芸評論の本を泰子に託した

だが、そこで冨永は吐血してしまい、泰子は何もできずに、ただ唖然とするばかりだった

冨永は療養のために東京に行き、中原にとっては空虚な日々が募り始めていた

 

そして、ある冬の日のこと、中原は「京都に飽きた」と言い、二人で東京に向かうことになった

泰子はマキノプロダクションに所属し、本格的に女優の道を歩んでいく

一方の中原は、冨永を通じて知り合った文芸評論家の小林秀雄との交流を深めていくことになった

 

テーマ:抑えきれない情念

裏テーマ:支え合うバランス

 


■ひとこと感想

 

登場人物は知っていますが、そこまで深くは知らないと言う感じで、なんとなく時代背景がわかると言う感じで見ていました

外国文学を積極的に取り入れていく中で、自分にだけ書ける詩を探していると言う感じになっていて、男二人の世界は泰子にはわからない部分がありました

それでも、言語化に優れた小林は、泰子の心情を簡単に表現してしまいます

 

映画は、あえて三角関係になっていく男女が描かれていて、その奇妙なバランスというものを描いていきます

泰子には愛情というものがよくわからず、人形のような感じに描かれていますが、感情のスイッチの入り方が異常という感じになっています

実際の泰子は潔癖症なのですが、それを知らないと前半のエピソードで彼女が動けない理由などはわからないと思います

 

物語は、泰子を通じて自分を見る中原と、泰子を通じて中原を見る小林がいて、その不思議な関係は喪失によって初めて理解できる、という内容になっていました

中原が詩にのめり込めばのめり込むほどに心が遠ざかるのですが、それがなぜかを中原は理解できていません

でも、その心の揺れを的確に捉えるのが小林という人物で、その行動が二人の激情に火をつけていくことになっていきました

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

一見すると、一人の女に振り回されている二人の男を描いていますが、女性がいるからこそ見える自我というものが描かれていたと思います

劇中の小林の言葉にもあるように、三人の関係のバランスを取っていたのが泰子という人物で、それが中原に向いている間だけは微妙に崩れなかったのだと思います

それが小林に向いたことで一気に傾くのですが、そこからの中原の執着はなかなかホラーテイストを含んでいたと思います

 

映画は、史実ベースで進むので、大それた改変はないと思いますが、泰子の人物像が新解釈のように思えます

中原の執拗さも然ることながら、泰子の潔癖症も徐々に頭角を表し、小林がノイローゼになるほどにひどくなっていきます

泰子の行動をエスカレートさせているのが中原のしつこさなのですが、身に降りかかるものは払えても、心に降りかかるものは払えないのですね

それが中原による侵食であったように思いました

 

三人それぞれが持っている価値観というものが違っていて、小林の淡白な生活と中原の劇的な生活の温度差がすごいことになっていました

女性に対する扱い方も違うのですが、中原の後に小林だと物足りなさというものがあるのでしょう

泰子は激情に狂う性質を持っていますが、それが母親譲りだとわかり、自身もそれを否定しないことで、行先というのは見えていたようにも思えてしまいます

中原の死後、どうなったかを映画は描きませんが、完全にバランスを失ったものがどうなるかというのは言わずもがな、という感じになっています

実際の男女関係がどうだったのかは色々と調べたらわかると思いますが、この三角関係に絞ったのは英断だと思いました

 


■長谷川泰子について

ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください

 


■詩篇「ゆきてかへらぬ」について

ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください

 


■120分で人生を少しだけ良くするヒント

ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/101978/review/04799109/

 

公式HP:

https://www.yukitekaheranu.jp/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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