■ひつじ探偵団


■オススメ度

 

本格的なミステリーが好きな人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2026.5.12(イオンシネマ京都桂川)


■映画情報

 

原題:The Sheep Detectives(ひつじの探偵たち)

情報:2026年、アメリカ&イギリス、109分、G

ジャンル:羊飼いの死の真相を探るひつじたちを描いたミステリー映画

 

監督:カイル・バルダ

脚本:クレイグ・メイジン

原案:クレイグ・メイジン『Three Bags Full: A Sheep Delective Story(2005年)』

 

キャスト:

ヒュー・ジャックマン/Hugh Jackman(ジョージ・ハーディ/George Hardy:何者かに殺される羊飼い)

 

ジュリア・ルイス=デルフィス/Julia Louis-Dreyfus(リリー/Lily:利口で安らぎを与える雌羊(声))

クリス・オダウド/Chris O’Dowd(モップル/Mopple:我慢強くて忘れないメリノ種の羊(声))

ブライアン・クランストン/Bryan Cranston(セバスチャン/Sebastian:カーニバル出身の一匹オオカミの黒毛の雄羊(声))

 

ブレット・ゴールドスタイン/Brett Goldstein(レジー/Reggie:荒っぽい双子、ノーフォークホーン種(声))

ブレット・ゴールドスタイン/Brett Goldstein(ロニー/Ronnie:荒っぽい双子、ノーフォークホーン種(声))

パトリック・スチュワート/Patrick Stewart(リッチフィールド卿/Sir Ritchfield:威厳のあるデンマークのランドレース種の羊(声))

レジーナ・ホール/Regina Hall(クラウド/Cloud:(ふわふわで女王気質のチェリオット種の羊(声))

ベラ・ラムジー/Bella Ramsey(ゾラ/Zora:好奇心旺盛な羊(声))

リス・ダービー/Rhys Darby(ウールアイ/Wool-Eyes:毛が長くて前が見えないロングウール種の羊(声))

Aroop Shergill(デイジー/Daisy:やんちゃな子羊(声))

Jasper Ambrose(オリバー/Oliver:やんちゃな子羊(声))

Isha Agarwal(ピックル/Pickles:やんちゃな子羊(声))

 

Tommy Birchall(冬生まれの子羊)

Laraine Newman(気絶する羊の声)

 

モリー・ゴードン/Molly Gordon(レベッカ・ハムステッド/Rebecca Hampstead:ジョージの娘)

Emma Thompson(リディア・ハーボトル/Lydia Harbottle:ジョージの弁護士)

ニコラス・ガリツィン/Nicholas Galitzine(エリオット・マシューズ/Elliot Matthews:フェスの取材に来る記者)

 

Tosin Cole(ケレイブ・メロウ/Caleb Merrow:隣の牧場の羊飼い)

Conleth Hill(ハム・ギリアード/Ham Gilyard:町の肉屋)

ホン・チャウ/Hong Chau(ベス・ペノック/Beth Pennock:宿屋「パートリッジ・イン」の女主人)

ニコラス・ブラウン/Nicholas Braun(ティム・デリー/Tim Derry:巡査)

Kobna Holdbrook-Smith(ヒルコート/Hillcoate:牧師)

 

Mandeep Dhillon(ジョー/Jo:郵便配達員)

Sarah Flind(トニア/Tonia:レッカー車の運転手)

Michael Wildman(フランク/Frank:犯人を引き取りに来る群の警察官)

 

Tom Wilton&Ross Green(人形使い)

 


■映画の舞台

 

イギリスのどこか

デンブルック近郊

 

ロケ地:

イギリス:バッキンガムシャー

ハートフォードシャー

サリー

 


■簡単なあらすじ

 

羊飼いのジョージは、妻に先立たれたのちにデンブルックの町の郊外に居を構えていた

トレイラーハウスで寝泊まりをして、羊たちの世話をしながらも、町に出向くことはなかった

夜になるとお気に入りの推理小説を羊たちに読み聞かせるのが日課で、その夜も「犯人の一歩手前」で読み終えて寝てしまった

羊たちはジョージの言葉を理解していて、各々が事件の犯人当てを始める

群れには特別に利口なリリーがいて、犯人は彼女の推理通りの人物だった

 

町ではフェスの用意がされていて、町民たちは思い思いの商品を店頭に並べ始めた

そんな様子を取材に来たエリオットは、あまりにも小規模だったことに落胆を隠せない

取材の価値がないとして、早々に町を後にすることになったのだが、帰り道にて事故を起こしてしまい、レッカー車で町に戻ることになってしまった

 

だがその翌朝、ジョージは変わり果てた姿で発見されてしまった

デリーは「心臓発作だろう」と事件性がないと早々に結論づけてしまうものの、舞い戻ったエリオットは「殺人事件ではないか?」と勘繰って、デリーを焚き付けた

ヒーローになれると思ったデリーだったが、そこにジョージの娘とされるレベッカと、ジョージの相続を担当する弁護士リディアがやってきてしまう

リディアは2つの遺言状があると前置きし、ジョージが指名した町人の前でそれを読み上げた

そこには彼の遺産についてのことが書かれていて、預金は3000万ドルも残されていた

 

一方、リリーたちもジョージは殺されたと考えていて、なんとかして犯人を捕まえようと躍起になる

リリーが中心になって、モップルも力を貸し、群れから離れていたセバスチャンもそれに加わることになった

そして彼らは、何かを見つけるたびに、デリーにそれを見つけさせるように仕向けるのである

 

テーマ:愛情は伝わる

裏テーマ:悪者は目を見ればわかる

 


■ひとこと感想

 

予告編の情報しか仕入れていなかったので、ほのぼの羊映画だと思っていました

まさかの本格派ミステリーで、脚本も神がかったような完成度でしたね

羊たちのキャラも個性的で覚えやすく、人間サイドの関係性もわかりやすいものでした

 

映画は、ジョージがあっさりと死ぬところから始まり、当初は「心臓発作」で片付けられそうなところを、部外者である記者が「それ隠蔽するのおかしくね?」みたいな感じで展開していきます

おそらく殺人事件など起きたことのない町で、警察官も彼一人みたいな感じになっていましたね

そこで彼なりに容疑者を絞っていく中で、羊たちがその推理をお手伝いするという流れになっていました

この羊たちが推理するというところが面白くて、何気ない会話の中にいろんなものが隠されていました

 

犯人探しを一緒に出来るタイプのミステリーで、無茶な動機や方法もないのですが、犯人は本当に意外な人物でしたね

てっきり、誰々と誰々が結託してみたいなことを考えてしまいましたが、よくよく考えるとおかしなことだらけでしたね

また、羊たちが「悪人は目を見ればわかる」と言っていましたが、唯一「◯◯をつけていた」というところも伏線だったんだなあと感心してしまいましたよ

この◯◯をつけているのが二人いるのですが、どちらも本心を隠したまま行動していて、その改修も見事だったと思います

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

映画は、何らかの理由で死んだ羊飼いの真相を探るというもので、町民一人一人に動機のようなものがある、という展開を迎えます

宗教を信じずに教会に出向かないことで反発している牧師とか、存在そのものに怒りを感じている宿屋とか、賃貸関係で揉めている羊飼いとか、ベジタリアンという理由で嫌う肉屋などがいました

そんな中に、「部外者」として、フェスを取材しにきた記者、ジョージの娘とされる女、遺産相続のための弁護士が登場するのですが、そんな彼らを遠巻きに見ているのが羊たちでした

 

羊の探偵団というよりは、リリー&モップル&セバスチャンの三匹が人間の世界に入っていくという感じで、その他の羊たちが見聞きしたものをまとめていくことになります

あくまでも「羊目線で見えていたもの」に限定していき、人間の方はデリーがきちんと調べていきます

それによって「両方の情報が観客に入る」のですが、それで犯人が特定できるかと言えば結構難しいのですね

私としては、弁護士と犯人(町民の誰か)が結託している派で、おそらくは宿屋が怪しいと思っていました

動機は愛憎的なものだと考えていて、それは彼女もジョージも移民だったように思えたからなのですね

外部の者が犯人という伏線もあって、かつて関係のあったジョージとベスが何らかの理由で仲違いして、今の関係になってしまっていたと読んでいました

ジョージが利口な羊にリリーと名前をつけていることが決定機で、嫉妬の憎悪というものが根元にあるように考えていました

 

見事に騙されたのですが、セバスチャンの言葉に「目を見ればわかる」というものがあって、それは「メガネをかけている人物が怪しい」という伏線だったように思っていました

主要人物の中でメガネをかけているのがエリオットとベスだけで、この二人は何らかの関係があるようにも思えました

結局は「本心を隠していた」という共通点があって、その中で殺意まで及んだのは犯人の方だけだった、ということになります

この殺意が生まれたのが遺言だったのですが、彼がこの時点で遺言を作成していたのには理由があったと思うのですね

それは遅かれ早かれだったと思うのですが、その時が来たら遅いということが犯人側の都合として存在していたのかな、と感じました

 


120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

本作は、とても良質なミステリーであり、それは丁寧な伏線と無理のない論理、均等に割り振られた動機だったと思います

このフラットさが推理を面白くさせていて、無理なミスリードを生んでいないのですね

騙そうとすればするほどに設定が凝ってしまうミステリーもありますが、観客がどのように登場人物を観察し、そして結論づけていくかを周知しているシナリオのように思えます

彼らにつけられる「ニックネーム」というものもうまく機能していて、さらに「羊である理由がちゃんとある」というのがすごいと思います

 

デリー巡査に捜査方法を教えるのも秀逸で、彼がポンコツ警官だから成し得たと言えます

ヒーローになりたい願望を抱えているというのが彼の警官の基礎だとして、それを焚き付けたことで墓穴を掘る犯人というのもなかなかの「マヌケ」でしたね

ジョージにとっては想定外の出来事でしたが、彼が愛する羊たちが理想の生活を続けられたことにホッとしているのではないでしょうか

餌を含めた設備などもしっかり残していて、いきなり素人が困らないように配慮していたのも良かったですね

さらに、多額の預金によってサプライズが生まれたのもほっこりとする要因でした

そして、感動的なのは「雲」でしたね

前半で羊は雲になるという暗喩がありましたが、それがこうも涙を誘うシーンになるとは驚いてしまいました

 

羊があそこまでのことをするのはファンタジーではありますが、羊の音声を消しても映像として成り立つのですね

それだけ彼らの表情が豊かで、心の機敏が見えるのですが、彼らの声が聞こえてこないと、かなりハードなミステリーになってしまいます

あえて声をつけることで起こっていることの凄惨さというものが柔和されているのですが、この映画自体が「誰かに読み聞かせるタイプの物語」なのだと思います

そう言った意味合いも含めて、人間というものの愚かさを伝える寓話になっていたのかな、と感じました

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/105793/review/06505326/

 

公式HP:

https://hitsuji-tanteidan.jp/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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