■ゼイ・ウィル・キル・ユー
Contents
■オススメ度
コメディスプラッタが好きな人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2026.5.12(TOHOシネマズ二条)
■映画情報
原題:They Will Kill You(奴らがお前を殺しにくる)
情報:2026年、アメリカ、94分、R15+
ジャンル:謎のマンションに殴り込みをかける女性を描いたアクションホラーコメディ
監督:キリル・ソコロフ
脚本:キリル・ソコロフ&アレックス・リトバク
キャスト:
ザジー・ビーツ/Zazie Beetz(エイジア・リーヴス/Asia Reaves:メイドの仕事を始める元服役囚)
パトリシア・アークウェット/Patricia Arquette(リリー・ウッドハウス/Lily Woodhouse:マンション「バージル」の管理人)
パターソン・ジョセフ/Paterson Joseph(レイ・ウッドハウス/Ray:リリーの夫)
マイハラ/Myha’la(マリア・リーヴス/Maria Reaves:エイジアの妹)
(幼少期:Orefile Moloi)
トム・フェルトン/Tom Felton(ケビン・サリバン/Kevin:バージルの住人、夜這い男)
ヘザー・グラハム/Heather Graham(シャロン・バンダービルト/Sharon:バージルの住人、アンチエイジング化粧品会社の経営者)
Willie Ludik(ボブ・ソートン/Bob:大柄なバージルの住人)
David Viviers(スティーブ・ミラー/Tall Steve:背の高いスティーブ、バージルの住人)
Gabe Gabriel(スティーブ・ジョーンズ/Short Steve:背の低いスティーブ、バージルの住人)
Viktoria Korotkova(ソフィア/Sophia:バージルのメイド)
Neels Junior Clasen(ダミヤン/Damian:ソフィアの息子)
Dorothy Ann Gould(アン・シープスマン/Anne Sheapman:バージルの住人、作家)
Mike Huff(シープマン博士/Dr. Sheapman:アンの夫、バージルの住人)
James Remar(豚の頭の声/The Pig’s Head:カルトが崇拝する「頭(ヘッド)」の声)
Andrew Morgado(その他の豚の声)
Robin Smith(その他の豚の声)
Darron Meyer(リッチー/Ritchie:マリアを雇う横暴な男)
Brandon Auret(Teardrop Man:姉妹の父)
Gert Louw(バディ/Buddy:父親の連れ)
アンガス・サンプソン/Angus Sampson(The P.I.:エイジアが雇う私立探偵、弁護士)
Chris van Rensburg(The Manager:小売店の店主)
Megan Alexander(怒る女子受刑者)
Maite Rakabe(若い受刑者)
Trudy van Rooy(イザベル/Isabelle:マリアの友人)
Chanté Grainger(メイド)
Kylie Fisher(メイド)
Hannah Gonera(メイド)
Lindzay Naidoo(メイド)
Shiefaa Hendricks(メイド)
Francois Nel(BDSMのパーティの客)
Kristin Boshoff(女)
■映画の舞台
アメリカ:ニューヨーク
マンハッタンにあるマンション「バージル」
ロケ地:
オーストラリア:ケープタウン
■簡単なあらすじ
暴力的な父親から逃げていたエイジアとマリアは、ある小売店にて逃げ場を失ってしまった
エイジアは父親に発砲し、マリアを置いて逃げてしまう
その後、エイジアは逮捕され、女子刑務所に服役することになった
それから10年後、エイジアはニューヨークにある高級マンション「バージル」を訪れた
彼女はイザベルという偽名で近づき、そこでメイドとして働こうと考えていた
管理人のリリーは彼女を出迎え、部屋へと案内する
だが、その部屋は異様な空間で、誰かに見られているような感覚があった
シャワーを浴びて、眠りについたエイジアだったが、夜中に気配を感じて飛び起きた
そこには奇妙なマスクをつけた男がいて、乱闘の末に、その男を気絶させた
さらに部屋に侵入しようとする輩がいて、エイジアは武器を振り翳して、輩たちを次々と殺していった
廊下に出ると、そこにはリリーがいて、「お前は何者だ」と告げる
エイジアは「妹を探しに来た」と言い、「生きていれば返せ、死んでいるなら仇を討つ」と言い放つ
そして、マンションに巣食う、奇妙な輩たちとのデスバトルが始まるのである
テーマ:郷に入れば、郷に従え
裏テーマ:後悔と贖罪
■ひとこと感想
悪魔崇拝のマンションにメイドに入る女が主役ぐらいの知識で鑑賞
間違っていないのだけれど、その前提は開始15分ぐらいで木っ端微塵になっていましたね
まさかの、目的ありきの乱入となっていて、有無を言わせずにバッタバッタと薙ぎ倒していきました
それでも、そのまま終わらないのが本作の特色で、敵にはある能力があった、ということになっています
映画は、いわゆるホラーアクションなのですが、どちらかと言えばコメディ路線で、妙な間の笑いを提供する場末の劇場で見られそうな感覚を覚えてしまいましたね
なんと言うか、王道ではない感じのズラし方があって、それを玄人っぽく見せているけど、客が笑ってくれているから成立している、と言う感じの笑いのような感覚ですね
なので、テイストが合わないと寒いのですが、めっちゃ寒くて凍えそうになりましたよ
アクションは結構頑張っていたと思いますが、既視感満載と言うか、もうアクションで新しいものを見せるのは無理ということなのかもしれません
若干、『キルビル』っぽいのかなと思ったりしましたが、それが正しい例えなのかはわかりません
物語性は皆無に等しく、どちらかと言えばステージをクリアするアクションゲームのようでしたね
それでも、ステージ9まで地道に昇るのかと思ったら、尺の都合であっさりと最上階に行ったのは笑ってしまいました
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
本作は、設定自体がネタバレな感じで、いわゆる出オチに近いものがありました
敵がアンデットということが序盤からわかり、そんな相手をどうやって倒すのか、という謎解きがあるという流れですね
そんな中で、マンションの中で起きていることに異を唱える者が協力者になるのですが、役に立っていたのかはよくわかりませんでした
単なる設定の解説者(観客向け)みたいな登場&退場だったように思います
物語性がないとアクションシーンで魅せるしかないのですが、こうも単調だと眠気を誘う感じでしたね
武器も限られているし、空間はあまり動かないし、相手が死なないのでカタルシスはないし、かと言って斬新な解決方法があるわけでもない
妹の救出劇ではあるものの、見捨てた過去があるから協力的ではないし、住人になりたいとさえ思っていて、契約まで済ましていたりします
後半には、その呪縛を解くために敵を殺すという展開になっていて、それが豚の頭に書かれていた名前を消すという地味な解決方法になっていました
そこから「書かれた名前を上書きする」という斜め上の展開を迎えるのですが、それでOKだったらガバガバすぎませんか?と思ってしまいます
かしら文字を足すだけならまだしも、「SをRに上書きする」のは無理すぎると思います
ともかく、突っ込んだら負けという内容なので、ザジー・ビーツのアクションを堪能できなかったらキツい映画だなあと思ってしまいました
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
本作は、地獄の9階層という感じのダンジョンになっていて、1階と最上階以外は「7つの大罪」みたいな設定だったのだと思います
2階の肉欲チラ見せぐらいしか映像がなく、ひとつひとつをクリアするのではないのは斬新なのか設定だけが頭でっかちなのかはよくわかりませんでした
冒頭では、ベンヴェヌート・チェッリーニの有名な格言「When the poor give to the rich, The devil laughs.(貧者が富者に施す時、悪魔は笑う)」の引用がありましたが、一応社会的レイヤーを揶揄していたのでしょうか
貧者=メイド、富者=カルトということなのだと思いますが、いまいちピンと来ない引用でしたね
また「AISA REAVES」「THE VIRGIL」「MARIA REAVES」「THE DEAL」などのように章立てがされていたように思いましたが、それよりも階層をしっかりと作り込んで、クリア型にした方が良かったと思います
そんな中でエイジアの罪というものが暴かれていき、本当の自分と対面して、妹を見捨てた時の傷を敵側に抉られるという惨さが必要だったように思いました
主人公がいかに精神的かつ肉体的ダメージを被るかというのがホラーの醍醐味であり、今回のような閉鎖空間に至る理由というものはしっかりと作り込まないとダメなのですよね
妹があのマンションにたどり着いた理由もざっくりとしていて、あのよくわからない男との出会いなども全くわかりません
あれならば、まだ父親に性的虐待を受けているとかの方がマシで、父親を殺して逃亡した先で、マンションに逃げ込んだ、みたいな展開の方が「住人になる覚悟」というものは生まれやすいでしょう
さらに、マリアの友人とさせるイザベルに辿り着く過程もざっくりとしすぎていて、偽造IDをどうやって作ったのかもわかりません
カルト側も生贄の選別にはかなり労力を有しているだろうし、別人が来たことを看過できないのもポンコツすぎると思います
総じて、敵も味方も設定も世界観も中途半端なので、本当にザジー・ビーツのファン以外が楽しめるのかはわからない映画だったように思いました
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/105597/review/06505327/
公式HP:
https://they-will-kill-you.jp/
