■ベートーヴェン捏造


■オススメ度

 

ベートーヴェンに興味のある人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2025.9.18(MOVIX京都)


■映画情報

 

情報:2025年、日本、115分、G

ジャンル:ベートーヴェンのイメージ改竄の事実を回想する伝記映画

 

監督:関和亮

脚本:バカリズム

原作:かげはら史帆『ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく(河出文庫)』

 

 

キャスト:

山田裕貴(アントン・フェリックス・シンドラー:ベートーベンの秘書)

   (幼少期:近藤瑠伊

古田新太(ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン:孤高の天才作曲家)

 

染谷将太(アレクサンダー・ウィーセック・セイヤー:若きジャーナリスト)

神尾楓珠(カール・ホルツ:ベートーヴェンの晩年の秘書)

 

前田旺志郎(カール・ヴァン・ベートーヴェン:ベートーヴェンの甥)

小澤征悦(ニコラウス・ヨハン・ヴァン・ベートーヴェン:ベートーヴェンの弟)

 

生瀬勝久(シュテファン・フォン・プロイニング:ベートーヴェンの最期に立ち会う旧友)

遠藤憲一(フランツ・ゲルハルト・ヴェーゲラー:ベートーヴェンの親友、シンドラーの共同執筆者)

西田尚美(エレオノーレ・フォン・ヴェーゲラー:フランツの妻)

 

小手伸也(イグナーツ・シュパンツィヒ:「第九」初演時のコンサートマスター)

野間口徹(ミヒャエル・ウムラウフ:「第九」初演時の副指揮者)

 

井ノ原快彦(フェルディアント・リース:ベートーヴェンの愛弟子)

市川紗椰(ハリエット・リース:フェルディアントの妻)

 

安井順平(ジークフリート・ヴィルヘイム・デーン:ベルリン王立図書館の音楽部門責任者)

 

藤澤涼架(ショパン:自伝を売り込まれる作曲家)

堀井新太(ワーグナー:自伝を売り込まれる作曲家)

坪倉由幸(ハイネ:自伝を売り込まれる作曲家)

新原泰佑(シューベルト:サロンの作曲家)

前原瑞樹(チェルニー:サロンの作曲家)

河内大和(マイヤベーア:ホルツがふれこむ作曲家)

管勇毅(ベルリオーズ:ホルツがふれこむ作曲家)

木原勝利(アーダム・リフト:フランツの父)

志水透哉(フランツ・リフト:アーダムの息子、ピアニスト)

ニクまろ(フンメル:宮廷学長)

小西遼生(理想のベートーヴェン)

 

前野朋哉(劇場スタッフ)

大野泰広(?)

菊池姫奈(ベートーヴェンのワンナイトラブの相手)

三浦健人(?)

泉澤祐希(セイヤーの友人)

青野竜平(サロンの人々)

塚原さやか(劇場のファン?)

高山孟久(パリの劇場の支配人)

仁山貴恵(ベートーヴェンの家政婦)

小倉史也(サロンの人々)

斉藤マッチュ(レストランの給仕?)

中野剛(?)

 

【現代パート】

 

古田新太(校長先生)

染谷将太(山本先生:担任)

山田裕貴(黒田先生:音楽の先生、語り手)

生瀬勝久(教頭先生)

小手伸也(岡田先生)

 

柊木陽太(野村:中学2年生)

 


■映画の舞台

 

1822年〜

オーストリア:ウィーン

 

現代、

日本のどこかの中学校

 

ロケ地:

スタジオ撮影


■簡単なあらすじ

 

現代の日本のどこかの中学校では、忘れ物をした生徒・野村が、音楽室を訪れていた

音楽教師の黒田とベートーヴェンを聴きながらコーヒーを飲むことになった野村は、そこでベートーヴェンのイメージについて聞かれた

黒田は、それらのベートーヴェンのイメージは秘書のシンドラーによって捏造されたものだと語る

 

時は1822年のウィーン、ある劇場のサロンでベートーヴェンと出会ったシンドラーは、筆談を通じて彼とコンタクトを取ることになった

イメージとは違う小太りのおっさんだったが、彼は秘書を探しているという

そこでシンドラーは、その申し出を受けて、身の回りの世話まで行う秘書となった

 

それからシンドラーはとある事件が起きるまでの間、献身的に尽くし、彼の寵愛する甥っ子カールの相談相手にもなっていく

だが、盲目的で、ベートーヴェンを神格化するシンドラーは、彼に不要な人を血がづけないようにしていた

その噂はベートーヴェンの耳にも入り、弟ヨハンと相談の上、パリ公演の収入をくすねたとのことで解雇させてしまう

 

ベートーヴェンと袂を分つことになったシンドラーだったが、彼の後に秘書になったホルツが自伝を書く権利を有していたことを知る

そこでシンドラーは、独自で動き出し、ベートーヴェンの理想の自伝を作成し始めるのである

 

テーマ:改竄される真実

裏テーマ:信じたいものの連鎖

 


■ひとこと感想

 

宣伝ではバカリズムが関わっていることが強調されていましたが、実は原作のある作品だったようですね

シンドラーという秘書がやらかしたことが仄めかされていて、それがどうやって実現したのかが描かれていました

約2年間だけの秘書期間だったようですが、それはほぼ晩年の出来事になっていました

 

自伝を書く権利というのがあるというのも驚きでしたが、指名されたホルツ以外にも多くの音楽家たちが自分の音楽理論と抱き合わせで本を執筆していましたね

それらの中でも異彩を放つのがシンドラーの「ベートーヴェン論」という自伝本で、その中身はほぼ嘘だった、とされています

それらのが判明したのがシンドラーも死んだ後の世になっていて、それでも一般に浸透するほどにはイメージ変革には至っていないと思います

 

バカリズム脚本ということで、もっとコメディ寄りになるのかなと思いましたが、意外と真面目なつくりになっていましたね

それゆえに期待していたものと違うという感覚はありましたが、あまりふざけすぎるのも良くないと思ったのかもしれません

とは言え、回想録で状況を話すだけの映画になっているので、内容に興味がなければ寝てしまうでしょう

大音響でベートーヴェンを聴けるとしても、そのためにこの映画をチョイスするのは違うように思えます

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

みんなが信じていたものにはこんなカラクリがあったという内容で、どのようにして虚像が世の中に広まったのかを描いていました

ざっくりと言えば、人は信じたいものを信じるということと、英雄の暴露話をしてその名を汚すことに何の意味があるのか、というところだと思います

当人が死んでからあれこれと言われるのは世の常だとは思いますが、当時には今よりも書籍に権威があったので、それが事実のように広まってしまったのでしょう

人に英雄であると信じさせるにはどうするべきかと暗躍するのがシンドラーでしたが、その策略はうまくいったと言えます

 

後半では、シンドラーの嘘に気づくジャーナリストのセイヤーがいて、彼との対決がメインとなっていました

調べれば調べるほどにシンドラーの執筆だけに嘘が多く、さらに王立図書館をお墨付きを与えてしまった部分もありました

それによって、権威主義的なものが生まれているのですが、それ以上にセイヤーも「暴露に利がある」とは思えなかったのでしょう

真実は自分の胸にあれば良いわけで、それが伝播した瞬間だったのだと思います

 

映画では、野村に語る先生の言葉もシンドラーやセイヤーと同じであると結ばれます

ある程度史実に基づいているし、色んな文献があったとしても、何を信じるかはそれぞれなのですね

先生はシンドラーの人物像を創作している部分があり、それを野村は見抜いていたのではないでしょうか

 


■事実は誰のもとにある

ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください

 


■遺したい人の思惑と歪曲

ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください

 


■120分で人生を少しだけ良くするヒント

ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/103805/review/05583120/

 

公式HP:

https://movies.shochiku.co.jp/beethoven-netsuzou/

アバター

投稿者 Hiroshi_Takata

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA