■何事も、起こったことをどう捉えるかが肝要であると思う
Contents
■オススメ度
スリリングでスピーディな映画が好きな人(★★★★)
トンデモニッポンを堪能したい人(★★★★)
原作ファンの人(たぶん別物)
■公式予告編
鑑賞日:2022.9.1(MOVIX京都 ドルビーシネマ)
■映画情報
原題:Bullet Train
情報:2022年、アメリカ。126分、R15+
ジャンル:ブリーフケースを盗むだけのミッションが血みどろの殺し合いに発展してしまうアクション映画
監督:デヴィッド・リーチ
脚本:ザック・オルケヴィッチ
原作:伊坂幸太郎『マリアビートル(2010年、角川書店)』
キャスト:
ブラッド・ピット/Brad Pitt( レディバグ:運の悪い殺し屋、原作の七尾)
ジョーイ・キング/Joey King(王子:若いイギリス人の女子大生風の殺し屋、原作の王子慧)
アーロン・タイラー=ジョンソン/Aaron Taylor-Johnson(タンジェリン:白人のイギリス人の殺し屋、原作の蜜柑)
(少年期:Miles Marz)
ブライアン・タイリー・ヘンリー/Brian Tyree Henry(レモン:トーマス好きな黒人のイギリス人殺し屋、タンジェリンの弟、原作の檸檬)
(少年期:Joshua Johnson-Payne)
アンドリュー・小路/Andrew Koji(木村雄一/ファーザー:日本人の殺し屋、原作の主人公)
(少年期:Parker Lin)
Kevin Akiyoshi Ching(木村渉:雄一の息子)
真田広之(エルダー:木村の父、剣術に優れた元ヤクザ)
(若年期:ヨシ・スダルソ/Yoshi Sudarso)
マイケル・シャノン/Michael Shannon(ホワイト・デス:リボルバーによるロシアンルーレットを使う鬼の面を被った殺し屋、原作の峰岸良夫)
ローガン・ラーマン/Logan Lerman(サン:ホワイト・デスの息子)
Johanna Watts(ホワイト・デスの妻)
べニート・A・マルティネス・オカシオ/Benito A. Martínez Ocasio/Bad Bunny(ウルフ:レディバグに恨みを持つメキシコの殺し屋)
(若年期:Ian Martinez)
Andrea Munoz(ウルフの妻)
Tania Verafield(ウルフの母)
ザジー・ビーツ/Zazie Beetz(ホーネット:新幹線の乗務員風のアメリカ人の殺し屋)
サンドラ・ブロック/Sandra Bullock(マリア・ビートル/レディバグのハンドラー、原作の真莉亜)
マシ・オカ/Masi Oka(新幹線の車掌)
福原かれん(新幹線の乗務員)
Nancy Daly(レディバグたちに注意する老女の乗客)
チャニング・テイタム/Channing Tatum(新幹線の乗客)
Ryan Reynolds (カーヴァー:レディバグの仕事をするはずだった男)
デヴィッド・リーチ/David Leitch(ジェフ・ズーフェルト:過去にレモンとタンジェリンに殺された17人目の男)
Julio Gabay(サグアロ:兄弟が狙っていた獲物)
Nobuaki Shimamoto(峯岸:エルダーの友人)
Michelle Lee(渉の担当看護師)
Pasha D. Lychnikoff/パシャ・D・リクニコフ(アレクセイ・イリン:
Anna Carina(モモモンの中の人)
■映画の舞台
東京→京都間を走る超高速列車「ゆかり号」
ロケ地:
アメリカ:ロサンゼルス
■簡単なあらすじ
運が悪い殺し屋レディバグは、依頼人のマリアから「新幹線に乗っているブリーフケースを盗む」と言う依頼を受けることになった
あっさりとケースは見つかるものの、同じ列車にはかつて殺されそうになった殺し屋兄弟が乗っていた
さっさと逃げようとするレディバグだったが、次の駅には自分のことを狙うウルフが乗り込んできて、いきなり襲われてしまう
レディバグには何のことかわからなかったが、かつて参加した結婚式にて、ウルフ以外の全員が死んだ事件を思い出した
ケースは兄弟が預かったもので、それは京都で待つホワイト・デスに渡すものだったが、レディバグはそれを既に盗んでいて、二人は慌てふためく
二人はホワイト・デスの息子サンの救出も愛されていて、ひとまず彼を残して車内を探し始める
だが、全く見当たらず、言い訳を考えようと席に戻ったところ、サンは何者かによって殺されていたのである
兄弟は殺し屋を探し、同時にホワイト・デスの定期連絡をごまかく手段に出る
一方その頃、レディバグの持つケースは色んな乗客に狙われ始めるのであった
テーマ:運とは何か
裏テーマ:運を見る角度
■ひとこと感想
予告編の段階で「トンデモニッポン」になるんだろうなあと思って鑑賞
予想は的中で、京都駅を見た時は吹き出しそうになりました
物語は予告編でほぼネタバレ状態で、何かしらの因果で集まった10人の殺し屋たちが、それぞれの目的に向かって暴れると言うものでした
原作は未読ですが、おそらくは本筋以外は脚色が多そうな印象
アクションはそこまで込み入ったものではありませんが、絵になるシーンが多くてスタイリッシュな印象が強かったですね
10人の複雑に絡み合ったものが徐々に解けていく様は見事で、ちょっとばかし展開が早いのでついていくのが大変かもしれません
前編「めっちゃ早口」なので、字幕苦手な人は吹き替えにした方が良いかもしれません
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
どうやって途中下車させないんだろうなあと考えていましたが、かなり無茶なハンドリングで際どいコースをツッコミまくっていましたね
土地勘があるので、今この辺かななどど楽しみましたが、そもそも新幹線の駅周りに印象的なものは何もないので、景色はそれほど楽しめません
当初はたくさんいた乗客もいつの間にか降りていましたが、ホワイト・デスがどうやって座席を買い占めたのかなあとか、事情を知っているだけに余計なことを考えてしまいました
京都駅を過ぎて、そこから脱線ルートに入るのですが、新幹線で京都駅で止まって脇に入るルートなどはないので、最後に突っ込んだ街はどこよ?とか、これまた余計なことを考えていましたね
あの感じだと、山陰線の方に侵入したみたいな感じなんでしょうか?
五重塔みたいなのが映っていましたが、あれってひょっとして東寺の塔だったりして
そうすると、なぜか近鉄京都線の線路に突っ込んだとか、って考えるのは野暮なのでやめておきましょう
■運とは何か
映画の主人公レディバグは「自分は運が悪い」と考えている殺し屋でした
でも、実際には寸前のところで生き残るキャラで、運が悪いと言えるのかは微妙かもしれません
レディバグが感じる運の悪さは、言い換えれば「物事がスムーズに行えない」というもので、結果としてリスクが高まる人生だったと言えます
それゆえに運が悪いと感じているのですが、客観的に見るとそうではないことがわかります
運というのは、その人の力ではどうしようもない巡り合わせのことを指し、人が遭遇することのほとんどは「運」によるものだと言えます
運は「良かった」「悪かった」と区別されますが、良かった場合の多くは自分の力ではなし得ないことが実現したという意味になり、悪かった場合の多くは自分の力で何とかできたことができなかったなどの意味になります
運命決定論などの考え方だと、運に悪いも良いもないという考えで、過去や未来はすべて決定されている、なんて言われたりもします
でも、人間は決定された未来を見通せないので、運命が決定されていたとしても、良い悪いの観点から抜け出すことは難しいように思えます
ギャンブルをしたことがある人、あるいはそう言った漫画を読んだことがある人ならば、「運には流れがある」と感じることに理解を示すことができると思います
実際に流れがあるかどうかは不明瞭ですが、何かしら「うまくいくことが続く」とか、「うまくいかないことが続く」という現象にはしばしば遭遇します
実際にはサイコロを連続で振っても、永遠に6分の1の確率で単独されたものが連続するだけで、そこに流れがあると考えるのはナンセンスでしょう
でも、自分に起こっている運の流れが見えなくても、人に流れている運というのが見えたりもします
そう言うのを勝ち馬に乗る、みたいな言い方をしますが、裏を返せば良き結果には良き行動があるというところに収束しそうな気がしないでもないですね
他人の表面的な行動はよく見えるので、その人の運の良さというのはその人の行動の良さにつながっているように見えることがしばしば起こるのではないでしょうか
■運の逆位置
運とは自分に起こった事象のことで、それは解釈によって「良かった」「悪かった」が規定されるものだったりします
単体で考えると運が悪く感じるものも、長いスパンで考えるとあの出来事は良かったことだ、ということはしばしば起こります
この映画で例えると、レディバグの悪い運の起点は「カーヴァーの代わりに仕事を引き受けたこと」で、それによってウルフに狙われ、今回のミッションをすぐに終わらせることができませんでした
そして、タンジェリンとレモンに遭遇することになって、王子をはじめとしたそれぞれの思惑に晒されることになります
これを俯瞰してみると、タンジェリンとレモンとの因果はカーヴァーの代理とは無関係で、別の場所で起こった過去が起因となっています
この別々の場所で起こった過去のレディバグの行動が絡み合っているのが今回の一連の騒動で、「マリアからの今回の依頼」「カーヴァーの代理」「ボスニアでの仕事」という過去はそれぞれ単独で存在し、レディバグの人生の時系列にすべて存在していたものでした
運とはこのように、自分の過去の体験の結果が時間軸に揃ったことで、その他の人々の人生と衝突することで起きます
これらの一連の動きをレディバグはコントロールできるわけでなく、この列車に乗り合わせたというのは「運命」ということになるのですね
なので、この一連の事象はマリアと共にいるという原因がありますが、その原因を選択しているのはレディバグ自身でした
運とか運命は捉えようによって解釈できるもので、自分の人生の各地点においても変化するものです
この映画のような一連の事件は運が悪いように見えますが、タンジェリンとレモンの関係性は「狙われるものと狙うもの」の関係性から脱却しますし、ウルフ&ホーネットの現在軸を作り出した他力というものは消滅することになりました
結果として、レディバグは列車に乗る前に抱えていた先天的なリスクを消滅させることになり、またホワイト・デスとエルダーの戦いに巻き込まれても生き残ったという事実が、レディバグの評判を変えていく(マリアからの信頼の深度の変化)ことにも繋がります
抗えない運命に遭遇した時、それは何度もレディバグを列車内に引き戻した運命的な何かというものがあるのですが、それを決定論かどうかという論争は一旦傍に置いておいても、一連の事象は意味のあることのように思えます
実際には、レディバグが一連の事象に対してどう捉えるかということになりますが、この体験に対する理解の心の向きは、今後の人生に大きな影響を与えることは間違いないと言えます
人は自分に起こったことをネガティブに捉えがちですが、私の個人的な感覚だと、全ての事象は自分の人生に置いて必要な要素を与えてくれるエッセンスだと考えています
どんなに不遇なことが起こっても、その体験には意味があって、例えばこのブログは少し前にサーバーアカウント停止という「どうみても運が悪そうそうな出来事」に遭遇しましたが、私個人は「運が悪かった」とは考えていません
実際にはメンテナンスを怠った原因というものがありますし、閉鎖したホームページを放置していたというものもありました
また、バックアップをきちんと外部に取らなかったためにデータは消失しましたが、一連の事象によって新しい知恵を獲得することに成功しています
これまでにメンテナンスを必要とするものはすべてクリア(全部消えたのでメンテの必要がなくなった)になりましたし、ほぼほぼ等価交換的な意味合いでデータの消失を被りましたが、この体験が今後のブログのネタにチョコチョコ出せるということもあります
本当に運が悪いとなるのは、フィッシングの踏み台になったことが放置されて、それによって被害者が出て訴訟問題になるということですが、それがかなり早い段階でレンタルサーバー側が強制執行したことによって被害が出ずに済んでいる(今のところは訴状は届いていない)ので、見方を変えれば「運が良かったな」と思っています
別の記事でも少しふれましたが、Iga腎症に罹って腎生検とか扁桃腺除去手術などを受けるハメになりましたが、それによって生活習慣病への取り組みがガチになって、以前よりも数字的には健康になっている、なんてこともあります
これらの事象を全て不幸な出来事であると考えることもできますが、そう考えてもあまり意味は感じないので、個人的には「この体験で得られる将来的なメリットは何か」ということを考えるようにしています
これが「運の逆位置」という表現になっていて、タロット占いをかじった人ならわかると思いますが、全てのカードには真逆の意味を内包しているのと同じように、人生における全ての出来事には表裏があると言えるのではないでしょうか
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
このような考え方が一般的かわかりませんが、この考えの根底には「過去と他人は変えられないが、未来と自分は変えられる」という人生哲学があります
レディバグは殺し屋を続け、マリアと関係を継続することで同じような不運に晒され続けると思います
これと同じように、私たちも大幅に生き方を変えなければ、同じような不遇を体験することは想像に難くありません
また、生き方を変えても、別の生き方には別の不遇があるというのは必然なので、自分の生きやすい人生を選びつつ、そこで起こる不遇というものの捉え方を変えることで、人生の充足というものの質は変わっていくと考えることもできます
先のサーバーアカウント停止の案件でも、ブログを1から作り直すことで、新しいプラグインであるとか、検索エンジンとかSNSの関わり方というものを「最新の状態にアップデートすることができる」というメリットがありました
サイトの脆弱性が起こる理由であるとか、放置したブログがどのように悪用されるかなどが理解できましたし、その予兆というものも理解できるようになりました
今回の一連の出来事は、かつて運用していた競馬の予想サイト(現在はNoteというアプリで継続)していたものが、ドメイン更新費用の理由で停止させていたことに起因します
おそらくはワードプレスのサイトの利用プラグインなどが更新されず、さらに悪意の第三者によって失効したドメインの所得が行われ、それが踏み台になったものと想定しています
その予兆的なものを無視してしまったのが原因で、その予兆というものが「停止しているはずのホームページにコメントが書き込まれる」というものでした
ワードプレスだとコメントの認証メールがくるので、変だなと思いながら削除していたのですが、それが可能になったのはサイトのドアが開いて「閉じていたコメント欄が再開通した」というものがあったからですね
実際には気づいた時にはサーバーアカウント停止になっていたので、そのサイトがどんな踏み台になっているかが調べようがありませんでした
レンタルサーバー元から、改竄されたファイルを検知とありましたので、サイトに言った瞬間にどこかにリダイレクトされる仕組みになっていたと推測できます
ざっとモデレートメール(コメントの承認)に目を通したところ、その多くはどこかのローン会社の告知になっていて、また「そのローン会社のサイトに対する絶賛のコメント」なども残っていたので、そういう使われ方をしていたのだと思いました
今後はそのようなことがないようにブログの管理を行なっていきますが、おかしなことに気づいた人がいればツイッターとか、サイトにコメントを書き込んでいただければ調査をして対策をとるようにいたします
■関連リンク
Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://movies.yahoo.co.jp/movie/381726/review/c2a0928f-8060-41a2-a79b-017adef550a6/
公式HP:
https://www.bullettrain-movie.jp/