■夢が誰かの創作物だとしたら、寝起きが悪くなって当然なのかもしれません
Contents
■オススメ度
明晰夢のついて興味がある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2024.11.25(イオンシネマ京都桂川)
■映画情報
原題:Dream Scenario
情報:2023年、アメリカ、102分、G
ジャンル:他人の夢に出てきた大学教授に訪れる不条理を描いたスリラー
監督&脚本:クリストファー・ボルグリ
キャスト:
ニコラス・ケイジ/Nicolas Cage(ポール・マシューズ/Paul Matthews:大勢の人の夢に出てくる男、進化生物学のオスラー大学の教授)
ジュリアンヌ・ニコルソン/Julianne Nicholson(ジャネット・マシューズ/Janet Matthews:ポールの妻)
リリー・バード/Lily Bird(ソフィー・マシューズ/Sophie Matthews:ポールの娘、演劇部の次女)
ジェシカ・クレメント/Jessica Clement(ハンナ・マシューズ/Hannah Matthews:ポールの娘、長女)
Star Slade(グレタ/Greta:夢でポールを部屋に入れる女生徒)
David Klein(アンディ/Andy:キノコの夢を見る男子生徒)
Kaleb Horn(マイルズ/Miles:ポールの生徒)
Ben Steele Caldwell(エリ/Eli:歯が抜ける夢を見る男子生徒)
Agape Mngomezulu(ロビー/Robbie:ドレッドヘアの男子生徒)
Stephen R. Hart(アンディの夢に出てくる背が高い男)
Leah Stanley(グレタの夢に出てくる女)
Sofia Banzhaf(リア/Leah:ワニの夢を見る女生徒)
Paula Boudreau(シーラ・ルーパー/Sheila:ポールの元同僚、論文泥棒)
Marnie McPhail(クレア/Claire:ポールの元恋人、ジャーナリスト)
ティム・メドウス/Tim Meadows(ブレット/Brett:大学の学部長)
Cara Volchoff(キャンディス/Candice:セラピスト)
Jennifer Wigmore(カイヤ/Kayla:ソフィの担任の先生)
Ramona Gilmour-Darling(ポーシャ/Portia:観劇の受付)
Will Corno(劇場の警備員)
ディラン・ベイカー/Dylan Baker(リチャード/Richard:ポールの友人)
Krista Bridges(カルロッタ/Carlota:リチャードの妻)
Maev Beaty(ナオミ/Naomi:リチャードの友人)
Marc Coppola(シドニー/Sidney:ナオミの夫)
Conrad Coates(ディナーのゲスト)
Marnie Brunton(ディナーのゲスト)
Al Warren(クリス/Chris:ジャネットの同僚)
マイケル・セラ/Michael Cera(トレント/Trent:バイラルマーケティング「ソーツ」の社長)
ディラン・ゲルラ/Dylan Gelula(モリー/Molly:トレントのアシスタント)
Kate Berlant(メアリー・ヴィキンズ/Mary:トレントのビジネスパートナー)
Richard Jutras(ジャン/Jean:出版社の担当者)
Nicholas Braun(ブライアン・バーグ/Brian Berg:ノリオ社のCEO)
Talia Schlanger(ノリオのアプリの声)
Amber Midthunder(ハーレイ/Haley:ノリオの利用者)
Jessie-Ann Kohlman(クロエ/Chloe:ノリオの利用者)
Alton Mason(カーター/Carter:ノリオの利用者)
Noah Centineo(ディラン/Dylan:ノリオの利用者)
Philip Van Martin(クロード/Claude:ノリオの利用者)
Jordan Raf(ノリオの取り扱い説明ビデオ)
Noah Lamanna(ジェシー/Jessie:ノリオを利用した宣伝者)
Josh Richards(ハンター/Hunter:ノリオを利用する噛みまくる宣伝者)
Jim Armstrong(トリスタン/Tristan:侵入者)
Thomas Mitchell(ダヴィッド/David:刑事)
Liz Adjei(エイブリー/Avery:レストランの受付)
Nneka Elliott(ニュースアンカー)
Jeremy Levick(TVの睡眠の専門家)
Caleb Weatherbee(ポールのそっくりさん/Paul look-alike)
Greer Cohen(グレース/Grace:レストランのウェイトレス)
James Collins(レストランの大男)
Lily Gao(不動産屋)
Nicole Leroux(アマンディーヌ/Amandine:?)
Domenic Di Rosa(フォンターヌ/Fontane:?)
Jesse Goldman(劇場のゲスト)
Trish Hoang(レストランの客)
■映画の舞台
カナダのどこか
ロケ地:
カナダ:オンタリオ州
トロント
■簡単なあらすじ
カナダのオスラー大学にて進化生物学の教鞭を取っているポールは、妻ジャネットとの間にハンナとソフィの2人の娘を授かっていた
ある日、「ソフィは自分の夢の中に父が出てきた」と言い、自分は空中に浮いて飛ばされたが父は突っ立っているだけだったと続けた
その後、観劇に出かけた夫婦は、その帰りにクレアと言う女性から声をかけられた
彼女はポールの元交際相手で、彼女もポールの夢を見たと言う
さらに、クレアの夢でもポールはただ立っているだけだったと言われた
ジャーナリストのクレアは、このことを記事にしたいと言い、ポールは何も考えずにOKを出してしまう
だが、クレアはポールを写真付きでウェブに公開し、さらにFacebookのアドレスまで紐つけられていた
メッセンジャーには生徒を含む多くの人から「見た」と言うコメントが届いた
ポールの利用価値に気づいた代理店が接触し、書籍化の話なども飛び交う中、代理店のアシスタントであるモリーが妙なことを口走る
それは、彼女の夢の中のポールは、積極的で遂にはセックスまでしたと言うのである
テーマ:夢が見せるもの
裏テーマ:明晰夢と心理的抑圧
■ひとこと感想
ニコラス・ケイジが夢の中に出てくると言う情報だけで鑑賞
大学教授が言われもないことで誹謗中傷を受ける様子が描かれ、この様子はさながら現代的なネットリンチのように思えます
何もしていないけど、夢の中に出てきて悪さをされたと言うもので、何もしない時は笑い話になっても、その後暴れ出すと大変なことになる、と言う内容になっていました
ポールは大学の終身雇用レベルの実績があり、こだわり論文の提出になっていて、元同僚が自分の説をパクったと思い込んでいました
その話が30年くらいまでの大学院の話となっていて、そりゃパクリとは言わんだろうと思ってしまいました
むしろ、この30年間原稿すら書かずに何をしてきたんだと言う感じになっていました
映画は、近しい人から始まったのかわかりませんが、突っ立っているだけのポールが夢に登場し、それを本人が認知したことによって良からぬ方向へと動いていきます
何もしないことに不満を感じていたら、ある女性の夢では積極的なロマンスがあったと言う
そこからは、ポールに対する考えや想いなどによって暴走していくことになりました
おそらく潜在意識にあるポールへの感情が夢の中のポールをコントロールしていて、いわゆる明晰夢のような状態になっていたのではないでしょうか
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
本作のネタバレに関しては、言っても意味わからないだろうと言う感じで、映画全体が何だったのかわからないように思えてしまいます
誰かの夢の中に登場するためのデバイス「ノリオ」が開発され、疎遠になったポールが妻の夢に登場して終わると言うもので、この一文だけを読んでも意味がわからないでしょう
一応は、ポールの存在によって、ある開発者がデバイスを開発し、夢の中に意識的に現れて宣伝をする、と言うものになっていました
夢を覚えている人と覚えていない人がいて、話題になっているから覚えようとする人がいる
ポールは「夢ノートを書けば」と言いますが、夢を覚えているのはあまり良いこととは言えません
映画は、夢の話と言うよりも、知らない間に有名人になってしまい、その連鎖反応としての功罪が生まれていきます
これは「自分が上げたSNSの写真を加工されて悪事に利用される」と言うものの抽象化のようなものになっていて、そのイメージの本人の意図しなところでヘイトが生まれている状況となっています
一見すると社会風刺のようになっていて、それを商業利用する未来がやってくる、と言うことが描かれていたのではないでしょうか
とは言え、思ってたのと違うと言う感じの映画で、お気に召すかは人それぞれのように思います
ニコラス・ケイジを愛でる映画で、彼が演じるポールの悲哀を感じ取れればOKでしょう
ラストは、妻の夢の中に「トーキング・ヘッズ」の格好で現れますが、それが何か知らないと意味わからないエンディングになっています
わかる世代はかなり高めなので、現在の若者が見たらポカーンとなってしまうのは仕方ないことだと思いました
■夢を制御すること
本作は、かなりややこしい作りになっていて、夢の中にニコラス・ケイジ(役名はポール)が次々と出てきてしまい、最後には襲われてしまうという内容になっていました
なぜポールが出てくるのかはわかりませんが、前半は知らないところで迷惑をかけているという感じで、そのとばっちりを喰らう様子が描かれています
後半になると、この現象を利用して広告を打とうとする輩が登場し、さらに混沌としたものになっていました
映画のタイトルが「夢のシナリオ」なので、夢には「何者かの意図されたシナリオでできている」という意味合いがあるのだと思います
この現象に一番近いのは「サブリミナル効果」というもので、潜在意識に擦り込ませて、商品の購買を煽るというのが一時期流行りました
今では、サブリミナルよりもステルスマーケティングの方が主流となっていて、これは「商品の知名度だけで売れた時代」が終わり、「商品と購買者との間にストーリーが必要になったから」と言えます
最近は、自分とどこまで距離を近いかというのがメインになっていて、その距離感を捏造するためにステマが使われるようになっていました
映画では、このマーケティングの最先端を行くもので、夢の中に登場して売り込むという方法を描いていきます
夢を制御していることになりますが、現在の技術では夢のまた夢のように思います
夢自体は睡眠の質によって見るとされていて、そこに登場するものは潜在意識にあるものが形を変えたりして登場しているといいます
まれに、明晰夢という状態になっていて、夢の物語をコントロールしているように見えますが、実際には覚醒していて、想像しているのだと思います
夢は強く念じていることが反映される傾向があって、個人的な話だと、この明晰夢っぽい感じになっている時があります
それは「起きたくない」という状況が「夢の続きを捏造している」ので、実際には夢とは呼べないものだと思います
普段何気なく考えてきたことがふと思考の中に落とし込まれて、それを夢だと勘違いしていたりするのですね
なので、この構造であると知っている私の場合は、そのまま夢をコントロールしているように夢の続きを想像して楽しんでいる、という状況になっていることが多々あったりします
■明晰夢の功罪
明晰夢とは、「夢を見ている最中に『これは夢だ』と自覚している状態の夢のこと」を言います
普通の夢とは違って、自分が見ている夢をコントロールできる場合があるとされています
また、感覚がとてもリアルに感じられ、五感を使って感じるものが現実感を帯びていくとも言われています
明晰夢のメリットとしては、「悪夢を克服できる」「創造性を刺激する」「潜在意識にアクセスしやすくなる」というものがあります
明晰夢を見るためのトレーニング方法としては、「夢日記をつける」とか、「リアリティチェック」、「MILD法(Mnemonic Induction of Lucid Dream)」などの方法があります
MILD法は「眠る前に『夢の中で夢だと気づく』という自己暗示をかける方法」となっています
また、「WBTB法(Wake Back To Bed)」という方法もあり、早朝に起きてから15〜30分ほど過ごしたのちに再度眠りにつくと明晰夢が見やすくなると言われています
デメリットとしては、明晰夢は眠りの浅いレム睡眠中に起こるため、深い眠りが妨げられるというものがあります
また現実感覚の麻痺というのがあって、夢と現実の境界線が曖昧になってしまう場合もあります
さらに、夢の世界は自分の思い通りの世界なので、現実逃避の手段になってしまう場合があります
あくまでも、創造性を豊かにするためのトレーニングとして潜在意識を使うというテイストで行う方が健全のように思えます
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
本作は、ニコラス・ケイジが夢の中に出てくるという出オチ系の映画で、それによって勝手に加害者にされていく様子が描かれていました
みんなが悪夢を見るようになっていて、意図しない暴力性というものの加害者となっていました
おそらくは、潜在的に抱えていた恐怖心が具現化されていて、そこに彼の顔がマッチした、というもののように思えます
みんなが見たというと連鎖的になっていくのですが、ある種の拡散というものが行われていました
映画では、みんなの夢に同じ人物が現れるという現象を利用する企業が登場し、そこで商品の売り込みをしようと考え始めます
この現象がいつまで続くかはわからないけど、からくりがわかれば今後のマーケティングに役立つと思ったのでしょう
ともかくやってみて、みたいなテイストで進んでいくのですが、その技術を知ったポールがそれを使って元妻との関係を修復しようと考えます
思い通りに彼女の夢の中に登場することができますが、現実世界では何も変わらないというオチになっていました
夢の中で起きたことが現実になる場合もあれば、まったく直結しない場合があるのですが、それはそれぞれの潜在意識の方向性に依るものだと言えるのでしょう
恐怖の代理人として登場したポールは、誰しもの中にあったものの具現化であり、ポールの元妻の中にも同じような恐怖心があります
それが恐怖の代理人として現れないということは彼女の中で矛盾が生じるために、その夢を現実から切り離してしまうのでしょう
なので、元妻の中にある恐怖とポール自身がミスマッチにならないと効果がなく、それが起こるには遅すぎたのだと言えます
映画は、出オチ映画でありながらも、ある種の広告への警鐘を鳴らしている部分があると思います
昨今でも世界には数多くの広告が溢れ、全てが何かの広告のようにも思えてしまいます
映画の中に物静かに登場するアイテム程度だった宣伝方法も、今ではストーリーを作り、その中に購買候補者を組み込んでいきます
ある意味において、現実(不要)と虚構(有用)を混在させる目的があるようにも思え、自分自身でそれが本当に必要なのかを考える時代が来ています
夢の中で起こったことですら、自己防衛が必要な時代となっているのは、現代的にそのゾーンに入っていることを意味しています
そういった意味において、軽く受け流せるような内容のように見えて、ちょっと足を止めて再考しなければならない映画なのかな、と感じました
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/101015/review/04505370/
公式HP:
https://klockworx-v.com/dream-scenario/
