■ドランク・ヌードル
Contents
■オススメ度
芸術系同性愛映画に興味がある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2026.5.5(アップリンク京都)
■映画情報
原題:Drunken Noodles(酔っ払い麺)
情報:2025年、アメリカ&アルゼンチン、82分、R15+
ジャンル:ある美大生の性的嗜好の発展とその表現の模索を描いたヒューマンドラマ
監督&脚本:ルシオ・カストロ
劇中詩篇の引用元:Joaquin Gianuzzi『Por Alguna Razom』
キャスト:
レイス・カリフェ/Laith Khalifeh(アドナン/Adnan:ギャラリーでインターンを行うバード大学の美大生)
ジョエル・アイザック/Joél Isaac(ヤリエル・オソリオ/Yariel:詩をたしなむウーバー)
エズリエル・コーネル/Ezriel Kornel(サル/Sal:山奥に住む刺繍作家)
マシュー・リッシュ/Matthew Risch(イギー/Iggie:アドナンの年上の恋人)
セリーヌ・クレルモントワ/Celine Clermontois(オディル/Odille:画廊のスタッフ)
ジョン・アーサー・ピーツ/John Arthur Peetz(ヴィクター/Victor:ハッテン場の青年)
ギジュルモ・ガルシア・アリアサ/Guillermo García Arriaza(フォーン/Faun:森の中の精霊)
サル・サランドラ/Sal Salandra(章のタイトルを作成する刺繍作家)
【その他の出演者】
James Kerlry(ヤリエルの友人)
Mariano Lopez Seoane(ヤリエルの友人)
Tony Cox
Mikey
Osear
Natacha Ikoll
Caleb Leung
Kyle Hello
Brian Ferry
Serglo Villatimo
Tzl Zaltzman
Hector Sos
Chris Praley
■映画の舞台
アメリカ:ニューヨーク州
ブルックリン&州北部
ロケ地:
アメリカ:ニューヨーク
シチュエーション・ギャラリー/Situations Gallary
https://maps.app.goo.gl/oQAgq6sUi7A3gNd69?g_st=ic
イニスフリー・ガーデン/Innisfree Gaerden
https://maps.app.goo.gl/Gz5Q2SzkRzQGhQvc8?g_st=ic
■簡単なあらすじ
州北部からニューヨークの叔父の家に来た美大生のアドナンは、ギャラリーの受付をしながら、叔父の帰りを待つことになった
ある日のこと、ウーバーを頼んだアドナンは、ヤリエルという男性と出会う
その後、街角で彼を目にするようになり、ヤリエルもアドナンを意識することになった
アドナンはハッテン場と呼ばれるマッカラン公園に出向き、そこでウーバーを頼んだ
程なくヤリエルがやってきて、二人は行為に励むようになる
それから交流を深めることになり、ヤリエルは画廊を訪れた
そこにはサルの刺繍作品が飾られていて、彼はその話を友人たちに話した
それからヤリエルは友人たちを連れてアドナンの住処を訪れる
作品に感化された彼らは各々でポージングをして、彼らの性的趣向を作品に昇華しようと考え始めるのである
テーマ:酔いの先にある世界
裏テーマ:感性の衝突
■ひとこと感想
映画は4章立てとなっていて、少しばかり時系列が入れ替わっていました
『Drunken Noodles(パッキーマオ:酔っ払い麺)』『Two Lawn Chairs(2脚のローンチェア)』『Notes For a Possible Story(物語のための覚書)』『The Portal to Tang Dynasty’s Bishan in the Rusing Spot at McCarren Park(マッカレン公園のハッテン場にある唐代の碧山に続く入り口)』と続く内容ですが、2脚の方がパキーマオよりも過去の話になっていました
刺繍作家サルとの出会い、恋人との余暇、その後にパキーマオの話があって、最終章に続いているのだと思います
物語は、アドナンが3人の男性と関わる様子を描いていて、ゆきずりのウーバー、作家、恋人いう順番で紡がれていました
作家との物語では、ローマ神話に登場するフォーン(Faun)が森の中に姿を現すのですが、彼は上半身は人間で、下半身は山羊の姿をしていて、山羊の角を生やしているのですね
初見で彼が何者かわかる人は博学だと思いますが、パンフレットを読むまでは「森の精霊か何かな」と思っていました
章の表記は作家サルによるもので、チラッと姿が映っていましたね
劇中では別の俳優さんが演じていましたが、映画を観た感想はどうだったのか気になってしまいますね
それにしても、彼の作品はとてもユーモアのある面白い作品が多かったですね
パンフレットには彼の作品も載っていたので、購入しても損のない情報が詰まっていると思います
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
映画は、章立てなのかどうかわからなくなる内容で、時系列が逆行しているのも鑑賞中は分かりませんでした
作家のことを知っているのに、作家と初見という時点で「ん?」という感じで、恋人とのピクニックが作家より先なのか後なのかもなんとも言えない感じでしたね
ラストは第1章の後書きのような感じで、幾度となく李白の詩が引用されていました
劇中で登場したのは「月下独酌其三(Barの看板)」「独坐敬亭山(エピローグ)」で、劇中のヤリエルの詩はホアキン・ジャヌッツィの「Por Alguna Razóm」にインスピレーションを受けたものとなっていました
3つの章にはそれぞれアーティスティックな存在が登場し、ヤリエルは詩人、サルは刺繍作家、イギーは文筆家でした
美大生のアドナンが感化されたアーティストが全て趣向が一緒だったということになりますが、その表現方法は違っていました
ヤリエルは自身の気持ちを表現する一人称視点、イギーは自分とアドナンを固有名詞では表現せずに「年上と年下」として描いていました
刺繍作家のサルは神の視点で情事を描き、そこには「君は偽っていた」というような鑑賞者に投げかけを行います
自身の感覚と表現方法、それを誰にどのように伝えるのかという側面において、アドナンが出会うそれぞれの男性は違う方法を用いていたのは興味深いなあと思いました
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
映画の最終章では、李白の詩を読んだアドナンがとある場所にワープするかのような演出がなされます
詩をそのまま解釈するならば、碧山に通じたということになりますが、ロケ地はニューヨーク州にあったりします
あくまでも、アドナンの精神世界があの場所に行ったという意味合いになっていて、そこは穏やかながらも、自身を解放させる場所でもありました
いわゆる自然と一体となっているというシーンで、そこでは靴を脱ぎ捨てて、仰向けになって寝そべっているアドナンが描かれていきます
映画は、アドナンの視点によって、3人の芸術的な表現と出会うという旅を描いていて、時系列が遡っていく演出がなされていました
2章と3章の時系列は分かりづらいのですが、ここで順列になる意味はないので、過去そしてさらに過去という「起点」へと掘り下げていったという見方が正しいと思います
ニューヨークでのヤリエルの詩に感化されたアドナンは、自身が出会った作家のことを思い出し、彼との関係の中で「恋人との時間」を思い出す
そして、その先に恋人との再会があり、自身の世界観を解放する場所に出会う、という流れになっていました
最終的には、酔っ払った先に見た風景で映画は終わるのですが、映画のタイトルは「酔っ払った状態から目を覚ますもの」としての「ドランクヌードル」という言葉が使われています
アドナンにとっての「ドランクヌードル」が何かはわからないのですが、映画では「酔いの中で幸福感に包まれている」という終わり方をしていたので、酔いの世界と現実の境界線が消えたようにも思えます
自身の中にある衝動のようなものをどのように表現するか、というのが作品の命題となりますが、アドナンはまだ美学生なのですね
なので、これから彼自身の表現というものが生まれることになるのですが、実はそれがこの映画というオチだったりするのかな、と思いました
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/105658/review/06471450/
公式HP:
https://mimosafilms.com/drunkennoodles/
