■このイかれた時代だからこそ、怒れる女は男を惹きつけて止まないのかもしれません
Contents
■オススメ度
シリーズのファンの人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2024.5.31(イオンシネマ京都桂川)
■映画情報
原題:Furiosa: A Mad Max Saga(「マッドマックス」伝説:「フュリオサ」の章)
情報:2024年、アメリカ、148分、PG12
ジャンル:復讐を誓うフュリオサの幼少期から成人期を描いた成長物語
監督:ジョージ・ミラー
脚本:ジョージ・ミラー&ニック・ラザウリス
キャスト:
アニヤ・テイラー=ジョイ/Anya Taylor-Joy(フュリオサ:母を殺された少女)
(幼少期:アリーラ・ブラウン/Alyla Browne)
クリス・ヘムズワース/Chris Hemsworth(ディメンタス:バイカー軍団の総長)
ラッキー・ヒューム/Lachy Hulme(イモータン・ジョー/Immortan Joe:砦を守る支配者)
トム・バーク/Tom Burke(プレトリアン・ジャック:砦の警護隊長)
【ディメンタス関係の主要キャラ】
George Shevtsov(賢者/The History Man:歴史を語る部下)
アンガス・サンプソン/Angus Sampson(オーガニック・メカニック:フュリオサの体を調べる部下)
Elsa Pataky(ミスター・ノートン:ディメンタスの部下)
David Field(トー・ジャム:フュリオサを見つけるディメンタスの部下)
David Collins(スメッグ:ディメンタスの部下、白いローブの老人)
Rahel Romahn(ヴァルチャー:ディメンタスの部下)
Goran D. Kleut(オクトバス:ディメンタスの部下、黒い甲冑)
CJ. Bloomfield(ビッグ・ジリー:ディメンタスの部下)
Matuse(ファング:ディメンタスの部下、スキンヘッドのライフル)
Ian Roberts(ミスター・ハーレー:ディメンタスの部下)
Guy Spence(ミスター・ダヴィッドソン:ディメンタスの部下)
Robert Jones(スクィント:ディメンタスの部下)
Clarence Ryan(ブラック・タンブ:ディメンタスの部下)
Tim Burns(ハングリー・アイズ:ディメンタスの部下)
Tim Rogers(スナッパー:ディメンタスの部下)
Florence Mezzara(サッド・アイズ:ディメンタスの部下)
Quaden Bayles(ウォー・パップ:ディメンタスの部下)
【イモータン・ジョー関係の主要キャラ】
ネイサン・ジョーンズ/Nathan Jones(リクタス・エレクタス/Rictus Erectus:イモータンの息子)
ジョシュ・ヘルマン/Josh Helman(スクロータス/Scrotus:イモータンの息子)
ジョン・ハワード/John Howard(人食い男爵/The Peopler Eater:イモータンの部下、ガスタウンの支配者)
Peter Stephens(ガスタウンの責任者)
Lee Perry(武器将軍:イモータンの側近、バレットファームの領主)
Richard Norton(プライム・インペレーター:ウォーボーイの中尉、イモータンの側近)
Jacob Tomuri(ザ・ドッグマン/マッド・マックス:イモータンの部下)
Mark Wales(ブレーキマン:イモータンの部下)
Bryan Probets(チャムバケット:イモータンの部下)
Danny Lim(ハイマスター・ブラックサム:イモータンの側近)
【緑の谷関連】
チャーリー・フレイザー/Charlee Fraser(メリー・ジャバサ/Mary Jabassa:フュリオサの母)
Dylan Adonis(バルキリー:フュリオサの妹)
Anna Adams(鉄馬の女)
Peter Sammak(鉄馬の女)
【その他のモブキャラ】
Sean Millis(砦を探す迷子のウォーボーイ)
David Barnett(サイクリング・マン)
Shea Adams(人喰い男)
Josh Randall(野蛮な男)
Karl Van Moorsel(モーティフライヤーのセッター)
Dawn Klingberg(引き裂かれる死体)
Stephen Amadasun(ショットガンを持つプレトリアン)
Nick Annas(ウォーボーイを選ぶ男)
Ripley Voeten(選ばれるウォーボーイ)
Matthew Van Leeve(マット:モーティフライヤー)
Shane Dundas(ガスタウンの監視人)
Jamie Cluff(ガスタウンの門番)
Adam Thompson(ガスタウンの門番)
Shyan Tonga(ガスタウンのライダー)
Nellie Collins(ウインチを動かす男)
Adam Washbourne(タワーの監視人)
James Corcoran(タワーの監視人)
Sasa Vitanovic(タワーの監視人)
Tige Sixel Miller(タワーの監視人)
Justice Jones(若いプレトリアン)
Maleeka Gasbarri(出産するイモータンのハーレム)
Keza Ishimwe(イモータンのハーレム)
Nat Buchanan(イモータンのハーレム)
Darcy Bryce(ピスボーイ:?)
Chudier Gatwech(哀れな新兵)
Shivantha Wijesinha(溶接工の新兵)
Spencer Connelly(ラッカ・ザ・ブラキシュ:ウォーボーイになりすます男?)
Ben Smith-Petersen(エース:ウォーボーイのリーダー)
Toby Fuller(見過ごすウォーボーイ)
Jayden ‘Mozzie’ Irving(目撃するウォーボーイ)
Jesse Turner(爆弾を設置するウォーボーイ)
Jon Iles(バレットファームの老いたウォーボーイ)
Harrison Norris(ハズ:森の中のディメンタスの部下)
Ash Hodgkinson(ランカー:森の中のディメンタスの部下)
Sean Renfrey(叫ぶ男:森の中のディメンタスの部下)
■映画の舞台
荒廃したオーストラリアのどこか
ロケ地:
オーストラリア:シドニー
ブロークンヒル/Broken Hill
https://maps.app.goo.gl/PmzBXihEArLKxePZ6?g_st=ic
シルバートン/Silverton
https://maps.app.goo.gl/vjqWbqYyoDgqoBkj9?g_st=ic
カーネル/Kurnell
https://maps.app.goo.gl/872WTZ4YGJhQVtwu5?g_st=ic
メルローズ・パーク/Melrose Park
https://maps.app.goo.gl/CH1oVEoDgBzA67LK7?g_st=ic
■簡単なあらすじ
地球が荒廃して数十年後、バイカーロードを率いるディメンタスは、さらなる支配を目論んでいた
ある日、彼らの部下たちは森の茂みであるものを見つけ、その様子を伺う2人の少女フュリオサと妹のバルキリーがいた
フュリオサは彼らが奥地にある「緑の地」を見つけては困ると思い、彼らのバイクに細工を施す
だが、見つかってしまい、拉致されてしまった
フュリオサは渾身の力で笛を吹き、それを聞いた母メアリーは、鉄の女とともにフュリオサを追った
何とか娘の奪還に成功するものの、敵の数が多すぎて苦戦し、やがて捕まってしまった
ディメンタスは「どこから来たか言え」というものの、フュリオサも母に口を閉ざし、それによって母は殺されてしまった
フュリオサはディメンタスの娘として育てられ、その後も彼の野望に同行させられる
そして、母の仇を討つ瞬間のために耐え忍んでいくのである
テーマ:不屈
裏テーマ:復讐の代償
■ひとこと感想
シリーズを全部観たかは記憶が定かではありませんが、『マッドマックス 怒りのデスロード』は覚えていて、あの世界観に通じる物語なんだなあと思っていました
荒廃して食糧もないのにみんなマッチョになってしまう世界ですが、栄養がわずかでも人類の体が負荷に適応してしまうのかもしれません
映画は、幼少期の頃に母を殺され、その機会を得るために生き延びるというもので、ディメンタスの対抗組織に忍び込んで、実力を蓄えていく様子が描かれます
そんな中で、警備隊の中に潜り込む、隊長のジャックに見初められるのですが、戦場に咲いた一輪の花を見つけてしまったのでしょうねえ
でも、あっさりとした別れになっていて、余計なものは削がれている演出になっていました
この世界観に浸れるならOKですが、とにかく倫理観も何もない世界なので、命にはほとんど重さがありません
ひたすら戦っていて、ドラマっぽい部分はほとんどありませんが、飽きずに楽しめる内容だったように思います
また、これまでの作品を観ていなくても理解できますが、作りとしてはファンムービーなので、細かいところまで楽しみたい人は復讐をしておいた方が良いと感じました
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
『マッドマックス 怒りのデスロード』の前日譚なので、ネタバレも何もあったものではなく、どのように繋がるかを楽しむ映画になっています
そして、本作を見た後に「怒り」を観て、その精巧さを体感するという感じになっています
連続上映してもお客さんが入りそうに思えますね
個人的にはそこまで思い入れはないシリーズですが、アニャ・テイラー=ジョイがこの汚れ役をするというのは興味がありました
髪の毛を切って坊主頭になって、しかも顔に墨まで塗りたくっていますからね
プレミアなどで披露するドレス姿を見ると、同じ人にはとても思えませんでした
映画としては、うまくまとまっている感じですが、章立ての意味があるのかは何とも言えません
一応は、賢者による語りという構成で、「THE POLE OF INACCESSIBILITY(到達不能極)」「LESSONS FROM THE WASTELAND(荒れはてた地の教訓)」「THE STOWAWAY(潜伏)」「HOMEWARD(故郷へ)」「BEYOND VENGEANCE(復讐の彼方)」というタイトルがついていました
必要だったのかは分かりませんが、エピローグのオチのためにあったのかな、と解釈しています
■これまでの『マッド・マックス』
本作は『マッドマックス』シリーズの最新作で、第1作目は1979年になります
舞台は近未来のオーストラリアで、友人を殺された暴走族のトーカッター(ヒュー・キース・バーン)が、敏腕警官のマックス・ロカタンスキー(メル・ギブソン)の報復目的で、マックスの同僚を殺害する、と言う導入になります
マックスはこの事件を機に引退を決意し、家族と共に休養の旅に出ますが、そこでトーカッターの一味に妻子が殺されてしまいます
マックスは復讐を果たすために、たった一人でトーカッター一味と相対すると言う物語になっています
この作品の続編が1981年に公開された『マッドマックス2』で、大戦争によって世界は荒廃し、マックスはガソリンを求める旅に出ていました
石油の精製所を守る人々と暴走族の抗争に巻き込まれるマックスが奮闘する内容で、改造された車がたくさん登場するようになっています
1985年には『マッドマックス/サンダードーム』と言う作品が公開され、世界は核戦争によって灰と化している世界になっています
女帝アウンティ(ティナ・ターナー)が支配するバータータウンにたどり着いたマックスは、そこで行われていた1対1のバトルに参加することになりました
そして、本作に繋がるのが2015年に公開された『マッドマックス 怒りのデスロード』で、マックスはトム・ハーディに変わっています
荒野を彷徨っていたマックスは、イモータン・ジョー(ヒュー・キース・バーン)が率いる軍団に捕まってしまいます
その中で反乱を企てているフュリオサ(シャーリーズ・セロン)と一緒に逃走することになります
本作は、この作品の前日譚となっていて、主にフュリオサがイモータン・ジョーのところにいる理由というものが語られていました
ちなみに本作には役名「Madmax/The Dogman」というキャラがいて、おそらくはマックスに関わる人物もしくは本人である可能性がありますね
この時点でマックスはイモータン・ジョーの一味に捕まっていることになるので、フュリオサは彼の後に入ってきたことになります
この人物は、腕を千切って逃げたフュリオサを見ている人物で、意識を失った彼女を老婆の元に届けた人物ではないかと推測されています
フュリオサと逃げることに決めたのは、彼女の壮絶な戦いを間近で見てきたことで、その決意を固めたのかもしれません
この一連のシーンを頭に入れて、「デスロード」の方を観れば、繋がりがわかるのではないでしょうか
■突っ込んではいけない荒廃した地球設定
本作は、核戦争が起こったか起こっていないかの時系列ですが、とりあえず荒廃したオーストラリアが舞台になっています
シリーズの途中で核戦争が起きるのですが、映画の時点ではまだ起きていないという感じになっています
これらのディストピアっぽい世界観は映画で描かれることが多く、都市部がボロボロになって治安がヤバいパターンと、都市部を逃げ出して「砂漠地域」を根城にしている場合があります
本作は、都市部が一切登場しない物語で、砦(シデタル)の周辺も砂漠地帯で、石油の工場も同じような場所にあります
この手の映画が砂漠地帯になることが多いのは、ぶっちゃけると世界観の作り込みが楽だからなのですが、人類の生息という観点で言うと、あながち無茶ではないのですね
まずは砂漠という見晴らしの良い場所で、外敵の発見が容易であるという点があります
都会部だと、インフラが死んでいると住みにくいだけでなく、雨風凌ぐレベルの人間が集まり、どこに潜んでいるのかわからないのですね
なので、身の安全を守るために籠城し、外敵に備えるということは必要になってきます
次に必要になるのが燃料問題で、電気・ガス・水道は止まっているので、都市部ではそれらの供給を得ることが不可能になっています
郊外に住むならばガソリンがいるので、それを手に入れるためには、石油が出る場所に行かないとダメなのですね
現在ではタンカーで運んできて精製をしますが、運搬がムリだと、石油が湧く場所で精製を行うことになります
量はそんなに必要ではないので、わずかなものを作り出せれば良いでしょう
なので、砦自体も石油が湧く場所からあまり遠くに離れるわけにも行かず、ガソリン車で容易に行ける距離ということになります
これらの石油の精製技術は既存のものを利用することになりますが、都市部が壊滅しても、現場の作業員や技術者がいれば何とかなる可能性があります
そう言った人物がいるかどうかはファンタジーに近いのですが、もし居れば組織の中で優遇されるように思えます
最後にいつも不思議に思うのは、栄養状態が悪いのにマッチョなのはなぜ?というところなのですが、登場人物を見ると筋肉状態にはばらつきがあるのですね
末端ほど貧相な体をしているように、栄養状態も偏りがあると考えてOKでしょう
格差が出ると、それは広がる傾向にあるので、貧相なものは体力的に逆らうことができず、さらにその差が拡大することになります
実際にここまでの差が起きるのかはなんとも言えないのですが、サバイバルの過程においては、そこまで自然の摂理から離れてはいないのでしょう
食べるモノも偏っているのですが、人体が適応していったということも考えられますし、どんなことでも今の現代人よりは体を動かしているので、自然と鍛えられていくのかな、と思ったりもします
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
本作は、わかりやすい復讐劇になっていて、どうやってフュリオサが一矢報いていくのかを描いていきます
母を殺され、自分自身も蔑ろにされてきた過去があり、ジャックの死によって、それらは加速していきます
イモータン・ジョーの配下に入り込み、そこで頭角を表すことになり、彼の座を奪おうとするディメンタスに落とし前をつけることになるのですが、その戦いは壮絶なものになっています
荒廃したオーストラリアと言う設定で、そこで生き抜く人々は「北斗の拳の世界そのもの」なのですが、あのような未来になってしまうのは、もはやテンプレートのように思います
今後、もし核戦争が起きて、そこで生き延びてしまったら、このような暴力的な世界になるのかはわからないのですが、貧困地域の今を見てしまうと、あながち絵空事には思えない部分はあります
弱いものは搾取され、命には重さもないのですが、そこで生き抜くには体力、智力のみならず、生殺与奪を躊躇わない強い精神が必要になるのだと思います
映画では、体力に劣る女性は距離を取れる飛び道具に長けていて、実戦を想定した戦い方を熟知しているように描かれています
体格差のある人同士の戦いは映画のようにはいかないので、どんなにテクニックやスピードに秀でていても、物理的なエネルギーの影響からは逃れられません
なので、卑怯であるとか、そう言った戯言は無視して、ためらうこと無く初動で仕留めると言う覚悟を持って臨む心の強さが求められます
何の心配をしているのかと思われそうですが、今の世の中は「物理的な攻撃ではないもの」が主流となっているので、そう言ったものと相対することになった場合の対応策にも繋がるのですね
なので、物理的、精神的、制度的など、多くの諸問題に晒されていて、生命の危機を感じているときは、敵の予後など無視して、初動が最後の攻撃になる、というぐらいの気合いで、一撃一殺をしていかなければならないように思います
そのためには、敵との距離感、敵の力の源、敵のスケールなどを観察する目を養い、そこで見えてくる隙というものを貫通させることができる武器を磨く必要があるでしょう
何の話なのかわからない人も、いずれ自分が戦うとき(敵と相対するとき)になれば、その意味がわかるのではないでしょうか
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/98959/review/03876594/
公式HP:
https://wwws.warnerbros.co.jp/madmaxfuriosa/index.html