■異端者の家
Contents
■オススメ度
宗教談義が好きな人(★★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2025.4.26(MOVIX京都)
■映画情報
原題:Heretic(異端者)
情報:2024年、アメリカ、111分、R15+
ジャンル:布教活動に来たシスターが宗教談義に巻き込まれる中で信仰を試される様子を描いたスリラー映画
監督&脚本:スコット・ベック&ブライアン・ウッズ
キャスト:
ヒュー・グラント/Hugh Grant(リード氏/Mr. Reed:深い森の一軒家の主人)
ソフィー・サッチャー/Sophie Thatcher(シスター・バーンズ/Sister Barnes:末日聖徒イエス・キリスト教会のシスター、ユタ州ソルトレイク出身)
クロエ・イースト/Chloe East(シスター・パクストン/Sister Paxton:末日聖徒イエス・キリスト教会のシスター、ユタ州オグデシ出身)
トファー・グレイス/Topher Grace(エルダー・ケネディ/Elder Kennedy:末日聖徒イエス・キリスト教会のの長老)
Elle Young(預言者/Prophet:リード邸にいる謎の女)
Julie Lynn Mortensen(歩行者)
Haylie Hansen(写メを撮る10代の若者)
Elle McKinnon(写メを撮る10代の若者)
Hanna Huffman(写メを撮る10代の若者)
Anesha Bailey(近所に住むあいさつをする人)
Miguel Castillo(近所に住むあいさつをする人)
Stephanie Lavigne(LDSの信者)
Wendy Gorling(LDSの弟子)
Carolyn Adair(運転手)
River Codack(LDSの宣教師)
■映画の舞台
とある国の深い森の中の一軒家
ロケ地:
カナダ:ブリティッシュコロンビア州
スコーミッシュ/Squamish
https://maps.app.goo.gl/4ESdTGUyeD3BVFXo9?g_st=ic
■簡単なあらすじ
LDS(末日聖徒イエス・キリスト教会)のシスターであるバーンズとパクストンは、己の信仰に従って布教活動を続けていたが、周囲からは変わり者だと思われていた
教会からの指示によって訪問し、布教活動を重ねてきたが、パクストンはいまだに改宗させることができずに焦っていた
ある日のこと、教会の指示にてある森の奥の邸宅を訪れた二人は、そこに住むリード氏と話すことになった
男性しかいない家には入れない規則があったが、リード氏は人見知りの妻がいて、ブルーベリーパイを作っているという
二人はそれを信じて中に入り、宗教談義を始めていくものの、バーズはリード氏に違和感を感じていた
いよいよブルーベリーパイが出来上がり、奥の部屋に行く事になったが、そこでリード氏は「私の言葉を信じているのか?」と尋ねる
バーンズはテーブルに用意されたキャンドルがブルーベリーパイの香りがするものだと気づいていて、リード氏は彼女が疑いを持っている事に勘付いていた
バーンズは危険を察知して帰ろうとするものの、ドアは開かず、自転車の鍵が入ったコートをリード氏に預けていた
そこで、教会から帰るように言われたと伝えるものの、リード氏はそれが嘘であることを見破っていた
それは、この家には至る所に金属が埋め込まれていて、それによって電波が届かない空間になっていたからだった
リード氏は「究極の宗教を見つけてしまった」と言い、自説の宗教談義を始めていく
バーンズは違和感と感じながらも、パクストンは自分の信仰が揺らいでいく事に不安を覚え始めていた
リード氏はさらに話を続け、君たちに強制はしないと言い、帰るなら「信仰か不信仰かどちらかのドアを選べ」と、外に通じるドアを指定するのである
テーマ:宗教の正体
裏テーマ:奇跡のカラクリ
■ひとこと感想
A24が仕掛けるスリラーということで、布教活動を行っていたシスター二人がヤバいおっさんに監禁されるという内容になっていました
彼女たちは自分の意思であの建物に入ることになりますが、その後の行動は操られているのではないかという疑念を持ったりもします
映画の前提として、「モルモン教(今ではこの呼び名は使わずにLDSと呼ぶ)」が何かを知らないと話にならず、劇中で描かれるボードゲームの例えで理解するしかないと思います
基本的には3人の会話劇となっていて、ほぼ部屋の中しか映りません
予告編では、カラクリ屋敷からどうやって逃げるかという感じになっていますが、内容は180度違うと言えるでしょう
宗教談義が好きな人向けの映画なので、興味がなければ睡魔に心身を委ねる事になってしまうでしょう
なんとか起きていられましたが、後半は地下での会話劇になっていて、かなり暗いシーンが多くなります
宗教における奇跡をどう演出するかと言ったところにも踏み込んでいくので、そう言ったヤバめの話が好きな人ならOKだと思います
二人の出身がユタ州なのですが、それでピンと来る人ならさらに深いところに辿り着けるのではないでしょうか
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
究極の宗教とは支配であり、支配という目的のために宗教という道具がある、みたいな展開になっていて、なるほどと思う一方で、ここまで言っても大丈夫なのか、と思うところがありました
個人的には大好きな話で、ボードゲームに例えるところも斬新だし、そこで反論するバーンズも良かったと思います
そんな中で、置かれている状況によって信念が揺らぐパクストンがいて、実質的には彼女が精神的に成長する物語になっていましたね
映画は、宗教が支配を拡大させるために行ってきた歴史があると説き、その理論に抜けているところがあると指摘するのは面白いと思います
この応酬の中で、相手が弱みを隠しているところを看過したりするので、理屈好きにとってはたまらない展開のように思えました
宗教に対する考え方も特徴的で、リード氏は研究対象、バーンズは確立的、パクストンは移行対象のようになっていました
そんな中で、リード氏とバーンズの対立の末に自身の宗教を見つけるのがパクストンということになっていました
リード氏の実験は彼自身の理論のためのものとなっていて、今回の被験者はLDSの宣教師だったのですね
これまでに来た人々も同じように実験の材料にされ、彼女らの望む服従というものを見つけるに至っています
そんな中でバーンズは反抗し、パクストン自身も自身の宗教観を確立させます
それは、祈りは美しいというものでした
それを宗教と呼ぶかどうかは何とも言えない部分がありますが、己の信じるものを信じるという純粋性において、パクストンの考え方はリード氏のような研究も必要とせず、バーンズのように俗世との乖離を埋める必要もない強さがあったように思いました
■胡蝶の夢は何を教えるか
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■異端者とは何者か
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
ただいま、鋭意考察中にて、今しばらくお待ちください
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/102867/review/05028856/
公式HP:
https://happinet-phantom.com/heretic/