■どうやって繋げるのか想像もつきませんが、西暦ではなくシーザー暦とか言い出したら、ワンチャンあるのかなと思ったりしますね
Contents
■オススメ度
シリーズのファンの人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2024.5.10(イオンシネマ京都桂川)
■映画情報
原題:Kingdom of the Planet of the Apes
情報:2024年、アメリカ、145分、G
ジャンル:シーザーの死後の世界を描くファンタジーアクション映画
監督:ウェス・ボール
脚本:ジョシュ・フリードマン&リック・ジャッファ&アマンダ・シルヴァー&パトリック・アイソン
原作:ピエール・プール『猿の惑星』シリーズ
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キャスト:
オーウェン・ティーグ/Owen Teague(ノア:成人を迎える若きエイプのハンター)
フレイヤ・アーラン/Freya Allan(メイ/ノヴァ:ノアの旅に同行する少女)
ケヴィン・デュランド/Kevin Durand(プロキシマス・シーザー:エイプの独裁者)
リディア・ペッカム/Lydia Peckham(スーナ:ノアの友人、メスのエイプ)
トラヴィス・ジェフリー/Travis Jeffery(アナヤ:ノアの友人のオスのエイプ)
サラ・ワイズマン/Sara Wiseman(ダー:ノアの母)
ニール・サンディランズ/Neil Sandilands(コロ:ノアの父、部族の長老)
Kaden Hartcher(オーダ:イーグル族の長老)
Andy Mcphee(イーグル族の長老補佐的なエイプ)
Nina Gallas(若いイーグル族のエイプ)
Samuel Fale(若いイーグル族のエイプ)
Nirish Bhat Surambadka(若いイーグル族のエイプ)
ピーター・メイコン/Peter Macon(ラカ:ノアを導くオランウータン)
Karin Konova(モーリス:シーザーを知るエイプ、アーカイブ)
ウィリアム・H・メイシー/William H. Macy(トレヴェイサン:エイプに囚われている人間)
Ras-Samuel(ライトニング:プロキシマスの手下のエイプ)
Eka Darville(シルヴァ:プロキスマスの手下のエイプ)
Dichen Lachman(コリーナ:人間保護施設の女性)
Virginie Laverdure(保護施設の技術者のリーダー)
Markus Hamilton(技術者)
Benjamin Scott(技術者)
MIchaek Spudic(技術者)
Olga Miller(人間の女性)
Dmitriy Miller(人間の女性)
Anastasia Miller(人間の女性)
Peter Hayes(人間の女性)
Sheree Da Costa(人間の女性)
Soukeymare Diasse(人間の女性)
■映画の舞台
シーザーが死んでから数世代経った地球
ロケ地:
オーストラリア:ニューサウスウェールズ
ヘリンズバラ/Helensburgh
https://maps.app.goo.gl/XoDTEy1wZabvTAhc6?g_st=ic
イエローロック/Yellow Rock Ridge
https://maps.app.goo.gl/xbZBDtkT1emuRu7m9?g_st=ic
オーストラリア:シドニー
■簡単なあらすじ
猿の進化を導いたシーザーの死後、数世代が経った地球では、方々にエイプたちが散り、それぞれの文化圏を作っていた
その中の一つ「イーグル族」は、成人になるためにイーグルの卵を見つける必要があり、それによって「儀式」が行われることになっていた
若きエイプのノアは友人のアナヤ、スーナとともに卵探しの冒険に出て、なんとか二人分だけ確保することができた
だがその時、乗ってきた馬にかけていた毛布が奪われていて、それは「彼方の谷」に続くトンネルの入り口あたりで見つかる
その場所は未踏の地で、立ち入ってはならないとされ、しかも毛布にはエコー(人類)の血が付着していた
その後、儀式を控えたノアたちだったが、はずみで卵を割ってしまい、儀式までにそれを取りに行行と考える
だが、その先では「彼方の谷」からエコーを追ってきた種族がいて、彼らによってノアの集落は攻撃されてしまった
生き残ったノアは、仲間たちを助けるために「彼方の谷」へと向かい、そこでラカと名乗る「シーザー」を知るオランウータンに出会う
ラカは博識で、ノアに地球におけるエイプの歴史を語り始めるのである
テーマ:宗教の広がり
裏テーマ:文明の派生
■ひとこと感想
『猿の惑星』に関しては、初代と『新世紀』以降だけ見ているにわかで、本作は「完全新作」を謳う新シリーズのような立ち位置になっていました
事前に復讐をする暇もなく、シーザーという偉大なエイプがいたことだけはかろうじて覚えていましたね
なので、話について行くことはできる感じになっていました
映画は、退化した人間(エコー)との邂逅を描き、仲間を助けるための旅に同行することになります
そこで、エコーたちの真の目的がわかることになるのですが、このあたりはネタバレのような扱いになると思います
物語は、シーザーという伝説を解釈して宗教に利用している集団と、真実を知る者、そして無知なる者との三様が描かれていくことになります
そこまで難しい話ではないので、伝説のシーザーというエイプが「人間に飼われていて、突然変異によって言葉を覚えた」ぐらいの知識で臨んでもOKなのではないでしょうか
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
映画は、人間と猿のポジションが真逆という世界観で、エイプは言葉を話し、オラウータンのラカとも普通に喋れる世界になっています
無論、人類とも共通言語で話せる設定になっていて、今更ながら「英語が生物の共通語になっている」という突っ込んだら負けの世界になっていました
映画は、ノアの判別ができないとわからない感じになっていますが、あっさりと仲間が消えて行くので、序盤さえ乗り切れば何とかなると思います
中盤から人間を襲うエイプの集団などが登場し、プロキシマスが築いている王国のようなものが登場します
そこでは、シーザー伝説を曲解しているのですが、これは為政者が宗教を利用している構図そのままのように思います
物語はそこまで難しくなく、人間の思惑がラストに登場するのは、これからの戦いを示唆しているのでしょう
でも、エンドロールが終わったラストで「叫び声(おそらくはプロキシマス)」を登場させる顛末は、使い古されすぎていてげんなりしてしまいましたね
■シーザー伝説から生まれる文化
本作では、リブートシリーズの主人公シーザーが伝説となっている世界で、新しいシリーズの幕開けとなっていました
このシリーズの主人公はノアで、伝説を知らないキャラという立ち位置になっています
シーザー伝説を悪用するプロキシマスと、真実の物語を知るラカがいて、この二人は「シーザーが何たるか」を知っているのですね
なので、プロキシマスが知るシーザー像が歪んでいるものではなく、伝説を利用することでコミュニティをまとめることができると言うふうに考えていたことになります
対するイーグル族は長老たちは知っているけど、あえて次世代に積極的に伝播しない一族となっていて、これは伝説の持つ負の側面を知っているからだと言えます
シーザー伝説よりも、自然との共生を考えていて、伝説化したエイプとしての生き方は破滅に向かうものだ、と言う教訓を得ているのでしょう
かつて人類にも前世紀的な文明がありましたが、そのどれもが滅んでいると言う現実があります
文明にも寿命があるようで、種族の繁栄にも限界というものがあります
自然に淘汰される場合もあれば、テリトリー内におけるパワーバランスの弊害である場合もあります
文明は1から作り直され、その文明がある時点のレベルを超えるまで、文明があった過去というものは認知されないのですね
シーザー伝説が数世代前のことだから伝承されている部分はありますが、この数世代の時点で「実際に起こったこと」「伝説から派生したもの」というものが生まれています
そして、この伝説に繋がっていくのが、ノアによるこれから起こる物語なのですが、言葉を持たないシーザーが言葉を覚え、それによって人類を支配する側にまわっていくというインパクトを超えることができるのかはわかりません
『猿の惑星』の初期の状態に繋がっていくのがリブート版で、本作の段階でも『猿の惑星』の状態には程遠いものでした
ノアのシリーズは9部作という噂もありますが、「人間を猿に近づける実験をする」という段階まで行くのに、9部作で間に合うのかはなんとも言えないかもしれません
■今後の展開予想について
本作では、ノアが「シーザー伝説を悪用するプロキシマスを倒す」というところで終わりました
シーザー伝説から離れて、猿の王国の基礎が生まれた段階で、同時に人間社会の復旧の兆しも見えていることになります
『猿の惑星』では、人類が宇宙船にて宇宙飛行をして、出発から6ヶ月後に帰ってきた、という導入があります
この6ヶ月というのは地球時間で、この航行から戻った時には「2673年の地球に戻る」という設定になっていました
でも、トラブルが起きてしまい、宇宙船は見知らぬ星に不時着水しています
この船に乗り込んでいたのが「テイラー、ドッジ、ランドン、スチュアート」の4人で、スチュアートだけが着水時に死んでいます
その後の冒険を経て、この星が実は地球で、人類と猿の立場が逆転している世界になっていました
このスタート地点に到着するというのが前提になっているので、「人類はもう一度猿よりも発展し、宇宙航行が可能な科学力を手に入れる」ということが起こるはずです
そして、知能の高い猿を駆逐するものの、生き延びた猿たちが別の文化圏を作り、そして、反撃の時がくるという流れになります
どの段階で今の状況が逆転するのかはわかりませんが、人類が保有している科学力を考えれば、団結さえできれば起こり得るように描かれていました
本作のラストにて、ノヴァはノアを撃たなかったのですが、これが大きな意味を持つことになります
次作は文明と武器を取り戻した人類がノアたちと戦うというものになり、共存を考えるノアが絶望するという展開になるのではないでしょうか(多分邪魔者か裏切り者でプロキシマスは再登場すると思います)
そして、人類を憎む理由が生まれるのですが、それがノヴァの死であるような気がしてなりません
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
本作は、一応は新シリーズなので、これまでの作品を見ていなくても何となくわかるようには作られていました
そもそも、リブート版は『猿の惑星』につながる作品群に位置していたのですが、これまでのシリーズはどこをどう見ても繋がりようがない展開をずっと続けていたことになります
猿が言葉を覚え、そして人類との戦いに勝つという一連の物語ですが、『猿の惑星』に繋げる気はないのかな、と思って観てきました
本作は、ようやく「繋げたるでえ」の一作目のような立ち位置で、やっとプロットがまとまったのかな、と思いました
先の展開予想のように、始まりに行くにはいくつかのハードルがあるので、それらを全て伏線として置いて初めて、宇宙航行に出る4人の先祖などが登場することになります
おそらくは、あの宇宙船の残骸の中にいるか、もしくは別の場所にすでにいると思われますが、人間側のリーダーであるコリーナもしくは、ノヴァの子どもや孫たちが乗組員になる可能性があります
そこに向かうには少なくとも30年ぐらいはかかるので、今回のミッションによって「第一歩が生まれた」という起点からすれば、可能なのかなと思います
2年に1回のペースでも、9部作とかになると20年後に『猿の惑星』にたどり着くことになるのですが、初期シリーズを映画館で観た人がギリ間に合うかどうかのペースになりそうですね
ちなみに、『猿の惑星』における宇宙船の船内時間は「1972年」という設定になっていました
なので、本作から30年後に1972年になる世界線だと、今は1942年頃になるのですが、「ぶっちゃけると別の世界線」としか思えないのですね
原作ありきなので仕方ないのですが、太平洋戦争が始まる前に「数千年の宇宙旅行を可能にしている地球人」ということになっているので、リアリティを考えるだけ無駄ということになります
そこら辺の細かなことは無視するしかないのですが、「1972年は西暦ではなかった」みたいな裏技も無きにしもあらずなので、どのように繋げていくのかを楽しみに待ったほうが良いのかな、と感じました
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/100676/review/03807042/
公式HP:
https://www.20thcenturystudios.jp/movies/kingdom-apes