■とりあえず、殴られても良い覚悟で、相手の目を8秒間見つめてみてはいかがでしょうか?


■オススメ度

 

恋愛ドラマが好きな人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2024.10.24(イオンシネマ京都桂川)


■映画情報

 

情報:2024年、日本、123分、G

ジャンル:結婚に固執する4人と、彼らと関わる4人を描いたラブロマンス映画

 

監督&脚本:岡元雄作

 

キャスト:

秋月三佳(永田遥:アイデア商品の貿易会社「日生貿」のOL)

濱正悟(葛木一輝:遥の同僚)

 

北原里英(天野美月:遥の友人で同僚、パパ活OL)

芹澤興人(佐島武志:美月に気がある公務員)

松村清美(佐島美智子:武志の母)

原田かな(峰尾美奈:武志のお見合い相手)

 

野島健矢(小泉広海:「カフェ・マリアージュ」の店員、役者)

粟森涼(桂木匠:広海の想い人のライター)

鮎川桃果(片岡若菜:匠の元妻)

 

辻川慶治(井上悠人:広告代理店「アストロエージェンシー」のマーケッター)

岡元シエラ(シエラ:悠人の愛犬)

古澤メイ(佐藤乃愛:広海の友人でバイト仲間の高校生、悠人の恋愛コンサルタント)

 

河野遥晃(頃安壮太:悠人の同僚、ライバル社員)

中川知香(三ツ峰真衣:悠人の想い人、財閥の令嬢、広海の役者仲間)

 

秋山ゆずき(佐伯歩美:一輝に気があるウェディングプランナー)

 

斉藤あきら(金子隆昭:遥と一輝の会社の部長)

土井康平(谷口和真:美月のパパ活相手)

 

高木公佑(加藤清人:婚活の歯科医)

市村朋彦(東村瑛太:婚活のイケメン、証券マン)

 

岡雅史(佐藤雅俊:悠人の上司)

真宮葉月(里内桜:寿退社する遥の同僚)

室上茂(キレる課長)

 

加藤碧(不動産屋)

植村裕太(?)

橋本隆佑(遥のデート相手)

ミオネショウ(遥のデート相手)

小野由香(婚活パーティーの謎のおばさん)

三上千陽(婚活パーティーの司会者)

兼本得義(?)

 


■映画の舞台

 

都内某所

 

ロケ地:

東京都:八王子市(結婚式場)

八王子日本閣

https://maps.app.goo.gl/BBkRgu4BzUsJCbLaA?g_st=ic

 

東京都:立川市

パレスホテル立川

https://maps.app.goo.gl/dGptnejXPXwGfxGEA?g_st=ic

 

カオルデザイン

https://maps.app.goo.gl/fd8jhC2KHKN1bwDJ7?g_st=ic

 

東京都:新宿区

Sutudio SOALLA

https://maps.app.goo.gl/ywsjureKq3UGRk9s8?g_st=ic

 


■簡単なあらすじ

 

都内某所の貿易会社に勤めている遥は、30歳を手前にして、結婚に焦り始めていた

友人で同僚の美月はパパ活に夢中で、そんな願望などは一切なかった

それでも男漁りには興味があり、遥が参加する婚活パーティーには同行していた

 

ある日のこと、一緒にパーティーに出向いた遥と美月だったが、美月は早々に謎の女に金を渡されて帰らされてしまう

一人残ることになった遥は色んな男たちとトークをしていたが、そこにまさかの人物がいた

それは、同僚の一輝で、彼も遊び相手の女を探していた

一輝はいきなり「アイドルをされてたんですか?」と大声で嘘をつき、それによって遥には人が押し寄せるようになった

 

その後、そのうちの一人とカフェでデートすることになった遥は、順調に交際と進めていく

だが、ある日、自分以外の女が使っていると思われる歯ブラシを見つけてしまい、その恋もあっさりと終わってしまった

そのことを一輝に告げると、彼は恋愛指南をしてやると言い出し、条件として「結婚したら何でもいうことを聞くこと」という約束を取り付けることになったのである

 

テーマ:恋愛と結婚の相関性

裏テーマ:結婚に必要なもの

 


■ひとこと感想

 

あまり事前情報がないままにいきなり公開になった感じで、映画のチラシを手に入れることはできませんでした

パンフレットは販売していたので記念になるものは残りましたが、いきなり映画館のスケジュールに入った感じで、予告編を観た記憶があまりなかった作品でした

公式HPには人物相関図(ネタバレなし)が載っているので、とても参考になると思います

 

映画は、遥と一輝のような「恋愛指南」をする関係性が他に3組いて、それがどのように絡んでいくかという内容になっていました

人物が多い割には混乱するところはほとんどなく、最終的にかなり狭い範囲での出来事だったことがわかります

シナリオの構成がうまくて、物語の展開にグイグイと引き込まれてしまいます

 

コメディ要素も多く、LGBTQ+問題もさらっとものになっていて、「恋愛相談を受けた相手に惹かれていく」という王道が気持ち良いくらいにハマっていました

一昔前のテレビの恋愛ドラマのような安心感があるので、そう言ったものでほっこりしたい人向けになっていると思いました

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

映画はかなり直球勝負になっていて、結婚に恋愛は必要かどうかというものを描いていました

紆余曲折を経たカップルたちが、自身の経験をもとに最後にインタビュー形式で語るのですが、色んな結婚の形があるのは面白かったですね

 

結婚に愛は必要かと言われれば「必要派」なのですが、「愛の定義」というのが最初に必要で、その定義が一緒なら問題ないと思います

劇中でも「相手の好きには合わせられるけど、嫌いには合わせられない」という言葉があって、自分の持論と同じだったのでびっくりしました

 

その言葉を放ったのは一輝で、遥と一輝の間には埋められそうにない「嫌いなこと」があると思うのですが、遥の嫌いな嘘は一輝がつく嘘とは意味合いが違うのですね

一輝の嘘が自分を落としてでも相手を気持ちよくさせるとか、そういった方向性に向かうこととか、自分をもっと深く知ってほしいという心の現れになっていましたね

それに対して、遥が気付いたことが「うまくいく要因になっていた」ように思いました

 


恋愛はオワコン?

 

恋愛がオワコンなのかは何とも言えない部分があるのですが、それは「恋愛をコンテンツとして捉えるか」なのだと思います

コンテンツとは自分を楽しませてくれるエンタメ要素のようなもので、恋愛が自分を楽しませるものになっているかで捉え方が違います

中には、拒絶されることで自分を追い込む性癖のような恋愛もありますが、駆け引きとして「攻略までをパッケージにしている人」もいます

コンテンツ自体は終わるというよりは、別のコンテンツに上書きされるというもので、恋愛コンテンツもその繰り返しの中にあります

 

バブル期、氷河期などの様々な社会の変容があって、恋愛を繋ぎ止めるためのアイテムというものも徐々に変わっています

また、恋愛が自分の何を満たしてきたのかというものも変わっていて、それがステータスだった時代もあるのですね

男女共に異性を装飾品だと考えていた時期もあり、また自分の社会的立場を誇示する一部にもなっていました

そのような時代を生きてきた人にとっては恋愛はゲームのようなもので、その時代を経て、今度は「覗き見の対象」になっていったように思います

 

いわゆる恋愛リアリティーショーのようなものが流行りだし、参加型から傍観型へと変わっていきます

恋愛で感じる感情を得たいけど、自分が主体になるのは嫌だという状況が生まれ、プレイヤーと観客の二分化が進んでいったように思えます

プレイヤーは恋愛状態をステータスと感じて承認欲求を満たし、擬似体験で良いと考える観客は、上から目線で眺めていたりします

 

これまでは創作物で満たされていたものが、生身の人間で展開されることによって、リアリティが増してくるようになりました

そして、それに対する個人の感情を発露する場所が増えたことが転換期だったのでしょう

参加型はInstagramなどで誇示し、傍観型は匿名の掲示板であれこれ言う

なので、恋愛がオワコンになったのではなく、恋愛に対する姿勢というものが変化し、その二極化がかなり進んでいる状態だと言えます

そして、恋愛をコンテンツと捉えていない層は、これまでと変わらない関わり方を続けているのかな、と感じました

 


結婚こそオワコン?

 

恋愛の先にあるのが結婚と捉えている人がいますが、実際にはかなり別物のように考えています

恋愛にはゴールがありますが、結婚にはゴールがありません

離婚がゴールだと捉えられがちですが、結婚は家同士の繋がりを発生させ、家族というものを生み出すので、その関係までもが無くならない限り終わりにならないのですね

恋愛のゴールは、付き合う、セックス、結婚などのようにステージが変わっていくもので、中には恋愛状態のまま結婚に突入するカップルというものも増えてきました

 

少子化の問題で結婚率などの数字が取り上げられていますが、それよりも「結婚すれば子どもを産まなければならない」という概念が薄れてきたことの方が原因のように思います

昔は結婚=出産&子育てという構図になっていましたが、子どもを欲しがらないカップルもいます

恋愛のゴールにも出産というものがあって、それが結婚よりも前倒しになっている場合もあります

一時期流行ったデキ婚などもその最たる例で、妊娠をきっかけに結婚に踏み切るというカップルもいました

また、子どもは欲しいけど、夫はいらないという価値観の人もいるのですね

様々な価値観が入り乱れている世の中なので、様式に当てはめるような結婚制度というのは時代に則していないようにも思えます

 

それでも、これからも結婚という制度は残っていくと思います

でも、結婚をコンテンツと考えられるかはほとんどの人が無理なのだと感じます

結婚によって家庭ができて、新しい人生のカタチができることを楽しめるのならばコンテンツ化しそうに思えますが、実際にはそこまで余裕を持てる人の方が少ないでしょう

恋愛と同じように、結婚に関しても、ある程度のお金は必要になってきます

それを考えると、今の社会情勢が続く間は、楽しめる人と参加できない人の二極化になってしまうのかな、と思いました

 


120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

本作には、恋愛に迷いがある人のそばには「経験値はないけどアドバイスをする」という人物がいる構図になっていました

恋愛というのは個々の特殊な関係の上に成り立っていて、他人がアドバイスできるようなものではないのですが、そう言ったものを求める人は多いように思います

それは、恋愛に際して「超常的なものの関わり」を求めている人が多く、それを一般的には「運命の出会い」などと言います

それゆえに、「自分に何かを仕向けてくれる外的要因」を探すことになっていて、また自分の判断の裏付けをそのような外的要因で保護しようとしてしまいます

これは、相手をコントロールできないから起こることで、その不透明さを濁らせて、何かの色をつけたくなるからなのかもしれません

 

恋愛に関して経験値の高さというのは行動力に捉えられがちですが、それ以上に人のことをどれぐらい見てきたのかというものが挙げられると思います

友人知人、クラスメイト、家族など、色んなところで恋愛沙汰は起こっていて、その過程をどれだけ観察し、その構造を理解したかというのは重要なのですね

でも、それだけ頭の中で考えて理論武装をしてもうまくいかないのが恋愛の奥深さのように思います

多くの事例を知ることで分かった気になってしまうのですが、この分かった気というのが恋愛の一番の罠だったりします

 

人はわからない部分があるからこそ、その人を知りたいと思うもので、その探究心が関係性を持続させます

恋愛や結婚に関しても、常に同じだと飽きてしまうので、そうならないように工夫をするカップルもいます

この工夫に関して、どちらか一方だけが頑張ると疲弊が生まれるのですが、共に考え合える関係だと長続きするのですね

そこまで大掛かりなことをしなくても変化は生まれると思うので、まずは生活を作業とそうでないものに分けることから始めたら良いでしょう

作業は効率化して、それ以外のものを少しずつズラせて行けたら、変化というものは自然に生まれます

仕事帰りに何かお菓子を買うとしても、同じ店では買わないとか、常に新作は買って試すなどでも変化は起きます

そう言った些細なことの積み上げというものが、数年後に語り合う思い出に変わると思うので、それを楽しんで行けたらいいんじゃないかなあと思いました

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/97212/review/04401298/

 

公式HP:

https://renaiowakon.com/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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