■世界の秩序を守るのは、理知的な判断と利他的な精神であると思います
[roc]
■オススメ度
ジェイソン・ステイサム無双映画が好きな人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2025.1.8(イオンシネマ久御山)
■映画情報
原題:The BeeKeeper(養蜂家)
情報:2024年、アメリカ、105分、PG12
ジャンル:恩人の死にブチ切れる養蜂家を描いたアクション映画
監督:デヴィッド・エアー
脚本:カール・ウィマー
キャスト:
ジェイソン・ステイサム/Jason Statham(アダム・クレイ/Adam Clay:養蜂家、秘密組織「Beekeeper」の元工作員)
エミー・レイヴァー=ランプマン/Emmy Raver-Lampman(ヴェローナ・パーカー/Agent Verona Parker:FBIの捜査官、エロイーズの娘)
フィリシア・ラシャド/Phylicia Rashad(エロイーズ・パーカー/Eloise Parker:クレイの隣人、元教師)
ボビー・ナデリ/Bobby Naderi(マット・ワイリー/Agent Matt Wiley:ヴェローナの同僚、FBI捜査官)
ダン・リー/Dan Li(キム/Agent Kim:FBI捜査官、突入部隊のリーダー)
ジェマ・レッドグレイヴ/Jemma Redgrave(ジェシカ・ダンフォース/President Danforth:アメリカの大統領、デレクの母)
ジョシュ・ハッチャーソン/Josh Hutcherson(デレク・ダンフォース/Derek Danforth:「ダンフォース・エンタープライズ」のCEO)
ジェレミー・アイアンズ/Jeremy Irons(ウォレス・ウェストワイルド/Wallace Westwyld:「ダンフォース・エンタープライズ」の警備主任、元CIA長官)
デヴィッド・ウィッツ/David Witts(ミッキー・ガーネット/Mickey Garnett:詐欺組織「UDG」のリーダー、ボイドと名乗る詐欺師、スプリングフィールド)
Enzo Cilenti(リコ・アンザローネ/Rico Anzalone:特殊詐欺の中間管理職、ナインスター・ユナイテッドのマネージャー)
ミヒャエル・エップ/Michael Epp(ペティス/Pettis:元米軍特殊部隊の傭兵のリーダー、ナインスター警備のブラックオプス部隊)
テイラー・ジェームス/Taylor James(ラザルス/Lazarus:南アフリカ人の傭兵部隊のリーダー、ダンフォース邸警備)
ミニー・ドライヴァー/Minnie Driver(ジャネット・ハワード/Director Janet Harward:CIA長官)
Don Gilet(ジャクソン・プリッグ/Deputy Director Prigg:CIA副長官)
Jessica Maria Gilhooley(ロザリア・ムニョス/Rosalia:CIA特別顧問)
Kojo Attah(ハリス/Second-in-Charge Harris:FBIの副責任者、ヴェローナの上司)
Sophia Feliciano(ケリー・クレーン/Kelly Krane:大統領秘書官)
メーガン・レイ/Megan Le(アニセット・ランドレス/Anisette:クレイと対立する現役ビーキーパー)
Rebecca Hazlewood(デビー/Debbie:「BeeKeeper」のオペレーター)
Georgia Goodman(マルケス/Detective Marquez:現地の巡査)
Derek Siow(チェン/Detective Chen:現地の巡査)
Baba Oyejide(ルイス/Detective Lewis:現地の巡査)
Jay Rincon(ホボルケス/Bojorquez:AIC)
Joe Urquhart(ブリードロー/Breedlow:特殊詐欺の掛け子)
Peter Brooke(ルイス/Lewis:オフィスビルの警備)
Martin Gordon(ペルツ/Peltz:オフィスビルの警備)
Adam Basil(サファ/Saffa:ラザルスの傭兵)
Jonathan Cohen(ラザルスの傭兵)
Arian Nik(トミー/Tommy:掛け子)
Millen Brown(ポーリー/Paulie:掛け子)
Reza Diako(バリー/Barry:掛け子)
Harry Fitzgerald(掛け子)
Pedro Minas(掛け子)
James Moontasri(アジア人ハッカー)
Samuel Pont(ペティスの手下)
Ty Hopkins(ペティスチームの戦術オペレーター)
Sunny Dhillon(FBIの特殊部隊)
Marlon Mollison(FBIの特殊部隊)
Rocci Boy Williams(ボストンのSWAT)
Kevin Golding(ボストンのSAC)
Victor Perez(警察車両の運転手)
Anthony Gray Hawley(突撃隊員)
Phil Hodges(スプリングフィールドの警官)
Ada Michaels-Mason(分隊)
Charles A. Partridge(オークランドのハッキングの被害者)
Bharat Mistri(詐欺の未遂被害者の老人)
Olivia Mardon(詐欺の未遂被害者の貴婦人)
Valentina Novakovic(オフィスビルの受付)
Kojo Quainoo(マイク/Mike:ヴェローナの兄?)
Dickon R Thompson(金持ちのパーティーゲスト)
Viktorija Faith(金持ちのパーティーゲスト)
■映画の舞台
アメリカ:マサチューセッツ州
スプリングフィールド
https://maps.app.goo.gl/42kum7eaFC36mWc96?g_st=ic
アメリカ:マサチューセッツ州
ボストン
ロケ地:
イギリス:ケント州
Kingsferry Bridge
https://maps.app.goo.gl/eut6NPBfCuAMsNpe7?g_st=ic
イギリス:バッキンガムシェアー
Tyrinham Hall(大統領邸)
https://maps.app.goo.gl/4JotnbXeyk5EQq7t9?g_st=ic
アメリカ:マサチューセッツ州
Boston/ボストン
■簡単なあらすじ
ボストン郊外に住む養蜂家のアダム・クレイは、隣人の元教職者エロイーズ・パーカーの納屋を借りていた
エロイーズはクレイを信頼し、ディナーに招待をした
だが、養蜂作業を終えてパーカー宅を訪れたクレイは、煙探知機が作動し、物音しないことを不審に思った
そこにはエロイーズの娘ヴェローナも訪問していて、クレイは事件の嫌疑をかけられてしまう
それは、エロイーズが自宅内で銃殺されていたというものだったが、すぐさまクレイは放免となり、自殺として処理されることになった
ヴェローナが母のパソコンを調べていると、多くの金融サイトの残高がゼロになっていた
クレイはそれを知り、秘密裏にかつて所属していた組織「ビーキーパー」に連絡を取った
オペレータはクレイの情報からエロイーズを騙した犯人を突き止め、クレイはある報復を行うことになった
テーマ:正義を貫く意味
裏テーマ:群れを正す本能
■ひとこと感想
ジェイソン・ステイサムが訳あり養蜂家になっていて、親切な隣人のために報復を行うという物語で、特殊詐欺の行き着く先はどこか?みたいな話になっていました
脚本家の体験談が混じっていて、家族が特殊詐欺に遭ったとされていて、その報復を映画で行なっているという感じになっています
司法が及ぶ範囲外にいる者をどのようにして処罰するかという内容で、法が秩序を乱すなら暴力がそれを正すというわかりやすいものになっていました
特殊詐欺はどの世界でも行われていて、巧妙な話術と無知に対する恐怖心を煽るという手法はほとんど同じだと思います
今ではパスワードの漏洩がかなり問題になっていて、使い回しはダメとか色んな対策を講じてもなかなか守ることは難しいように思います
老人の無知につけ込んで詐欺を働くのですが、自分以外のお金を預かっているのに自分がわからないことに手を出すのはナンセンスということでしょう
映画は、クレイの報復がメインになっているので、そのきっかけとなる特殊詐欺については最低限の描き方をしていますね
ネット上にあったシナリオ(おそらく決定稿ではないもの)をサラッと読みましたが、エロイーズが詐欺にかかるまでに結構な尺を割いていましたね
このあたりにも体験談が活かされていると思うので、もう少し詳しく描いても良いのかなと思いました
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
本作にネタバレがあるかは何とも言えませんが、真の敵の背景と事情みたいなところがネタバレになるのかもしれません
黒幕は世界的な企業で、CIAなどが使っているソフトで詐欺のターゲットを選別しているというもので、ハイセンスな部門で悪いことをさせていた、ということになっていました
この会社のトップが実は○○の息子でということで、クレイがどこまで始末をするのか、というところが焦点になっていたと思います
劇中で「悪い子孫を産んだ女王蜂を殺す」という入門書の引用のものがあって、クレイはバカ息子を産んだ母親を殺すのでは?という感じに描かれています
そのあたりの考察はFBIの早とちりみたいなところがありますが、元々クレイのターゲットではないというところだったのでしょう
デレクが作った資金で当選したという事実が明るみになれば失職間違いなしでしょうし、特殊詐欺に使われているソフトなどがバレれば、アメリカ全土を揺るがす問題になると思います
もしクレイが母親まで殺していたらどうなっていたかというのはわかりませんが、秩序を元に戻すという意味合いなら母親殺しまですると逆効果のように思います
彼女が新しくバカ息子を作ることもないでしょうし、社会的にも抹殺されているので、息子の死の真相を捻じ曲げて再度国民の前に出るということがなければ、それ以上の行動には意味がないように思えました
■データマイニングソフトについて
映画では、CIAが開発したデータマイニングソフトが使われ、それによって年金生活をしていたエロイーズの資産が奪われてしまいました
通常データマイニングソフトとは、大量のデータから有用な情報やパターンを自動的または半自動的に抽出するソフトフェアのことを言います
これによって、エロイーズのような資産運用をしている対象を見つけて、罠を仕掛けていたことになります
データマイニングソフトは、購買履歴やアクセスログなどから共通の傾向を見つけたり、それによって将来の売り上げの予測やユーザーの行動を推測するのに使われます
また、データをカテゴライズする機能もあり、メールを正常とスパムに分けるなどにも使われます
さらにクラスタリングと呼ばれる「似た傾向のデータを自動でグループ分けする」というものもあったり、「不正アクセスなどの異常検知、故障の予兆を見つける」ということもできます
今回の場合は、大量のデータベースからフィルターをかけて選別するために使っていたようで、金銭の動きから資産運用の癖などをデータ化して選別していたのだと考えられます
これをCIA主導で行っていたというのが今回の事件であり、そのターゲットに偶々ビーキーパーのアダム・クレイの知人が巻き込まれたということになっています
そのソフト開発もさることながら悪意のある運用を行っていた敵を根絶やしにするというのがクレイの狙いであり、大統領まで及ばなかったのには理由があるのですね
それがタイトルに掛かっている部分があり、女王蜂が指示したのか、悪意のある働き蜂が勝手に行ったのかを見極めるということになります
そこでクレイは、後者であると考え、また無用に巣を突くことはしなかった、と言えるのではないでしょうか
■蜂の習性
一般的にハチ(ミツバチ、スズメバチ、アシナガバチ)は「社会性昆虫」と呼ばれ、群れ(コロニー)で生活をしています
群れには役割分担があり、女王蜂は産卵を担当し、1匹のみ存在します
働き蜂(メス)は巣作り、子育て、餌の収集などを行い、防衛などを担当しています
雄のハチは交尾だけが目的で、用済みになると巣から追い出されることもあります
スズメバチやアシナガバチは巣を守るために攻撃的で、近づいてきた人間や動物を敵とみなして攻撃してくることがあります
でも、ミツバチは防衛行動を起こすものの、基本的に温和なのですが、それは相手を刺すと自分が死ぬから、とされています
ミツバチは主に花の蜜を集めたり、花粉を集めたりして巣に持ち帰りますが、スズメバチやアシナガバチは肉食性なので昆虫や動物の死骸を狩ったり、果物の汁を吸うこともあります
ミツバチは木の洞や人工の巣箱などに蜜蝋と呼ばれるもので巣を作りますが、スズメバチやアシナガバチは木の皮を噛んで作った紙状の物質で巣を形成し、軒下や木の枝に作ることが多いとされています
また、蜂同士は匂いによって仲間と情報共有をします
警戒フェロモン似て敵を感知したことを知らせたり、花の位置を教えるためのダンス(ミツバチの8の字ダンス)などもあり、女王蜂には特別な女王ホルモンがあります
なので、軒下などに蜂の巣を見つけた時は危険度が高いので、然るべき措置を講じて撤去するなどが必要になります
基本的には自治体や専門業者に依頼する方がよく、防護服、厚手の手袋、長靴などの装備が必要で、噴射距離5m以上の強力な殺虫スプレーなども要ります
民間業者に依頼した場合の料金の目安は1万円〜3万円程度で、市区町村の環境課や生活衛生課に相談することもできます
連絡すべき先を見つけることができたら、巣の場所、大きさ、蜂の種類、周囲の状況などを伝えることになります
その後は、自治体が直接駆除することもあれば、業者を紹介されることもあり、補助費用が出る場合もあります
業者または職員が現地少佐を行った上で駆除を開始し、その後は再発防止のアドバイスなどをしてくれる場合もあります
一部の市町村では自治体が無料で対応する場合もあるし、半額を補助するところもあります
原則として、私有地にある蜂の巣は自己負担という場合もあるので、その場合は自治体に相談をしたのちに業者にお願いすることになります
このあたりは気になる人は地域の対応状況を事前に調べておいても良いかと思いますが、集合住宅などではまずは管理人さんに報告するのが良いでしょう
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
映画では、クレイはジェシカ大統領を殺さずに終わるのですが、それは彼自身の行動哲学によるものと考えられます
彼は養蜂家として、秩序のある社会を望んでいて、それを壊そうとする敵を排除しようと考えていました
CIAへの大統領の関与が示されない以上、大統領を殺すことは反感を招きかねません
でも、秩序を再構築するには、腐敗の上で成り立っている傀儡はあったほうが良い場合もあります
社会を構成する根幹を壊すことは混乱を招き、それによって多大な被害者というものが生まれます
大統領を殺すことで国の治安系統に隙ができ、国際社会での影響力を失うことになりかねないのですね
その政治的かつ軍事的な空白を作ってまで殺す意味はなく、腐敗を認知させた上で自浄作用を促す方が賢明であると言えます
今回はCIAの一部の人間の私利私欲のためにデータマイニングソフトが使われましたが、本来の目的は一介の老人を詐欺にハメるためのものではないでしょう
技術を使う目的が歪めばこういうことも起こるという教訓であり、それが国防意識を変えることにも繋がっていくと考えられます
復讐劇の場合は、スカッとしたカタルシスが求められますが、行きすぎた復讐は反発を招きます
今回の場合は、指揮命令系統を維持させることで自分自身への報復を止める目的もありました
そういった全体像を鑑みても、クレイの行動は合理的で冷静であると言えます
映画は、自分もしくは近しい人に何かが起こった時にどうするべきかという命題も含まれるのですが、その報復がどんな影響を与えるかを熟慮する必要があります
自分自身がその場で死んでも良いと思っても、天涯孤独で友人や知人すら誰もいない人はそこまでいないと思うので、そういったところにまで影響が及ぶ可能性は考えておいた方が良いのでしょう
そういった意味において、怒りの先にあるものをどうやってコントロールするかという命題があり、それこそが自分の役割とか存在意義に直結するのかな、と感じました
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/101062/review/04646113/
公式HP:
