■彼らが向かったのは月ではなく、2人だけの甘い世界のような気がしますね


■オススメ度

 

月面着陸フェイク動画説に興味のある人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2024.7.19(イオンシネマ久御山)


■映画情報

 

原題:Fly Me to the Moon(私を月に連れてって)

情報:2024年、アメリカ、132分、G

ジャンル:アポロ11号のフライトディレクターとPR担当者を描くヒューマンドラマ

 

監督:グレッグ・バーランティ

脚本:ローズ・ギルロイ

 

キャスト:

スカーレット・ヨハンソン/Scarlett Johansson(ケリー・ジョーンズ/Kelly Jones:NASAに呼ばれるPRマーケティングのプロ)

チャニング・テイタム/Channing Tatum(コール・デイヴィス/Cole Davis:NASAのフライトディレクター)

 

ウッディ・ハレルソン/Woody Harrelson(モー・バーカス/Moe Berkus:ケリーをNASAに連れてくる政府関係者)

 

レイ・ロマノ/Ray Romano(ヘンリー・スモールズ/Henry Smalls:コールの同僚)

ドナルド・エリース・ワトキンス/Donald Elise Watkins(スチュ・ブライス/Stu Bryce:NASAの職員、主任)

ノア・ロビンズ/Noah Robbins(ドン・ハーパー/Don Harper:スチュの助手)

Lauren Revard(エッラ/Ella:NASAの職員、コールの秘書)

 

ジム・ラッシュ/Jim Rash(ランス・ヴェスパティーン/Lance Vespertine:映像作家、ケリーの友人)

アンナ・ガルシア/Anna Garcia(ルビー・マーティン/Ruby Martin:ケリーの助手)

 

コリン・ウッデル/Colin Woodellバズ・オルドリン/Buzz Aldrin:アポロ11号の宇宙飛行士)

ニック・ディレンバーグ/Nick Dillenburgニール・アームストロング/Neil Armstrong:アポロ11号の宇宙飛行士)

クリスチャン・ズーハー/Christian Zuberマイケル・コリンズ/Michael Collins:アポロ11号の宇宙飛行士)

 

Gene Jones(ホップ/Senator Hopp:視察に来る上院議員)

Joe Chrest(ヴァニング上院議員/Senator Vanning:冷戦支持派の議員、宇宙計画反対派)

Stephanie Kurtzuba(ジョリーン・ヴァニング/Jolene Vanning:議員の妻)

Colin Jost(クック上院議員/Senator Cook:目立ちたがり屋の議員)

 

Dariusz Wolski(エドヴァルド/Edvard:撮影監督、ラルフの友人)

Christian Grey Moore(ケリーの写真家)

 

Hickory&Wilbur&Eclipse(ミスチフ:野良猫)

 

Peter Jacobson(チャック・メドウズ/Chuck Meadows:テレビのホスト)

 

Christian Clemenson(ウォルター/Walter:NASAの案内バスの運転手)

 

【ケリーの活動関連】

Greg Kriek(ヘンリーのそっくりさん)

Bill Barrett(コールのそっくりさん)

Kade Pittman(フェイク映像のニール)

Trevor Morgan(フェイク映像のバズ)

Joseph Britt(ジョセフ:フェイク映像の出演者)

Sebastian Soler(フェイク映像の技術者)

 

Gary Weeks(ニール・ブラウン/Neil Brown:ケリーのクライアント、フォード社)

Todd Allen Durkin(フィル・ハンリー/Phil Hunley:ケリーのクライアント、フォード社)

Chris Vroman(ザック・ターナー/Zack Tanner:ケリーのクライアント、フォード社)

 

【宇宙開発関連】

Todd James Jacksonガス・グリソム/Gus Grissom:アポロ1号の犠牲者)

Peter Wallackロジャー・チャフィー/Roger Chaffee:アポロ1号の犠牲者)

Jeremy Carrエドワード・ホワイト/Ed White:アポロ1号の犠牲者)

Eugene Alperニキータ・フルシチョフ/Nikita Khrushchev:ソ連の政治家)

Aidan Patrick Griffinユーリイ・ガガーリン/Yuri Gagarin:ソ連の宇宙飛行士)

Art Newkirk(アレクセイ・レオーノフ将軍/General Alexei Leonov:ソ連の宇宙飛行士)

 

【メディア関係】

Meg Gillentine(レポーター)

Robert McLeroy(ブライス・ファーマージ/Bryce Firmage:レポーター?)

Mark Armstrong(NYタイムズのレポーター)

Michael A. Blank(報道写真家)

Eddie Craig(報道写真家)

Bruce Cooper(広告代理店)

Giovanni Greco(写真家)

Kenneth Maxwell(ニュースレポーター)

Roy Luke(ニュースレポーター)

Eric J. Soto(メディアのカメラマン)

Louis Roy Pearo(レポーター)

 

【NASA関連】

Rowan Bousaid(燃料エンジニア)

Rory Keane(ガントリーエンジニア)

Drew Broderick(NASAのエンジニア)

Crystal Butler(NASAの職員)

Keith Paul Carpenter(NASAのエンジニア)

Anthony Gullotta(IBMの職員)

Dan Gutierrez IV(NASAのエンジニア)

Malik Jubal(NASAのアシスタント)

Kevin Kedgley(NASAのエンジニア)

Joseph Looper(NASAの科学者)

Gary Maniloff(NASAのエンジニア)

Daniel Noble(NASAのエンジニア)

Juan Szilagyi(NASAのエンジニア)

Justin Paitsel(NASAのアシスタント)

William G. Tomek(NASAのエンジニア)

Michael J. Snyder(NASAの技術者)

 

【その他】

Njema Williams(ジョー:ダイナー「ウルフィーズ」の店員)

Alan Boell(ミッドタウンのバーテンダー)

 

Daniel Norris(警官)

Gerry Griffin(テイラー大佐)

David Mays(シークレットサービス)

D.J. Stavropoulos(シークレットサービス)

Frank Hughes(フランク/Frank:観覧者?)

J.Michael Popovich(ポップス/Pops:観覧者?)

Zachary Christopher(観客)

Cyndi Crotts(観客)

Ellen Marguerite(VIP客)

Marc Demeter(観客)

Steve Heinz(VIP客の軍人)

Kerry Hodges(VIP客)

William Matthew Mang(運転手)

Jordan Marcum(VIP客)

Sophia Marie(VIP客)

Anna Mezentseva(バスの中のツアー客)

Rick Nehls(広告会社の重役)

Kylee Nicole Peck(VIP客)

Rochelle Pell(VIP客)

Rozlyn Pell(VIP客)

Elaitheia Quinn(観光客)

Jake Romeo(VIP客)

Melissa Vu(VIP客)

Shaun Woodbury(観光客)

Joe Szymanski(マンハッタンのバーのテレビのレポーター)

Vinnie Varone(バーの客)

 


■映画の舞台

 

1960年代、

アメリカ:フロリダ州

ケネディ宇宙センター

 

ロケ地:

アメリカ:フロリダ州

ケープ・カナベラル/Cape Canaveral

https://maps.app.goo.gl/fxiN8QcV69QcbkvZ6?g_st=ic

 

アメリカ:ジョージア州

サバンナ/Savannah

https://maps.app.goo.gl/EmTEhueK5RxFqZtV6?g_st=ic

 

ティビー・アイランド/Tybee Island

https://maps.app.goo.gl/hCB627691gDawaSP9?g_st=ic

 

プラスキ国際要塞記念物/Fort Pulaski

https://maps.app.goo.gl/AhyR9dcoRZ7rr4Sj7?g_st=ic

 


■簡単なあらすじ

 

1960年代、冷戦からベトナム戦争に移行した時期において、米ソの宇宙開発は加熱の極みを見せていた

ソ連がボストーク1号にて、ユーリ・ガガーリンが宇宙に送り込まれ、アメリカはその上を行くためにケネディ大統領によるミッションが掲げられるようになった

 

アポロ1号の事故以来、低迷を続けていたNASAは、ようやくアポロ11号にて、そのミッションに向けての歩みを始めることになった

フライトディレクターには、元戦闘機パイロットのコール・デイヴィスが抜擢され、数々のミッションを行なっていく

そんな折、政府はNASAのアポロ計画を国民の関心ごとにするために、PRのプロを派遣することに決めた

 

その白羽の矢が立ったのが、車業界のみならず、多方面で活躍を見せていたケリーで、彼女に政府関係者を名乗るモー・バッカスという人物が現れた

彼は表に出せないケリーの過去を知る人物で、彼女はやむを得なく、NASAのPR担当者になることを決める

 

責任者のコールはPR活動には反対の立場だったが、資金不足に悩むNASAは背に腹を変えられず、彼女を頼ることになったのである

 

テーマ:成功に必要なもの

裏テーマ:真実と虚構のはざま

 


■ひとこと感想

 

NASAの月面着陸映像には長らくの間フェイク画像ではないかという陰謀論のようなものがありました

実際にどうだったのかは置いておいて、そのネタでここまで手の込んだ作品を作ったのは驚きでしたね

NASAも製作に協力したとのことで、何を考えているんだろうと思ってしまいます

 

映画は、ガチなNASAの打ち上げ映画ではなく、どちらかといえばラブコメに近い印象がありました

堅物のコールと色気たっぷりのケリーのつかず離れずの恋という感じで、公私混同の一歩手前を行ったり来たりしていました

 

政府関係者にウディ・ハレルソンが登場し、きな臭さが全開になっていくのですが、ラストは結構爽快感に溢れますね

私たちが見たものは何だったのかという答え合わせにもなっていて、この結末を見ればNASAが協力するのもうなづけるのかな、と思いました

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

アポロ計画関連のことを知っている前提で物語は進みますが、「ソ連に先を越されてヤバいので、安全性を考慮してフェイク動画を流す」というのは笑ってしまいました

俺たちの本気を信じないのか!みたいなノリになっていますが、ケリーが彼らの本当を世界に見せたいと思って、仕掛けを施すところは良かったと思います

 

準主人公のような迷い猫の存在も面白くて、シークレットサービスなんでそこにおるねん!というツッコミがなされていましたね

まさかの「フェイク映像の方が大失敗」という愉快な流れになっていて、ほっこりと大団円になるのは良かったと思います

 

助手もちゃっかりとNASAの若者をゲットしていたし、フォード相手のプレゼンシーン、議員宅での本音のシーンも良かったと思います

でも、何よりもアームストロング船長のあの言葉はやはり心を打たれますね

わかっていても胸熱なものが込み上げてくる名シーンだったと思います

 


アポロ11号について

 

映画で描かれる「アポロ11号」は、NASAによる「アポロ計画」の一環で、人類が初めて月に降り立ったものでした

1969年7月20日、20時17分(UTC=協定世界時)に、アポロ月着陸船「イーグル」号によって、ニール・アームストロングとバズ・オルドリンの2人のアメリカ人が月に向かいます

2人は約2時間15分ほどを船外で過ごし、月面を歩き、彼らは47.5ポンドの月物質を地球に持ち帰ることになります

2人が船外活動をしている際に、マイケル・コリンズは1人で月周回軌道上で司令船「コロンビア」号を飛行させ、その後イーグル号と合流することになりました

 

アポロ11号は7月16日の13時32分にケネディ宇宙センターからサターンV型ロケットで打ち上げられています

これらの計画は、ジョン・F・ケネディ大統領が掲げた「60年代が終わるまでに人間を月に着陸させ、安全に帰還させる」という国家目標があり、それが見事に達成されたものとなっています

当時は、ソ連との冷戦真っ只中で、1957年にはソ連初の人工衛星スプートニク1号が打ち上げられていました

これがいわゆる「スプートニク・ショック」と呼ばれ、その後の宇宙開発競争の始まりとなります

 

当時の大統領であるドワイト・D・アイゼンハワーはNASAを創設し、マーキュリー計画というものが始まります

さらに1961年4月12日にはソ連のユーリイ・ガガーリンが最初の宇宙飛行を実現し、地球を周回することに成功します

それに対して、アメリカは1961年5月5日にアラン・シェパードを宇宙に送り込見ました

その後、ジョン・F・ケネディ大統領に変わると、今度は「アポロ計画」というものが立ち上がります

 

月面着陸に関しては様々な資料が残されていて、映像データや音声データなどもあるのですが、いまだにフェイクだという声も根強く残っています

英語版のWikiだけでなく、様々な媒体で上がっている詳細の全てを否定する根拠は乏しく、本作で作られるフェイク映像も「実際に月に行っていないのに酷似した映像を作るのは困難では?」と思ってしまいます

現在では、コスト面を考えて月に行くということをしませんが、当時の様々なトラブルは当時のコンピューターの限界だったという証言などもあります

ある種の人類のロマンというものが当時の世界を包んでいたとも言えるので、そう言った熱が再燃しない限りは、巨額の予算を投じてまで行く意味はないのかもしれません

 


実際にはどうなの陰謀論

 

アポロ計画が真実であったかどうかという疑問には様々なアプローチがありました

2014年にはNVIDIAによってコンピュータで月面着陸の映像を再現し、GPU装置とVXGI技術によって、月面での太陽光の当たり方などのモデリングに成功し、これがアポロ計画の写真と一致した、と発表しています

また、天文学者フィリップ・プレイトによる著作『イケナイ宇宙学 間違いだらけの天文常識』では、アポロ計画に関する様々な疑惑を科学的に説明していたりします

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アポロ計画陰謀論は大まかに分けて「捏造説・ムーンホークス(Moon Hoax)説」「遭遇隠蔽説」というものがあります

前者はでっち上げというもので、後者は「実は別の何かを見たけど隠している」というものですね

捏造説に関しては、ビル・ケイシングの著作『We Never Went to the Moon』などで書かれ、地球平面説(フラット・アース)を信じる地球平面協会(聖書の地球観を支持する団体)などは、NASAを最初に糾弾した団体とも言われています

協会の代表チャールズ・ジョンソンは「SF作家のアーサー・C・クラークが脚本を書いて、ハリウッドのスタッフがアリゾナで撮影した」とまで言い切っています

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アポロ計画陰謀論の映画としては『カプリコン・1』というアメリカの友人火星探査を描いたイギリス映画などもあり、当時に放映されたイギリスのテレビ番組『第三の選択』などもありました

この番組はエイプリルフールのジョーク番組だったのですが、これを間に受ける視聴者が続出し、日本での放送でも同様の騒ぎが起こったとされています

ちなみに、アポロ計画捏造説の取っ掛かりは日本の作家・草川隆のSF小説『アポロは月に行かなかった』だそうです

この小説は、円谷プロダクションがNASAからアポロ計画の捏造フィルムを依頼されたというネタを基に書かれたとされています

特撮監督が日本政府から呼び出されてアメリカに行ってフィルムを撮影するというもので、2014年に書かれたものですね

気になる方は下記のアマゾンリンクでも踏んでくださいませ

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120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

本作は、フェイク動画を作るという従来からある陰謀論を基にした作品になっていますが、実際にはラブコメ作品だったように思いました

ケリーとコールの出会いの段階から恋の予感があって、それを押し殺しつつ、それぞれの任務に向かっていきます

映画のラストが成功と報酬になっているように、ケリーも職務を全うする中で、コールたちの偉業を全世界に発信する方向に変化していきます

 

撮影はNASAの敷地内で行うというもので、誰もが見たこともない月の映像をどのように作るのかというのが命題になっていました

そこで、かつてNASAが月面を撮影したデータなどを入手し、そしてそっくりの舞台を作り上げることになります

ケリーは良心の呵責などもあり、コールに隠し通すことを諦め、彼の協力を得ることになりました

そして、この放送はたった1人を騙すために行ったということがわかります

 

フェイク映像の撮影が猫によって失敗するというオチがあり、ケリーに依頼を掛けた政府関係者を自称するバーカスは、その巧妙なカラクリに感服し、「Fly Me to the Moon」を歌いながら去っていくというエンディングになっていました

映画はその後、ボビー・ウーマック(Bobby Womack)版の「Fly Me to the Moon」へと移行し、エンディングへと繋がっていきます

この楽曲は様々なアーティストがカバーしている超有名な楽曲なのですが、思いっきりラブソングだったりするのですね

なので、この曲をタイトルに持ってくるという時点で、この映画はラブコメなんですよと言っているのに等しいのだと思います

 

楽曲名+歌詞+日本語訳でググるとたくさん出てくるので、その中でお気に入りの本作を見つけたり、自分なりに意訳をしてみるのも面白いと思います

どちらの目線の楽曲なのかは何とも言えない部分がありますが、個人的には本心を隠そうとしていたコール目線のように思えますね

初見で陥落していて、そこであのセリフを紡ぎ出すのですが、あれはもう「愛している」と言っているようなものですよね

その後のケリーの心変わりを誘発したのも、コールへの好意だったように思えたので、出会いから相思相愛に近いシンパシーを感じていたのかな、と感じました

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/101568/review/04052828/

 

公式HP:

https://www.flymetothemoon.jp/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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