■NEVER After DARK/ネバー・アフター・ダーク


■オススメ度

 

オカルト系王道ホラーが好きな人(★★★)

 


■公式予告編

鑑賞日:2026.6.10(TOHOシネマズ二条)


■映画情報

 

情報:2026年、日本、105分、PG12

ジャンル:ある洋館のお祓いを頼まれた霊媒師を描いたホラー映画

 

監督&脚本:デイヴ・ボイル

 

キャスト:

穂志もえか(愛里:お祓いの依頼を受ける霊媒師一家の娘)

稲垣来泉(美玖:霊となって現れる愛里の妹)

 

木村多江(禎子:霊の目撃者、依頼主)

賀来賢人(群治:禎子の息子)

 

吉岡睦雄(鈴木と名乗る謎の男)

正名僕蔵(猪越:山梨県警の巡査)

 

【被害者の方々】

谷岡彩

寺内伸行

桜井咲希

藤森辰朗

白岩波奈

稲崎朱

みなもとらい

大塚かなえ

京谷正宣

山下訓央

日坂朱李

津田智恵子

 


■映画の舞台

 

山梨県のとある洋館

 

ロケ地:

セット撮影

 


■簡単なあらすじ

 

霊媒師の一族の末裔である愛里は、ある事件で幽霊化してしまった姉・美玖とともにある現場に向かっていた

それは山梨県の山奥にある洋館で、そこの管理人の禎子は「ある時間になると男の幽霊が出る」と言って怖がっていた

禎子の息子・郡治はオカルトには懐疑的だったが、母親の強い要望で愛里を頼ることになった

 

愛里は禎子が遭遇したのと同じ状況を確認するため洋館に泊まりこむことになった

昼と夜の12時台に現れるというものの、その日の昼には何も起きず、夜になって、その男の存在を認知することになった

男はある部屋の戸棚あたりを掻きむしっていて、愛里に気づくこともなく去っていった

 

一連の報告を終えた愛里は、霊を祓うための儀式を昼間に執り行うことになった

それを見たいという禎子だったが、危険を伴うこと、見ていても面白くもないことを告げて断念してもらうことになった

そして、愛里は回転鏡と蝋燭をセットし、魂が体から抜ける儀式を行うことになったのである

 

テーマ:警告と予兆

裏テーマ:昼夜で視えるもの

 


■ひとこと感想

 

ある洋館が舞台のホラー映画で、姉が何故か幽霊化しているという設定になっていました

あまり事前情報を入れずに鑑賞したので、てっきり姉妹の霊能力バトルみたいな感じなのかな、と思っていましたね

愛里の言うように儀式はかなり地味なもので、それでいて妙な怖さと言うものがありました

 

オカルトホラーなので、霊的なものを信じていない人だと厳しいように思いますが、本質的にはミステリー映画なので、そのからくりを楽しめる人はOKだと思います

幽霊の類はほとんど出てきませんが、それが劇中の愛里のセリフでもある「生きている人間の方が怖い」と言う言葉に通じていたと言えます

幽霊は目的があってその行動に執着していて、それを延々と繰り返すのですが、人間は思いつきで行動を変えるので、その理由は全て後付けになっています

 

映画では、どうしても儀式を見たい禎子の内面も徐々に判明し、それは「幽霊は怖いけど、自分には霊感があるので、それを確かめたい」と言う興味本位の行動だったことがわかります

彼女自身は彼女自身が信じるものと遭遇したと思っているのですが、それで良いのかは何とも言えない部分がありました

それにしても、後半の展開はなかなか斬新でしたね

前半の何気ないシーンの意味が徐々に明かされていくのですが、その見せ方がうまかったように思いました

 


↓ここからネタバレ↓

ネタバレしたくない人は読むのをやめてね


ネタバレ感想

 

本作は、「シシュポス」と言う単語が登場するように、「無益な労働」と言うものが繰り返される様子が描かれていました

禎子が見ていたのは未来の男の姿で、繰り返し部屋に侵入しては見つからないものを探し続けていました

これが地縛霊的なものだと思っていたのですが、実際には「ある男が目的を持って来訪していた」ことになっていて、昼に現れていたのが現在軸の生きている男、夜に現れていたのは未来軸の死んだ後の地縛霊となっていました

 

地縛霊を絵に描いた禎子は、その存在に取り憑かれることになり、愛里を頼ることで、自身の特別性を担保しようと考えています

彼女の欲求は、自分を特別だと思えることで、それが成就されたと思い込んだまま、安らかな死を迎えることになります

郡治はかなり悲惨な役柄でしたが、下心が歪で、邪な生きている人間特有のずる賢さがありました

この親子はかなり奇妙な存在であり、この事件の解決以外のことに執着していたように思えます

 

映画では、幽体離脱をする愛里が真相にたどり着くのですが、それが「死んでいるはずなのに生きている状態の男が現れる」と言うものでした

これによって、死の世界に導くと言う彼女の能力は無効となり、物理的な暴力を前に逃げることを決意します

それでも、姉はこの事件を解決できるのは愛里だけだと言い、思いと止まらせようとしていました

結果として、その夜に惨劇が起きてしまうのですが、これらの姉妹の関係は「映画では描かれない過去」が起因していたように思えます

 

続編があるのかはわかりませんが、本編に関係のない謎はそのままにしておくと言うスタンスになっていて、無駄な回想録がないのは良かったと思います

一般的な映画だと、姉妹の過去譚は挿入されるだろうし、姉が幽霊化した理由なども明かされると思います

でも、今回の事件は「ある猟奇的な殺人事件を起こした人物が自分の魂を取りに来ていた」と言うものになっていて、それに遭遇した愛里たちが毒牙にかかりそうになると言うものでした

それゆえに、本作とは通じない過去と言うことで、説明などがなされなかったのだと思います

 


120分で人生を少しだけ良くするヒント

 

おそらくシリーズ化されると思うのですが、それがなくても「わざわざ説明をする必要はない」とも思います

それが「生きている人間の方が怖い」と通じていて、愛里たちも「過去を起点とした行動原則」の末に今がある存在でもあり、それゆえに「突発的に視える行動」と言うものを起こしていきます

それが悲劇を生むと言う構図になるのですが、それこそが人間らしさと言うものなのだと思います

 

彼女らの過去が紐解かれたとしても、それはほんの一部のことであり、それによって未来の行動が全て予測されるものではないでしょう

生きている人間の行動原理はとても複雑なもので、それを看過できる人間は「本人を含めていない」と言うのが真理だと言えます

どうしてこんなことをしてしまったのかと言うことは後付けで理解されるものですが、実際にはそれが真実かどうかはわかりません

 

もし、愛里と姉の過去がわかったとしても、今回のケースでその関連性があったのは「過去の事件で失敗して今こうなってしまった」と言う姉妹の後悔が視えることでしょう

その理由さえわかれば姉妹の立ち位置は理解できるし、姉は執着、妹は逃避として行動が分かれる原則にも近づけると言えます

 

本作は、霊的ループを断ち切る物語として始まりましたが、愛里の行動によって、霊的ループが始まってしまったことが示されていました

まさか彼女が原因を作る側になるとは想像もできない話だと思いますが、この結果に一番驚いているのは愛里自身なのだと思います

それを含めると、「生きている人間(=自分)が一番怖い」と言う愛里の言葉は予言的だったようにも思えました

 


■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/105401/review/06615985/

 

公式HP:

https://neverafterdark.toho-movie.jp/

アバター

投稿者 Hiroshi_Takata

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA