■本当のウイルスは人間的な恋愛価値観だったりするのかもしれません
Contents
■オススメ度
Youtuber系ホラーなら見ちゃう人(★★)
主演のファンの人(★★)
■公式予告編
鑑賞日:2025.1.29(イオンシネマ久御山)
■映画情報
情報:2025年、日本、99分、PG12
ジャンル:村の伝説を調査する動画配信グループを描いたホラー風アクション映画
監督:松野友喜人
脚本:山本清史&小田康平
原作:二宮敦人『悪鬼のウイルス(TOブックス)』
Amazon Link(原作)→ https://amzn.to/4jxESOH
Amazon Link(コミック版)→ https://amzn.to/4hdZj1A
キャスト:わかった分だけ
村重杏奈(茅野日名子:智樹の友人)
太田将熙(内川智樹:都市伝説の調査動画を撮るYouTuber)
桑山隆太(源颯太:智樹の友人)
華村あすか(名取奈々枝:智樹の友人)
吉田伶香(マイ:旧石尾村の高校生)
鳥之海凪紗(リオ:マイの仲間)
石井いずみ(マイの仲間)
田中要次(牛頭:村の管理人)
大熊杏優(五十鈴:牛頭の娘)
町田大和(23番:村の男)
角由紀子(冒頭の事故死する女?)
大澤えりな(波川優美:村に潜伏する謎の女)
五頭岳夫(インタビューを受ける村人)
佐藤優希(向井:旧石尾村を知る住人)
鈴井優(行方不明者の母親)
後藤健児(悪鬼)
内田寛崇(僧兵)
あいだあい(街頭テレビのレポーター)
■映画の舞台
旧石尾村
ロケ地:
千葉県:夷隅群
大多喜町
https://maps.app.goo.gl/UhBVzWGPbanvPjUP8?g_st=ic
中野屋
https://maps.app.goo.gl/LqDX2x2ytAZ1rM3F8?g_st=ic
■簡単なあらすじ
都市伝説を調べる系のYouTuberの智樹、日名子、奈々枝、颯太の4人は、旧石尾村という集落を訪れていた
かつてあった村が今はどうなっているのかを探るものだったが、村人に聞いてもほとんど情報を得られなかった
まともな画も撮れない中、それでも取材を続けていくと、その村を知っている向井という男に辿り着くことができた
彼は、配達員をしていたこともあり、その村に届け物をしていたが、その村は過疎化が進んで、一旦は廃村になったという
最近になって人が移住し村として存在が認知されたが、そこに届け物をするには、教会宛に送るしかないという
向井からその場所を聞いた一行は、ようやく石尾村に到着することができた
何人かから話を聞いていると、教会の神父らしき男と、馬の被り物をしている奇妙な人に遭遇する
二人は快く話をしてくれるものの、夜になる前に帰った方が良いと言って、どこかに行ってしまった
困惑する彼らだったが、そこにある男がやってくる
彼は、ニジュウサンと名乗り、その村の伝説の話をしていく
それは、夜になると鬼が出るというもので、智樹たちは子ども騙しのホラ話だと考えていた
テーマ:大人になること
裏テーマ:鬼化の真髄
■ひとこと感想
イオンシネマで大きく宣伝をしていて、どんなものかと思って見てきましたが、思いっきしB級ホラー映画でしたね
途中でどうでも良くなりかけて、管理人が戦っているあたりの記憶がすっぽりと抜け落ちていました
一応、デジタルパンフレットがあったので補完できましたが、このサイトの使い勝手が非常に悪く、購入した直後に再ログインをしないとダメとか、そこですんなりログインできないという不具合がありました
トップページをブックマークして、購入後に再度最初からページを読み込んでログインし直して、「アイテムリスト」から行けば何とかたどり着けると思います
パンフレットは半分写真集で、後半に決定稿のシナリオが掲載されているので、そこを読みたい人向けかなと思いますが、ダウンロードできないのでちょっとお高いように思います
物語は、使い古されたものなので、見ていくうちにオチまで読めるという感じになっています
見どころは中盤あたりから登場するアクションで、本作は実質的には「村の少女VS悪鬼のアクションバトル」であると思います
なので、主演がYouTuber4人組だけど、そこまで活躍しないというものになっていました
↓ここからネタバレ↓
ネタバレしたくない人は読むのをやめてね
■ネタバレ感想
ネタバレといえば「鬼になる理由」でしたが、それが当初はセックスしていたら大人=鬼になる、というものでした
その話を聞かされた日名子が飲み物をぶちまけるシーンがありますが、シナリオに忠実で、そのまま智樹にスルーされているのは笑ってしまいました
基本的にコメディっぽさがあって、颯太と奈々枝がヤッた後に「え?」合戦があったりと、はっきりと言わせることに抵抗があったようでしたね
それを言わせたら、主演のファンは一生ついていきますみたいな感じで円盤も売れたように思います
物語は、実は「殺人経験者が鬼になるのでは」という仮説が出てきて、それによって颯太が鬼になるというシーンがありました
でも、冒頭の事故が殺人とするならば、智樹も同じタイミングで鬼にならないと行けないと思うのですね
彼が鬼になるのは、新月が明けてからだし、このあたりの設定がグダグダすぎて、どうなってんのかなと思いました
映画は、アクションシーンを観る映画で、冒頭のモキュメンタリーもどうでも良いし、途中でその映像を見ているのが行方不明の家族という構成もどうでも良かったりします
家族が見ていた映像ということなら、最後に智樹が日名子を殺している映像を見た後の家族のリアクションが必要に思えます
後半はかなり暗い映像になっていて、日名子の両親がどんな顔をしているのかとか、刑事らしき2名を誰が演じているのか識別できない感じでしたね
演じている人がモブキャラとは言え、映像を見た後に一旦照明をつけるなどして、演者さんをきちんと見せるなどの配慮が必要だったように思えました
■擦り切れすぎたYouYuber
Youtuberが廃墟とか曰く付きの場所を訪問するというのは定番のネタで、今では「またか」と思われる案件のように思います
そこでどんな恐怖と遭遇するのかというのが見どころで、本作の場合は「不可思議な習慣」というものになっていました
これもどこかで見たことがある系の展開で、そう言った場所に行かなければ「オカルト系YouTuberには出番がない」とも言えます
今回は、4人の若者がその村に行くことになり、そこでの体験というものが綴られていきます
若者5人の構成が男2人、女3人なので、女性の誰かがはみ出る格好になっていて、グループ内の恋愛騒動というものも格好のネタになると思います
本作の場合は、当然そういう関係はあるだろうなあという中で、それを判定するのが「彼らは大人なのか」ということになっています
この映画における「大人の定義」は「セックスしているかどうか」ということで、その性的関係があったかどうかを第三者的な立場の霊的な何かが判別していることになります
そして、このグループの中に元アイドルがいる、というのはメタ的にネタになっていたように思いました
本作のような映画は「どのような人間関係を持っている人間が、どのようなスケールによって生死を分けるか」というところがあって、ちょっと斬新なところがありましたね
この場所に来るまではそういう関係でなくても、吊り橋効果的にカップルになってしまい、そう言った関係になったことで襲われる
ありそうでなかった設定なのですが、それをどのような配役で行うのかというのは製作陣の力の見せどころのように思います
映画では、主演の元アイドルにはそう言った部分を課さないというものがありましたが、メタ構造を考えると、一歩踏み出しても良かったのかな、と感じました
■勝手にスクリプトドクター
本作は、色々と弄れるところがあるシナリオですが、その中でも「セックスすると大人になる」という構造を活かして、グループ内の恋愛ヒエラルキーを殴り倒すというスタイルが合うと思います
劇中の恋愛関係は、颯太と奈々枝が隠れカップルで、日名子が好きな智樹は奈々枝が好きという関係になっていました
いわゆる変形三角関係ということで、それがこの村の設定によって揺るがされることになりました
智樹の絶望に日名子が取り入ることができるのか、みたいな部分があり、ぶっちゃけるとホラー要素は設定として機能する「実質的には恋愛映画」ということになっていました
この構造において、この4人が「外部の人間と致すのか」というところは非常に重要で、それをやってしまうのは智樹ではないと思います
なので、実は隠れカップルだった颯太と奈々枝の関係が冷えつつあり、颯太が現地の女性と関係を持ってしまうというのが面白いと思います
すでに「大人」なので、奈々枝には颯太の裏切りは見えないのですが、実は性的に倦怠期に入っていて、そう言ったことは最近していないという設定を持ってきます
そして、「セックス=大人」という設定に対して、「この村で」とか「1週間以内に」などの制約条件が後から判明するようにするのですね
そうすると、奈々枝には裏切りがわかり、それによって「隠されていた関係」というものが暴露されるに至ります
この泥沼の状態になったのに、智樹は奈々枝を慰めようと接近し、日名子は置いてけぼりになってしまいます
そこで彼女の欲求に火がついてしまう、という展開が面白くて、そこで彼女が「外部の男性と関係を持つ」という展開が生まれます
智樹としては「仲間としての日名子」を助けたいと思う一方で、自分の想いが遂げられないなら死んでも良いと考える
そう言った緊迫した中での痴話喧嘩に発展するのですが、そこで「さらに別の異性と性交すると違う力が得られる、あるいは無力化される」という設定を加えます
そうすることによって、心が離れてしまった智樹と「助かるためにセックスできるのか」という命題が登場します
ここまで振り切ると面白いと思いますが、この内容だと元アイドルが演じるのは不可能に近いので、マイルド路線に突き進んだのかな、と思いました
■120分で人生を少しだけ良くするヒント
先のスクリプトドクターはあくまでもオリジナル要素を付け加えて、マーケティングを無視したものなのですが、こう言った設定を借りて映画を派生させるのはありだと思います
今回は動画配信者的なポジションでしたが、単純に仲間内の卒業旅行とかでもOKだし、舞台を日本の田舎から北欧のどこかにすることも可能でしょう
さらに、そのあたりのスポットがありきたりなら、マンションの一室に監禁されたスリラーにもできます
要は「セックスによってルールに抵触する」という構造があって、それによって「人間関係が変化する」という状況があれば、若者でも年配でも、全員同性でも成立すると言えます
映画などを含めた「創作物」は過去の創作を独特に変化させたものであり、それをどのようにトッピングするのかが決め手となります
物語の根幹は「得ている人が失う」「何も持たざるものが得る」というものがあるので、付属する設定は「それをどのように展開させるか」という味付けの部分になります
今回の場合だと、日名子の「物語当初の状況」がどのよう着地するのかを見極めることとなります
恋愛的な観点だと「片思い中」になるので、それがどう変化するのか、というところが見どころになります
この場合の結末は3つあって、「色々あるけど変化しない(相手が死ぬ、誰かに奪われる)」「恋愛が成就する(相手が自分のものになる)」「恋愛感情を失う(自身が死ぬ、相手に愛想をつかす)」というものになります
どの着地点を選ぶかで展開は変わりますが、個人的に好きなのは「恋愛感情を失う」パターンですね
これは主人公の中でパラダイムシフトが起こり、恋愛よりも大切な価値観を得るというものになります
それが生存という状況で得る場合もあれば、本人が鬼化して人間的な恋愛感情から解き放たれるということもあります
この流れにおいて一番インパクトがあるのが「鬼化して鬼的恋愛価値観を得る」というものでしょう
そこには「恋愛」というものがなく、子孫繁栄のために必要な性交だけがあるとか、性交は単なる挨拶のようなもので、相手との関係性には言及しない、などでしょう
そう言った世界に放り込まれることによって、自分のいた世界に帰りたいと思うのか、それとも新しい世界に行きたいと思うのかが分かれ目になります
個人的には、新しい世界に行くことで主人公の次のステージが始まり、その辺にあったような価値観には意味がなかった、と結ぶのが面白いかな、と思いました
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/102461/review/04717055/
公式HP:
https://www.demon-virus.movie/
