■映画鑑賞まとめ■
2月、第3週(2025.2.17~2025.2.23)
■ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻
■オススメ度
キャサリン・パー王妃に興味がある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2025.2.18(TOHOシネマズ二条)
■映画情報
原題:Firebrand(扇動者、火付け役)
情報:2023年、イギリス、120分、R15+
ジャンル:ヘンリー8世の最後の妻キャサリンとの日々を描く伝記映画
監督:カリン・アイヌーズ
脚本:ヘンリエッタ・アシュワース&ジェシカ・アシュワース&ロサンヌ・フリン
原作:エリザベス・フリーマントル『Queen’s Gambit』
Amazon Link(原作:英語版)→ https://amzn.to/3ERDPci
キャスト:
アリシア・ヴィキャンデル/Alicia Vikander(キャサリン・パー/Katherine Parr:ヘンリー8世の6番目の妻)
ジュード・ロウ/Jude Law(ヘンリー8世/Henry VIII:イングランドの国王)
パッツィ・フェラン/Patsy Ferran(メアリー/Mary I:ヘンリーの長女、1番目の妻との娘、後のイングランド女王メアリー1世)
ジュニア・リース/Junia Rees(エリザベス/Elizabeth I:ヘンリーの次女、2番目の妻との娘、後のエリザベス1世)
パトリック・バックリー/Patrick Buckley(エドワード王子/Edward VI:ヘンリーの長男、3番目の妻との息子、後のエドワード6世)
エリン・ドハティ/Erin Doherty(アン・アスキュー/Anne Askew:キャサリンの旧友、改進派の宗教家)
エディ・マーサン/Eddie Marsan(エドワード・シーモア/Edward Seymour:エドワード6世の叔父、ヘンリー8世の3番目の妻の兄)
サム・ライリー/Sam Riley(トマス・シーモア/Thomas Seymour:エドワード・シーモアの弟、キャサリンの恋人)
サイモン・ラッセル・ビール/Simon Russell Beale(スティーブン・ガーディナー/Stephen Gardiner:司教、フィリップ王時代の大法官)
Jason Baughan(ウィル・サマーズ/Will Summers:宮廷道化師)
Amr Waked(ムライ・アル・ファラビ/Dr. Mulay Al Farabi:ヘンリーの主治医)
Anna Mawn(アグネス・ハワード/Agnes Howard:トーマス・ハワードの妻、「銀色の白鳥」を歌わされるロンドンからの来訪者)
Lisa Pyk(エレノア・ブラウン/Eleanor Browne:キャサリンの侍女)
Mina Andala(レディ・ジャリーダ・マルケス/Jalida:スペインから来たヘンリーの侍女)
■映画の舞台
1543年頃、
イングランド:テューダー朝
ロケ地:
イギリス:ベイクウェル
ハードンホール/Haddon Hall
https://maps.app.goo.gl/aTc3eDwD2Ro2iiKj7
■簡単なあらすじ
16世紀のイングランド・テューダー調では、ヘンリー8世による暴政がまかり通り、これまでに5人の妻が追放されたり、死刑になったりしていた
6番目の妻にはキャサリン・パーが選ばれ、それは彼女にとって望まぬ結婚だった
彼女には、ヘンリー8世の3番目の妻の兄トマスという想い人がいて、彼女自身はプロテスタントとして、カトリックの王政とは対立する立場となっていた
ある日のこと、王の遠征の隙を狙って外出したキャサリンは、そこで旧友のアン・アスキューと再会する
彼女は革新派として、キリスト教を改革しようと考えていて、人々に教えを授けていた
ラテン語で書かれた聖書を英語に翻訳し、神と人との間に誰も置かないという主義を貫いていたが、カトリック教会からは異端だと忌み嫌われていた
アンとの密会は問題視され、カトリックの意にそぐわない書物などの持ち込みは禁止されていた
そんな中でも、キャサリンは侍女たちの助けを借りて隠し通し、さほど問題にならなかった
だが、ある事件によって、それは明るみにされ、キャサリン自身も処刑される可能性が浮上してきたのである
テーマ:教義を貫く意思
裏テーマ:生き延びることの意味
■ひとこと感想
当時の歴史はさほど詳しくなく、教科書レベルでうろ覚えというところでしたが、キャストのことを調べているうちに身についた基礎教養でなんとかついていける感じになっていました
それでも、劇中で相手の名前はほとんど呼ばないので、主要人物以外の名前と顔がほとんど一致しない、という感じになっています
それでも、ヘンリー8世の子ども3人、シーモア兄弟、司教さえ識別できればOKかなあと思いました
映画は、悪魔のような国王ヘンリー8世の最期を描いている作品で、そこに寄り添ったのが6番目の妻・キャサリンでした
子どもに関してはググった方が良いと思いますが、パンフレットでもざっくりと説明されています
それでも、メアリーがスペインから帰ってきているあたりは知っておかないと変に思うかもしれません
映画は、ヘンリー8世の横暴さと破傷風のような大怪我が祟って、最後はどうなるのかなという感じで描かれていきます
史実を知っていてもビックリするのかはわかりませんが、そこまで詳しくない当方としては「マジか!」という感じでしたね
なので、その驚愕を楽しみたい人ならば、何も調べない方が良いのかもしれません
↓詳しいレビューはこちらから
*【映画感想】ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻【後半:ネタバレあり:執筆中】
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/99307/review/04790224/
公式HP:
https://longride.jp/firebrand/
■愛を耕すひと
■オススメ度
史実ベースの愛憎劇が好きな人(★★★)
権力者に刃向かう映画が好きな人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2025.2.19(MOVIX京都)
■映画情報
原題:Bastarden(私生児)、英題:The Promised Land(約束の地)
情報:2023年、デンマーク&ドイツ・スウェーデン、127分、G
ジャンル:王領地の開拓を志願する退役軍人と近隣地主との争いを描いたヒューマンドラマ
監督:ニコライ・アーセル
脚本:アナス・トマス・イェンセン&ニコライ・アーセル
原作:イダ・ジェッセン/Ida Jessen『Kaptajnen og Ann Barbara(2022年)』
キャスト:
マッツ・ミケルセン/Mads Mikkelsen(ルドヴィ・ケーレン/Ludvig Kahlen:ドイツ軍将校、大尉、退役軍人)
シモン・ベネンビヤーグ/Simon Bennebjerg(フレデリック・デ・シンケル/Frederik De Schinkel:地主、ハルド荘園の地方判事)
Thomas W. Gabrielsson(ボンドー/Bondo:フレデリックの執事)
Olaf Højgaard(プライスラー/Preisler:シンケルの手下)
アマンダ・コリン/Amanda Collin(アン・バーバラ/Ann Barbara:ヨハネスの妻、フレデリックの元使用人)
Morten Hee Andersen(ヨハネス・エリクソン/Johannes Eriksen:フレデリックの年季奉仕農奴の農民)
メリナ・ハグバーグ/Melina Hagberg(アンマイ・ムス/Anmai Mus:盗みを働くタタール人の少女)
(15歳時:Laura Bilgrau Eskild-Jensen)
クリスティン・クヤトゥ・ソープ/Kristine Kujath Thorp(エレル・ヘレン/Edel Helene:シンケルの婚約者、いとこ)
グスタフ・エイン/Gustav Lindh(アントン・エクルンド/Anton Eklund:土地の聖職者、牧師)
■映画の舞台
1755年、
デンマーク:
コペンハーゲン
ユトランド半島
ロケ地:
チェコ:
プラハ/Prague
https://maps.app.goo.gl/tvwqDaBYwH9bNUkL8
デンマーク:西ユトランド地方
ヒェル・ヘデ/Hjerl Hede
https://maps.app.goo.gl/qwjhuachCjaiMeBk9
■簡単なあらすじ
1755年、デンマークの軍隊で活躍したルドヴィ大尉は、わずかな年金を貰いながらの生活を余儀なくされていた
ルドヴィは王が兼ねてから進めていたユトランド半島のヒース開拓に興味を示しており、単身でその開拓に着手しようと考えた
財務省に掛け合うものの、パウリ宰相は相手にせずに追い返そうとする
そこでルドヴィは、自身の年金を注ぎ込むと言い、成功したら貴族の称号が欲しいと条件をつけた
王の希望に沿うためにルドヴィを派遣することが決まり、ドイツ経由で手に入れたジャガイモの種芋を友人のトラポーから受け取った
ルドヴィは地元の牧師アントンから、近くの領主から逃げてきた小作人夫婦のアン・バーバラとヨハネスを紹介してもらい、作業を進めることになった
そんな折、倉庫に侵入しては何かを盗んでいく少女を見つける
その少女はタタール人のアンマイ・ムスという少女で、両親に売られて今の集団にいるという
そこでルドヴィはタタール人を雇おうと考えるものの、それは法律で禁止されていた
そして、そんな動きをに近隣の荘園を管轄するフレデリックに知られてしまう
彼はアンとヨハネスを非道にこき使ってきた人物であり、王領地であるにも関わらず、土地の所有権を主張し始めるのである
テーマ:人生を輝かせるもの
裏テーマ:暴君に対するけじめ
■ひとこと感想
不毛な土地を開拓するというぐらいしか知らなかったのですが、どうやら史実ベースの物語で、ルドヴィもシンケルも実在の人物だとされています
18世紀のデンマークでは、北方にあたるユトランド半島はヒースと呼ばれる「平坦な荒地」を持て余していました
それを開拓することを当時のデンマーク王。フレゼリク5世は考えていたのですが、なかなか思うようには進んでいませんでした
そんな中、退役軍人のルドヴィが「爵位」を得るために開拓を行うという物語になっていて、そこで荘園から逃げてきた小作人とその妻を雇うことになります
当時は小作人は領主の持ち物のような扱いで、逃げたら処罰することは法律で定められていました
それによって、ヨハネスが亡くなってしまい、そこからルドヴィとアン、タタール人のアンマイとの奇妙な家族構成が始まっていきます
タタール人は「南方の民」と呼ばれていますが、実際にはトルコ系やモンゴル系の民族で、デンマークの南方の地域から流入していました
彼らの宗派はイスラム教スンニ派であり、デンマークはキリスト教(プロテスタント)なので、宗教的な不寛容というものもあったと思います
途中でドイツから入植者が訪れますが、彼らもキリスト教徒なので、タタール人との相性は悪かったと言えるのでしょう
↓詳しいレビューはこちらから
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/99901/review/04792576/
公式HP:
https://happinet-phantom.com/ai-tagayasu/
■ドライブ・イン・マンハッタン
■オススメ度
タクシー内の会話劇に興味のある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2025.2.20(アップリンク京都)
■映画情報
原題:Daddio(お父さん、元気か?)
情報:2023年、アメリカ、100分、G
ジャンル:偶然乗り合わせたタクシーで濃密な会話をする運転手と客を描いたヒューマンドラマ
監督&脚本:クリスティ・ホール
キャスト:
ダコタ・ジョンソン/Dakota Johnson(ガーリー/ Girlie:JFK国際空港からタクシーに乗る女性)
ショーン・ペン/Sean Penn(クラーク/Clark:ガーリーを乗せるタクシーの運転手)
■映画の舞台
アメリカ:
ニューヨーク州マンハッタン
ロケ地:
アメリカ:
ニューヨーク州マンハッタン
■簡単なあらすじ
オクラホマから自宅に向かったガーリーは、JFK国際空港からタクシーに乗った
運転手は寡黙な年配だと思われたが、高速678号線に入ったあたりから、少しずつ会話が始まった
最初は現金客がいなくなってチップが無くなったという話から、アプリの普及で何でもできるようになったという愚痴が続いていく
ガーリーは運転手の話を傾聴していたが、退屈には思わなかった
その日の最後の客だということで、のんびりと走る中、彼女がタクシーに乗るのは初めてではないことに気づく
そんな話をしながら、運転手が注意深く女性客を見ていると、何やらスマホでメッセージを送り合っているように重rた
そして、乗せた家族づれのお客のことを話し出し、スマホから目を離さなかった少女のことなどを話し出した
それからも何気ない会話が続くものの、何かの事故渋滞に巻き込まれてしまう
二人は相手を驚かせる話をしていたが、突如、下世話な話へと向かってしまう
それは、運転手の結婚についての話で、さらにその話と絡ませるように、スマホのメッセージの相手のことを言い当てるのである
テーマ:渇望の先にある欲望
裏テーマ:一夜限りの親友
■ひとこと感想
ダコタ・ジョンソンとショーン・ペンのみが登場する室内会話劇で、これで100分をどう乗り切るんだろうと思っていました
タクシーの運転手とのその場限りの会話を楽しむ人だと面白いと思いますが、意外なほどに濃い話をしてしまいがちなところがありますね
話す必要のないことを話したりするのですが、沈黙が苦手な場合もあれば、言葉に出すことで整理するという意味合いもあると思います
映画では、人生経験豊富なクラークがガーリーに直面している問題を深掘りしていくという内容になっていて、相手を驚かせる話をすれば1ポイントみたいなゲームを始めてしまいます
ジャブのような他愛のない話から、クラークの結婚の話などが飛び出して、ハードルが低くなったのか、ガーリーの恋愛の話へと発展していきます
ラストでは驚きの告白があるのですが、それが彼の想定内だったのかどうかは何とも言えないところがありますね
でも、話したいことがあるんだということが伝わっていて、擬似的な父親代わりになっていた部分もあったように思います
退屈に感じる人もいるかもしれませんが、ダコタ・ジョンソンのたくさんの表情が見られるので、それだけで満足できる内容のように思いました
↓詳しいレビューはこちらから
*【映画感想】ドライブ・イン・マンハッタン【後半:ネタバレあり:執筆中】
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/102928/review/04796841/
公式HP:
■コメント部隊
■オススメ度
実際の事件をモチーフにした映画に興味がある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2025.2.20(アップリンク京都)
■映画情報
原題:댓글부대(コメント部隊)、英題:Troll Factory(迷惑行為増産工場)
情報:2024年、韓国、109分、G
ジャンル:世論操作の犠牲になった記者の奮闘を描いたミステリー映画
監督&脚本:アン・グクジン
原作:チャン・カンミョン/장강명『The Comments Army』
キャスト:
ソン・ソック/손석구(イム・サンジン/임상진:大企業の横暴を暴露して干される新聞記者)
キム・ソンチョル/김성철(チン・フォッキング/찡뻤킹:世論操作の窓口になる男)
キム・ドンフィ/김동휘(チャッタッカッ/찻탓캇:アマチュア作家)
ホン・ギョン/홍경(ペプテク/팹택:ゲーマー)
イ・ソンヒ/이선희(ピョ・ハジョン/표하정:新しい社会部の局長)
チェ・ドクムン/최덕문(チェ・ピョンホ/최평호:社会部の局長)
イ・ソファン/이서환(パク・ウソン/박우성:ウソンデータの社長)
イ・チャンユ/이찬유(悪魔/중학생、中学時代)
キム・ヒウォン/김희원(イ・ソンウ/이선우:映画監督)
リー・デイビッド/이다윗(イ・ダウィット/이다윗:「模範刑事」の映画作業員)
キム・ジュンハン/김준한(ナム・ギホン/남기홍:世論調査チーム長を名乗る謎の男)
オ・イェジュ/오예주(イ・ウンチェ/이은채:学生会長を目指す大学生)
イ・ヒョン/이현(カフェのマダム)
キム・ギュベク/김규백(Informer X/情報提供者X:世論調査チームの実態を暴く男)
■映画の舞台
韓国:ソウル
ロケ地:
韓国:ソウル
鍾路区三清洞
https://maps.app.goo.gl/oALNmW8vdDU8t4uaA?g_st=ic
■簡単なあらすじ
韓国・ソウルにある唱更新報の記者・イム・サンジンは、大手企業「万全」絡みの事件の記事を書くものの、それが誤報とわかり、職を干されることになった
サンジンは裏取り捜査を進めることもできず、謹慎明けに職場に戻るものの、復職を約束してくれた局長はおらず、新局長からは復帰を認められることはなかった
その後、インターネットにて情報を探っていると、この誤報記事が拡散された経緯を知る人物からのコンタクトがあった
メッセージの主はメディア専攻の教授のようで、サンジンは彼の指定するカフェに出向くことになった
だが、そこにいたのは二十代くらいの若者で、彼は友人と結託して、この一連の誤報騒動を拡散させて炎上させたのだと言う
彼は自分たちの存在を世に残したくて、それで情報提供をしたいと考えていて、サンジンはとりあえず取材を進めることになった
彼はチャッタッカッと言う名前で活動していて、アマチュア作家として小説を書いていた
仲間のチン・フォッキング、ペクテクと共に様々な案件に関わり、女子大生の自殺騒動も引き起こしたと言う
そして、彼らは実力を認められ、「万全」グループからコンタクトがあったと言うのである
テーマ:情報の精度
裏テーマ:真実に見せるための嘘
■ひとこと感想
SNS全盛の時代に、世論調査を行う部署があったと言うネタを元に構成された物語で、原作者曰く真実は80%ぐらいとされています
名誉毀損にあたる可能性があるために企業名などは伏せられていますが、元ネタを辿ることもなく、韓国内では周知なぐらいの大企業であると言われています
映画は、かなり複雑な構造になっていて、何が真実なのかよくわからないと言う感じになっていますね
ネタバレのところで詳しく書くことになりますが、まずは前提として「この映画全てがサンジンの取材を元にして書かれた記事である」というところからスタートしています
そして、取材の中で自分が体験したことを綴っているのですが、ざっくりと「サンジンの体験=真実」「それ以外は嘘」ぐらいで観ていく方がわかりやすいと思います
元ネタは国家情報院から、インフルエンサー自殺、大企業の世論調査(操作)チームなどが登場し、それらに関与していた青年3人が登場しますが、どこまでが本当かを見極める目が養われると思います
普通に観ていても「あれ?」と言うところに気づけると思うので、そこまで難しく考えずに、真贋を感覚で捉えたら良いのではないかと感じました
↓詳しいレビューはこちらから
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/103164/review/04796843/
公式HP:
https://klockworx.com/movies/comment/
■ゆきてかへらぬ
■オススメ度
中原中也に興味がある人(★★★)
長谷川泰子に興味がある人(★★★)
小林秀雄に興味がある人(★★)
■公式予告編
鑑賞日:2025.2.21(イオンシネマ久御山)
■映画情報
情報:2025年、日本、128分、G
ジャンル:駆け出し女優を巡る詩人と文芸評論家の顛末を描いた恋愛映画
監督:根岸吉太郎
脚本:田中陽造
キャスト:
広瀬すず(長谷川泰子:駆け出し女優、20歳)
(幼少期:浅田芭路)
木戸大聖(中原中也:不世出の天才詩人、17歳)
岡田将生(小林秀雄:文芸評論家、中原の親友)
田中俊介(富永太郎:中原の親友、詩人)
トータス松本(鷹野叔:ヴァイオリニスト、音楽家)
瀧内公美(長谷川イシ:泰子の母)
草刈民代(スター女優)
カトウシンスケ(辰野:東京大学の教授)
藤間爽子(中原孝子:中也の妻)
柄本佑(公園で休む勤め人)
■映画の舞台
1924年、
日本:京都
日本:東京
ロケ地:
東京都:練馬区
東映東京撮影所
https://maps.app.goo.gl/Et9jzSHannGk831o6?g_st=ic
栃木県:日光市
日光江戸村
https://maps.app.goo.gl/aFrTCAxoD7RWRLLAA?g_st=ic
神奈川県:鎌倉市
浄智寺
https://maps.app.goo.gl/SLNfQ3bR5UKPsn3VA?g_st=ic
兵庫県:神戸市
神戸迎賓館
https://maps.app.goo.gl/Qa75EQa6CwE4EgKt9?g_st=ic
■簡単なあらすじ
1924年(大正13年)のこと、京都に来ていた駆け出し女優の長谷川泰子と詩人の中原中也は同棲を始めるものの、中原は頑なに手を出さなかった
泰子は映画の仕事を始め、それを収入に充てていく
中原は何で稼いでいるのかはわからなかったが、贅沢をして、泰子から簡単に金を借りていく
スター女優との折り合いも悪くなり、泰子はそんな生活に嫌気を指し始めていた
そんな折、中原は泰子を襲い、大人の関係を持つことになった
その後、中原を訪ねて、友人の冨永がやってきた
彼は器用に裁縫などをこなし、文芸評論の本を泰子に託した
だが、そこで冨永は吐血してしまい、泰子は何もできずに、ただ唖然とするばかりだった
冨永は療養のために東京に行き、中原にとっては空虚な日々が募り始めていた
そして、ある冬の日のこと、中原は「京都に飽きた」と言い、二人で東京に向かうことになった
泰子はマキノプロダクションに所属し、本格的に女優の道を歩んでいく
一方の中原は、冨永を通じて知り合った文芸評論家の小林秀雄との交流を深めていくことになった
テーマ:抑えきれない情念
裏テーマ:支え合うバランス
■ひとこと感想
登場人物は知っていますが、そこまで深くは知らないと言う感じで、なんとなく時代背景がわかると言う感じで見ていました
外国文学を積極的に取り入れていく中で、自分にだけ書ける詩を探していると言う感じになっていて、男二人の世界は泰子にはわからない部分がありました
それでも、言語化に優れた小林は、泰子の心情を簡単に表現してしまいます
映画は、あえて三角関係になっていく男女が描かれていて、その奇妙なバランスというものを描いていきます
泰子には愛情というものがよくわからず、人形のような感じに描かれていますが、感情のスイッチの入り方が異常という感じになっています
実際の泰子は潔癖症なのですが、それを知らないと前半のエピソードで彼女が動けない理由などはわからないと思います
物語は、泰子を通じて自分を見る中原と、泰子を通じて中原を見る小林がいて、その不思議な関係は喪失によって初めて理解できる、という内容になっていました
中原が詩にのめり込めばのめり込むほどに心が遠ざかるのですが、それがなぜかを中原は理解できていません
でも、その心の揺れを的確に捉えるのが小林という人物で、その行動が二人の激情に火をつけていくことになっていきました
↓詳しいレビューはこちらから
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/101978/review/04799109/
公式HP:
https://www.yukitekaheranu.jp/