■映画鑑賞まとめ■
9月、第2週(2023.9.4〜2023.9.10)
Contents
■バカ塗りの娘
■オススメ度
津軽の漆に興味のある人(★★★)
堀田真由さんが好きな人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2023.9.4(アップリンク京都)
■映画情報
情報:2023年、日本、118分、G
ジャンル:漆塗り職人の娘と父との関係を描いたお仕事系ヒューマンドラマ
監督:鶴岡慧子
脚本:鶴岡慧子&小嶋健作
原作:高森美由紀『ジャパン・ディグニティ(産業編集センター)』
キャスト:
堀田真由(青木美也子:津軽塗職人のお手伝い、スーパーの店員)
小林薫(青木清史郎:津軽塗職人、美也子の父)
坂東龍汰(青木ユウ:美也子の兄、美容師)
坂本長利(青木清治:美也子の祖父、介護施設入所中)
片岡礼子(多美子:数年前に出て行った美也子の母)
宮田俊哉(鈴木尚人:花屋の青年)
酒向芳(竹村:旅館の経営者)
松金よね子(京都から来た旅館の客)
篠井英介(京都から来た旅館の客)
木野花(吉田のばっちゃ:美也子の心の支え、隣人)
■映画の舞台
青森県:弘前市
ロケ地:
青森県:弘前市
旧三和小学校
https://maps.app.goo.gl/hUe6QEUYPMhjQow67?g_st=ic
石湯旅館(竹村旅館)
https://maps.app.goo.gl/zPWxDdSWZv6TYCad8?g_st=ic
旧弘前偕行社
https://maps.app.goo.gl/QQCAjmvvsmh8YotBA?g_st=ic
さとちょう(スーパー)
https://maps.app.goo.gl/DfUGxU9Xn38xZ5rGA?g_st=ic
あべフローリスト(花屋)
https://maps.app.goo.gl/RC48n3zzq1geJkrE8?g_st=ic
弘前市立観光館
https://maps.app.goo.gl/bSFapG41CBes5UFt6?g_st=ic
■簡単なあらすじ
青森の弘前にてスーパーの店員をしている美也子は、父・清史郎の漆工房の手伝いもしていたが、肝心な作業は任されていなかった
兄・ユウは工房の跡を継がず、美容師として働き、実家にはたまに顔を出す程度だった
祖父・清治も漆塗職人だったが、怪我をきっかけに引退し、今では地元の介護施設に入所していた
ある日、結婚式場に納品に行った美也子は、そこで兼ねてから気になっていた花屋の青年・鈴木と出会う
簡単な挨拶を交わしただけで有頂天になった美也子は、日を変えて彼の店へと出かける
何気ない会話を交わしながら、一輪の花を買って帰った美也子だったが、そこにユウがやってくる
ユウは父と美也子に話したいことがあると言い、夕方に時間をとってくれ、と言う
そして、その時刻になると、ユウは鈴木を連れて来た
そこで美也子は、衝撃の事実を聞かされ、それによって清史郎も作業が手につかなくなってしまうのである
テーマ:伝統と心意気
裏テーマ:イノベーション
■ひとこと感想
漆塗職人のお仕事ムービーがベースになっていますが、静かなドラマと今風のネタがふんだんに盛り込まれていましたね
個人的には堀田真由さんを観に行ったのですが、彼女の表情の作り方が丁寧で、寝顔すら絵になると言うのは素晴らしかったと思います
映画は、津軽の漆塗職人家族を描いていて、伝統工芸の伝承の難しさと言うものがテーマになっています
親子代々で続いていたものをどうやって残すかという命題があって、そこに家父長制が残っている一家というものがありました
兄の告白は今風ではありますが、親の跡を継ぐことと幸福な人生を送ることのミスマッチと言うのは、どこの家庭にも起こり得る問題なのかなと思います
漆に関してそこまで詳しくなくても、丁寧に説明がなされ、旅館の京都人が観客目線を担うことになっていましたね
後半の劇的な動きは拙速ではありますが、今の時代だと何がバズるかわからないのですが、そのあたりをしっかりと重ねていけば、もっと良い作品になったように思えました
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■関連リンク
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公式HP:
https://happinet-phantom.com/bakanuri-movie/
■ウェルカム・トゥ・ダリ
■オススメ度
サルバドール・ダリに興味のある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2023.9.4(アップリンク京都)
■映画情報
原題:Daliland
情報:2022年、アメリカ&フランス&イギリス、97分、PG12
ジャンル:ダリとガラの関係を第三者視点で描く自伝的映画
監督:メアリー・ハロン
脚本:ジョン・C・ウォルシュ
キャスト:
ベン・キングズレー/Ben Kingsley(サルバドール・ダリ/Salvador Dalí:世界的に認められた芸術家)
(若年期:エズラ・ミラー/Ezra Miller)
バルバラ・スコバ/Barbara Sukowa(ガラ・ダリ/Gala Dalí:ダリの妻、浪費家)
(若年期:Avital Lvova)
クリストファー・ブライニー/Christopher Briney(ジェームズ・リントン/James Linton:ダリの助手を務める青年、画廊の職員)
アレクサンダー・ベイヤー/Alexander Beyer(クリストフ:ジェームズの雇い主、画廊の経営者)
ルパート・グレイブス/Rupert Graves(キャプテン・ムーア:ダリのマネージャー)
アンドレア・ペジック/Andreja Pejić(アマンダ・リア/Amanda Lear:ダリに集う人、のちにポップスターになる歌手)
スキ・ウォーターハウス/Suki Waterhouse(ジネスタ/ルーシー:ダリに集う女性、ジェームズと関係を持つ)
マーク・マッケンナ/Mark McKenna(アリス・クーパー/Alice Cooper:ダリに集う人、成功しているミュージシャン)
Joella Hinson-King(ドニャール・ルナ/Donyale Luna:ダリに集う人、モデル)
Jack Shalloo(デズモンド・カーター/Desmond Cartet:ダリに集う人、詩人、作詞家)
Zachary Nachbar-Seckel(ジェフ・フェンホルト/Jeff Fenholt:ガラが入れ込む売り出し中のミュージシャン、ジーザス役の俳優)
■映画の舞台
アメリカ:ニューヨーク
スペイン:カタルーニャ
クレウス岬
https://maps.app.goo.gl/RNDVLbgU3FKLvHY6A?g_st=ic
ロケ地:
イギリス:
マージーサイド州:リヴァプール
イギリス:
マージーサイド州:リヴァプール
アデルフィ・ホテル/Adelphi Hotel
https://maps.app.goo.gl/9NDSKcQuxvArEqeZA?g_st=ic
スペイン:
カタローヌ州ポルトリガット
メイソン・デ・サルバドール・ダリ/Maison de Salvador Dali
https://maps.app.goo.gl/gAzDMXU2ET5EwXxS8?g_st=ic
■簡単なあらすじ
世界的に著名な画家であるサルバドール・ダリは、ニューヨークのホテルの一室を借り切って、個展の準備に入っていた
彼の古典を仕切る画商のクリストフからダリの監視を言い渡されたジェームズは、ダリの助手となって、彼の作品作りに寄与していく
ダリの妻ガラは、彼にとっては全てだったが、浪費癖があって若きミュージシャンに入れ込んでいる
ダリも多くの愛人を囲っていたが、彼自身が行為に及ぶことはなかった
ジェームズはダリに集う中の一人、ジネスタと大人の関係になるが、それも一時のの余興に過ぎなかった
古典は無事に開かれるものの、美術評論家に嫌われているダリは相手にされず、絵も売れないことから故郷へと舞い戻る
ジェームズもダリについていくものの、ダリの名声を利用して商売を考える人々に翻弄されていく
テーマ:創作の原点
裏テーマ:大切にすべきこと
■ひとこと感想
サルバドール・ダリについては、名前と有名な絵を知っているくらいで、細かなエピソードは存じていませんでした
歪んだ時計の絵が有名で、本作でもそのインスピレーションに向かう様子は描かれていましたね
絵自体は権利の関係からほとんど登場しないのですが、それは仕方のないことかもしれません
映画には様々な著名人が登場し、特に芸術関連が華やかでしたね
アリス・クーパーとアマンダ・リアを知っていると、より一層楽しめる内容になっています
原題は「Daliland」ということで、前半のホテルの一室、後半のアトリエを意味しています
豪華絢爛、好き勝手していたNY時代と、原点回帰に至るクレマン岬時代が描かれていて、自伝的には晩年を描いていますが、ある程度彼の人生を紐解く流れになっていましたね
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■夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく
■オススメ度
キャストのファンの人(★★★)
スイーツ映画が好きな人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2023.9.6(TOHOシネマズ二条)
■映画情報
情報:2023年、日本、100分、G
ジャンル:マスク女子と画家志望の高校生を描いた恋愛映画
監督:酒井麻衣
脚本:イ・ナウォン&酒井麻衣
原作:汐見夏衛『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく(スターツ出版、2017年)』
キャスト:
白岩瑠姫(深川青磁:茜を嫌いと発言するクラスメイト)
久間田琳加(丹羽茜:優等生を演じる女子高生)
箭内夢菜(沙耶香:茜の友人)
上杉柊平(岡崎:美術教師)
吉田ウーロン太(丹羽隆:茜の継父、喫茶店「サン」の店主)
鶴田真由(丹羽恵子:茜の母)
佐藤恋和(丹羽玲奈:茜の異父妹)
■映画の舞台
日本のどこかの地方都市(ロケ地は茨城県)
ロケ地:
茨城県:土浦市
茨城県立土浦産業技術専門学校
https://maps.app.goo.gl/LCFLr7Pfqpc6Un5j6?g_st=ic
東京都:国分寺市
カフェおきもと(喫茶サン)
https://maps.app.goo.gl/FxfpKnC293z2p4tA9?g_st=ic
栃木県:宇都宮市
宇都宮動物園
https://maps.app.goo.gl/ohNhBuNAAYCyQhub6?g_st=ic
東京都:渋谷区
White Balance
https://maps.app.goo.gl/bDh2RfuJo3ie9GVU9?g_st=ic
■簡単なあらすじ
ある時期を境にマスクを手放せなくなった高校2年生の茜は、初対面のクラスメイト青磁から「お前のことが嫌いだ」と言われてしまう
茜はいつも優等生のふりをしていて、学級委員を務めて内申を気にし、クラスメイトの顔色を窺い続けていた
それは家庭でも同じで、母の再婚相手とその間に生まれた妹との距離感を取りつつ、なんの問題もないように過ごしていた
ある日、授業の一環でグループのメンバーの良いところと悪いところを発表し合うことになった
そこで青磁と同じグループになった茜は、そつなく言葉を紡ぐものの、「俺の絵を見たこともないのに。そう言うところが嫌いなんだ」と念押しされてしまう
それからしばらく経った頃、茜は美術室の前を通りかかり、そこに飾られていた絵に心を奪われる
思わずマスクを外して絵に見入っていると、突然「俺の絵に感動したのか?」と青磁の声が響いた
青磁は茜を屋上に連れていき、彼のアトリエを披露する
そして、その日から、二人に妙な関係性が生まれてくるのであった
テーマ:心の解放
裏テーマ:愛する人と共有したいもの
■ひとこと感想
スイーツ系ラブコメで、学生生活の王道パターンの物語ですが、ビジュアライズが美しく、登場する絵の説得力が思った以上にありました
コロナ禍が題材なのかなと思いましたが、どうやらマスクをしているのは茜だけで、それも風邪を引いて登校した時に初めてつけたという感じになっていました
恋愛映画ではありますが、その障壁は意外なほど低く、それよりも茜が青春を取り戻す方にシフトしていましたね
優等生を演じているものの、それは本当の自分ではなく、マスクをしていることで本心が隠せると思っているところが若いなあと思ってしまいます
コロナ禍があったために設定がややこしい感じになっていますが、原作はコロナ禍以前に描かれているものなので、リアルが印象を変えてしまっていますね
現実がややこしさを加速させてしまっているので、いっそのこと「2015年、夏」みたいに「コロナ禍以前ですよ」を強調した方が良かったように思いました
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【映画感想】夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく【後半:ネタバレあり】
■関連リンク
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公式HP:
https://yorukimi.asmik-ace.co.jp/
■復讐の記憶
■オススメ度
韓国における反日の構造を知りたい人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2023.9.7(アップリンク京都)
■映画情報
原題:리멤버(覚えている)、英題:Remember
情報:2022年、韓国、128分、G
ジャンル:過去の清算のために奮闘する老人を描いたヒューマンドラマ
監督:イ・イルヒョン
脚本:イ・イルヒョン&ユン・ジョンビン
原作:アトム・エゴイアン/Atom Egoyan『Remember(邦題:手紙は憶えている、2015年のカナダ&ドイツ映画)』
Amazon Prime Video『手紙は覚えている』
キャスト:
イ・ソンミン/이성민(ハン・ピルジュ/フレディ:ファミレスで働く80歳の老人)
(青年期:ユン・ウ/윤우)
(少年期:ハン・ヒス/한희수)
ナム・ジュヒョク/남주혁(パク・インギュ/ジェイソン:ピルジュの同僚)
チョン・マンシク/정만식(カン・ヨンシク:事件を追う刑事、ソウル広域警察)
パク・クンヒョン/박근형(キム・チドク:元国防長官、韓国の英雄)
(青年期:ナム・ミンウ/남민우 )
ユン・ジェムン/윤제문(キム・ムジン:チドクの息子、テハン工業の社長)
ソン・ヨンチャン/송영창(チョン・ペクジン:最初に狙われる病院の理事長)
ムン・チャンギル/문창길(ヤン・インソク:反日民族を糾弾する歴史学の教授)
(青年期:イ・ウジョク/이우성)
パク・ビョンホ/박병호(ヒサシ・トウジョウ:元大日本帝国の軍人、現在の韓国とパイプのある日本企業の顧問)
(青年期:キム・ウジン/김우진)
キム・ホンバ/김홍파(セオ:揚州聖母病院の院長、ピルジュの友人で主治医)
■映画の舞台
韓国:ソウル
ロケ地:
韓国:ソウル
■簡単なあらすじ
80歳になってもファミレスで働いているピルジュは、アルバイト仲間のインギュと仲良しで、お互いをフレディ、ジェイソンと呼び合う仲だった
だが、アルツハイマーの進行によって記憶力が低下したピルジュは引退を決意し、余生をどう生きるかを考え始めていた
ある日、ピルジュは真っ赤なポルシェをレンタルし、インギュに運転手を頼むことになった
ピルジュは「バケットリスト」がひとつ達成したと喜ぶものの、そのお手伝いは予期せぬ方向へと進んでいく
最初に向かったのは大病院で、車で待つように言われたインギュは、なかなか病院から出てこないことに痺れを切らして中に入ってしまう
ピルジュは予期せぬ出来事に慌てるものの、計画を遂行するために関係者入り口から侵入し、院長室にたどり着く
そして、院長のチョン・ペクジンを殺害するに至った
ピルジュは第二次世界大戦時に家族を失っていて、その元凶となった人物をターゲットにして、復讐を果たそうと考えていたのである
テーマ:過去の清算
裏テーマ:未来を生きるために必要な過去
■ひとこと感想
原作はカナダ&ドイツ合作の映画で、内容は「戦争によって家族を殺された老人が復讐する」というプロット自体は変わっていません
舞台がアウシュヴィッツなどになっていて、そこで起こった出来事を主体にして、主人公が相手を追い詰めていきます
インギュにあたるキャラクターもおらず、老人が淡々と復讐を果たしていく様子が描かれていました
本作は、そのプロットを韓国を舞台に変えたものになっていて、関東軍、慰安婦などの大日本帝国時代の遺恨というものが全面に登場しています
日本人役も韓国人俳優が務めていたり、歴史的な解釈も色々と飛び出してきますが、よくこの内容を映画化できなたなと感心してしまいます
韓国国内の評判も二分する内容であると思いますが、歴史史観そのものへのツッコミなどとは別に、反日マインドがどうやって起こっているのかがよくわかる映画になっていましたね
日本から見れば反日ですが、韓国から見れば「反親日」という感じになっていましたね
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公式HP:
https://fukushu.jp/
■兎たちの暴走
■オススメ度
母と娘の物語が好きな人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2023.9.7(アップリンク京都)
■映画情報
原題:兔子暴力(兎の暴力)、英題:The Old Town Girls(古い町の少女たち)
情報:2020年、中国、105分、G
ジャンル:自分を捨てた母と再会する少女を描いたヒューマンドラマ
監督:シェン・ユー/申瑜
脚本:シェン・ユー&チウ・ユージエ&ファン・リー
キャスト:
ワン・チェン/万茜(チュー・ティン/曲婷:シュイ・チンの母、ダンサー)
リー・ゲンシー/李庚希(シュイ・チン/水青:チュー・ティンの娘、高校生)
(幼少期:ウー・シンルイ/吴欣芮)
シー・アン/是安(シュイ・ハウ/水浩:シュイ・チンの父)
チャイ・イェ/柴烨(ジン・シー/金熙:シュイ・チンのクラスメイト)
ユウ・ガンイン/俞更寅(バイ・ハウウェン/白皓文:シュイ・チンのクラスメイト、ジン・シーの想い人)
ヂォゥ・ズーユェ/周子越(マー・ユエユエ/马悦悦:シュイ・チンのクラスメイト)
パン・ピンロン/潘斌龙(マー/老马:ユエユエの実父)
ファン・リー/方励(ユエユエの養父/干爹)
ナイ・アン/耐安(ユエユエの養母/干妈)
ジー・ユンシャオ/姬云潇(ユエユエの養父の娘/马仔)
ファン・ジュエ/黄觉(トゥー/老杜:チュー・ティンを探す男)
■映画の舞台
中国:
四川省攀枝花市
https://maps.app.goo.gl/Y4kdKqa3TbkiiguE7?g_st=ic
ロケ地:
上記に同じ
■簡単なあらすじ
四川省の寂れた町に住んでいるシュイ・チンは、幼い頃に母に捨てられ、父と二人で過ごしていた
父の家族と折り合いが悪く、食事に同席させてもらえずに途方に暮れている
そんな彼女には、ジン・シーとユエユエという友人がいて、シュイ・チンはジン・シーの自由な生き方に憧れていた
ユエユエはモデルをするほどに美しかったが、実父が帰ってきたからは生きた心地のしない毎日を過ごしている
ある日、町に都会風の女性がやってくる
シュイ・チンは本能的に自分の母であると確信し、10年以上の空白を埋めるように交流を果たしていく
だがある日、母の元に借金取りの手下トゥーが現れ、事態は予期せぬ方向へと転がり始めてしまうのである
テーマ:弱者の暴力性
裏テーマ:未来のために守りたいもの
■ひとこと感想
中国の内陸部が舞台になっていて、工業で栄えたけど、空洞化が進んでいる土地が描かれていました
そんな町に都会から自分を捨てた母が戻ってくるというもので、生きづらさを解消してくれる居場所というものを見つけるに至ります
夢のような時間、そして場所
でも、それは長く続くことはなく、母が都会からこの町に戻ってきた理由というものが暴露されていきます
それと並行して、友人たちとの距離感が生まれ、恋愛や嫉妬が絡んだことで、計画が破綻しかけます
そこに行き着くまでの展開はゆったりしたものでしたが、ラストの怒涛の展開には驚きを隠せません
冒頭の誘拐騒動の真相が描かれる中、トランクの中身が判明する流れは、結構キツいものがありましたね
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https://www.uplink.co.jp/usagibousou/
■私たちの声
■オススメ度
女性の生きづらさに関心のある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2023.9.7(MOVIX京都)
■映画情報
原題:Tell It Like a Woman(女性のように語る)
情報:2022年、アメリカ&イタリア&インド&日本、112分、G
ジャンル:女性の生きづらさを描く7本のオムニバスからなるヒューマンドラマ
【Pepcy & Kim(ペプシとキム)】
監督:タラジ・P・ヘンソン
脚本:キャサリン・ハードウィック
モデル:Kim Carter(Time For Change Foundation)
キャスト:
ジェニファー・ハドソン/Jennifer Hudson(ペプシ/キム:解離性同一性障害を持つ囚人)
ポーレッタ・ワシントン/Pauletta Washington(ローリー:カウンセラー)
【Elbows Deep(無限の思いやり)】
監督&脚本:キャサリン・ハードウィック
モデル:Dr. Susan Partovi
キャスト:
マーシャ・ゲイ・ハーデン/Marcia Gay Harden(パートヴィ:医師)
ジャスミン・ラヴ/Jasmine Luv(タミカ:看護師)
Cara Delevingne(ヴァル/ヴァリテーション:利用者の女性)
【Lagonegro(帰郷)】
監督&脚本:ルシア・プエンゾ
協力:タティアナ・メレニューク
キャスト:
エバ・ロンゴリア/Eva Longoria(アナ:帰省するキャリアウーマン)
Eudora Toto(レナ:サラの娘)
Leonor Varela(タラ:アナの妹の面倒を見ていた女性)
Anna Klocznska Katarzyna(サラ:アナの妹)
(7歳時:Eudora Toto)
(16歳時:Chabeli Sastre)
【A Week In My Life(私の一週間)】
監督&脚本:呉美保
キャスト:
杏(ユキ:多忙なシングルマザー)
湯田幸希(トワ:ユキの息子)
板垣樹(アヤ:ユキの娘)
【Unspoken(声なきサイン)】
監督:マリア・ソーレ・トニャッツィ
脚本:ジュリア・ルイーズ・スタイガー
キャスト:
マルゲリータ・ブイ/Margherita Buy(ダイアナ:獣医)
Jennifer Ulrich(グレタ:怪我した犬の飼い主)
Iacopo Ricciotti(エドゥアルド:グレタの夫)
【Sharing a Ride(シェアライド)】
監督:リーナ・ヤーダブ
脚本:シャンタヌ・サガラ&クルーパ・ゲー&キアラ・ティルシ
キャスト:
ジェックリーン・フェルナンデス/Jacqueline Fernandez(ディヴィヤ:成功している美容外科医)
アンジャリ・ラマ/Anjali Lama(アンジャリ:タクシーで乗り合わせるトランスジェンダー、交通警察)
【ARIA(アリア)】
監督&脚本:ルチア・ブルゲローニ&シルヴィア・カロッピオ
■映画の舞台
アメリカ:ニューヨーク
インド:
日本:東京
イタリア:ラゴネグロ
https://maps.app.goo.gl/3Qggb7C6JsNjBGDC9?g_st=ic
ロケ地:
上記に同じ
■簡単なあらすじ
6つのドラマ、ひとつのアニメーションから構成されるオムニバス
アメリカ・ニューヨークを舞台に、解離性同一性障害に悩む女性の囚人とコロナ禍で行き場を失われた女性の保護
イタリア・ラゴネグロを舞台に、帰郷した先にいた妹の娘との関係性を考えるキャリアウーマン
日本・東京を舞台に、多忙なシングルマザーの一週間
インドを舞台に、性的マイノリティ嫌悪を持つ美容外科医とトランスジェンダーの交流
そして、それらの全てを見ていた生命体の自我の芽生えを描いていく
テーマ:女性とは何か
裏テーマ:強く生きるためのヒント
■ひとこと感想
予定していた映画の時間を間違えて、来週観る予定だったのに急遽参戦することになりました
余裕をぶっこいて、何も知らない状態で鑑賞を始めたのですが、事前に購入したパンフレットで「オムニバス」ということだけは知っていました
とは言え、「女性の生きづらさ」なんだろうなあぐらいに思っていたのですが、本作では様々な女性の境遇にスポットライトを当てていましたね
病気、貧困、子育て、仕事、偏見などが取り上げられていて、それらの女性の生き方を見てきたアリアという謎の存在が自我を得るという流れになっています
完全に女性向けの作品になっていて、男性は添え物ですらないという徹底ぶりが伺えます
まあ、この内容で男性が絡むとボヤけるので分かりますが、それにしても出てきませんでしたね
映画は、男性目線だと傍観になってしまうのですが、逆にこの映画で分かった気になる方が問題だと思います
性差問わず、人生には色んな難題がありますが、生きづらさの正体ってのは柔軟性の無さなのかなと感じてしまいました
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■禁じられた遊び
■オススメ度
ジャパンホラーはとりあえず観る人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2023.9.9(イオンシネマ京都桂川)
■映画情報
情報:2023年、日本、100分、PG12
ジャンル:事故死した妻を復活させようとする息子を描いたホラー映画
監督:中田秀夫
脚本:杉原憲明
原作:清水カルマ『禁じられた遊び(2019年、ディアスカヴァー・トゥエンティーワン)
キャスト:
橋本環奈(倉沢比呂子:フリーのWEB動画ディレクター、直人の元同僚)
重岡大毅(伊原直人:妻を亡くした夫、会社員)
正垣湊都(伊原春翔:母を甦らそうとする息子)
ファーストサマーウイカ(伊原美雪:事故死した直人の妻)
(幼少期:金恒那)
堀田真由(平丘麻耶:比呂子の元同僚、直人の同僚)
新納慎也(川崎:比呂子の元上司)
倉悠貴(柏原亮次:比呂子の仕事仲間、霊能番組「霊能ファイル」のディレクター)
長谷川忍(大門謙信:亮次の番組に出演する霊媒師)
猪塚健太(黒崎邦明:謙信の弟子)
MEGUMI(野田修子:修道院「ひかりの家」の院長)
清水ミチコ(村田サチ:失踪した夫を探す女性)
■映画の舞台
日本のどこかの地方都市
ロケ地:
群馬県:東吾妻町&桐生市
A Gattan
https://maps.app.goo.gl/Y6BmUNudLHS74NuB8?g_st=ic
千葉県:旭市
国保旭中央病院
https://maps.app.goo.gl/kRsw6WGK49ReSAcH9?g_st=ic
神奈川県:横浜市
メモワール藤が丘
https://maps.app.goo.gl/ih6vpGkKiymawz6N8?g_st=ic
神奈川県:相模原市
LADY-X
https://maps.app.goo.gl/BbaqcTAweKrRCoZh6?g_st=ic
■簡単なあらすじ
会社員の夫・直人との間に息子・春翔を授かった美雪は、ガーデニングを趣味に持つ理想的な母だったが、執念深く不思議な力を持っていた
新築に住み始めて、幸福の絶頂にいたものの、直人は美雪の囁き「私を裏切らなないで」という言葉に背筋を凍らせた
いつものように出社した直人だったが、急遽警察より連絡が入る
それは、美雪と春翔が事故に遭ったというもので、美雪は無惨な姿で死に、春翔は心肺停止の状態に陥ってしまう
医師から臨終を告げられた直人だったが、その直後病院に雷が落ち、それによって停電が起き、春翔の心臓は動き始めた
一方その頃、直人の元同僚で今はWEB動画デイレクターの比呂子は、霊能力番組の手伝いをさせられていた
霊媒師の大門のロケのカメラマンとして同行した比呂子だったが、彼女は大門を胡散臭いと思っていた
だが、番組ディレクターの柏原は能力は本物だと言い、大門は「厄介な霊がついている」と比呂子に忠告を入れる
比呂子は霊の存在を否定するものの、周囲でおかしなことが起こり始めるのである
テーマ:執着の連鎖
裏テーマ:執着の対象
■ひとこと感想
橋下環奈とジャニーズが主演で、ホラー映画の巨匠がメガホンを取るという映画ですが、たぶんアカンのではないかなと思ってハードルを下げて鑑賞することになりました
幽霊&怨念系かと思っていましたが、まさかの実物が登場するという流れになっていました
胡散臭い霊能力者が登場し、ギャグのような展開を迎えていくのですが、怖さというのは微塵も感じません
一番怖かったのが、映画が始まった後の制作や配給の紹介のところで「一瞬だけ美雪の映像が見えたこと」でしたね
どれぐらいの人が気付いたのかわかりませんが、1コマぐらいの瞬間芸だったように思います
物語は、後半に怒涛の展開を迎えますが、不要なエピソードもたくさんある感じでしたね
美雪は直人を失いたくないのですが、恋人への執着が生まれるに至った経緯が不明でしたね
色んなエピソードはあるのに、そこを描かないのは意味がわからず、単に近づいてくるものを排除するだけの野生の獣みたいになっていました
一応、ホラー映画のカテゴリーだと思うのですが、個人的には「橋下環奈の変顔を堪能するコメディ映画だった」と感じました
↓詳しいレビューはこちらから
【映画感想】禁じられた遊び遊び(2023年の日本映画)【後半:ネタバレあり】
■関連リンク
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■ドラキュラ:デメテル号最期の航海
■オススメ度
ドラキュラ誕生秘話が気になる人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2023.9.9(イオンシネマ京都桂川)
■映画情報
原題:The Last Voyage of the Demeter(デメテル号、最期の航海)
情報:2023年、アメリカ、119分、PG12
ジャンル:不審な荷物を運ぶ運搬船の中で暴れるドラキュラを描いたホラー映画
監督:アンドレ・ウーブレダル
脚本:ブラギ・F・シャット&ステファン・ルツォビツキー&ザック・オルケウェッツ
原作:ブラム・ストーカー『The Captain’s Log” from Dracula(1897年)』
キャスト:
コーリー・ホーキンズ/Corey Hawkins(クレメンス:デメテル号に乗り合わせる医者)
アシュリン・フランシオーシ/Aisling Franciosi(アンナ:密航者)
Javier Botet(ドラキュラ:アンナを支配する吸血鬼)
リーアム・カニンガム/Liam Cunningham(エリオット:デメテル号の船長)
デビッド・ダストマルチャン/David Dastmalchian(ヴォイチェク:デメテル号の一等航海士、ポーランド出身)
ウッディー・ノーマン/Woody Norman(トビー:エリオットの孫、動物の世話係)
ジョン・ジョン・ブリオネス/Jon Jon Briones(ジョセフ:デメテル号の料理人、フィリピン人、キリスト教徒)
ステファン・カピチッチ/Stefan Kapičić(オルガレン:ロマ人の船員)
ニコライ・ニコラエフ/Nikolai Nikolaeff(ペトロフスキー:ベテラン船員)
マルティン・フルルンド/Martin Furulund(ラーセン:二等航海士)
クリス・ウォーリー/Chris Walley(エイブラムス:二等航海士)
Graham Turner(難破船を創作する軍の司令官)
Christopher York(フレッチャー・ウィットビー:難破船を見つける青年)
Rudolf Danielewicz(荷物を運んで去る老いたロマ人の賢者)
Noureddine Farihi(デメテル号に志願する片目の船乗り)
■映画の舞台
1987年、
ブルガリア:ヴァルナ
https://maps.app.goo.gl/LLkQ1vBhaxQVY7WDA?g_st=ic
ルーマニア:カルパチア地方
https://maps.app.goo.gl/5fXCBd5EzwJX4rHQA?g_st=ic
イギリス:ウィットビー
https://maps.app.goo.gl/hgw7sk8feGLqDNfU7?g_st=ic
ロケ地:
ドイツ:ベルリン
マルタ島
https://maps.app.goo.gl/7gq3Bgpxt6QF3XWK7?g_st=ic
マルタ島:
Mdina/イムディーナ
https://maps.app.goo.gl/ornPCdEBb5bDv4i78?g_st=ic
■簡単なあらすじ
1897年のある日、イギリスのホイットビー沖合にて座礁した船が発見された
軍の捜索の結果、船内には生存者がおらず、船長の航海日誌から「奴」という意味不明な言葉を発見する
その4週間前、ブルガリアのヴィルナの港に、ロマ人が大きな小箱を持ってやってきた
その荷物を運搬するのはデメテル号で、船長のエリオットは一等航海士のヴォイチェクに人集めをさせる
偶然そこに居合わせた医師のクレメンスは乗船を志願するものの跳ねられてしまった
出港に向けての準備が進む中、木箱の刻印に驚いた片目の作業員が手を離してしまい、木箱はバランスを崩して船外に落下してしまう
間一髪、その下にいた船長の孫トビーを助けることができたクレメンスは、逃亡した片目の変わりに乗船することを許された
一行はロンドンに向けての後悔を始め、何事もなく順調に過ぎると思われていたが、翌日、船に異変が起こる
船の愛犬ハックルベリーが無惨な姿で見つかり、家畜も何者かに襲われて全滅してしまったのである
テーマ:運命と宗教
裏テーマ:人として死ぬこと
■ひとこと感想
かの有名なドラキュラ誕生秘話というふれ込みでしたが、内容的には「ドラキュラがロンドンまでやってくる」という流れを描いた作品になります
ドラキュラが木箱に隠れて船で海を渡るのですが、沖合に出るまでは捕まえた女を利用しているのですが、血を吸われまくった女を輸血して助けるというざっくりとした流れになっていましたね
血液型の適合試験とか無視していて、直接繋いでいるのはびっくりしました
ドラキュラに関しては結構早い段階で姿を現し、人間には全く見えなかったですね
ある種のクリーチャーのような感じに見えたので、逆に怖さが和らいでいるように思えました
映画は、ドラキュラのことを知っていると楽しめますが、全く知らないと「なんで?」というシーンがたくさん登場します
かつてロマ人が住んでいた土地を支配していたと説明されますが、それ以外の説明は全くありません
↓詳しいレビューはこちらから
【映画感想】ドラキュラ:デメテル号最期の航海【後半:ネタバレあり】
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
公式HP: