■映画鑑賞まとめ■

 

1月、第3週(2025.1.13~2025.1.19)

 


■FPU 若き勇者たち

 

■オススメ度

 

中国ナンバー1映画がOKな人(★★★)

 

■公式予告編

 

鑑賞日:2025.1.14(TOHOシネマズ二条)

 

■映画情報

 

原題:維和防暴隊(平和維持機動部隊)、英題:Formed Police Unit(武装した警察部隊)

情報:2024年、中国、101分、G

ジャンル:とある紛争地帯に派遣された中国平和維持警察隊を描いたアクション映画

 

監督:リー・タッチウ

脚本:ウー・モンチャン&ジャー・リアン

 

キャスト:

ホアン・ジンユー/黃景瑜(ユー・ウェイトン/余衛東:中国平和維持軍の第一隊のリーダー)

 

ワン・イーボー/王一博(ヤン・ジェン/楊震:中国平和維持軍の狙撃兵、寧広市の国境警備捜査官、1班に配属)

   (幼少期:ワン・ホンリ/王泓力

チュウ・ヤーウェン/朱亞文(ヤン・チェン/楊琛:楊震の父、ユー・ウェイトンの同僚刑事)

 

オウ・ハオ/歐豪(ジョウ・ジアシュエン/張永泉:機動隊員、小隊長、2班)

 

チョン・チューシー/鍾楚曦(ディン・フイ/丁慧:中国平和維持軍の連絡担当官、通訳、1班)

グー・ジアチェン/谷嘉誠(ジャン・シャオヤン/江小洋:機動隊員、1班支援隊員)

ツァオ・ファーウェイ/趙華為(シャンドゥ/小社/杜一帆:機動隊員、2班車両係)

ナン・フーロン/南伏龍(チュン・シャオ/陳硯:機動隊員、2班砲手)

ユー・ペイビン/余沛彬(ワン・リンシェン/王林生:機動隊員、1班車両支援)

ナリス・バイ/白那日蘇(チェン・ハオ/鄭昊:機動隊員、シャンドウの相棒)

 

イン・シャオテン/印小天(イェン・ジェンミン/厳正明:中国FPU政治委員)

 

フォン・ウェンジュアン/馮文娟(アチン/阿琴:ユー・ウェイトンの妻)

リン・チェン/凌晨(シャオフー/小虎:ユー・ウェイトンの息子、幼稚園児)

 

Dolca Kobondo Nyerrbo(アミール/Amir:反政府組織のリーダー)

Kevin Agossou(クアカ/Quoka:アミーゴの手下、立てこもりリーダー)

 

ケヴィン・リー/Kevin Lee(ブレイク/Blake:アミールと通じる謎の男)

Evy Johannes AkoundouEpiet(スナイパー)

 

Luc Bendza(ルロワ・リロイ/Leroy:サンタリオン共和国の国会議員)

 

Alphonse Yanick Takujiou Tesjang(ファーゴ/Fargo:サンタリオンの警察官)

Sidanii Bell(パット/Pat:サンタリオンの警察官)

 

Jude Chukwudi Anyaegbu(ファーブル村の族長)

Favour Chukwudi Anyaegbu(ルカス/Lucas:広場で撃たれる少年)

 

トーマス・フィケ/Thomas Fiquet(ファビオ・トーマス/Fabio Thomas:国連警察作戦部長)

 

 

■映画の舞台

 

2018年2月

サンタリオン共和国(架空)

トゥラール(裁判所)

マナフ広場(難民地域)

アルカン(紛争地帯)

ファーブル(虐殺された村)

 

ロケ地:

中国:広西省

チワン自治区北海市

 

■簡単なあらすじ

 

2018年2月、反政府組織によって内乱が起こっているサンタリオン共和国では、国連軍が治安維持のために派遣されていた

だが、首謀者のアミールが逮捕されても内乱は続き、そこで中国政府にFPU(Formed Police Unit)の派遣が打診された

そして、ユー・ウェイトン隊長率いる小隊は海を渡り、作戦部長のファビオの指揮下のもとで任務に励むことになった

 

ユー隊長の部隊には、国境警備捜査官の経験を有する狙撃手のヤン・ジェン、小隊長のジョウ・ジアシュエン以下、10数名の隊員が配属された

彼らは難民が押し寄せているマナフ広場の治安維持のために突入するが、反政府組織のメンバーが彼らの前で少年ルカスを撃ち殺してしまう

さらに、その射撃はFPUのせいだと煽動する者もいて、現場は騒然となってしまう

 

ユー隊長は発砲を封じて防御に回るものの、狙撃犯を見つけたヤン・ジェンとジャン・シャオヤンは敵を追いかけて陣形を崩してしまった

やむを得ずに催涙弾を発砲して鎮圧に成功するものの、ヤンとジャンは狙撃犯を捉えることができず、命令違反として厳しい声が飛び交ってしまう

だが、中国の政治委員イェンはその場を取りまとめ、彼らは再び任務にあたることになったのである

 

テーマ:正義に国境はない

裏テーマ:正義を語る資格

 

■ひとこと感想

 

2000年代に入ってから行われてきた国連平和維持活動をベースにしたフィクションで、対象はアフリカのとある国(映画内ではサンタリオン共和国)となっていました

そこに派遣された小隊がメインで、隊長以下10名の構成となっていました

ユー隊長が1班、ジュウ小隊長が2班を取りしきることになり、ユー隊長のところに狙撃手のヤンとジャン、通訳のディン・フィ、運転手のワンがいました

2班には、砲手のチェン、運転手のシャンドウとシャンドウの相棒のツエン・ハオがいて、主要なメンバーはこんな感じだったと思います

 

ユー隊長とヤンの父は元同僚刑事で、その遺恨が残ったまま配属となっていますが、その歪みが戦いの中で解消されていくという流れを組みます

ヤンは外部から来た人間ですが、性格に難があるタイプなのに意外とすぐに打ち解けていましたね

映画内の時間の流れは分かりにくいのですが、数週間は滞在していたのかな、と思います

 

映画は、ファーブル村が反政府組織によって惨殺された後ということになっていて、その族長一家を助けるという流れになっていました

反政府組織のアミールは謎の白人とつるんでいるのですが、このブレイクという人物は最後まで何者がわかりませんでしたね

ブレイクとアミールの手下が暗躍して色々と事を起こしていますが、彼らが何をしたかったのかは良くわかりません

おそらくは現政権になりかわろうとしているのでしょうが、それはほぼ失敗に終わっていますね

裁判のための証人を保護する役割も担いますが、それで何が変わるのかはかなりわかりにくいものになっていると感じました

議員は1人登場しますが、現政権の大統領がどこにいるのかとか、かなりスルーされていたように思いました

 

↓詳しいレビューはこちらから

*【映画感想】FPU 若き勇者たち【後半:ネタバレあり:執筆中】

 

■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

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公式HP:

https://hark3.com/FPU/


■シンペイ 歌こそすべて

 

■オススメ度

 

中山晋平の人生に興味がある人(★★★)

流行歌の歴史を知りたい人(★★★)

 

■公式予告編

鑑賞日:2025.1.15(TOHOシネマズ二条)

 

■映画情報

 

情報:2025年、日本、127分、G

ジャンル:中山晋平の人生を振り返る伝記映画

 

監督:神山征二郎

脚本:加藤正人&神山征二郎

 

キャスト:

中村橋之助中山晋平:旅楽団に魅せられた音楽家)

   (10歳時:戸井田竜空

志田未来(江南敏子/中山敏子:晋平の妻)

 

鳴海竜明(中山卯郎:晋平の養子、5歳時)

   (青年期:志村魁?

鎌田久遠(中山梶子:晋平の養女、6歳時)

   (12歳時:井上栞那

土屋貴子(中山ぞう:晋平の母)

林与一(山田本家当主、ぞうの父)

 

緒形直人島村抱月:早稲田大学教授、演出家)

高橋由美子(島村市子:抱月の妻)

加藤小百合(島村春子:抱月の娘、幼少期)

   (少女期:上田帆乃佳

 

染谷俊之沢田正二郎:大衆演劇の人気役者)

吉本実憂松井須磨子:看板女優、抱月の愛人)

 

渡辺大西條八十:『東京行進曲』の作詞家、晋平の友人)

三浦貴大野口雨情:『枯れ芒』『シャボン玉』の作詞家、「赤い鳥」活動、晋平の友人)

 

真由子佐藤千夜子:晋平の楽曲を歌う歌手)

中越典子新橋喜代三:鹿児島の売れっ子芸者歌手)

 

酒井美紀幸田延子:東京音楽学院のピアノの先生)

 

辰巳琢郎東儀鉄笛:雅楽家、抱月の友人、晋平の音楽理論の師匠)

川崎麻世坪内逍遥:小説家、劇作家、抱月の師匠)

 

尾美としのり(岡庄五:日本ビクターの文藝部長)

 

宮崎卓真古賀政男:新進気鋭の作曲家)

 

岸本加世子(ナレーション)

 

大和田獏(千束小学校の校長)

 

榊原舞小唄勝太郎:「東京音頭」歌唱)

松坂ゆうき三島一声:「東京音頭」歌唱)

松原健之鳥取春陽:演歌師、「船頭小唄」歌唱)

石原まさし藤原義江:若き歌手)

 

中澤きみ子(ヴァイオリンの先生)

丸山和敏(敏子の主治医)

 

■映画の舞台

 

長野県:信州

東京:東京音楽学院

鹿児島

 

ロケ地:

東京都:台東区

旧東京音楽学校奏楽堂

https://maps.app.goo.gl/ccKcPrVZsgFFPekSA?g_st=ic

 

岐阜県:中津川市

かしも明治座

https://maps.app.goo.gl/QSmb36hYSdotbgY68?g_st=ic

 

岐阜県:恵那市

日本大正村

https://maps.app.goo.gl/LkPyGdQELSbfqCBp9?g_st=ic

 

長野県:上田市

百余亭

https://maps.app.goo.gl/iMLxvd66BWn7zbF47?g_st=ic

 

上松や

https://maps.app.goo.gl/FENqtGwsgGQVtdjb6?g_st=ic

 

上田招魂神社

https://maps.app.goo.gl/y84UBCqTpHpJWKCEA?g_st=ic

 

のみくい処 幸村

https://maps.app.goo.gl/LSe2YhwzsRfWnFReA?g_st=ic

 

長野県:下高井郡

ますや旅館

https://maps.app.goo.gl/NRDx5UbeZss5Tb4o7?g_st=ic

 

■簡単なあらすじ

 

明治38年、東京音楽学校入学を目指して上京してきた晋平は、早稲田で教鞭を執る演出家・島村抱月の書生として働くことになった

抱月の原稿を清書しつつ、彼の妻子の面倒を見ることになった晋平は、少ない時間でピアノの練習をすることになった

だが、技量は一向に追いついて来ず、落第になりそうになったが、幸田先生だけは彼の才能を見抜き、なんとか卒業させたいと踏ん張った

 

晴れて東京音楽学院の卒業生となった晋平は、東京の千束小学校で教鞭を執ることになった

その頃、豊月は女優・松井須磨子との不倫が発覚し、離婚して大学を辞めることになった

抱月は文芸座を立ち上げて、須磨子とともに演劇活動に入った

彼はロシア文学を日本風にアレンジしたいと考え、日本独特の歌を心平に依頼することになった

 

晋平が作った「カチューシャの女」は大きな話題を呼び、その後も豊月の依頼を受けて作曲を手掛けていく

そんな折、晋平に縁談の話が出て、彼は江南敏子とお見合いをすることになったのである

 

テーマ:大衆と流行

裏テーマ:才能を信じる心

 

■ひとこと感想

 

おそらく知っているんだろうなあと思いつつ、何の事前知識も入れないまま参戦

映画内で登場した楽曲は世代が違うとは言え、全部耳馴染みのあるものでしたね

さすがに生まれる前の大作曲家なので、親の親の世代を彩った楽曲たちなんだと思いました

それでも知っているというのは凄いことなんだなあと思います

 

映画は、晋平のほぼ全生を描き、10歳で音楽に魅了された頃から、音楽で成功し、時代の波に飲まれるところまで描いていました

さすがにダイジェスト感がないと言えば嘘になりますが、全く知らない人でもおおよその出来事がわかるという感じになっています

とは言え、大正から昭和初期にかけての大まかな出来事を知らないと全くついていけないかもしれません

 

映画は、晋平の友人である西條八十の回顧録のようなテイストで始まり、後期では「東京行進曲」から「東京音頭」あたりでガッツリと絡んでいましたね

その後、晋平を脅かす若手の古賀政男が登場し、時代の移り変わりというものが体感できるように描かれていたと思います

 

↓詳しいレビューはこちらから

*【映画感想】シンペイ 歌こそすべて【後半:ネタバレあり:執筆中】

 

■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

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公式HP:

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■オークション 盗まれたエゴン・シーレ

 

■オススメ度

 

絵画を取り扱った映画が好きな人(★★★)

 

■公式予告編

 

鑑賞日:2025.1.16(アップリンク京都)

 

■映画情報

 

原題:Le tableau vole(盗まれた絵画)、英題:Auction(オークション)

情報:2023年、フランス、91分、G

ジャンル:第二次世界大戦前に行方不明になった名画を巡るミステリー映画

 

監督&脚本:パスカル・ボニゼール

 

キャスト:

アレックス・リュッツ/Alex Lutz(アンドレ・マッソン/André Masson:スコッティーズの競売人、鑑定士)

レア・ドリュッケール/Léa Drucker(ベルティナ/Bertina:アンドレの元妻、鑑定士)

 

ルイーズ・シュヴィヨット/Louise Chevillotte(オロール/Aurore:スコッティーズのインターン)

Alain Chamfort(オーロルの父、元古書籍商)

 

ノラ・ハムザウィ/Nora Hamzawi(シュザンヌ・エゲルマン/Suzanne Egerman:マルタンの弁護士)

 

アルカディ・ラデフ/Arcadi Radeff(マルタン・ケレール/Martin Keller:絵を見つける青年、工場の夜勤労働者)

ロランス・コール/Laurence Côte(シーヌ・ケレール/Mme Keller:マルタンの母)

 

マチュー・ルッキ/Matthieu Lucci(パコ/Paco:マルタンの友人)

イリエス・カドリ/Ilies Kadri(カメル/Kamel:マルタンの友人)

 

Vincent Nemeth(フランシス・ド・ヴィエルヴィル/Francis de Vierville:アンドレの同僚)

アレクサンダー・ステイガー/Alexandre Steiger(アンリ・ダンブルーズ/Henri Dambreuse:スコッティーズの雇われ社長)

Olivier Rabourdin(エルべ・カン/Hervé Quinn:スコッティーズのオーナー

 

ダグ・ランド/Doug Rand(ボブ・ワルベルグ/Bob Wahlberg:エゴン・シーレの「ひまわり」の元持ち主の子孫)

 

アドリアン・ド・ヴァン/Adrien de Van(マスター・ロシュブール/Maître Rochebourg:ワンベルク家の弁護士)

 

ピーター・ボンク/Peter Bonke(サムソン・コーナー/Samson Körner:オーストラリア人の美術商)

 

Arthur Toupet(アーサー・ケンプ/Arthur Kemp:古書籍オークションの入札者)

 

■映画の舞台

 

2000年初頭、

フランス東部の工業都市ミュルーズ

 

ロケ地:

フランス:パリ

Hôtel des Ventes Drouot

https://maps.app.goo.gl/6bm7JDrnvgAwyb6J6

 

Rue Rossini

https://maps.app.goo.gl/ytsvhXJ36M6uxs6t9

 

Hotel Pullman Tour Eiffel

https://maps.app.goo.gl/KGVZfkA6CSNPF4iZA

 

28 Avenue Junot

https://maps.app.goo.gl/mt5oex9vtKxnqRv17

 

■簡単なあらすじ

 

2000年の初頭、パリで美術の鑑定士として活躍しているアンドレの元に、ミュルーズから一通の手紙が届いた

それは、ある青年の家にある絵画が「エゴン・シーラのひまわり」ではないかと言うもので、その鑑定依頼だった

アンドレはインターンのオロールとともに手紙の主に会うことになった

 

手紙の主は発見者マルタルの弁護士エゲルマンで、マルタルは工場の夜間従業員だった

引っ越してきた今の家に元から飾られていたもので、街角の美術誌がきっかけで、その絵がエゴン・シーレのものではないかと考えていた

 

アンドレは元妻のベルティナに相談し、その絵が第二次世界大戦時に盗まれた絵画であることを突き止める

彼らは元持ち主の子孫であるボブ・ワルベルグと会って、絵画をどのように取り扱うかを相談することになった

ワルベルグは好意的にその取引を考えていたが、ある日を境に彼の態度が一変してしまう

 

そんな折、オロールは展示会での美術商サムソンの行動を不審に思い、ある提案をアンドレに持ちかけることになった

だが、オロールには虚言癖があり、アンドレと衝突してしまう

さらにオロールは因縁の男を見つけることになり、さらに事態はややこしくなってしまうのである

 

テーマ:誠実な取引

裏テーマ:良心ある行動

 

■ひとこと感想

 

予告編の情報ぐらいしか調べている時間がなく、盗まれた絵画を取り戻すためにオークションを行うのかな、ぐらいに考えていました

主人公は発見した青年で、大人の嘘と対決するのかなと思っていましたが、まさかの鑑定人が主人公で驚いてしまいました

 

元妻との関係とか、インターンの親子喧嘩など、あまり必要ではない物語もたくさんありましたが、オークションのシーンはなかなか面白かったですね

エゴン・シーレにどんな価値があるのかは分かりませんが、ゴッホの「ひまわり」に独自の解釈を加えた絵のように思えました

 

映画は、嘘で騙しあう競売界の中で、主人公がどのように立ち振る舞うかと言う物語で、発見者の青年の行動にも大きな意味があると思いました

生き馬の目の抜く世界で、どこに敵がいるのかは分かりませんが、いろんなところで通じていて裏情報が飛び交うのも面白かったと思います

 

↓詳しいレビューはこちらから

*【映画感想】オークション 盗まれたエゴン・シーレ【後半:ネタバレあり:執筆中】

 

■関連リンク

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https://eiga.com/movie/102804/review/04673300/

 

公式HP:

https://auction-movie.com/


■Welcome Back

 

■オススメ度

 

ボクシング映画が好きな人(★★★)

 

■公式予告編

鑑賞日:2025.1.16(アップリンク京都)

 

■映画情報

 

情報:2024年、日本、119分、G

ジャンル:敬愛するボクサーの復讐に駆られる弟分を描いたロードムービー

 

監督:川島直人

脚本:川島直人&敦賀零

 

キャスト:

吉村界人(テル/冴木輝彦:新人王候補のボクサー)

三河悠冴(ベン/友原勉:テルの弟分)

 

遠藤雄弥(青山拓人:テルの元対戦相手、プロボクサー)

 

宮田佳典(北澤遊馬:テルの宿敵、大阪のボクサー、西日本代表)

テイ龍進(秋山徹:北澤のジムの会長)

 

優希美青(望月里香:テルの恋人、美容師)

 

松浦慎一郎(吉田一:テルのトレーナー)

菅田俊(岩城耕太郎:岩城ジムの会長)

 

■映画の舞台

 

東京:北千住

神奈川:川崎

静岡:熱海

愛知:名古屋

大阪

 

ロケ地:

神奈川県:藤沢市

湘南山神ボクシングジム

https://maps.app.goo.gl/TVa7JG2EvTo5PZz96?g_st=ic

 

東京都:立川市

アリーナ立川立飛

https://maps.app.goo.gl/drNUXJ74ezSRprxS8?g_st=ic

 

東京都:足立区

野口ボクシングジム

https://maps.app.goo.gl/ifcqZgJ1JUaLavVW9?g_st=ic

 

神奈川県:横浜市

横浜さくらボクシングジム

https://maps.app.goo.gl/dYFWz3Y9BPUut3gz6?g_st=ic

 

横浜光ボクシングジム

https://maps.app.goo.gl/DW4DyN5dPx9j7epC8?g_st=ic

 

静岡県:熱海市

熱海ボクシングスクールフォスト

https://maps.app.goo.gl/8nEY48ErCouxhAXw8?g_st=ic

 

大阪府:大阪市

陽光アダチボクシングジム

https://maps.app.goo.gl/Qm6ePTteE24izhor6?g_st=ic

 

■簡単なあらすじ

 

北千住にて新人王候補のボクサー・テルは、弟分のベンとともに育ち、素行は悪いながらも才能は認められていた

東日本代表を決める試合でも相手を圧倒し、新人王のタイトルに王手をかけていた

 

テルには美容師の彼女・里香がいるが、使い勝手の良い美容師扱いで、その関係性は終わりかけていた

ベンは10歳の頃に母親に捨てられていて、それ依頼テルが面倒を見てきた

今ではゴミ回収の仕事をしながら、テルの所属する岩城ジムの使い走りのような仕事もこなしていた

 

全国大会の相手は北澤游馬というボクサーで、テルはなす術もなく負けてしまう

ボクシングから離れることになり、里香にも愛想を尽かされてしまう

テルは不甲斐ない日々を過ごしていたが、ある日、忽然とベンが姿を消してしまう

警察に失踪届を出そうとするものの、寸前で居場所が判明する

 

ベンがいたのは川崎で、彼を見つけたのは東日本大会の決勝で倒したボクサー・青山だった

ベンはテルの復讐のために北澤を追いかけ、返り討ちに遭っていた

それでも収まりのつかないベンは、北澤のいる大阪へと向かおうとしていたのである

 

テーマ:再生のためのけじめ

裏テーマ:負けない強さ

 

■ひとこと感想

 

ボクシング&ロードムービーという感じで、天才肌のボクサーが負けたことで日常が一変するという物語になっていました

印象的だったのは、テルと再会した時に放った北澤の言葉で、彼は自分を弱いと言い、他が弱いから上にいるだけだと言い放っていました

 

映画は、ボクシング映画として見どころのあるシーンも多く、ロードムービーとしての面白さもありました

土地柄を表現しているのかは分かりませんが、ご当地の人が演じているせいか、かなり自然な会話の流れになっていたように思います

 

ベンに引っ張られていくテルが描かれますが、思いっきり巻き込まれた青山は気の毒でなりません

さすがに優しすぎて関わりすぎだろうと思いますが、見捨てておけない人情があったのだと思います

 

パンフレットにはモブキャラも写真付きで紹介されているので、鑑賞後だとその流れを復習するのに最適だと思います

ロードムービーっぽさはそこまで感じませんが、ファミレスとスーパーの店員さんは魅力的なキャラでしたね

着ぐるみ案件も面白い伏線の張り方でいっときの清涼のような趣があったように思います

 

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*【映画感想】Welcome Back【後半:ネタバレあり:執筆中】

 

■関連リンク

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公式HP:

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■室町無頼

 

■オススメ度

 

室町時代の時代劇に興味のある人(★★★)

 

■公式予告編

鑑賞日:2025.1.17(イオンシネマ久御山)

 

■映画情報

 

情報:2025年、日本、135分、PG12

ジャンル:暴利な金貸しに反抗する一揆を描いたアクション時代劇

 

監督&脚本:入江悠

原作:垣根涼介『室町無頼(新潮文庫)』

 

Amazon Link(原作:上巻)→ https://amzn.to/4amatPg

Amazon Link(原作:下巻)→ https://amzn.to/4aeqlTT

 

キャスト:

大泉洋蓮田兵衛:牢人、剣の達人)

長尾謙杜(才蔵:没落武士の息子)

 

松本若菜(芳王子:高級遊女、兵衛の恋人)

 

遠藤雄弥(赤間誠四郎:牢人、居合の達人)

前野朋哉(七尾ノ源三:牢人、槍使い)

阿見201(馬切衛門太郎:牢人、棍棒使い)

 

柄本明(唐崎の老人:才蔵を鍛える棒術の達人)

般若(小吉:刀鍛冶屋の主)

武田梨奈(超煕:弓の名手、朝鮮職人の息子)

 

水澤紳吾(伝助:馬借、吉坂郷の住人)

川床明日香(小萩:伝助の娘、簪をもらう女性)

芹澤興人(蔵人:馬借、吉坂郷の住人)

 

堤真一骨皮道賢:武装集団の頭目、洛中警備担当の悪党)

岩永丞威(斬ノ助:小頭六人衆)

ドンペイ(孫八:小頭六人衆)

稲荷卓央(彦次郎:小頭六人衆)

吉本実憂(お千:隠密)

 

中村蒼足利義政:室町幕府、八代将軍)

矢島健一伊勢貞親:政所執事、室町幕府)

北村一輝(名和好臣:室町幕府の大名)

 

三宅弘城(法妙坊暁信:才蔵を追う比叡山の僧兵、金貸の守銭奴)

 

窪田孝(ナレーション)

 

■映画の舞台

 

1461年、

京都

 

ロケ地:

京都府:亀岡市

丹波国分寺跡

https://maps.app.goo.gl/ovxvuhS4Qu9vEtv56?g_st=ic

 

京都市:左京区

平安神宮

https://maps.app.goo.gl/CJgpQpWmbaSp3nNQ9?g_st=ic

 

下鴨神社

https://maps.app.goo.gl/1GvovDfL43UVi1Co7?g_st=ic

 

京都市:右京区

仁和寺

https://maps.app.goo.gl/gfeVSH7xYwFeLeXE9?g_st=ic

 

高雄山 神護寺

https://maps.app.goo.gl/Jx7q9ATTLRBjzrjB8?g_st=ic

 

兵庫県:加東市

播州清水寺

https://maps.app.goo.gl/b1R2NHbhLisp14ns6?g_st=ic

 

■簡単なあらすじ

 

1461年(寛正元年)、疫病と飢饉に見舞われた京の町では、方々から食料を求めて洛中へと押し寄せていた

関所では重税が課せられ、借金を背負うものもいて、多くの村では野晒しになった死体が堆く積み上げられていた

そんな町を悲しそうに見守る牢人の蓮田兵衛は、郷の者に食べ物や金銭を与え、洛中警備の骨皮道賢に筒抜けになっている一揆を事前に収める役目を担っていた

 

ある日のこと、比叡山の僧兵が家屋を襲い、そこの主人を殺すように命令された若者がいたが、命令通りに殺すことができなかった

僧兵たちが酒盛りをする頃、何者かが押し入って金品を強奪し、僧兵を皆殺しにしてしまう

若者も連れ去られ、その仕業が道賢一味のことだと判明する

 

そんな彼の元に蓮田は呼ばれ、彼はその若者を買うことになった

若者の名は才蔵と言い、落武者の倅だったが、蓮田は「カエル」と名付け、同行させることになった

ひと仕事終えた蓮田はカエルを解放しようとするものの、彼の強さに惚れ込んだ若者は弟子入りを志願する

 

蓮田は知人の唐崎の老人に彼を預け、1年間の修行をさせることになった

老人の厳しい稽古に耐え抜いた才蔵は、武者修行を終え、僧兵との戦いに挑む

そして、彼らを打ち滅ぼした才蔵は、晴れて蓮田の弟子として、行動を共にすることになった

蓮田は問う「銭よりも早く動くものは何か?」と

彼は「それこそが我々の生きる道だ」と諭すのであった

 

テーマ:無頼として生きる道

裏テーマ:けじめのつけ方

 

■ひとこと感想

 

映画館でバンバン予告編が流れている大作で、室町時代の土一揆を題材にしていました

歴史書で一行だけ表記があるとされる蓮田兵衛が弟子を取って、土一揆を実行する様子が描かれ、アクションは才蔵が担っているという作品になっていました

蓮田VS道賢の戦いも胸熱で、派手さこそはありませんが、時代劇好きならOKかなと思います

 

問題は、大泉洋のキャラが濃いので、浪人をやれるのかどうかというところですが、個人的には蓮田というキャラには合っていたように思います

それでも剣の達人には見えないのですが、人を惹きつけていく人間力の部分は違和感がなかったと思います

 

劇中では松本若菜演じる高級遊女・芳王子が登場しますが、彼女を巡る関係性も面白かったですね

顔を下から見たら10年後というのは含蓄のある言葉で、実際に見ることができたら、その美しさは底知れぬものなのかな、と感じました

 

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*【映画感想】室町無頼【後半:ネタバレあり:執筆中】

 

■関連リンク

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公式HP:

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■サンセット・サンライズ

 

■オススメ度

 

震災とコロナを取り込んだ映画に興味がある人(★★★)

 

■公式予告編

鑑賞日:2025.1.17(イオンシネマ久御山)

 

■映画情報

 

情報:2025年、日本、139分、G

ジャンル:リモートワークのために三陸に移住した若者を巡る騒動を描いたヒューマンドラマ

 

監督:岸義幸

脚本:工藤官九郎

原作:楡周平『サンセット・サンライズ(講談社)』

 

Amazon Link(原作)→ https://amzn.to/4h9oXVj

 

キャスト:

菅田将暉(西尾晋作:三陸町に移住する東京の大企業「シンバル」の社員)

井上真央(関野百香:晋平の家主、役場の職員)

 

竹原ピストル(ケン/倉部健介:地元の居酒屋「海幸」の店主)

山本浩司(山城進一郎:ケンの友人)

好井まさお(平畑耕作:ケンの友人、役場の職員)

三宅健(タケ/高森武:ケンの友人、パチンカー)

 

藤間爽子(澤村千佳:晋平の同僚)

茅島みずき(玉本桜子:晋平の同僚、帰国子女)

少路勇介(平野武則:晋平の同僚)

宮崎吐夢(小松:晋平の上司、課長)

小日向文世(大津誠一郎:「シンバル」の社長)

あべまみ(姫川玲香:大津の秘書)

 

白川和子(村山和子:晋平の三陸の隣人、パチンカー)

松尾貴史(村山信夫:和子の長男)

 

ビートきよし(黒川重蔵:噂好きの干物爺さん)

 

半海一晃(狩野和彦:役場の課長、百香の上司)

池脇千鶴(持田仁美:百香の同僚)

 

中村雅俊(関野章男:百香の父、漁師)

千北怜衣(関野良太:百香の息子)

千北奈々(関野瑞希:百香の娘)

 

長野里美(晋平の母)

みのすけ(晋平の父)

河合諒(西尾晋二:晋平の弟)

 

■映画の舞台

 

南三陸:宇田濱町(架空)

 

ロケ地:

宮城県:気仙沼市

只越漁港

https://maps.app.goo.gl/r6rBcBPZNH2SpRvRA?g_st=ic

 

岩手県:胆沢郡

もりの学び舎

https://maps.app.goo.gl/ivpXNMYRA8YmFf9X7?g_st=ic

 

岩手県:大船渡市

招福亭ジャイアンツ

https://maps.app.goo.gl/TQEK13Ruet2aSi99A?g_st=ic

 

居酒屋 泰州(海幸)

https://maps.app.goo.gl/xUqFwLrvkrRiaxrGA?g_st=ic

 

東京都:渋谷区

金王八幡宮

https://maps.app.goo.gl/B3NKamcsnknfCuxa7?g_st=ic

 

■簡単なあらすじ

 

東京の大企業に勤めている西尾は、コロナ禍のフルリモートの影響を受けて、東北の賃貸を探していた

偶然ネットで見つけた家具付き一戸建ての戸建てに興味を示した西尾は、管理人の都合など考えず、その戸建てに突撃してしまった

その物件は、地元の役所の職員・関野百香が貸し出したもので、彼女は空き家物件の担当者になっていた

百香は自分の持ち家が空き家になっているのでは話にならないと思って登録したのだが、その家は訳ありの物件だった

 

百香は漁師の父・章男と暮らしていて、彼女のことを見守る男たちもいた

「モモちゃんの幸せを祈る会」は居酒屋の店長・ケンをはじめとして、同僚の平畑や、タケ、山城なども参加していた

彼らは百香にアプローチをしたが断られてきた男たちで、その会は9年前に発足したものだった

 

いきなり内覧に来た西尾に戸惑う百香だったが、田舎ではコロナを極端に恐れていて、誰もが第一号になりたくないと思っていた

極端なディスタンスを取ることになっていて、百香は仕方なく2週間の自主隔離をその家でさせることになった

だが、釣り好きの西尾はじっとしておられず、その家に誰か住んでいることが村中の噂話になってしまうのである

 

テーマ:自分らしく生きること

裏テーマ:忘れることと受け入れること

 

■ひとこと感想

 

原作は未読で、予告編だけの情報で突入

なので、震災とコロナを扱っていることは知らずに鑑賞していました

東北が舞台だと避けられない話題で、そこにコロナ禍を舞台にしていて、タブーに思えるものを主題にしていましたね

ともかく海の幸がふんだんに登場する作品で、終わった後には海鮮丼か寿司を食べたくなる内容になっていました

 

パンフレットは架空の村マップもあるし、出てくる料理の解説もしっかりと載っていました

方言に関する解説も丁寧なので、気に入った人は購入してもOKだと思います

 

映画は、震災の余波を受けている町のその後が描かれていて、竹原ピストルの配役がピッタリとハマっていましたね

方言と標準語を上手く使い分けていて、言葉もなんとなくニュアンスが通じる具合になっていたと思います

 

物語は、一応はラブコメがベースになっていますが、外の人と中の人の温度差にふれていましたね

ケンが想いをぶつける河原のシーンは、これまで避けられてきたものがきちんと描かれていたように思います

腫れ物にさわる過去というものはたくさんありますが、それを避け続けることで失うものの方が多いのかな、と感じました

 

↓詳しいレビューはこちらから

*【映画感想】サンセット・サンライズ【後半:ネタバレあり:執筆中】

 

■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/102321/review/04675628/

 

公式HP:

https://wwws.warnerbros.co.jp/sunsetsunrise/


■港に灯がともる

 

■オススメ度

 

震災未経験者の当事者の物語に興味のある人(★★★)

親から背負わされるものが多くて悩んでいる人(★★★)

 

■公式予告編

鑑賞日:2025.1.18(MOVIX京都)

 

■映画情報

 

情報:2025年、日本、119分、G

ジャンル:震災後に生まれた在日3世の葛藤を描いたヒューマンドラマ

 

監督:安達もじり

脚本:安達もじり&川島天見

 

キャスト:

富田望生(金子灯:在日コリアン一家の次女、在日3世)

 

甲本雅裕(金子一雄:灯の父)

麻生祐未(金子栄美子:灯の母)

伊藤万理華(金子美悠:灯の姉)

青木柚(金子滉一:灯の弟)

 

山之内すず(綾部寿美花:灯の親友)

 

山中崇(青山勝智:設計事務所の社長)

中川わさ美(桃生紀枝:設計事務所の先輩)

 

土村芳(平良夕:丸五市場のそば焼き屋さん)

MC NAM(グエン・ヴァン・フォン:平良の知り合い)

 

渡辺真起子(富川和泉:精神科医)

田村健太郎(林洋太:セラピー参加者)

 

曽我廼家文童(雅子の弟、灯の叔父)

 

■映画の舞台

 

兵庫県:神戸市

長田

 

ロケ地:

兵庫県:神戸市

丸五市場

https://maps.app.goo.gl/WdaSFECVgUxqg1nJ9?g_st=ic

 

新長田本町商店街

https://maps.app.goo.gl/RzryeJFj2ZMK8jJk8?g_st=ic

 

点勝園

https://maps.app.goo.gl/7emQ33ZNaYJKucPr9?g_st=ic

 

垂水五色山西洋館

https://maps.app.goo.gl/5dL2tRdtnwinxY8a7?g_st=ic

 

野瀬病院

https://maps.app.goo.gl/fy4oKwzqLkEjfM3v8?g_st=ic

 

野瀬まごころ診療所

https://maps.app.goo.gl/g5r6A3TRaD9fDXme9?g_st=ic

 

下町Kafe茶豆

https://maps.app.goo.gl/hAYJcTMi21hHCV1p9?g_st=ic

 

皆様食堂

https://maps.app.goo.gl/64PGCv78JekjbMTj9?g_st=ic

 

カフェ・ジャンボ

https://maps.app.goo.gl/eRcwvBRts88yHsks9?g_st=ic

 

■簡単なあらすじ

 

阪神大震災から20年が経った神戸では、瓦礫の町から逃げ出して、新天地で生活を始めていた在日一家がいた

父・一雄は長田で工場を経営していたが、全て亡くなってしまい、何もない中ら家族を養ってきた

次女の灯がようやく成人式を迎え、海辺の造船所で働くことになったが、姉・美悠の決意から、家族内で意見がぶつかり合うようになっていた

 

それは、結婚するために帰化したいというもので、父は大反対をして、話にならない

事あるごとに昔の話を持ち出しては感情的になる父に苦慮する姉は、それでも帰化に向けての準備を粛々と続けていった

母・栄美子は父との関係に嫌気が差し、父は別居へと突き進む

弟の滉一は、母親についていくしかないと半ば冷めた目で状況を判断していた

 

ある日のこと、祖母が亡くなり、葬式後の食事で灯と父は大喧嘩をしてしまう

その日から仕事も手付かずになり、母とともにメンタルクリニックへ向かうものの、悪化の一途を辿り、仕事を辞めて母の家に居候することになった

そんな折、灯の親友・ベーやんは「垂水にある富川診療所に行って欲しい」と胸のうちを曝け出した

 

テーマ:無意識の重積

裏テーマ:わかりあうことの難しさ

 

■ひとこと感想

 

阪神大震災から30年になり、この節目の年に「阪神大震災後に生まれた子どもが成人する」という物語が生まれました

まさに今しか描けない物語で、いわゆる「震災を知らない子どもたち」がいつの間にか色んなものを背負わされている、という内容になっていました

さらに、灯は在日3世でもあり、祖父母の苦労話をリアルに感じられない世代になっていました

 

姉の帰化したいという思いと、自分が何者かわからないマインドなどが問題視されていきますが、実際には「会話が成立していない」というところに強いストレスがかかっていたように思います

誰しもが器用で察しが良いわけではなく、生まれながらに延々と聞かされてきた震災と訪日の話を理解しろというのも無理な話のように思います

 

姉には目的があって、その為に日本の制度を利用しようとしていて、父の持っているアイデンティティとは一線を画すものになっていました

灯にはそこまで明確なものはありませんが、言語化できるほどの想いもなかったりします

弟はどっちつかずではありますが、帰化したら戻ることはできるのかという質問をするように、決断をするには早い時期のように思えます

 

映画では、それぞれが抱えているものが共有されない様子が描かれ、誰しもが感情的になってしまいます

傍から見ているとモヤモヤしますが、喧嘩になってしまう間柄のリアルがそこにありましたね

同じ状況の人はたくさんいると思いますが、誰しもが彼らのようにならないと思いますが、拗れてしまう関係性とそうでないところの差異というのが、どのように生まれるのかは考える必要があるのかな、と感じました

 

↓詳しいレビューはこちらから

*【映画感想】港に灯がともる【後半:ネタバレありあり:執筆中】

 

■関連リンク

映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://eiga.com/movie/101437/review/04678493/

 

公式HP:

https://minatomo117.jp/

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投稿者 Hiroshi_Takata

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