■映画鑑賞まとめ■

 

9月、第3週(2022.9.12〜2022.9.18)

 


スワンソング

 

■オススメ度

 

人生の集大成のドラマを堪能したい人(★★★)

ウド・キアーさんを堪能したい人(★★★)

LGBTQ+問題に関心のある人(★★★)

 

■公式予告編

鑑賞日:2022.9.13(アップリンク京都)

 

■映画情報

 

原題:Swan Song(「死の直前に人生最高の作品を残す」と言う意味)

情報:2021年、アメリカ、105分、G

ジャンル:旧友の死に際して、死化粧を頼まれた元ヘアドレッサーの人生の集大成を描くヒューマンドラマ

 

監督&脚本:トッド・スティーブンス

 

キャスト:

ウド・キアー/Udo Kier(ミスター・パット/パトリック・ピッツェンバーガー:老人ホームに入っている伝説の美容師)

 

ジェニファー・クーリッジ/Jennifer Coolidge(ディー・ディー・デール:パットの元で働いていた美容師)

 

トム・ブルーム/Tom Bloom(ウォルター・シャンロック:リタの遺言をパットに届ける弁護士)

リンダ・エヴァンス/Linda Evans(リタ・パーカー・スローン:

パットに死化粧を依頼する関係が拗れた旧友)

マイケル・ユーリー/Michael Urie(ダスティン:リタの孫)

 

Eric Eisenbrey(デビッド:若い頃に亡くなったパットの恋人)

Ira Hawkins(ユニース:パットの盟友)

 

■映画の舞台

 

アメリカ:オハイオ州

サンダスキー

https://maps.app.goo.gl/hWHNNecJmJ9jUBhS8?g_st=ic

 

ロケ地:

上記と同じ

 

■簡単なあらすじ

 

元伝説の美容師ミスター・パットは、今は生活保護を受給し、老人ホームで退屈な毎日を送っていた

他の利用者と関わることもなく、ナプキンを拝借しては綺麗に折ると言う行動を繰り返し、時折認知症が進んでいる老女ガーティと一緒にタバコを吸ったりする日々を過ごしていた

 

ある日、パットの元に旧友リタの弁護士シャンロックが訪れる

彼はリタが亡くなったことを告げ、「死化粧をしてほしい」というリタの遺言を伝えた

関係は悪化したまま疎遠だったため、「惨めな姿で葬ったらいい」と言い放つパットだったが、ガーティの髪を整えたことをきっかけにして、彼女の望みを叶えようとホームを抜け出した

 

道具もない状態で、リタのお気に入りの「ヴィヴァンテ」を探すために、サンダスキーの美容室をわたり歩く

だが、今は取り扱っていない高級品で、「ディー・ディーの店にならあるのでは?」と言われてしまう

 

パットとディー・ディーは過去の諍いが激しく、彼女の店に行きたくはなかったが、遺言を叶えるためにその店に出向くことになったのである

 

テーマ:スワンソングと軋轢

裏テーマ:過去との向き合い方

 

■ひとこと感想

 

実在の人物を取り上げている作品で、そのカリスマ美容師をウド・キアーさんが演じると言うことで興味を持って鑑賞

ゲイが不遇だった時代に軋轢を持った旧友の死化粧を拒んでいたものの、人生のけじめをつけるべく、故郷のサンダスキーに出向くことになりました

 

そこで数々の出会いと再会があり、パットはようやくリタの元に辿り着きます

でも、どうしても体が拒絶してしまうのか、彼女との軋轢を払拭することができませんでした

 

映画はそんなパットが人生を見つめ直す物語になっていて、文字通り「スワンソング」を奏でる過程を描いていきます

涙腺崩壊とまではいきませんが、ヘアドレッサーとしての役割であるとか、拗れた過去の解き方など、心に刺さる場面が多かったですね

 

美容師に興味のない人でも楽しめる内容なので、人生の最後に自分ならどんな歌を奏でるかを考えながら鑑賞することをおすすめいたします

 

↓詳しいレビューはこちらから

【映画感想】スワンソング【後半:ネタバレあり】

 

■関連リンク

Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://movies.yahoo.co.jp/movie/382824/review/f211e085-6ccc-4bf7-8f0e-abe71d319715/

 

公式HP:

https://swansong-movie.jp/


グッバイ・クルエル・ワールド

 

■オススメ度

 

クズ人間同士の底辺バトルに興味がある人(★★★)

 

■公式予告編

鑑賞日:2022.9.13(T・JOY京都)

 

■映画情報

 

情報:2022年、日本、127分、PG15

ジャンル:ある強盗がきっかけで人生が狂っていく若者たちを描いたクライムムービー

 

監督:大森立嗣

脚本:高田亮

 

キャスト:

西島秀俊(安西幹也:家族との平穏な暮らしを望む元ヤクザ)

 

斎藤工(萩原政春:クレイジーな闇金業者)

宮沢氷魚(矢野大輝:事件に巻き込まれるラブホの従業員)

玉城ティナ(坂口美流:大金を欲しがる風俗嬢)

宮川大輔(武藤:借金を抱えた元会社員、美流の恋人)

 

大森南朋(蜂谷一夫:強盗事件を追う刑事)

 

三浦友和(浜田:強盗団のボス、元政治家の秘書)

 

奥田瑛二(杉山:強盗団に金を奪われた「杉山興行」の組長)

鶴見辰吾(オガタ:「杉山興行」の幹部)

 

奥野瑛太(飯島:安西の元舎弟)

片岡礼子(みどり:夫の更生を信じる安西の妻)

 

 

■映画の舞台

 

都内某所と山梨県甲府市

 

ロケ地:

東京都:八王子市&あきる野市

 

神奈川県:相模原市

 

千葉県:木更津市

 

静岡県:伊東市

下田屋(正田屋)

https://maps.app.goo.gl/DojrR8dsvbnhSPV5A?g_st=ic

 

神奈川県:横浜市

モザイクモール港北(観覧車)

https://maps.app.goo.gl/6jmhYQH3KhVrbKxf6?g_st=ic

 

■簡単なあらすじ

 

寂れた繁華街にあるラブホでは、組の資金洗浄のための裏工作が行われていた

ある筋からそこでマネロンが行われていることを知った5人組は、襲撃をかけてまんまと金をせしめることに成功した

 

その中の一人・萩原は闇金業者として武藤を抱え込み、その恋人・美流も巻き添えを食らうことになった

美流は分前の少なさに苛立ち、高跳びするはずなのに再度、萩原とコンタクトを取ることになった

 

一方その頃、金を奪われたヤクザは飼い犬の刑事・蜂谷に事件を追わせていた

蜂谷は組員と強盗被害者を分離させ、現場で見聞きしたことを問い詰める

蜂谷は内部から情報を聞きつけた外部の仕業であると踏み、ヤクザの幹部・オガタに「被害額を大幅に膨らませて情報を流せ」と提案する

 

程なくニュース報道では3倍近い被害額でニュースが流れることになり、その金に食いつくクズどもが集まって来るのであった

 

テーマ:居場所探し

裏テーマ:自由と束縛

 

■ひとこと感想

 

ハードボイルド系のクライム映画だと思って鑑賞

エロ要素が足りない感じはしましたが、配役ではあれが限度かもしれません

 

物語は「情報を得た外部のアウトロー」が金欲しさに結託して強盗を成功させるものの、その綻びが徐々に広がっていく様子を描いていきます

 

とにかく憑依系の演技がヤバくて、俳優さんたちの演技力で魅せる内容になっていますね

 

物語としてはやや退屈で、よくわからない演出(よくわからんところでキャラが叫ぶとか)があったりとまとまりがないように思えました

このあたりは好みの問題ではありますが、クズが右往左往して死んでいく映画が好きな人なら問題ないのかもしれません

 

↓詳しいレビューはこちらから

【映画感想】グッバイ・クルエル・ワールド【後半:ネタバレあり】

 

■関連リンク

Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://movies.yahoo.co.jp/movie/381663/review/e054c63f-fb02-40d7-ab4f-f0bb342e962c/

 

公式HP:

https://happinet-phantom.com/gcw/


LOVE  LIFE

 

■オススメ度

 

複雑な事情の家庭の映画を観たい人(★★★)

原曲を知っている人(★★)

 

■公式予告編

鑑賞日:2022.9.14(京都シネマ)

 

■映画情報

 

情報:2022年、日本、123分、G

ジャンル:複雑な事情を抱えた家族がある事件によって激動する様子を描いたヒューマンドラマ

 

監督&脚本:深田晃司

原案:矢野顕子の楽曲「LOVE  LIFE」

 

キャスト:

木村文乃(大沢妙子:シングルマザー、ホームレス支援のNPO所属)

永山絢斗(大沢二郎:妙子の再婚相手、市役所の福祉課職員)

嶋田鉄太(敬太:妙子と元夫パクの息子)

 

砂田アトム(パク・シンジ:失踪した妙子の前夫、韓国籍の聾者)

 

山崎紘菜(山崎理佐:二郎の元カノ、同僚)

 

神野三鈴(大沢明恵:二郎の母)

田口トモロウ(大沢誠:二郎の父、市役所の部長)

 

■映画の舞台

 

日本のどこかの地方都市

 

ロケ地:

東京都:八王子市

都営長房西団地(地図は1号棟)

https://maps.app.goo.gl/MnFMg2MWDQ1gUfWE6?g_st=ic

 

八王子市まちづくり公社(葬儀関連)

https://maps.app.goo.gl/v9sDDXukBg4zPvX77?g_st=ic

 

東京都:武蔵村山市

国立病院機構 村山医療センター

https://maps.app.goo.gl/5iefZR51woTxrevP9?g_st=ic

 

神奈川県:相模原市

鳥居原ふれあいの館

https://maps.app.goo.gl/GAZ5gPaXx8wSkGRe6?g_st=ic

 

神奈川県:横浜市

レアールつくの(商店街)

https://maps.app.goo.gl/Zz82GQWK417hNHuy7?g_st=ic

 

■簡単なあらすじ

 

団地に住む妙子と二郎の夫婦は、妙子の連れ子・敬太と仲睦まじく過ごしていた

彼らの部屋の向かいの棟には二郎の両親が住んでいて、父・誠だけは二人の結婚に反対していた

 

敬太はオセロが大好きな少年で、大会で賞を勝ち取るほど優秀だった

その日は敬太の大会優勝を祝うパーティーを行う予定で、サプライズで誠の誕生日も祝うことになった

 

みんなでカラオケで盛り上がっている中、敬太はプレゼントの飛行機の模型で家を走り回って遊んでいた

だが、敬太はそのまま風呂場まで行ってしまい、そこで転倒して水の張った浴槽に落ちてしまう

 

気づくのが遅れたために敬太は死んでしまい、それから彼らの関係は微妙な綻びを見せ始めてしまうのである

 

テーマ:LOVEとLIFEの関係

裏テーマ:本性は隠せない

 

■ひとこと感想

 

ポスタービジュアルで木村文乃さんが寂しそうな顔をしていたので、迷わずに鑑賞

某アクション映画の金髪がダサかったので、今回は黒髪ロングの美しさを堪能できると思ったのですが、まさかの斜め上の重さに完敗

 

人物相関を見ていた時になんとなく嫌な予感はしていたのですが、複雑な家庭環境が事件によって本性を表すと言うもので、最初から違和感バリバリの家族だったなあと思いました

基本的に目を合わせない映画で、合わせたらダメな人と合わせちゃうと言う対比が凄かったですね

 

家族問題に立ち向かう前に事故が起きて、そこからは崩壊の一途を辿るのですが、二郎の両親の仮面の下は悪魔と言う感じが見ていて居た堪れなくなります

ポロッと出る本音がホラーで、自分勝手なキャラばかりが登場するので、なんだかなあと言う感じになってしまいましたねえ

 

↓詳しいレビューはこちらから

【映画感想】LOVE LIFE【後半:ネタバレあり】

 

■関連リンク

Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://movies.yahoo.co.jp/movie/381644/review/7461dd12-0a88-4fd3-bdf1-12433f0ee170/

 

公式HP:

https://lovelife-movie.com/


人質 韓国トップスター誘拐事件

 

■オススメ度

 

実話系クライム映画が好きな人(★★★)

容赦ない犯人を見たい人(★★★)

 

■公式予告編

鑑賞日:2022.9.15(京都シネマ)

 

■映画情報

 

原題인질、英題:Hostage:MissingCelebrity

情報:2021年、韓国、94分、G

ジャンル:国民的俳優が拉致事件に巻き込まれた事件をベースに紡がれるクライムスリラー

 

監督&脚本:ピル・カムソン

原作:『誘拐捜査/解救吾先生/Saving Mr.Wu(中国、2015年、監督:ディン・シェン)』

Amazon Prime→https://amzn.to/3Upw4Or

 

キャスト:

ファン・ジョンミン/황정민(本人役、誘拐される国民的俳優)

 

キム・ジェボム/김재범(チェ・ギワン:サイコパスな誘拐犯のリーダー)

リュ・ギュンス/류경수(ヨム・ドンフン:誘拐犯のナンバー2)

チョン・ジェウォン/정재원(ヨンテ:誘拐犯グループの一員、ファン・ジョンミンのファン)

イ・ギュウォン/이규원(コ・ヨンノク:リーダーに浸水する誘拐犯の一味)

イ・ホジュン/이호정(セッピョル:誘拐犯グループの武器調達担当の女)

 

パク・ソンウォン/박성웅(ファン・ジョンミンの弟)

ジョ・キュンヒュン/조경현(ファン・ジョンミンのマネージャー)

 

イ・ユミ/이유미(パク・ソヨン:カフェ店主惨殺事件で拉致された女性)

 

バク・ジョヘ/백주희 オ刑事:ソウル地方捜査班の女性刑事)

 

 

■映画の舞台

 

韓国:

ソウル

https://maps.app.goo.gl/EtDDcjVY43vB7RXR9?g_st=ic

 

ピョンテク市

https://maps.app.goo.gl/CwMZAag4p28Pj9y8A?g_st=ic

 

ロケ地:

韓国:華川郡

https://maps.app.goo.gl/TrgmVaomktTXEZxg9?g_st=ic

 

ナムサンミョン

https://maps.app.goo.gl/Nk4eoAfEXoSnsanp8?g_st=ic

 

チュンチョン市

https://maps.app.goo.gl/GLbupUgzA7iftPLm6?g_st=ic

 

■簡単なあらすじ

 

国民的スターのファン・ジョンミンは映画公開を控えて映画完成披露会に出席していた

家族が旅行に行っている間に自由を謳歌しようと考えたジョンミンは、マネージャーを帰らせて、一人でソウルの繁華街をうろついていた

 

行きつけのコンビニに鍵を預けたジョンミンだったが、そこにファンを公言する若者がたむろしてくる

写真撮影を頼まれたジョンミンだったが、泥酔を理由に断った

 

そのまま路地裏を行くジョンミンだったが、先ほどの若者たちがバンで追いかけてきて、有無を言わさずに暴力を振るって誘拐してしまう

そして、気がついた時は場所もわからぬ山奥で、そこにはニュースになっていた「カフェ店主惨殺事件」のもう一人の被害者も監禁されていたのである

 

犯人グループはカフェ店主との金銭受け渡しが不本意な額だったこともあり、ジョンミンに「二人でいくら出す?」と迫る

ジョンミンは「1日で引き出せるのは5億ウォン」だと伝え、ATMのカードを取りに行かせるために犯人たちを自宅へと行かせたのである

 

テーマ:演技

裏テーマ:自尊心

 

■ひとこと感想

 

実話をベースにした映画のリメイクということで、国民的俳優が自分の名前で出演するという一風変わった映画になっていました

犯人が容赦なく、リーダーはサイコパスだし、ナンバー2の暴力もとめどない感じに仕上がっていましたね

 

俳優の顔を殴るは蹴るわと暴れまくり、警察に対しても容赦ない犯行を繰り返します

アメリカだったら即射殺だよなと思っていましたが、韓国だとあそこまでやってもきっちりと捕まえるのだと驚いてしまいました

 

映画はソウル近郊から南に向かった郊外の山奥という設定で、ソウル市警とビョンテク市警が入り乱れるという展開になっていきます

ラストで面白い仕掛けがあって、本編よりもゾクっとしてしました

 

↓詳しいレビューはこちらから

【映画感想】人質 韓国トップスター誘拐事件【後半後:ネタバレあり】

 

■関連リンク

Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://movies.yahoo.co.jp/movie/383476/review/faa51721-d752-4bf3-a2fb-3de89d2e72ed/

 

公式HP:

https://hitoziti-movie.com/


夏へのトンネル、さよならの出口

 

■オススメ度

 

ジュブナイルSFが好きな人(★★)

原作ファンの人(★★★)

 

■公式予告編

鑑賞日:2022.9.15(T・JOY京都)

 

■映画情報

 

情報:2022年、日本、83分、G

ジャンル:「ウラシマトンネル」のある町で、願いを叶えようとする高校生たちを描いた SF風ジュブナイル映画

 

監督&脚本:田口智久

キャラクター原案:くっか

アニメーション制作:CLAP

原作:八目迷(『夏へのトンネル、さよならの出口(2019年、小学館)』

 

キャスト:(声の出演)

鈴鹿央士(塔野カオル:事故で妹を亡くした高校生)

 (幼少期:中村悠人

飯豊まりえ(花城あんず:田舎に転校してきた女子高生)

 

小林星蘭(塔野カレン:カオルの妹)

 

■映画の舞台

 

都市伝説「ウラシマトンネル」がある田舎町、香崎町

 

■簡単なあらすじ

 

妹を事故で亡くして以来、父の酒癖に悩まされてきたカオルは、何気なく時間だけを過ごしていた

町では「ウラシマトンネル」なる都市伝説的な噂が持ちきりだったが、カオルは興味もなく、ルーティンのような日々を過ごしている

 

ある日、駅で見知らぬ女子高生・あんずを見かけたカオルは、彼女が大事そうに封筒を抱きしめているのを見て、ふと自分の傘を差し出した

その翌日、その女子高生は転校生としてカオルのクラスに登場する

 

あんずは愛想が悪く、クラスの女王的な存在である小春が突っかかる

「喧嘩を売ってるの?」と訊くあんずに対して、「そうだったらどうする?」と凄んだ小春だったが、次の瞬間には拳で殴り倒されていた

 

それ以降、あんずの周りから人は消え、彼女はカオルだけに話しかけるようになっていた

カオルの親友・翔平は「二人は付き合っているのか?」などと興味本位だったが、二人の関係はただ一緒にいる以上の進展は見せなかったのである

 

そんなある日、カオルは父に妹のことを責められ、そのまま家を飛び出してしまう

線路を歩いていたカオルは、接近する列車に驚いて斜面を転がり落ちた

そこには池があって、その奥には奇妙な洞窟があった

 

カオルは導かれるようにその中に入り、そこで妹が履いていたサンダルを見つけてしまう

さらにその奥には一羽のインコがいて、そのインコは遥か昔に妹と一緒に教えた歌を覚えているインコだった

 

テーマ:喪失と回復

裏テーマ:欠落と執着

 

■ひとこと感想

 

ツンデレ転校生とコミュ障の男子という感じの組み合わせで、そこにSF要素が加わった本作は、どこかで見たような感じの作品群の一つに埋没しているように思えました

印象的なのは「説明しすぎない演出」で、映像で状況を語るという引き算の多い映画だったと思います

 

キャラクターは平凡で、そこまで印象深いこともなく、キャラデザも突飛なものにはなっていません

いわゆる聖痕があるわけでもなく、本当にどこにでもいる高校生になっていて、彼のキャラ付けは「外的要因」に因るものとなっています

 

映画内での妹の死が世間にどう思われているのかはわからず、カオルに対して腫れ物をさわるようなクラスメイトたちではありませんでした

ある程度、過去が消化されている現実があって、その中でも家族だけが執着を持っているという感じになっています

 

父親のキャラが徹底していて、息子のことなど全く考えていない独親になっていましたね

むしろ、働いていない感じなのに生活できてるし、新しい嫁さんは見つけてくるし、やればできるタイプなのか、酒が入ると途端にヤバい人になるのかどっちかわかりませんでした

 

↓詳しいレビューはこちらから

【映画感想】夏へのトンネル、さよならのさよならの出口【後半:ネタバレあり】

 

■関連リンク

Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://movies.yahoo.co.jp/movie/380639/review/49dc428c-6ef0-46b7-b255-56918bfcb41e/

 

公式HP:

https://natsuton.com/


ヘルドッグス

 

■オススメ度

 

アクション映画が好きな人(★★★)

岡田准一さんのファンの人(★★★)

バイオレンスをとことん楽しみたい人(★★★★)

 

■公式予告編

鑑賞日:2022.9.16(イオンシネマ京都桂川)

 

■映画情報

 

情報:2022年、日本、138分、PG12

ジャンル:ヤクザの潜入捜査員が、組のサイコボーイと組んで暴れていくバイオレンス&アクション映画

 

監督&脚本:原田眞人

原作:深町秋生(『ヘルドッグス 地獄の犬たち(2017年、KADOKAWA)』

 

キャスト:

岡田准一(兼高昭吾/出月梧郎:闇堕ちした元警官)

坂口健太郎(室岡秀喜:東鞘会のサイコボーイ、昭吾とタッグを組む)

 

北村一輝(土岐勉:昭吾と盃を交わす東鞘会のヤクザ)

松岡茉優(吉佐恵美裏:土岐の愛人)

MIYAVI(十朱義孝:東鞘会の会長)

吉原光夫(熊沢伸雄:十朱の秘書、東鞘会の三羽烏)

 

大場泰正(大前田忠治:東鞘会の三羽烏、典子の常連客)

金田哲(三神國也:東鞘会のインテリヤクザ)

 

大竹しのぶ(衣笠典子:昭吾の連絡係、サロン経営者)

酒向芳(阿内将:典子に情報を流す警視庁の裏捜査エース)

 

 

■映画の舞台

 

都内某所&沖縄他

 

ロケ地:

静岡県:賀茂郡

らんの里 堂ヶ島(沖縄の廃墟)

https://maps.app.goo.gl/ih9zxGg5ANRwSyZN9?g_st=ic

 

福島県いわき市

ヘレナ国際カントリー倶楽部(閉鎖中のホテル)

https://maps.app.goo.gl/H5P2dCi6aRyRVVkw5?g_st=ic

 

東京都:小金井市

大森武蔵野苑(大前田の邸宅)

https://maps.app.goo.gl/iBPyq1Q3NohQSHkS6?g_st=ic

 

東京都:中央区

カトリック築地教会聖堂

https://maps.app.goo.gl/pyEX948mTJzccYnn7?g_st=ic

 

CROSS DOCK HARUMI(十朱の会長室)

https://maps.app.goo.gl/Vjyq9j3qUjKgRnF77?g_st=ic

 

埼玉県:さいたま市

彩の国さいたま芸術劇場(東鞘会の本部)

https://maps.app.goo.gl/aBNfG3Avdf8gs5526?g_st=ic

 

■簡単なあらすじ

 

かつて巡査時代にある女子高生を見殺しにしてしまった出月は、その事件の加害者を執拗に追って処刑を実行していた

ある日、警察に行動を見透かされた出月は、阿内から兼高という偽名を与えられ、潜入捜査員になることを命じられる

 

連絡係はマッサージサロンの衣笠典子で、東鞘会のトップ・十朱に近づいて殺害することが目的だった

兼高は組織イチのサイコボーイと言われる室岡に接近して懐に入ることに成功する

 

そして、組の精鋭部隊である「ヘルドッグス」のメンバーとして頭角を表してきた

十朱との距離も近くなり、土岐とその愛人の恵美裏とも親密になっていき、組織の中枢に入りこむことに成功する

 

だが、組は分裂寸前で水面下の覇権争いが勃発する

十朱はその動きに先手を打とうとするものの、その場所には刺客が送り込まれていたのであった

 

テーマ:贖罪

裏テーマ:嫉妬

 

■ひとこと感想

 

予告編でたいそうなアクション映画かなと思いながら、いまだに「ヤクザに潜入捜査とか古いネタやってんのね」と思いながら参戦

イオンシネマのワタシアター死亡でどうなるかと思いましたが、ギリ開場にセーフで観ることが出来ました

 

映画は肉団的なアクションが売りの印象で、寝業でゴロンゴロン連発で、男女もゴロンゴロンやっている映画でしたね

内容は漫画的ですが、いつものアレみたいな感じで許容範囲でしたが、なにぶん「何言ってるかわからねえ」レベルに滑舌(録音が悪いのか?)が最悪でした

 

あそこまで聞き取りにくいと、字幕版が早々に出現するのではないかと思います

とは言うものの、観ていればわかる内容なので、消音で観ても内容が伝わるのではないかと思ってしまいましたね

 

ちなみに、冒頭の巡査時代はJKに恋してたってことでOKなんでしょうか

よくわからん関係性でしたね

 

↓詳しいレビューはこちらから

【映画感想】ヘルドッグス【後半:ネタバレあり】

 

■関連リンク

Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://movies.yahoo.co.jp/movie/380308/review/87d7fe74-8720-4828-a241-42eb3ff7a7fe/

 

公式HP:

https://www.helldogs.jp/


沈黙のパレード

 

■オススメ度

 

シリーズのファンの人(エンドロールで泣くかも)

福山雅治さんのファンの人(★★★)

原作ファンの人(★★)

 

■公式予告編

鑑賞日:2022.9.16(イオンシネマ京都桂川)

 

■映画情報

 

情報:2022年、日本、130分、G

ジャンル:完黙を貫いて無罪になった容疑者が再び別の事件の容疑者になり殺害された事件を紐解くミステリー映画

 

監督:西谷弘

脚本:福田靖

原作:東野圭吾(『沈黙のパレード(2018年、文藝春秋)』)

 

キャスト:

福山雅治(湯川学:帝都大学工学部、物理学科教授)

柴咲コウ(内海薫:警視庁捜査一課の刑事)

 

北村一輝(草薙俊平:警視庁捜査一課、警部、薫の同僚)

 

飯尾和樹(並木祐太郎:料理店「なみきや」の店主)

戸田菜穂(並木真智子:祐太郎の妻)

川床明日香(並木佐織:遺体で発見される並木家の長女、歌手を目指しレッスンを受けていた)

出口夏希(並木夏美:並木家の次女、大学2年生)

 

田口浩正(戸島修作:食品加工業「トジマ屋フーズ」の社長、祐太郎の親友)

吉田羊(宮沢麻耶:「宮沢書店」の跡継ぎ、なみきやの常連客)

椎名桔平(新倉直紀:音楽プロデューサー、佐織の音楽の師匠)

檀れい(新倉留美:直紀の妻、直紀の元レッスン生)

 

岡山天音(高垣智也:印刷会社勤務の若者、佐織の恋人)

 

村上淳(蓮沼寛一:完全黙秘で無罪になりつつも、沙織の殺人事件の容疑者として浮上する男)

酒向芳(増村栄二:廃品回収業者、前科者で蓮沼の友人)

 

大島美優(本橋優奈:13年前に殺害された女児、蓮沼が完全黙秘を貫いた事件の被害者)

山田キヌヲ(本橋由美子:優奈の死後に自殺した母)

 

■映画の舞台

 

東京都:菊野市(架空)

菊野商店街

 

ロケ地:

静岡県:牧之原市

相良本通(菊野商店街)

https://maps.app.goo.gl/SpswXCXR9s37Uy1L8?g_st=ic

 

茨城県:猿島郡

さくらの森パーク(のど自慢大会)

https://maps.app.goo.gl/UmhAoDgTQppYCnk4A?g_st=ic

 

神奈川県:鎌倉市

無有館(新倉家)

https://maps.app.goo.gl/8zdM8kmEscj5oJ6d6?g_st=ic

 

群馬県:前橋市

群馬県立群馬産業技術センター(湯川の研究先)

https://maps.app.goo.gl/8qVwKJJwhVjfY4vu9?g_st=ic

 

■簡単なあらすじ

 

13年前のある日、本橋優奈ちゃんという少女の遺体が見つかり、容疑者・蓮沼寛一は完全黙秘を貫いて無罪となった

その事件を担当していた草薙は、菊野市在住の女子高生・並木佐織殺害事件の捜査本部に呼ばれた

 

同僚の内海が仕切る中、遅れて捜査本部に到着した草薙だったが、その捜査ボードに貼られていた蓮沼の写真を見て嘔吐する

佐織の遺体は蓮沼の母と一緒に骨となって見つかり、また佐織の血痕のついた作業着が彼の住処から見つかっていたのである

 

再び殺人事件の容疑者になった蓮沼だったが、警察は13年前の同じ轍を踏むまいと、蓮沼を釈放してしまう

納得のいかない並木家と彼らを支える商店街の人々は憤慨し、彼らが集まる「なみきや」に蓮沼は堂々と現れた

 

偶然その場に居合わせた物理学者の湯川は、彼らの反応を冷静に分析する

湯川は近くの研究所で実験のために訪れていたが、かつての盟友・内海も草薙と一緒に佐織の事件の調査のために菊野市を訪れていた

 

内海は湯川に助けを求めるものの、物理学とは縁のない事件だったため協力を拒む

だが、なみきやの騒動をきっかけに「行きつけの食堂の店主が加害者扱いされること」に抵抗を感じ、湯川も捜査に協力することになった

 

菊野市では仮装パレードが行われる時期で、なみきやの次女・夏美に誘われた湯川は一緒にパレード見学に参加する

無事に終了し、優勝したチーム菊野の祝賀会に参加することになった湯川だったが、そこに「蓮沼死亡」のニュースが舞い込むのである

 

湯川は内海と草薙と協力しながら、蓮沼の死の真相を探るべく、ある仮説を検証することになった

 

テーマ:沈黙と多弁

裏テーマ:沈黙がもたらす功罪

 

■ひとこと感想

 

ガリレオシリーズはテレビの再放送か何かを見て、福山雅治さんのキャラで持っている映画だなあなどとしょうもないことを考えながら見ていました

そのほとんどを覚えておらず、その流れで映画版に突入した記憶があります

 

本作は二つの殺人事件の容疑者となった蓮沼を巡るものですが、メインはその蓮沼殺害の真相を辿るというものになります

事前情報をほとんど入れていなかったので、蓮沼が死ぬことは知らなかったのですが、予告編とかだと結構ネタバレしている印象があります

 

映画は上下巻の長編を2時間にまとめるという荒技で、それなりにまとまっているように思えます

捜査の過程とか、登場人物のキャラは最低限理解できるつくりになっていますが、肝心の湯川の仮説(ほとんど推理)に至る部分がやや足早な説明的なものになっていたように思えました

 

もっとゲスい展開になるのかなと思いましたが、そこまでドロドロとしたものではありませんでしたが、事件の起点と成佐織の行動は賛否を呼びそうな印象がありましたね

 

↓詳しいレビューはこちらから

【映画感想】沈黙のパレード【後半:ネタバレあり】

 

■関連リンク

Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://movies.yahoo.co.jp/movie/378060/review/8b69b976-5693-451d-90f0-4f3c3bf349ff/

 

公式HP:

https://galileo-movie3.jp/


雨を告げる漂流団地

 

■オススメ度

 

少年少女の葛藤を描くSF系アニメが好きな人(★★★)

ジュブナイルSFが好きな人(★★★)

 

■公式予告編

鑑賞日:2022.9.17(イオンシネマ京都桂川)

 

■映画情報

 

情報:2022年、日本、120分、G

ジャンル:取り壊される思い出の団地に侵入したら、なぜか海の中を漂流してしまう現象に遭遇する小学生たちを描くSF風青春映画

 

監督:石田祐康

脚本:森ハヤシ&石田祐康&坂本美南香

キャラデザ:永江彰浩

制作:スタジオコロリド

 

キャスト:(声の出演)

田村睦心(祖父を亡くし住んでいた団地も取り壊されてしまう小学6年生)

瀬戸麻沙美(兎内夏芽:航祐の祖父の喪失に落ち込んでいる幼馴染)

 

村瀬歩(のっぽ:鴨の宮団地に現れた謎の少年)

 

山下大輝(橘譲:航祐のクラスメイト、大柄な少年)

小林由美子(小祝太志:子犬のように動き回る航祐の同級生)

水瀬いのり(羽馬令依菜:勝ち気な性格の航祐の同級生)

花澤香菜(安藤珠理:航祐の同級生、令依菜の親友)

 

島田敏(熊谷安次/やすじい:航祐の祖父、団地に60年住んでいた)

水樹奈々(兎内里子:仕事第一の夏芽の母、シングルマザー)

 

 

■映画の舞台

 

鴨の宮団地とその周辺

 

■簡単なあらすじ

 

祖父・やすじいを亡くしたばかりの航祐は、かつて仲良しだった幼馴染の夏芽との仲が拗れたまま

サッカーチームでツートップで活躍していたのも過去の話で、二人の距離は遠ざかるばかりだった

 

航祐が住んでいた団地は「おばけ団地」と呼ばれ、取り壊しが決まっていた

中に入ることは許されなかったが、航祐の友人太志は夏休みの自由研究の題材に「おばけ」のことを調べると言って聞かなかった

 

半ば強引に巻き込まれた航祐と譲だったが、航祐が住んでいた棟にあるやすじいの部屋の押し入れに、なぜか夏芽が寝ているのを発見してしまう

夏芽は頻繁にこの部屋に出入りしていて、ここには「のっぽ」と呼ばれる少年もいるという

 

険悪なムードの中、みんなは屋上に上がると、その様子を見つけた令依奈と珠理が団地に入ってしまう

令依奈は航祐のことが気になっていて、ことあるごとに夏芽に突っかかっていた

 

いつものような日常が繰り返されいたところに、突然大雨が襲ってくる

なんとか避難した彼らだったが、雨が止むと団地は大海のど真ん中に置き去りにされていた

 

慌てふためく航祐たちだったが、夏芽は翌朝起きると元に戻っているという

だが、翌朝になっても元には戻らず、団地はどこかに向かって漂流を始めていたのである

 

テーマ:記憶と執着

裏テーマ:成長の儀式

 

■ひとこと感想

 

団地が漂流するというネタが気になったのと、『ペンギンハイウェイ』の暗喩が気に入っていた記憶が残っていたので何となく鑑賞

大人の階段を登る系ではありますが、そこはかとなく性的な成長というものが根底にあるように思えました

 

映画は団地が擬人化した「のっぽ」という少年がいて、彼がそこにいる理由に迫るというもので、同時に変わりゆく世界の中で留まりたいと願う夏芽の成長の儀式というものが描かれていきます

 

団地が海上に浮上している映像とか、他の建物が迫ったり漂ったりする映像は圧巻で、細かな動きもきちんと描かれていましたね

内容は成長につれて忘却したり、見てみぬふりをしてしまうものとの別れを丁寧に描いていて、記憶に対する執着というものの怖さを描いていきます

 

それほど難しい問題でないと感じるのは大人だからでしょうが、子どもが見ると追体験のようになってしまうのでしょうか

変化を恐れる少年少女というものは、大人になるとその執着を忘れてしまうものですが、そういった過去というものは段階を経て、新しい体験で埋め尽くされてしまうのかなと思ってしまいますね

 

↓詳しいレビューはこちらから

【映画感想】雨を告げる漂流団地【後半:ネタバレあり】

 

■関連リンク

Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)

https://movies.yahoo.co.jp/movie/379121/review/9a24cfa9-6f81-46d3-8d2e-fb87683087ad/

 

公式HP:

https://www.hyoryu-danchi.com/

アバター

投稿者 Hiroshi_Takata

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA