■映画鑑賞まとめ■
4月、第4週(2023.4.17〜2023.4.23)
Contents
■幻滅
■オススメ度
マスメディアの暗躍映画が好きな人(★★★)
当時のパリの雰囲気を味わいたい人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2023.4.17(アップリンク京都)
■映画情報
原題:Illusions perdues(失われた幻想)、英題:Lost Illusions
情報:2021年、フランス、149分、R15+
ジャンル:田舎からパリに来た青年が上流階級の罠に堕ちていく様子を描いたヒューマンドラマ
監督:グザビエ・ジャノリ
脚本:グザビエ・ジャノリ&ジャック・フィエスキ
原作:オノレ・ド・バルザック/Honoré de Balzac『Illusions perdues(1837年)』
キャスト:
ベンジャミン・ボワザン/Benjamin Voisin(リュシアン・ド・リュバンブレ/リュシアン・シャルドン:アングレームからパリに来る詩人)
バンサン・ラコスト/Vincent Lacoste(エティエンヌ・ルストー:パリの自由派新聞「コルセール=サタン/LeCorsaire-Satan」の編集長、リュシアンを記者に勧誘)
グザビエ・ドラン/Xavier Dolan(ナタン・アナスタツィオ:パリの王党派の小説家)
サロメ・ドゥワルス/Salomé Dewaels(コラリー:パリの成り上がり女優、リュシアンと恋仲になる)
セシル・ドゥ・フランス/Cécile de France(ルイーズ・ド・バルジュトン:アングレームにてリュシアンと秘密の関係を持つ夫人)
アンドレ・マルコン/André Marcon(デュ・シャトレ男爵:ルイーズを密かに想う男爵)
ジャンヌ・バリバール/Jeanne Balibar(マーキス・デスパール:リュシアンを田舎者と見抜く侯爵夫人、ルイーズのいとこ)
ルイ=ド・ドゥ・ランクザン/Louis-Do de Lencquesaing(アンドッシュ・フィノ:「コルセール=サタン」の株主)
ジャン=フランソワ・スナプテン/Jean-François Stévenin(サンガリ:パリの舞台を裏で仕切る扇動屋)
ジェラール・ドパルデュー/Gérard Depardieu(ドリア:パリの印刷業界のドン)
■映画の舞台
1840年代
フランス:パリ&アングレーム
ロケ地:
フランス:パリ
オペラ=コミック座/Opéra Comique
https://goo.gl/maps/REFMtLmFsypsgav37
パレ・ロワイヤル/Jardins du Palais-Royal
https://goo.gl/maps/tBu5p11q9nrpynxz7
デジャゼ劇場/Théâtre Dejazet
https://goo.gl/maps/pcRCJwfaFFgiSji8A
コンピエーニュ城/Château de Compiègne
https://goo.gl/maps/gsmYqUEtCkWax6iE6
印刷博物館/ケ・ド・ラ・フォッセ
https://goo.gl/maps/mg9CMHqAdANJwJbd8
■簡単なあらすじ
1840年代、アングレームに住む詩をこよなく愛する青年リュシアンは、母方の姓リュバンブレを名乗り、アングレームの社交界で名を馳せるルイーズ夫人と秘密の関係を持っていた
ルイーズはリュシアンの才能に惚れ込んでいたが、詩人の才能は一般層には響いていなかった
ある日、ルイーズの夫バルジュドンが2人の仲に気付き、リュシアンの働く印刷所に怒鳴り込んで来た
そこで啖呵を切ったリュシアンはアングレームにいられなくなる
同じ頃、リュシアンとルイーズの関係を終わらせたかったデュ・シャトレ男爵は、彼女にパリでの静養を提案する
だが、ルイーズはそこにリュシアンを連れて来てしまう
デュ・シャトレ男爵は彼を自分の邸宅に入れることを拒み、近くの安宿を手配する
リュシアンはルイーズを引き立たせるために「いとこ」を偽装するものの、デスパール侯爵夫人は一瞬で偽物であることを見抜いてしまう
リュシアンを社交界に入れたくないデスパールはそれとなくルイーズに伝え、2人の関係が広まることで貴族から追放されると警告した
テーマ:階級
裏テーマ:資本主義とジャーナリズム
■ひとこと感想
古典が原作となっている本作は、19世紀中頃のフランス・パリを舞台にして、そこで成り上がろうとする田舎者を描いていきます
当時のパリはフランス各地から一攫千金を狙う輩の魑魅魍魎の世界になっていて、崇高な仕事だと思っていたジャーナリストも、仕事の価値を上げるために駆け引きをする仕手屋のようなものでした
リュシアンとコラリーは無垢で無知な若者が大金を手にした途端に崩壊に走る典型的な人物として描かれ、残酷な結末へと転落していきます
そんな世界で生き残るのがルストーとナタンで、自由派と王党派に分かれながらも、処世術に長けていました
リュシアンの詩は魅力的ですが、それはルイーズに宛てたラブレターなので、その奥行き、すなわちリュシアンの想いを知るルイーズにしか響きません
コラリーも舞台女優として成り上がっていくものの、健康面の不安と、金で成功を買うパリの慣習に押しつぶされていきます
2人が生きるのは辛すぎる世の中で、ある程度裕福になった段階で、アングレームに逃げた方がマシだったように思えました
それでも、一度手に入れたモノを手放すことはできないのですね
なので、転落は予定調和のようにも思えてきます
↓詳しいレビューはこちらから
■関連リンク
Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://movies.yahoo.co.jp/movie/385612/review/c514ce76-0c55-4c0d-8b18-9dab720c3b39/
公式HP:
https://www.hark3.com/genmetsu/
■サイド・バイ・サイド 隣にいる人
■オススメ度
解釈委ねる系映画が好きな人(★★★)
映像美に特化した映画が好きな人(★★★)
坂口健太郎さんのファンの人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2023.4.19(TOHOシネマズ二条)
■映画情報
情報:2023年、日本、130分、G
ジャンル:色んな人を惹き寄せる青年とその過去を描く雰囲気系ヒューマンドラマ
監督&脚本:伊藤ちひろ
キャスト:(わかった分だけ)
坂口健太郎(未山:「誰かの想い」が見える青年)
齋藤飛鳥(莉子:未山の元恋人)
浅香航大(草鹿:未山の高校時代の後輩、ミュージシャン)
市川実日子(詩織:未山の恋人、看護師)
磯村アメリ(美々:詩織の娘)
■映画の舞台
東京&日本の田舎のどこか(ロケ地は長野県)
ロケ地:
長野県:松本市
大正池
https://maps.app.goo.gl/F6beGV4dCCt6z5279?g_st=ic
ビクトリアンクラフト
https://maps.app.goo.gl/q2d8MAR1KT8pFZ62A?g_st=ic
たびのホテルlit松本
https://maps.app.goo.gl/tVRsrTywFst6Ced47?g_st=ic
長野県:伊那市
こやぶ竹聲庵
https://maps.app.goo.gl/QsXtpo9L9abFSauT6?g_st=ic
入笠牧場管理棟
https://maps.app.goo.gl/wBkdHs6pbYXtWqgY8?g_st=ic
■簡単なあらすじ
田舎町で主夫をしている未山は、人の想いに通じる「何か」が見える青年で、多くの「モノ」を惹きつけてしまう特性を持っていた
バスに乗っては、見知らぬ誰かが隣に座ったりもする
今は、金髪の謎の男がずっと彼のそばにいて、何かを伝えたがっているようだった
未山は看護師の詩織と同棲していて、彼女の娘・美々の世話をしている
朝ごはんを作ったり、部屋の片付けをしたり、時には美々と近くを散歩したりもする
そんなゆったりとした時間の中で過ごしながら、依頼があれば近所の人たちを見ている
彼には、対象者が引き寄せている想いというものが視えていて、体の不調はその兆しのようなものだった
ある日、ずっと彼に引き寄せられている男が、後輩のバンドマンで、未山が過去に置き去りにしたものについて伝える
それを聞いた未山は東京へと向かい、そこで元恋人の莉子と再会することになったのである
テーマ:想いが惹き寄せる過去
裏テーマ:魂の救済
■ひとこと感想
霊的な何かが視えるみたいな感じで進む前半ですが、そのスローテンポさはヒーリングムービーのようなイメージを纏っています
隣にいるのは誰なのか、などと現実的なことを考えると混乱する映画で、本人の無意識下にある思念が映像化されている、という印象があります
未山自身は自分の隣にいる何かに気づいていなくて、それが表層に現れる段階で可視化されるというイメージですね
その可視化の対象が「映画の登場人物ではない」と感じで、映画の中で起こっていることの補足情報のような形で観客に提示されていたように感じました
観念的な映画は好きですが、それぞれの解釈を大切にしたいので、レビューを書くとなるとなかなか難しいですね
ある答えを提示しても、それは正解でも不正解でもないですからね
そう言った意味において、この記事は「参考程度」とか、「思考の転換」に位置付けられるのかもしれません
↓詳しいレビューはこちらから
【映画感想】サイド・バイ・サイド 隣にいる人【後半:ネタバレあり】
■関連リンク
Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://movies.yahoo.co.jp/movie/386668/review/3cd36348-37b7-4860-9762-be7dcf948b10/
公式HP:
https://happinet-phantom.com/sidebyside/
■ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい
■オススメ度
ぬいぐるみに話しかけたことがある人(★★★)
正体のわからない恐怖に怯えている若者(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2023.4.19(京都みなみ会館)
■映画情報
情報:2023年、日本、109分、G
ジャンル:ぬいぐるみと話すサークルに入った青年を描いたヒューマンドラマ
監督&脚本:金子由里奈
原作:大前粟生『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(河出書房新社)』
キャスト:(わかった分だけ)
細田佳央太(七森剛志:アセクシャルを悩む大学生)
駒井蓮(麦戸美海子:七森と波長が合う大学生)
新谷ゆづみ(白城ゆい:ぬいぐるみと話さない「ぬいサー」の新入部員)
細川岳(鱈山:知らない人の不幸に悩む「ぬいサー」の先輩)
真魚(光咲:部長的な存在の「ぬいサー」の先輩)
上大迫祐希(藤尾:眼鏡っ子の「ぬいサー」の先輩)
若杉凩(西村:ショートカットの「ぬいサー」の先輩)
■映画の舞台
京都のどこか
ロケ地:
京都市:北区
立命館大学・衣笠キャンパス
https://goo.gl/maps/yTM8BLHWfoitzxok8
京都市:左京区
出町柳・鴨川デルタ
https://goo.gl/maps/EKMrheSFZs4NHDUd6
栃木県:栃木市
蔵の街ダイニング 蒼
https://goo.gl/maps/PCQShprznmY9MP7r5
アルマンド・コーポ
https://goo.gl/maps/PCQShprznmY9MP7r5
■簡単なあらすじ
京都の大学に進学した七森は恋愛のことがよくわからず、高校時代には告白されても付き合うことができなかった
その時に拾ったぬいぐるみを今でも大事に抱えていて、一人暮らしの部屋に飾られている
コミュニケーションがさほどうまくない七森だったが、ある日校庭にて、同じ新入生の麦戸と仲良くなることができた
彼女は「ぬいぐるみサークル」に興味を持っていて、2人で説明会に行くことを決めた
サークル棟に行くと、部屋いっぱいのぬいぐるみがあって、そこには先輩たちが4人いた
髭面の棚山、部長っぽい光咲、メガネっ娘の藤尾、クールなショートカット・西村は、「ぬいぐるみを作るんですか?」という質問に窮してしまう
そこは、ぬいぐるみを作るサークルではなく、「ぬいぐるみと話すサークル」で、人の会話は聞かないというルールがあった
各々はヘッドホンやイヤホンをしてぬいぐるみに話しかける
七森も麦戸もそこを気に入り、さらに白城という新入生も一緒に入ることになったのである
テーマ:繊細さと想像力
裏テーマ:逃避を避ける方法
■ひとこと感想
てっきり「ぬいぐるみを愛でるサークル」だと思っていましたが、まさかの「ぬいぐるみとトーク」という内容で、少しばかりドン引きしてしまいました
とは言え、ぬいぐるみに語りかけたことがないわけではなく、その時代は幼少期の頃に卒業しているのですね
なので、ここにいる人たちは大学生にもなって、それを続けているのかとびっくりしました
実際には幼少期のそれとは違っていて、繊細で想像力が豊かすぎる故に、自分の心のバランスを取るために行なっているセルフセラピーみたいなものなのですね
発信の影響を極端に恐れるあまり、それをぬいぐるみに求めてしまう
そこで起こる会話はすべて自己完結的なものなので、会話をしているふりをしながら「気持ちを言語化して理解を深めていく」という過程を踏みます
このあたりを目的を持って行っていないのがこのサークルの特徴で、その中でも異質なのが「みんなのぬいぐるみになろうとする白城」の存在だったと思います
↓詳しいレビューはこちらから
【映画感想】ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい【後半:ネタバレあり】
■関連リンク
Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://movies.yahoo.co.jp/movie/384095/review/2f1e6d25-13df-4fea-bd4a-38069b1031a8/
公式HP:
■未来は裏切りの彼方に
■オススメ度
スロバキア映画に興味のある人(★★★)
裏切りの連鎖系の物語に興味のある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2023.4.20(アップリンク京都)
■映画情報
原題:Malá Ríša(小さな帝国)、英題:Little Kingdom
情報:2020年、スロバキア&アイスランド、108分、R15+
ジャンル:脱走兵が妻の働く工場に紛れ込み、第二の人生を送ろうとするヒューマンドラマ
監督:ペテル・マガート
脚本:ユエン・グラス&ルツィア・ディッテ&ミハエラ・サボ
原案:Debris Companyの舞台『EPIC(1990年)』
キャスト:
アリシア・アグネソン/Alicia Agneson(エヴァ:戦地に行った夫を待つ妻、工場勤務)
ラクラン・ニーボア/Lachlan Nieboer(ジャック・コヴァーチ:戦地から脱走して妻の働く工場に潜り込む夫)
ブライアン・キャスプ/Brian Caspe(バール:エヴァの働く鉄加工工場の責任者)
クララ・ムッチ/Klara Mucci(キャット:バールと結婚させられる元娼婦、ハナーチェクの愛人)
ヤン・ヤツクリアク/Ján Jackuliak(ハナーチェク:現地を牛耳る役人)
アビゲイル・ライス/Abigail Rice(アルジェプタ:バールの秘書)
Amy Loughton(ジュリア:エヴァの友人、夫を戦地で亡くした妻)
クリスティーナ・カナートバー/Kristína Kanátová(フリーダ:困窮する妊婦)
Mark Fleischmann(ネメス:秘密警察のリーダー)
■映画の舞台
1944年、
スロバキア共和国
ロケ地:
不明
■簡単なあらすじ
1944年、スロバキアの郊外にて、兵士団の一行はある娼館を訪ねた
そこには煌びやかな娼婦がいて、兵士のジャックもある娼婦とペアを組むことになった
だが、ジャックは娼婦が部屋に入ったのを見計らって、娼館から脱走する
それと同時に銃声のような音が周囲に鳴り響いた
その後ジャックは、妻エヴァの元へと辿り着く
エヴァは近くの工場で働いていて、そこの責任者バールに夫も働かせてほしいと掛け合う
ジャックは戦地で負傷したことになっていて、足を引き摺る素振りを見せていた
工場に馴染んだある日、地域を仕切る役人のハナーチェクがやってきた
彼が連れてきたのは愛人のキャットで、彼女は娼館におけるジャックの相手を務める予定だった女だった
キャットもジャックのことを覚えていたが、ハナーチェクは彼女をバールと結婚させる
それからジャックとキャットはともに秘密を隠しながら日常を過ごすことになる
ラジオからはナチス・ドイツに抗う義勇兵のニュースも流れ、生殺与奪が予期できない時代に突入しつつあった
テーマ:嘘の種類
裏テーマ:裏切りの先にある未来
■ひとこと感想
スロバキアの映画ということで、少し古いものですが、気になったので鑑賞
裏切りというよりは「保身による嘘」「妬みによる嘘」など、多くの感情に支配されたものが交錯していました
戦時下のフィクションということで、少しリアリティが欠ける面は否めませんが、当時のスロバキアに実際にあったドイツ系の工場と舞台「EPIC」に着想を得たものになっています
原作はコンテンポラリーダンスということで、目指している作風は全く違いますね
また、各種映画情報サイトの情報が怪しくて、色々と掘り起こすのに苦労しましたが、概ね合っていると思います
↓詳しいレビューはこちらから
■関連リンク
Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://movies.yahoo.co.jp/movie/386917/review/05d241f5-943d-44da-85f1-77e7aa34b1e7/
公式HP:
■聖地には蜘蛛が巣を張る
■オススメ度
色々と強烈な映画を探している人(★★★)
イスラム圏が舞台の現代劇に興味のある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2023.4.20(アップリンク京都)
■映画情報
原題:عنکبوت مقدس(聖なる蜘蛛)、英題:Holy Spider
情報:2022年、デンマーク&ドイツ&スウェーデン&フランス、118分、R15+
ジャンル:実在の殺人犯の事件をモチーフにした、売春婦連続殺人事件を追うジャーナリストを描くスリラー&社会派映画
監督:アリ・アッバシ
脚本:アリ・アッバシ&アフシン・カムラン・バーラミ
キャスト:
メフディ・バジェスタニ/Mehdi Bajestani(サイード・アジミ:売春婦ばかりを狙う連続殺人犯、モデルはサイード・ハナイ/Saeed Hanaei )
ザーラ・アミール=エブラヒミ/Zar Amir-Ebrahimi(アレズー・ラヒミ:売春婦連続殺人事件を追うジャーナリスト)
アラシュ・アシュティアニ/Arash Ashtiani(シャリフィ:地元の男性ジャーナリスト、ラヒミの友人)
フォルザン・ジャムシドネジャド/Forouzan Jamshidnejad(ファテメ:サイードの妻)
Mesbah Taleb(アリ:サイードの息子)
Maryam Taleb(ハディジェ:サイードの娘)
Firouz Agheli(ハジ:ファテメの父)
Sina Parvaneh(ロスタミ:警察署長)
■映画の舞台
2000年代初頭
イラン:マシュハド
ロケ地:
イラン:
Jordan/ヨルダン
https://goo.gl/maps/gWmdRhmqQqXrG7va7
■簡単なあらすじ
イランの聖地マシュハドにて、売春婦ばかりが狙われる殺人事件が勃発していた
同じ手口で行われ、犯行声明まで出ているものの、一向に捕まる気配はない
ジャーナリストのラヒミは現地を訪れ、友人のシャリフィとともに取材を重ねていく
シャリフィは犯人からの声明を録音していて、犯人は「この町を汚す娼婦を粛清している」と宣う
また、忠実に記事にすることを望んでいて、どのように報道されたかを毎日のように確認していた
ラヒミは娼婦たちに聞けば何かわかるのでは、と取材を重ねるものの一向に情報は得られない
そこで、拉致が行われていると推測される聖堂の近くで不審な人物がいないかを観察することに決めた
テーマ:粛清と世論
裏テーマ:正義の連鎖
■ひとこと感想
実在の犯罪者サイード・ハナエイの事件に着想を得た社会派ドラマで、犯人はあっさりと登場します
てっきり、犯人は誰?というミステリーかと思っていたら、実は「犯行は正義か否か」というとんでもない方向に展開していきます
シャリフィ以外の男性の男尊女卑感が露骨で、警察の担当者も露骨なセクハラ紛いを行なっていきます
そう言った世界に慣れているラヒミはうまいこと利用しますが、そういったことよりも、事件に対する世論や家族の反応というものがえげつないなあと思いました
娼婦を粛清するという名目がありながら、買う方には何のお咎めもないのですね
その辺りは完全にスルーになっていて、メッセージ性を強めているのか弱めているのかわからない感じになっていました
↓詳しいレビューはこちらから
■関連リンク
Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://movies.yahoo.co.jp/movie/386219/review/82f25fc5-7c61-4f44-9451-b4de634cbb1f/
公式HP:
https://gaga.ne.jp/seichikumo/
■Villege/ヴィレッジ
■オススメ度
閉鎖社会の闇を体感したい人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2023.4.21(イオンシネマ京都桂川)
■映画情報
情報:2023年、日本、120分、PG12
ジャンル:父の死によって村社会で孤立する青年を描いた社会派ヒューマンドラマ
監督&脚本:藤井道人
キャスト:
横浜流星(片山優:ゴミ最終処分場で働く青年)
(幼少期:伊藤りゅうと)
黒木華(中井美咲:東京から帰って来た優の幼馴染)
(幼少期:松本あかり)
一ノ瀬ワタル(大橋透:優の先輩作業員)
古田新太(大橋修作:透の父、霞門村の村長)
中村獅童(大橋光吉:修作の弟、薪能の使い手)
木野花(大橋ふみ:修作と光吉の母)
奥平大兼(筧龍太:優の後輩作業員)
作間龍斗(中井恵一:美咲の弟)
戸田昌宏(中井洋平:美咲の父)
淵上泰史(片山大輔:事件を起こした優の父)
西田尚美(片山君枝:優の母、ギャンブル狂)
杉本哲太(丸岡勝:不法投棄を繰り返すヤクザ)
■映画の舞台
霞門村(架空)
ロケ地:
京都府:亀岡市
亀岡へき亭
https://maps.app.goo.gl/H61jH4UPXVak542i9?g_st=ic
京都府:南丹市
琉雅亭・るり渓観光農園
https://maps.app.goo.gl/aTqX34hdjzrmpCxu9?g_st=ic
知井八幡神社
https://maps.app.goo.gl/JKk8JNtdeBzX5CqL8?g_st=ic
兵庫県:神戸市
神戸市環境局 事業部西クリーンセンター
https://maps.app.goo.gl/VkfXnLHRogSAP7JQ8?g_st=ic
栃木県:栃木市
岩船山石場撮影所
https://maps.app.goo.gl/ACdFgo8GaYCsL49P8?g_st=ic
■簡単なあらすじ
山奥にある集落に住む片山優は、かつて父を犯した罪によって、7年経った今でも村民たちから疎まれていた
村には巨大なゴミ処理施設があり、優の仕事はリサイクルにまつわる分別がメインで、夜には秘密裏の仕事をしていた
村は大々大橋家が村長を引き継ぎ、今は修作が担っている
地元の副知事たちと懇親会を開きながらすり寄る手腕は見事で、処理施設の誘致と補助金によって、村の財政はなんとか賄ってこられた
ある日、優の幼馴染である美咲が帰省し、村の役場で働くことになった
美咲は環境に優しい村をアピールしようと考えていて、その広報役に優を推す
だが、村のみんなは優の器用に否定的で、美咲に気がある透は優だけが特別視されることを腹立たしく思っていた
テーマ:権力の存続
裏テーマ:支配構造と人間性
■ひとこと感想
閉鎖された村で起こる惨劇と言うイメージを持っていましたが、昔起きた事件を数年も引き摺る中で、新たな火種が勃発すると言う内容になっていました
ゴミ処分場の利権とまでは言いませんが、それによって雇用が生まれている現実がありながら、そこで働くのは一部の村人と訳ありが集められていました
そんな中にいる優は、かつて処理場反対だった父の行動によって村八分にされていて、父の犯罪によって末代まで行動に制限が出るのか、と言う問題を突きつけます
優は美咲の望み通りの結果を出していきますが、その反面で背負うものが大きくなっていきます
優が村にとってどんな存在になっていくのかを見守る物語ではありますが、それに付随して、権力が生まれていく過程というものが描かれていきます
ゴミで生きている村で、本当のゴミは何なのか
それはラストシーンのある男の行動によって描かれていると言えるのではないでしょうか
↓詳しいレビューはこちらから
【映画感想】Village/ヴィレッジ【後半:ネタバレあり】
■関連リンク
Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://movies.yahoo.co.jp/movie/382909/review/b7334836-6bc4-4d43-aad9-344fe260b12f/
公式HP:
https://village-movie.jp/
■東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 –運命–
■オススメ度
原作ファンの人(★★★)
前作を観た人(★★★)
演者のファンの人(★★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2023.4.21(イオンシネマ京都桂川)
■映画情報
情報:2023年、日本、90分、G
ジャンル:恋人の死を止めるためにタイムリープを繰り返す青年を描いたラブロマンス&ヤンキー映画
監督:英勉
脚本:高橋泉
原作:和久井健『東京リベンジャーズ』
キャスト:
北村匠海(花垣武道/タケミチ:恋人ヒナを救うためにタイムリープを繰り返す青年)
吉沢亮(佐野万次郎/マイキー:東京卍會の総長)
山田裕貴(龍宮寺堅/ドラケン:東京卍會の副総長)
今田美桜(橘日向/ヒナタ:事故死するタケミチの彼女)
杉野遥亮(橘直人/ナオト:ヒナタの弟、タケミチのタイムリープの鍵)
鈴木伸之(清水将貴/キヨマサ:参番隊隊員→前回で破門、ぼったくりバーの店主)
眞栄田郷敦(三ツ谷隆/インパルス:弐番隊隊長)
永山絢斗(場地圭介:芭琉覇羅に移る元壱番隊隊長)
村上虹郎(羽宮一虎:芭琉覇羅に移っている元東京卍會の創設者の1人)
清水尋也(半間:芭琉覇羅のNo2)
高杉真宙(松野千冬/ゴキ:壱番隊副隊長)
間宮祥太朗(キサキ:メビウスから東京卍會に移ってきた男)
■映画の舞台
東京のどこか
ロケ地:
東京都:大田区
大坊本行寺
https://maps.app.goo.gl/F978s2dYKAJpw9Zd8?g_st=ic
東京都:北区
滝野川稲荷湯
https://maps.app.goo.gl/As1dxJjjeeErvdAJ6?g_st=ic
■簡単なあらすじ
前作にて、キヨマサを止めてドラケンを助け出したタケミチは、大人になったヒナとドライブデートをすることになった
ぎこちない中、2人の思い出の湾岸に来た2人だったが、その場所でタケミチがヒナを振ったと言われ動揺してしまう
トイレから戻ったタケミチがヒナを探していると、彼女の乗った車にアッくんが運転する車が激突して炎上してしまう
助けに行こうとするものの、事故で大怪我を負ったヒナはタケミチを車外へ突き飛ばし、そして車ごと炎上して死んでしまった
タケミチはヒナの弟・ナオトとともに「変えられなかった運命」に抗うために、死刑囚となっていたドラケンに会うことになった
そして、彼から東京卍會がおかしくなっていった経緯を聞く
だが、そこにはタケミチの覚えのない男・キサキの存在が浮上する
そこでタケミチは、東京卍會のトップになって、運命を変えようと抗うのであった
テーマ:変えられない運命
裏テーマ:暗躍の先にある真意
■ひとこと感想
前作で一件落着とはいかないことは知っていましたが、原作未読なので「どこに向かうかわからない物語」にワクワクしてしまいますね
でも、「血のハロウィン編」は二部作になっていて、思いっきり「次回に続く」という感じに終わっていました
公開が6月末ですか
もう少し早く観たいですね
映画は、タイムリープして運命を変えようとするタケミチを描き、今度は「東京卍會のトップになろう」という無茶なミッションにチャレンジします
過去に戻ったタケミチの前に立ちはだかるのが、前作の敵・メビウスから東京卍會に合流することになったキサキで、現代パートでもインテリヤクザのような風貌で暗躍するタイプになっていました
そのキサキの東京卍會入りを阻止したいタケミチはマイキーと約束を交わすのですが、本作では東京卍會が真っ二つに割れた経緯を紐解いていきます
芭琉覇羅と東京卍會の決戦を前にした前哨戦になりますが、週刊誌のような見事な「引き」にうまいこと引っ張るなあと思ってしまいました
↓詳しいレビューはこちらから
【映画感想】東京リベンジャーズ2 血のハロウィン/運命【後半:ネタバレあり】
■関連リンク
Yahoo!映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://movies.yahoo.co.jp/movie/384249/review/c6514c8f-5224-4a0b-9d6f-97851f217319/
公式HP: