■映画鑑賞まとめ■
10月、第3週(2024.10.12~2024.10.20)
■二つの季節しかない村
■オススメ度
一人相撲をしている男に興味がある人(★★★)
トルコの風景に興味のある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2024.10.15(アップリンク京都)
■映画情報
原題:Kuru Otlar Üste(乾いた草について)、英題:About Dry Grasses(乾いた草について)
情報:2023年、トルコ&フランス&ドイツ、198分、G
ジャンル:村を出たい教師に降りかかる災難を描くヒューマンドラマ
監督&脚本:ヌリ・ビルゲ・ジェイラン
キャスト:
デニズ・ジェリオウル/Deniz Celiloglu(サメット/Samet:イスタンブールに行きたい東アナトリアの美術教師)
メルベ・ディズタル/Merve Dizdar(ヌライ/Nuray:隣村の教師、テロで片足を失う)
ムサブ・エキチ/Musab Ekici(ケナン/Kenan:サメットのルームメイト、同僚の社会科教師)
エジェ・バージ/Ece Bagci(セヴィム/Sevim:サメットの女生徒)
オヌル・ベルク・アルスランオウル/Onur Berk Arslanoglu(ベキル/Bekir:赴任して間もない校長先生)
エルフ・ウルセ/Elif Ürse(サイメ:抜き打ちの手荷物検査をする副校長)
エルデム・シェンオジャク/Erdem Senocak(トルガ/Tolga:告発の真相を知るサメットの同僚の教師)
エリト・アンダチャム/Elit Andaç Çam(フィルデヴス/Firdevs:トルガをフった女性教師)
ナラン・クルチム/Nalan Kuruçim(ケブセル/Kevser:噂好きの女性教師)
ユクセル・アクス/Yükusel Aksu(ヴァヒト/Vahit:獣医、サメットの友人)
ミニュル・ジャン・ジンドルク/Münir Can Cindoruk(フェイヤズ/Feyyaz:落伍者と揶揄されるサメットの友人)
ユルドルム・ギュジュク/Yildirim Gücük(教育部門長)
フェルハト・アクグン/Ferhat Akgün(アタカン/Atakan:告発に対応する指導顧問、カウンセラー)
ジェンギズ・ボズグルト/Cengiz Bozkurt(ナイル/Nail:学校の用務員)
Birsen Sürme(アイリン/Aylin:ケナンを告発する女生徒)
■映画の舞台
トルコ、
東アナトリア地方:インジェス村
ロケ地:
トルコ:エルズルム
インジェス村/Asagi Incesu
https://maps.app.goo.gl/7a2z1TkTN6CbhYs69?g_st=ic
ネムルト山/Nemrut
https://maps.app.goo.gl/EzjxMZmeP4NtMmQ59?g_st=ic
カラクス古墳/Karakus Tumulus
https://maps.app.goo.gl/1RUJfasVfjdkymWb7?g_st=ic
ディヤディン渓谷/Diyadin Kanyonu
https://maps.app.goo.gl/Rf87gFSHLscftade9?g_st=ic
■簡単なあらすじ
インジェス村の音楽教師のサメットは、いつかこの村を出て、イスタンブールに行きたいと考えていた
休暇を終えて村に戻ったサメットは、同僚のルームメイト・ケナンとくだらない話をしながら、獣医のヴァヒトの元に行っては、悪友のフェイヤズたちと酒を酌み交わしていた
サメットは成績優秀の生徒セヴィムを特別扱いしていて、土産品のコンパクトミラーを渡したりしていたが、男子生徒からはそれが差別だと非難されてしまう
そんな折、急な持ち物検査が行われ、セヴィムの机から私用のノートとラブレターが見つかってしまう
問題視する校長と副校長だったが、サメットは自分からそれを返却すると言ってその手紙を預かった
だが、セヴィムには破り捨てて無いと嘘をつき、それによって、事態は思わぬ方向へと向かってしまうのである
テーマ:自業自得
裏テーマ:人を見誤ることの代償
■ひとこと感想
ポスタービジュアルの少女の表情が印象的で、どんな映画かわからないまま鑑賞
とりあえず3時間越えということだけ頭に入れて、トイレに行かずに済むようになんてことを考えていましたね
でも、それは杞憂のような感じで、198分もあるようには感じませんでした
映画は、東トルコの奥深い集落が舞台になっていて、そこに嫌々赴任している先生が主人公となっていました
いつかは出ていくことを考えていますが、意外なほどに生徒から好かれていて、それが大きな波紋を生んでいくことになっていました
えこひいきからの勘違いなのか、単に人の心が読めていないからなのかは分かりませんが、彼が手紙を返そうとしなかった理由は分かりません
また、その手紙が誰宛のものかはわからないのですが、彼が破り捨てずに取っていることに意味はあるように思います
映画では、ラスト近辺でいきなり「メタ構造」になっていて、何が起こったのかは分かりませんでした
あの場面はサメットの動揺を意味しているのだと思いますが、唐突すぎて意味が分かりませんでしたね
↓詳しいレビューはこちらから
■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/99298/review/04373236/
公式HP:
https://www.bitters.co.jp/2kisetsu/
■西湖畔に生きる
■オススメ度
マルチ洗脳の怖さを体験したい人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2024.11.17(京都シネマ)
■映画情報
原題:草木人间(草と木の世界)、英題:Dwelling by the West Lake(西湖畔のそばに住む)
情報:2023年、中国、115分、G
ジャンル:マルチ商法にのめり込んだ母とその息子を描くヒューマンドラマ
監督:グー・シャオガン
脚本:グオ・シュアン&グー・シャオガン
原作:『秦岭四库全书』に所収「草木人间(2015年)」
キャスト:
ウー・レイ/吴磊(ヘ・ムーリェン/何目莲:失業中の青年)
ジャン・チンチン/蒋勤勤(タイホア/吴苔花:ムーリェンの母、マルチ商法にハマる元茶摘み)
チェン・ジェンビン/陈建斌(ラオ・チェン/老钱:茶摘み畑の社長)
チェン・クン/钱坤(ドン・ジンラン/董金兰:タイホアの友人、茶摘みの同僚)
ヤン・ナン/闫楠(ドン・ワンリ/董万里:セミナーの司会者、ジンランの弟)
スン・チャン/孙强(ムーリェンの叔父)
【バタフライ社関連】
ワン・ジアジャ/王佳佳(ワン・チン/万晴:会社の広告塔)
リャン・ロン/梁龙(ルオ・ゾン/罗总:マルチと騒ぐ老人)
シュエ・ペン/薛影(マ・ワンシン/马晴啊:会社の女性幹部、マネージャー)
ウー・ビ/吴彼(ウー・ビグイ/吴彼贵:マネージャー、マ・ワンシンの弟)
ジュ・ボザン/鞠帛展(チャン・ヨン/张勇:船のイベントの司会)
チャン・ウェン/张楚文(チャン・レレ/張乐乐:独身女性)
リー・イートン/李东甜(チェン・シャオユアン/陈小媛:眼鏡っ子)
フー・チャオファン/付超凡(チャン・ホンギ/张宏义:七三分の男性)
へ・ジリ/何籽乐(リ・メンリン/李美鈴:グラサンの女)
ワン・ホンウェイ/王宏伟(ワンゾン/王总:健康センターのマネージャー)
ワン・チュアン/王川(ダリン/大林:ムーリェンのクラスメイト、健康センターの同僚)
ウー・バイ/五百 (ハン警官/杭警官:通報を受けて駆けつける警察)
■映画の舞台
中国:杭州市
西湖周辺
ロケ地:
上に同じ
■簡単なあらすじ
中国の抗州にある茶畑にて働いているタイホアは、畑の持ち主のチェンと恋仲にあったが、息子のムーリェン、チェンの母から反対されていた
とうとう追い出されることになったタイホアは、一緒に辞めた友人のジンランとともに、彼女の弟ワンリーが関わっている「健康食品の販売代理店」の説明会に参加することになった
そこでは、販売実績を上げてマネージャーに昇格すると、1080万元を褒賞として渡されるというもので、その日も昇格することになったイェホンが大金の海に祝福されていた
足裏に貼るテープを販売する事業だったが、販売者は会社から購入する必要があり、そのロットは最低21ケースと言われてしまう
また、新しく参加者を見つけてきた者は褒美が出る仕組みになっているようで、顧客の拡大とともに販売員をも拡充される職務を負うことになっていた
人が変わったような母を見て、ムーリェンは詐欺に関わっていると説明しても聞く耳を持たず、全財産を売り払ってまで商品を買い込んでいた
ムーリェンは母を説得することができず、仕方なく母の仕事ぶりを見学することになった
だが、そこは想像上にヤバい世界で、ムーリェンは何とかして母親の目を覚まさせたいと考えるようになっていった
テーマ:お金で買える承認欲求
裏テーマ:陶酔しか逃げ場のない人生
■ひとこと感想
ポスタービジュアルとタイトルの印象だと、山奥で自然に囲まれた牧歌的な話なのかなと思っていましたが、蓋を開けると「ヤバさ全開」のマルチ商法の内ゲバ問題になっていました
洗脳系セミナーを体験したことがある身から言えば、あまりにもリアルすぎて引くという感じで、トリガーが外れていく様子を演じた母親役のジャン・チンチンはエゲツないなあと思いました
冒頭のツアーバスに乗っている客をしっかり覚えておくと面白みが増すのですが、特に参加者に見えないモブっぽい人が重要人物として再登場してきます
これから見る人のためのヒントを言うならば「窓際で外を眺めている男性」と、「おっさん二人組の禿頭の方」と言うところでしょうか
出てきた瞬間に「仕込みエグ」と思いましたが、本当の洗脳系はもっと手が込んでいると言えます
洗脳セミナーでは「使ってはいけない心理テクニック」満載と言う感じになっていて、映画では四方八方から責め立てられて精神的に疲弊になって、自己嫌悪を暴露するとか、それを達成した時の賛美というものは強烈でしたね
中盤では「ほぼ女ジョーカー誕生」みたいなシーンがあるのですが、本当にヤバい演技をこなしているなあと感心してしまいました
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■関連リンク
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■室井慎次 敗れざる者
■オススメ度
これまでのシリーズのファンの人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2024.10.16(MOVIX京都)
■映画情報
情報:2024年、日本、115分、G
ジャンル:隠居した元警察官僚が事件に巻き込まれる様子を描いたクライムミスエリー
監督:本広克行
脚本:君塚良一
キャスト:
柳葉敏郎(室井慎次:引退した元警察官僚、管理官)
福本莉子(日向杏:室井の元に転がり込んでくる女の子)
齋藤潤(森貴仁/タカ:慎次が里親となって育てている少年、被害者の息子)
前山くうが&前山こうが(柳町凛久/リク:慎次が里親となって育てている少年、加害者の息子)
緋菜&千尋(シンペイ:室井の愛犬)
松下洸平(桜章太郎:警視庁刑事部、捜査1課)
甲本雅裕(緒方薫:警視庁刑事部、捜査1課)
西村直人(仁狩英明:警視庁刑事部、管理官)
赤ペン瀧川(明石幸男:管理センター)
筧利夫(新城賢太郎:秋田県警察、本部長)
平島厚志(三波:秋田県警の警察官)
矢本悠馬(乃木真守:秋田県警の巡査)
真矢ミキ(沖田仁美:警察庁長官、官房審議官)
升毅(坂村正之:長官補佐)
生駒里奈(奈良育美:タカの加害者の弁護士)
丹生明里(大川紗耶香:タカの同級生)
佐々木希(森麻絵:タカの母)
稲森いずみ(松本敬子:児童相談所の総務部長)
松本岳(端野則次:児童相談所の職員)
遠山俊也(森下孝治:刑務所の職員)
小沢仁志(石津百男:牧場の経営者)
飯島直子(石津紀子:百男の妻)
木場勝己(長部音松:地区長)
いしだあゆみ(市毛きぬ:商店の店主)
■映画の舞台
秋田県:大仙市
ロケ地:
新潟県:十日町市
ミティラー美術館(室井宅)
https://maps.app.goo.gl/uXccwzPFYSSVXDc89?g_st=ic
越後麦有ごちそう家ごったく
https://maps.app.goo.gl/dZcWUXe3gVk8mqmY6?g_st=ic
新潟県:魚沼市
ゆーパーク薬師
https://maps.app.goo.gl/V2Y96BJr4jJmge8B8?g_st=ic
秋田県:仙北市
秋田県立角館高等学校
https://maps.app.goo.gl/uU1ZeP8v1tMvmpVz7?g_st=ic
田村商店
https://maps.app.goo.gl/vJPX8dkoPdQ5e2Uw6?g_st=ic
■簡単なあらすじ
警察組織から身を引いた元警察官僚の室井慎次は、地元の秋田の集落にて居を構えていた
そこで、事件の被害者、加害者の子どもを預かって、里親として暮らし始めていた
高校生になるタカは母親を殺された被害者遺族で、小学生のリクは加害者の息子だった
ある日、室井が住む家の向かいにて奇妙な匂いが立ち込めるという事件が起こる
地元の警察官がそこを掘り起こすと、推定2週間とされる遺体が発見された
そして、その死体は、東京で起きた特殊詐欺グループの一員で、室井がかつて担当した事件の犯人の一味でもあった
秋田県警に加えて、警視庁まで現場を訪れることになり、第一発見者として、室井も捜査に協力せざるを得なくなる
そんな折、室井の家の周辺で不審者が見掛けられる
追いかけたタカは、相手が女の子だったと言い、その女の子は室井の家の納屋に潜り込んでいたのであった
テーマ:因果応報
裏テーマ:終わらない事件
■ひとこと感想
テレビシリーズから観てきて、おそらくはテレビのスペシャル版も劇場版も観ていたリアルタイム世代ではありますが、本編では懐かしの過去映像が登場しまくる流れになっていました
それはそれで良いのですが、あまりにも登場しすぎるので、本作は室井という人物がどのような人だったかを思い出してもらうためのもののように感じてしまいます
映画では、過去の事件がそのまま地続きになっているという感じで、その事件を知っていないと面白みがほぼないという感じになっています
キャストではリク役が二人いるのですが、どうやら二人一役に見えるのですが、後半は実はという展開を迎えると想います
また、室井の元を訪れる杏は「思いっきり日向真奈美の娘」という感じに隠す気がないように演出されていました
前半は、本当に事件が起きて、容疑者っぽい人がたくさん登場する流れになっていて、捜査に加わるところまでという感じになっています
青島が登場することはないので、その代わりに松下洸平が演じる新キャラの桜章太郎が最後に登場する流れになっていたように思えました
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■関連リンク
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https://eiga.com/movie/101442/review/04379255/
公式HP:
■チャチャ
■オススメ度
伊藤万理華の不思議な感じが好きな人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2024.10.17(MOVIX京都)
■映画情報
情報:2024年、日本、108分、G
ジャンル:気ままに生きている女性とそれが気になる男性を描いたラブコメ映画
監督&脚本:酒井麻衣
キャスト:
伊藤万理華(チャチャ:人目を気にせずに自由に生きる女、イラストレーター)
中川大志(樂:チャチャに興味を持つ青年、レストランの店員)
藤井隆(デザイン事務所「Edge」の社長)
落合モトキ(大下:ディレクター)
藤間爽子(凛:デザイナー&営業)
中島侑香(カナ:デザイナー)
佐々木史帆(マミ:デザイナー)
小林亮太(青木:アシスタントデザイナー)
福山翔大(山田:レストラン「ビストロBAU」の店長)
原菜乃華(ポストさん/ひまわりさんの声)
檀鼓太郎(電柱さんの声)
梶裕貴(黄色いお花さんの声)
ステファニー・アリアン(ピオ/ピオニー:英語教室「向日葵ENGLISH」の先生)
塩野瑛久(護:ピオニーの恋人)
川瀬陽太(飲食店の店員)
松井玲奈(飲食店の店員)
池田大(飲食店の店員)
■映画の舞台
都内某所
ロケ地:
東京都:武蔵野市
HOME PLANET 吉祥寺
https://maps.app.goo.gl/XEKqo3LvjmtREb3i8?g_st=ic
■簡単なあらすじ
デザイン事務所の社長に気に入られているチャチャは、同僚から妬みを持たれても気にせずに自由に生きていた
事務所には多くのデザイナーが在籍していたが、面白そうな案件はすぐに彼女の元に届いてしまう
そんな様子を眺めている同僚の凛は密かに社長のことを想っていて、二人が男女の関係なのかを気にしていた
ある日、ビルの屋上で寝ていたチャチャは、そこで同じビルの飲食店の店員・樂と出会う
どうやら先輩か上司に怒られていたようで、彼はそこで店の鍵を落としていた
チャチャはそれを拾って届けると、「お礼は?」と問いかける
樂は何かを考えながら、食事に誘うことに決めた
だが、チャチャはそんなものよりも、あの時に美味しそうに飲んでいた飲み物を欲しいと言い出す
そこで樂は、事務所にそれを届けに行くものの、直接渡さずに、凛にそれを託してしまうのであった
テーマ:奔放の先にある束縛
裏テーマ:気ままに生きることの難しさ
■ひとこと感想
ポスタービジュアルとゆるい予告編の印象だけで参戦
どうやらオリジナルのようで、自由な女性と彼女が気になる青年との恋愛映画になっていました
常に監視している存在・凛がいて、彼女がストーリーテラーの役割をしていて、いろんなところに首を突っ込んでいく様子が描かれます
あの社長のどこが良いのかはわかりませんが、人の好みはそれぞれで、実際にはどうなのかなんてのは聞いてもわからないものだったりします
映画は、気ままに生きるチャチャの影響を受けた樂がとんでもない行動に出るのですが、想い人がいるのにチャチャと関係を持ったりと、意外なほどに強烈なキャラクターになっていました
目的が達成できてなくても執着がなくなったりと、それを気ままと言うのかは何とも言えないところがありますね
ともかく、ゆるーい話が好きな人向けで、まったりと睡眠学習に向かってしまう危うさも同居しているように思えました
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■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/101754/review/04379256/
公式HP:
https://notheroinemovies.com/chacha/
■はじまりの日
■オススメ度
音楽による再生の物語が好きな人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2024.10.17(MOVIX京都)
■映画情報
英題:A Day Begins
情報:2024年、日本、107分、G
ジャンル:落ちぶれたロックシンガーと不遇な音楽女子の邂逅を描いた音楽映画
監督&脚本:日比遊一
キャスト:
中村耕一(かつてロックスターとして一世風靡した「男」、清掃会社勤務)
遥海(「女」:男の隣人、職場の同僚)
高岡早紀(「女」の母)
尚玄(「女」の父)
麿赤兒(アパートの大家)
羽場裕一(清掃会社の人事部長)
山口智充(寺田:「男」の同僚)
宍倉秀磨(翔太:寺田の息子)
鈴木美羽(「男」の娘)
竹中直人(矢吹:音楽プロデューサー)
岡崎紗絵(望月:矢吹のアシスタント)
秋野暢子(裁判官)
■映画の舞台
愛知県:名古屋市
ロケ地:
愛知県:名古屋市
タワーラウンジカシメ
https://maps.app.goo.gl/tPJZuSpi3J22E7kp6?g_st=ic
ジェービースタジオ
https://maps.app.goo.gl/9e4UGETVqSXc9cZU8?g_st=ic
地蔵湯
https://maps.app.goo.gl/aQawDjFG3rvrCExm7?g_st=ic
ライブハウス ボトムライン
https://maps.app.goo.gl/D2AE1FUg3dme44k5A?g_st=ic
MIRAI TOWER
https://maps.app.goo.gl/34udDY8Qbg4b3SqF7?g_st=ic
Hisaya-odori Park
https://maps.app.goo.gl/rQ53Erxs6RZPv3JC9?g_st=ic
喫茶M
https://maps.app.goo.gl/3EMkS3MqbN6yhQrA6?g_st=ic
■簡単なあらすじ
かつて一斉を風靡したロックスターの「男」は、刑期を終えたのち、近くの安アパートに入居することになった
そこには、外国から出稼ぎに来た人や訳ありの人もたくさんいて、隣にはどうやら母と娘の二人暮らしが住んでいるようだった
「男」はいくつかの場所で面接を受けるものの、どこも採用されず、ようやく清掃会社で働けるようになった
そこには、「男」のファンを公言する先輩の寺田をはじめ、隣の部屋の娘こと「女」もそこで働いていた
ある日のこと、「女」が歌っているところに居合わせた「男」は、彼女に才能があると感じ、かつて世話になった音楽プロデューサー矢吹のもとを訪れた
不義理を果たした「男」を冷たくあしらう矢吹だったが、「男」の話に興味を持ったアシスタントの望月は、スケジュールを調整する方向へと動き出した
テーマ:音楽がつなぐ過去
裏テーマ:人生において捨ててはならぬもの
■ひとこと感想
予告編の情報だけ仕入れて鑑賞
懐かしの歌手が訳ありミュージシャンを演じていたので、どんな話になるのかな、と思っていました
主人公には名前がない「男」表記ではあるものの、本人の過去を当て書きしたような感じになっていました
この役を引き受けるに至った経緯はわかりませんが、本作は「女」役の遥海を売り出す意味合いもあったので、そのコラボレーションを実現させたかったのかな、と感じました
映画は、ミュージカル経験もある遥海を起用しているので、何箇所かのミュージカル演出がありましたね
歌唱シーンもたくさんある音楽映画ですが、腑に落ちないのは「英語詞で歌う理由」でしょうか
遥海自身がフィリピン出身で、「女」もハーフを思わせる感じになっていますが、日本語も堪能だったので唐突な英語詞にはびっくりしてしまいました
彼女にファンがついていく過程なども描かれますが、歌っている内容がわからないのに一般大衆が歌声だけで獲得できるのかは疑問に思えました
帰国子女設定で、日頃のコミュニケーションが頼りないけど、歌だと自分を出せるとかなら良いのですが、この内容だと「一生懸命歌っている人に何かしらの感動を覚えているだけ」という感じになっているので、普通に日本語詞にした方が良かったんじゃないかな、と思いました
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■関連リンク
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https://eiga.com/movie/99596/review/04379257/
公式HP:
■まる
■オススメ度
現代アートに興味がある人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2024.10.18(イオンシネマ久御山)
■映画情報
情報:2024年、日本、117分、G
ジャンル:偶然描いた「まる」が独り歩きしてしまう様子を描いた社会派コメディ映画
監督&脚本:荻上直子
キャスト:
堂本剛(沢田:美大卒の現代美術家のアシスタント)
綾野剛(横山:沢田の隣人、売れない漫画家)
吉田鋼太郎(秋元洋治:人気の現代美術家)
吉岡里帆(矢島:沢田の同僚のアシスタント)
戸塚純貴(田中:沢田の後輩のアシスタント)
森崎ウィン(モー:ミャンマー出身のコンビニ店員、沢田の先輩)
おいでやす小田(吉村:沢田の高校時代の同級生)
濱田マリ(沢田のアパートの大家さん)
柄本明(公園で語りかけてくる「先生」と呼ばれる老人)
早乙女太一(土屋:怪しげなアートディーラー)
片桐はいり(古道具屋:小道具屋の店主)
小林聡美(若草萌子:ギャラリー「若草画廊」のオーナー)
後藤仁美(サチコ:土屋プロデュースのアーティスト)
橋本羽仁衣(チカコ:土屋プロデュースのアーティスト)
■映画の舞台
都内某所
ロケ地:
神奈川県:川崎市
川崎リウマチ・内科クリニック
https://maps.app.goo.gl/mFiteHoYwkc1UD7Y7?g_st=ic
神奈川県:藤沢市
フードショップ鈴野
https://maps.app.goo.gl/MLX9vZrAoh7oPQnu7?g_st=ic
神奈川県:横浜市
横浜赤レンガ
https://maps.app.goo.gl/mXktmrqN8aNWAjJA7?g_st=ic
東京都:渋谷区
CARATO71
https://maps.app.goo.gl/Xtb4ebZX4WJwUnzt9?g_st=ic
東京都:台東区
古書 鮫の歯
https://maps.app.goo.gl/gRWUP64weGtHqTqk9?g_st=ic
東京都:中央区
鈴木美術画廊
https://maps.app.goo.gl/bYiqJxSd4yAZrdy9A?g_st=ic
東京都:豊島区
GALLERY 013 NOBLESSE
https://maps.app.goo.gl/zyyHB9uksxouMres6?g_st=ic
■簡単なあらすじ
美大を出て、現代芸術家・秋元のアシスタントに甘んじている沢田は、彼の指示通りに作品を作ることで生計を立てていた
すでに4年が経つものの、独り立ちをできる可能性は低く、時折自分の作品に向き合うくらいだった
ある日、景色に見惚れて自転車事故を起こした沢田は、利き腕を怪我したことで仕事をクビになってしまった
隣人は相変わらず大声で騒ぎ立て、ついには壁を蹴り破ってしまった
その後も何をすることもなく途方に暮れていた沢田は、自宅のキャンバスを這っていた蟻を見つけて、それを囲うようにまるを描いてみた
沢田はそれを行きつけの小道具屋に持っていく
それから数日後、アートディーラーを名乗る土屋という男が訪れ、同じようにまるを描いてほしいと言われてしまう
そして、満足のいくまるが出来上がったら、1枚につき100万円を出す、と言い出すのである
テーマ:空白だから描けるもの
裏テーマ:人生の転機
■ひとこと感想
何気なく「まる」を描いたらいつの間にか大変なことになっていた、という物語で、予期せぬ渦中に放り込まれたらどうなるか、というものが描かれていました
「まる」に「円相」と呼ばれる名前があったことも驚きですが、誰が描いても同じ「まる」になるかは何とも言えない感じになっています
その良し悪しはそれぞれの感覚に委ねられると思いますが、自分にしっくりくる「まる」を描ける人というのは限られているのかもしれません
映画では、売れない漫画家と絡むシーンが多く、彼が「ニセ沢田」として便乗する様子が描かれていました
それで何かが変わるということもなく、誰が描いたかとか、ブランド化されたものにしか意味がなかったりします
「まる」がわかっている自分はすごいという感じで、いわゆるファッションアートというものになっていました
それを仕掛けたのが土屋という人物で、彼は世間が求めているものに敏感で、キャラを演じるということに意味があると考えていました
このあたりはアートを売ることに精通している人の感覚になっていて、それとなくわかるような感じに描かれていましたね
土屋自身もブランド化しているところがあり、それがうまく作用すれば波に乗れると言えるのかもしれません
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■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/101747/review/04381663/
公式HP:
■破墓/パミョ
■オススメ度
韓国オカルト系ホラーが好きな人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2024.10.18(イオンシネマ京都桂川)
■映画情報
原題:파묘(パミョ)、英題:Exhuma(掘り起こす)
情報:2024年、韓国、134分、PG12
ジャンル:悪地の墓を巡って奇想天外な出来事に巻き込まれる風水師を描いたホラー映画
監督&脚本:チャン・ジェヒョン
キャスト:
チェ・ミンシク/최민식(キム・サンドク/김상덕:明堂と呼ばれる土地を探す風水師、名前の由来は独立運動家のキム・サンドク)
ユ・ヘジン/유해진(コ・ヨングン/고영근:葬儀師、サンドクの同僚、名前の由来は乙未事変のコ・ヨングン)
キム・ゴウン/김고은(イ・ファリム/이화림:熟練のシャーマン、名前の由来は独立運動家のイ・ファリム)
イ・ドンヒョン/이도현(ユン・ボンギル/윤봉길:ファリムの弟子、シャーマン、名前の由来は医師のユン・ボンギル)
キム・ジェチョル/김재철(パク・ジヨン/박지용:LA在住の裕福な依頼人)
ユン・グラン/이영란(パク・ジョンスン/박종순:ジヨンの父、名前の由来は大韓帝国の政治家パク・チェソン)
イ・ヨンラン/박정자(ジヨンの母)
チョン・ユンハ/정윤하(ジヨンの妻)
キム・ソンヨン/김선영(オ・グァンシム/오광심:ファリムの先輩のシャーマン、名前の由来は抗日武装闘争の指導者オ・グァンシム)
キム・ジアン/김지안(パク・ジャヘ/박자혜:ファリムの妹分のシャーマン、名前の由来は独立運動家のパク・ジャヘ)
■映画の舞台
アメリカ:ロサンゼルス郊外
韓国:江原道郊外
ロケ地:
韓国のどこか
■簡単なあらすじ
LA在住の韓国系アメリカ人の富豪唐依頼を受けたシャーマンのファリムとボンデルは、依頼人ジヨンの家系に起きていることは「墓」に原因があることを突き止めた
そこで、風水師のサンドクと葬儀師のヨングンを頼ることになり、彼らの先祖が祀られている韓国の江原道の奥地へと足を踏み入れることになった
その墓にはジヨンの祖父が葬られていて、それを他に移すか、火葬するかを選ぶことになった
祖母は火葬に反対だったが、家系のことを重んじて、それを承諾する
だが、火葬は雨の日には行えず、晴れの日を待つまで、遺体安置所に寝かせておくことになった
一方その頃、墓の掘削作業員の一人チョンミンは、掘り起こした墓の中で奇妙な蛇を見つけて殺してしまう
それによって、何かが目覚めてしまい、安置所の棺の中から得体の知れない何かが蘇ってしまうのである
テーマ:家系を繋ぐ埋葬
裏テーマ:歴史を封印する楔
■ひとこと感想
墓を掘り起こしたらヤバいものが見つかった系かなと思っていたら、悪地には思えない場所に埋葬したのに何かに憑かれてしまっている一族の秘密を探るものになっていました
韓国からアメリカに渡って成功した一族の末裔が奇妙な病に罹っているというもので、それを調べたシャーマンがその謎を解くのですが、それを何とかするには専門家が必要という流れになっていました
ビジネスで繋がっているシャーマンと風水師、そして葬儀師が手を合わせることによって、悪地に埋葬されたものを正しい場所に移す様子が描かれていました
その墓に何があるのかというテイストで進みますが、まさかの展開になっていてびっくりしてしまいましたね
流石にそれはあかんやろというもので、さらにそれが置かれた理由などが描かれていくのですが、そこからの展開はなかなか興味深いものがありました
全部で「6章」から成っていましたが、章立てに関しては、そこまで深い意味があるようには思えませんでした
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■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/102078/review/04381664/
公式HP:
https://pamyo-movie.jp/index.html
■国境ナイトクルージング
■オススメ度
青春映画が好きな人(★★★)
■公式予告編
鑑賞日:2024.10.18(MOVIX京都)
■映画情報
原題:燃冬(燃える冬)、英題:The Breaking Ice(氷を砕く)
情報:2023年、中国&シンガポール、100分、G
ジャンル:中国と朝鮮半島の国境地帯で出会う男女3人を描いた青春映画
監督&脚本:アンソニー・チェン
キャスト:
チョウ・ドンユイ/周冬雨(チョウ・ナナ/周娜娜:元フィギュアスケータの観光ガイド)
リウ・ハオラン/刘昊然(イ・ハオファン/李浩丰:友人の結婚式のためにその土地に出向く青年、金融機関勤務のエリート)
チュー・チューシャオ/屈楚萧(ハン・シャオ/韩萧:ナナの男友達、料理店手伝い)
■映画の舞台
中国と朝鮮半島の国境にある「延吉」
https://maps.app.goo.gl/ieVecLc2Q7uaSj3S6?g_st=ic
長白山天池
https://maps.app.goo.gl/KYBwQtsUCVCpRrPT8?g_st=ic
ロケ地:
上に同じ
■簡単なあらすじ
上海の金融機関に勤めているハオファンは、友人の結婚式のために延吉市へとやってきていた
式の最中も心理カウンセラーからの予約の催促の電話が入りうんざりしていて、彼はとうとう結婚式を抜け出して、ツアーバスに紛れ込んでしまった
ツアーは、ガイドのナナが観光客を楽しめせていて、ハオファンが無断で紛れていることも黙認してくれていた
その後、ハオファンは携帯を盗まれたことに気づき、ナナを頼ることになった
ナナには腐れ縁の友人シャオがいたが、シャオはずっとナナのことを想っていた
だが、ナナにはその気がなく、いつもはぐらされてしまっていた
その日、飲み明かしたハオファンは寝坊してしまい、1日1便しかない飛行機に乗り遅れてしまう
シャオは「数日休んで遊んだら?」と言い、ハオファンは流れに任せることになった
テーマ:置き去りにしたいもの
裏テーマ:持って帰ったもの
■ひとこと感想
中国と朝鮮半島の国境付近を舞台にして、男女の中になれない二人と、その間に入ってしまう青年を描いていました
ナナとシャオは気心の知れた仲で、ナナはシャオが自分に気があることは知っています
でも、それ以上の関係になることを拒み、シャオをけしかけているように見えて、やんわりと断っていました
この微妙な距離感になったのがナナのスケーター時代のケガで、それ以来空虚なナナをシャオでは埋めることができなかったのだと思います
そんな二人の間に入ることになったハオファンは、精神的にかなり参っていて、その脆さをナナが放っておけないという感じになっていましたね
自分に何かできないかと思っているのですが、ナナ自身も違う土地から来たハオファンならば、何かしらの刺激を得られるのではと考えていました
ナナとハオファンがそう言った関係になるのは自然で、シャオはそれに対して怒りを感じるとかはなかったのですね
あくまでも、自分ができないことをしてくれているというもので、この関係が取りすがりだから遺恨を残さずに済むのかな、と感じました
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■関連リンク
映画レビューリンク(投稿したレビュー:ネタバレあり)
https://eiga.com/movie/102125/review/04384726/
公式HP:
https://www.kokkyou-night.com/